船戸与一のレビュー一覧

  • 新・雨月 上 戊辰戦役朧夜話

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    ネタバレ

    <上>2013.9.3~17 <中>2013.9.17~25 <下>2013.9.25~10.7
    「正史」に対して「叛史」という視点で幕末の奥羽越戦争が描かれている。密偵、間諜を使った情報戦や北方政権構想、幕府御金蔵、略奪・凌辱の描写が”当然、あっただろう”と思わせて新しい。特に北方政権構想が実現していれば日本の南北戦争になったはずで、歴史が変わっていたのは確実と思われる。しかし奥羽越には西郷・大久保・岩倉がいなかった・・・

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    2014年09月04日
  • 蝦夷地別件 上

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    18世紀末に起こったアイヌ民族最後の蜂起『国後・目梨の乱』の顛末を、世界的視点を交えて描いた歴史大作。

    蝦夷と呼ばれた極寒の土地。
    そこで平和に過ごしてきたアイヌ民族。
    松前藩が統治するようになり、徐々に厳しい条件を突きつけていく。

    人を人とも思わない扱いをする我らが先祖。
    なんとも情けない…

    上中下の三巻に渡る超大作でもありましたが、言葉が難しくてなかなか読み進めることが出来なかった。(フリガナを打ってくれているので、余計にそれに引っ張られてしまった)

    色々と考えさせられたが、最後関係者がほとんど死んでしまうのが、少し残念。ハッピーエンドがある史実ではないので已む無しとも思いますが…

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    2013年08月03日
  • 新宿・夏の死

    購入済み

    くくりが

    新宿というだけだったか。一つに繋がるようなものを想像していた。

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    2013年06月28日
  • 虹の谷の五月 上

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    123回 2000年(平成12)上直木賞受賞作。社会派小説。セブ島で祖父と2人で暮らすフィリピン人と日本人のハーフ(通称ジャピーナ)の少年が主人公。闘鶏での賞金かせぎ、不正選挙、テロなどを経験して大人の世界へ足を踏み入れていく。フィリピンが舞台なので、日本ではありえない世界観がおもしろい。おすすめ。読み進めるうちに主人公の行動が不道理に思える場面がある。一人称長編作品の欠点かな。

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    2013年05月06日
  • 山猫の夏 【新装版】

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    暴力がまかり通る状況の世界で、
    活躍、暗躍する「日本人」

    2・26事件にかかわった、父親。

    ブラジルへの移民;そして日系人のトラブル。

    インディオの抗争ー独立

    ブラジル型、「ロミオ」と「ジュリエット」

    ロミオは、危機になれば、簡単にジュリエットを裏切る。

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    2013年03月10日
  • 猛き箱舟 下

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    「なんのために」ということを
    失ったとき人間はどうするのか?

    目覚めていく過程;人間であること 
    →そして人間を喪うこと

    隠岐浩蔵(グリスリー) VS 香坂正次

    「1級の人間」→「感情を抑制した人間」
    ;緻密で計画的であること

    ポルサリオ解放戦線
    何かが、力を与えてくれる。
    →最後は、「生きなければならない。」ということ孤独

    判断は、動物的「感」にある。
    シャヒーナという女性の生き方が、
    なんともいえないものがある。

    「革命」に身を投じながら、
    次代の流れの中で、
    その意志を変えざるをえない。

    革命から残されたものは、
    「愛」というものであるが、
    追放という厳しいものがある。

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    2013年03月10日
  • 新・雨月 中 戊辰戦役朧夜話

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    勉強不足で、戊辰戦役がここまで当方区各地で激しい戦いであったという知識はなく、白虎隊の悲劇ぐらいしか知識が無かった。話としては中間であるが故に未だ先が読めないが、主要な登場人物たちが雨の中、月がでているという幻覚を見るということが共通事項としてあり、それが故のタイトルになっていることが分かった。また、史実通りの結末である以上、全体の話としての結末と先行きが見えてはいるものの、主人公たち、三人の行き着く先は未だ見えていない、ただし、作者のことである以上、全てにおいて悲劇が待っていることだけは良く分かる。

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    2013年03月03日
  • 新・雨月 上 戊辰戦役朧夜話

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    記憶が定かではないが、蝦夷地別件からの久しぶりの本邦歴史ものではあるが、蝦夷地別件の様な、いつもの虐げられた民族や人々のレジスタンスとしての蜂起と、その哀れなまでの末路をカタルシスを持って描く、いつもの船戸節を期待したものの、やはり幕府や会津の様な武士では座りが悪い。武士から一般民が武器を手に取るというあたりと、その武器を取り人を動かすという一種の権力に目覚めた農民を描く部分に、多少の片鱗は見られるものの、主役ではないので、今のところ物語の主軸とはなっていない。主人公と思しきものは、長州の密偵と長岡の元博徒、会津の武士。彼らがニアミスを犯しながら物語の収斂に向けてどう動いていくのかが今後の展開

