船戸与一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
今週は飲みが続いたので、読むのに時間がかかってしまいましたが、久々の船戸与一の未読作です。
もうほとんど全て読んでしまっており、未読は多分『満州国演義』しかないかな?っていう状態です。でも久々の船戸節を堪能したい!ってコトで、チェック未であった『蝶舞う館』を見つけることが出来てラッキーでした。
これは東南アジア5部作のなかの一つです。
南米3部作のほうが衝撃的で良かったなぁとは思うのですが、東南アジア5部作のほうが円熟しておりますね。相変わらず尖がっておりますが…。
この作品の舞台はベトナムで、中央高原に住む少数民族の武力闘争とベトナムの公安、更に日本のTV局のロケ隊が絡み合って進んでいく物語です。
ベトナム戦争終了30周年記念番組のロケ隊の人々とそのアレンジを行うベトナム在住の日本人。胡散臭いベトナム公安。武力闘争委員会の代表でベトナム名を名乗る日本人。
武力闘争の拠点となるのは、蝶が乱舞する大型の洋館…。
と、道具仕立てはかなり良いかんじです。
ところどころに散りばめらているセリフも、いつものググッとくる船戸節。
安心して楽しむことが出来ました。
でも。
なんで蝶が舞ってるの?
結局なんで誘拐したの?
ネットで配信することで何したかったの?
珍しくその後が書いてあるけど、わざわざ書く意味あったの?
と、不満な点も残ってしまうのでした。
好きだから不満な点も残ってしまうのでした。
『満州国演義』、イッキ読みしたいなぁ…。 -
Posted by ブクログ
かつて文化人類学の学究だった志度正平は、あるできごとをきっかけに民間の破壊工作員となった。
ニューヨークで白人の娼婦ロッサナと自堕落な同棲生活を送っていた志度のもとに新しい依頼があった。
アメリカ巨大鉱業会社から、ペルーの山岳ゲリラの首領抹殺の仕事がきたのだ。
志度は首都リマに向かった。
ペルーの首都リマに到着した志度正平は、自分に酷似した日系の革命家ツトム・オオシタになりすまし、二人のインディオと共にゲリラの進発地チャカラコ渓谷に向け出発した。
4千メートルを超すアンデスの山々を越えていくつかの戦闘に耐え、ゲリラの進発地に潜入した志度を過酷な運命が待ち受けていた。
どうした船戸!うすいよ!全体的にうすい!
文化人類学の設定や志度正平のタフガイぶり、その後のツトム・オオシタ、そして何より最後のオチ(−−)凸
でも船戸作品は男の哲学書、教科書なので読み続けます。他の作品へ期待します。 -
Posted by ブクログ
現在ニュース等でもあまり見かけなくなったアフガニスタン情勢。
少し前まではイスラム原理主義者タリバンが支配し、その前は旧ソ連の後押しを受けた政府の支配下にありアメリカの後押しを受けたムジャヒディンと呼ばれるイスラム教徒との熾烈なゲリラ戦が展開されていた。
この本はそんな旧ソ連勢力対ムジャヒディンの熾烈な戦いが繰り広げられるアフガニスタンの大地を舞台に、元エリート自衛隊員が旧ソ連が開発した世界の武器の常識を覆す新兵器を入手するためにアメリカ情報機関の依頼で侵入する。
しかし、彼の心には消したくても消せない親友への負い目を背負っていた・・・。
そしてそれが友情を大事にしていた彼を変えて今っていた。
一時期世界的な注目を集めていたアフガニスタン情勢もあまり聞かなくなった。
注目を集めていた時期もタリバンと軍閥に関する話題が多く、何故タリバンが生まれ勢力を拡張していったかについてはアメリカとの関係も含めて大きなテーマになっていなかった気がします。
この本を読めばアフガニスタンが持つ、歴史の様々な糸が絡み合っている様子から単純な解決策が成功するのは難しい事がよくわかると思います。
タリバンが政権を失っても今なお混乱が続くアフガニスタン情勢に興味がある方は読んでみると参考になると思います。