【感想・ネタバレ】海燕ホテル・ブルーのレビュー

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Posted by ブクログ 2011年09月30日

復讐を心に、5年の刑期を終え出所した藤堂は、落とし前をつけに伊豆下田にやって来た。しかし、1人の女との出会いが藤堂の運命を狂わせる。主人公・藤堂が破滅へと向かう姿には、唖然とした。自己破壊欲のあらわれかとも考えたが、女の情念に徐々に蝕まれていったようにも思える。いずれにしても理性では理解し難い世界。...続きを読む船戸さんの描く人間たちはしばしば常軌を逸した行動をとる。本人の理性も野望も、運命の波あるいは時代の波に飲み込まれていく。読者がそこに何を見るか、というのがポイントなのかもしれない。私も考えてみたが、脳味噌が痒くなるばかり。本書は船戸作品の中でもちょっと異色なものだと思う。

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