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    2013年02月23日
  • 緑の底の底

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    若さが、大人にぶつかって行く。
    ベネズエラの日系二世のマサオは、
    伝説の白いインディオを探しに、
    密林の奥地へ入って行く。

    知らなかったことを体験して、目覚める。

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    2013年01月23日
  • 猛き箱舟 下

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    うーん、他の方の高評価が理解できません。あの最後で本当に良いの?って思ってしまうのは私だけでしょうか。「砂のクロニクル」の方が断然良いと思いますが…。

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    2012年11月02日
  • 夜来香海峡

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    ネタバレ

    結局良い結末(?)を迎えた登場人物は一人だけ。特に何かが解決した訳でもなく、正直すっきりした読後感ではない。

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    2012年06月18日
  • 夜来香海峡

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    久しぶりの船戸小説。相変わらずのハードボイルド。東北で結婚紹介所を営む主人公、金を持って逃げる中国女、イタリアの車に異様にこだわるヤクザ、昔うでを振るったとび職、東北、北海道を舞台にロシアマフィア、中国ヤクザ、日本のヤクザが金とビジネスを求めて暗躍する。北朝鮮からの嫁斡旋ビジネス。いろんな世界があることはわかるが本の帯にあったような切なくて涙が止まらない、、という世界観ではなかったかな。。

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    2012年04月28日
  • 虹の谷の五月 上

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    主人公の少年がうっかり過ぎていらっとくる場面の多々あるものの、わりとぐいぐい読ませる感じ。
    ずいぶん昔の時代だとは思うものの、現地ではこういったことが起きていたのだと思うと、現在のありがたみが多少わかるかも。

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    2011年09月11日
  • 蝶舞う館

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    今週は飲みが続いたので、読むのに時間がかかってしまいましたが、久々の船戸与一の未読作です。
    もうほとんど全て読んでしまっており、未読は多分『満州国演義』しかないかな?っていう状態です。でも久々の船戸節を堪能したい!ってコトで、チェック未であった『蝶舞う館』を見つけることが出来てラッキーでした。

    これは東南アジア5部作のなかの一つです。
    南米3部作のほうが衝撃的で良かったなぁとは思うのですが、東南アジア5部作のほうが円熟しておりますね。相変わらず尖がっておりますが…。

    この作品の舞台はベトナムで、中央高原に住む少数民族の武力闘争とベトナムの公安、更に日本のTV局のロケ隊が絡み合って進んでいく

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    2011年05月21日
  • 猛き箱舟 上

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    それまでハードボイルド系をあまり読んでこなかったので、
    この本のインパクトは凄かった。これ以降好きなジャンルにハードボイルドが加わった。船戸作品の中では一番好きかな。

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    2011年02月18日
  • 猛き箱舟 上

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    一気に読んだ。面白かった。
    ただ、主人公が復讐を決意する心理をもう少し詳しく書いてほしかったのと、そのせいか主人公が決意して以降、いきなり厳重な警備をかいくぐった暗殺も余裕のスーパーマンになっていることを素直に理解できなかったこと、さいごの復讐についてももっと書いてほしかったところが残念だった。

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    2010年05月09日
  • 非合法員〈新装版〉

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    むか〜しに買ったこのミスの10周年記念だったかの本に「ディック・フランシスは、国内で船戸与一をはずしたのと同じ理由で、アベレージヒッターの選考からはずす」と書いてあったのに、具体的な理由が書いてなかったので、いっちょ読んでみるか!と読んでみたけど、フランシスと船戸与一の接点が全くワカラナイ。

    なんだかキタナイ印象だった、全体的に。
    選んだ本が良くなかった?

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    2009年11月01日
  • 虹の谷の五月 上

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    フィリピンの田舎町が舞台の物語。
    所々にフィリピン人の特徴を上手く捉えている感がありますが、全般的にフィリピンが舞台である必然性があまりないような・・。ちなみに現在フィリピン在住です。

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    2009年10月07日
  • 夜のオデッセイア

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    登場人物は皆、それぞれの過去を背負っており、それなりに興味深いキャラクターではあるのだが、何かが足りずそれぞれの人物に思い入れることが出来ない。それに、人が死にすぎます。人が死ねば劇的だというものではありません。前に読んだ『砂のクロニクル』が抜群に面白かっただけに残念と言わざるを得ない。

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    2009年10月07日
  • 蝶舞う館

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    多数派キン族の支配下、経済成長に沸くベトナム。
    だが中部高原には少数民族モンタニャールの存在がある。
    ベトナム解放三十周年記念番組のロケ中に、女性タレントが誘拐された。
    叛乱の萌芽か。
    元戦場カメラマンとともに、奥地へ向かう菱沼大介。
    そこで目にしたものとは?弾圧と蜂起、壮烈なる魂の黙示録。

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    2009年10月04日