あらすじ
一人前の男になるんだ! 固い決意のもとに、香坂正次は自分の道をつき進んだ。灼熱の砂漠、苛烈な日射しの下に飛び交う銃弾、砲弾、その中での愛、そして挫折。不思議に命をながらえた正次は、ある決意のもとに、裏切りに対する復讐の宴を始めた……世界を舞台に繰り広げられる冒険小説の巨篇。
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Posted by ブクログ
1970~80年代、積極的に海外へ進出する日本企業。
南米、東南アジア、アフリカといった途上国へ進出するとなれば、
ゲリラ、誘拐、政情不安といった「カントリーリスク」がつきものなわけで。
その種のリスクに対処する「日本企業の守護神」隠岐。
その隠岐に憧れ、
一目置かれる男になることを夢見た男・香坂が、
いかにして、高級官僚らを殺し、大井川源流の雪山に死ぬことになったか。
きっかけは、グ・エンザ。
真実はマグレブの容赦ない太陽だけが知っている。
日本の当時の新帝国主義というべき悪辣な海外進出への批判、
他人の痛みを省みない日本人の虚無のフラッシュアウト、
いろいろな意味をもって本書を読むことも可能だと思います。
特にボリサリオ解放戦線公開法廷でのやりとりなど・・・
たった数ヶ月の経験がチンピラ風情の男をここまで返させる過程をじっくり堪能してください。
Posted by ブクログ
この小説の根底にある怒りの描写に多くのページを割いて、極限の怒りを活写している。この小説ほど殆どの登場人物にカタを付けたものはないのではないか。ディスパリュノベルとでも分類するか。。
Posted by ブクログ
チュニジアの民族紛争という、この人しか書かないテーマだが、 相変わらず地に足がついてないというか、リアリティがないというか。 日本に帰ってからの復讐譚は迫力があったが、 とにかくハードボイルド調が暑苦しい。
Posted by ブクログ
刺激を求める若者が、ふとしたことから日本企業の守護神と言われる人物と出会う・・。裏切り、破壊、復習・・。長編だがそのテンポの良さに一気に読破した。
Posted by ブクログ
「なんのために」ということを
失ったとき人間はどうするのか?
目覚めていく過程;人間であること
→そして人間を喪うこと
隠岐浩蔵(グリスリー) VS 香坂正次
「1級の人間」→「感情を抑制した人間」
;緻密で計画的であること
ポルサリオ解放戦線
何かが、力を与えてくれる。
→最後は、「生きなければならない。」ということ孤独
判断は、動物的「感」にある。
シャヒーナという女性の生き方が、
なんともいえないものがある。
「革命」に身を投じながら、
次代の流れの中で、
その意志を変えざるをえない。
革命から残されたものは、
「愛」というものであるが、
追放という厳しいものがある。
Posted by ブクログ
うーん、他の方の高評価が理解できません。あの最後で本当に良いの?って思ってしまうのは私だけでしょうか。「砂のクロニクル」の方が断然良いと思いますが…。