伏見威蕃のレビュー一覧

  • 暗殺者の潜入 下

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    ネタバレ

    後半になっても期待を裏切ることなくテンポよく物語が進む。
    特にグレイマンがイランに潜入してからは、本来単調になりかねない物語を、複数の組織や様々なかかわりの人物を描きこむことで章ごとに交互に描いて退屈させない。

    基本的には無事に(変更された)ミッションを遂行できるのか?誰と誰が味方となり裏切り者となるのか?最後まで予断を許さず物語がラストまで運ばれる。

    しかもこの作者の巧いのは、軍事アクションとしての武器や装備の描きこみが緻密な一方で、多彩な人物のキャラも描けるし、何よりも下手すると超人的すぎるくらい強いグレイマンを、ユーモアでくるんだキャラとして造形できている事。
    それが物語に深みを与えている。

    年に一作のペースらしいので次の作品をまとう。

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    2018年12月12日
  • FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実

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    本書を読んでいる途中でまたひとり、トランプ政権から人が去って
    行くことが発表された。ジョン・ケリー首席補佐官が年末までに
    辞任する。

    辞任というより更迭かもな。政権発足後から側近の誰もが自分の
    考えを大統領に吹き込み、娘のイヴァンカとその婿であるクシュ
    ナーは家族であることを特権のように使う。政治経験もないのに。

    秩序も規律もなく、カオスと化したホワイトハウスを正常化しよう
    としたケリー氏の姿は本書の中でも涙ぐましい努力だった。でも、
    結局一番の障害はトランプ大統領本人なんだものな。

    こうなって来ると次はマティス国防長官が政権を去る日も近いかも
    しれない。ティラーソン前国務長官辞任後、唯一のブレーキ役に
    なっていたマティス国防長官が去ってしまったら、もう誰も大統領
    の暴走を止められないかもしれない。それどころか、暴走に拍車を
    かける人間ばかりが側近として残りそうだ。

    マイケル・ウォルフ『炎と怒り』を読んだ時も思ったが、ホワイト
    ハウスの上級スタッフは、単なる思い付きを最高のアイデアだと
    信じ込んでしまう大統領に相当に振り回されている。

    そうして、大統領が軽率な行動を取らないよう、執務デスクから
    署名しようとした文書や草稿をこっそり持ち去っていた秘書官の
    努力に敬意を表したい。

    集中力が持続できない、語彙が貧弱、自分が思い込んだこと以外は
    すべて「でたらめ」だと言い切る、政治上の手続きを理解しない、
    ブリーフィングの資料にさえ目を通さない、自分の間違いは絶対
    に認めないし、過去の発言はその時の気分でなかったことになる。

    「あんたはクソッたれの嘘つきだ」。

    トランプ大統領の弁護士が辞任する際、本人に向かってこそ言わな
    かったが、胸にしまい込んだ言葉。大統領の元を去って行った人
    たちの多くが、同じような思いを抱ていたのではないだろうか。

    これが世界唯一の強大国の大統領の現実なんだよな。コメディ映画
    のあらすじだったらどんなによかっただろう。あ、任期終了後に
    映画化したら面白そうだけど、怒るだろうな、大統領。

    どうしようもない大統領だけれど、シリアのアサド政権によって
    子供たちが殺戮されていることに心を痛めている様子には彼の
    違う一面が見られてよかった。

    でもな、アメリカ国内では移民親子引き離し政策という愚策を
    犯しているんだよな。メラニア夫人からの批判もあって、早々に
    停止はしたが、今後のことは分からない。

    何しろ政策全般が大統領の思い付きと、イヴァンカやクシュナーに
    吹き込まれたことで決まってしまうのだから。

    本書では政権発足後の約1年のごたごたを関係者の証言から構成
    している。トランプ大統領の任期中、あとどれだけの人事の交代
    があるのだろう。

    次にアメリカ大統領になる人は、トランプ大統領が引っ掻き回した
    ことの尻ぬぐいが大変だろうな。お気の毒な気がする。

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    2018年12月09日
  • 暗殺者の潜入 上

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    ネタバレ

    グレイマン、今回はCIAから離れて単独で仕事を受けることになるが…。
    舞台は中東、そしてイラン。今なお実際に泥沼の戦闘が繰り広げられている武装地帯、というイメージはあるのだけど具体的には全然わからない。
    が、そこらは読み始めると丁寧に政治的背景も描かれているし、いい意味でストーリーはシンプル。

    様々な立場の人間を巻き込み、敵味方の立ち位置が曖昧なうえ、それも次々に変わる中でグレイマンの孤立無援の闘いがキレの良いアクション描写を交えてテンポよく描かれる。

    フレデリック・フォーサイズやトム・クランシーなどと似てはいるのだけど、このアクションのキレ、陰影のあるキャラ造形がこの作者の巧さ。

    0
    2018年12月05日
  • 暗殺者の潜入 下

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     絶体絶命のシーンから物語は始まる。どうなるのかと固唾を飲んだ次の瞬間、シーンは遡り、本編のスタートだ。
     シリーズ当初は弱点でしかなかった主人公の人道的な正義感は、回を追うごとに魅力に変わり、今回はメインテーマにまで昇華されている。作戦行動に偶然の要素が多く含まれ、計算通りにいかない展開にドキドキハラハラが増幅され、期待通りの面白さだ。
     物語が冒頭のシーンに追いつき、更にアクションが繰り広げられる。もちろん大活躍だ。

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    2018年10月08日
  • 暗殺者の潜入 上

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     絶体絶命のシーンから物語は始まる。どうなるのかと固唾を飲んだ次の瞬間、シーンは遡り、本編のスタートだ。
     シリーズ当初は弱点でしかなかった主人公の人道的な正義感は、回を追うごとに魅力に変わり、今回はメインテーマにまで昇華されている。作戦行動に偶然の要素が多く含まれ、計算通りにいかない展開にドキドキハラハラが増幅され、期待通りの面白さだ。
     物語が冒頭のシーンに追いつき、更にアクションが繰り広げられる。もちろん大活躍だ。

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    2018年10月08日
  • 国際秩序

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    これまでに読んだ国際情勢に関するあらゆる本の中で群を抜いて素晴らしい。キッシンジャーはフォード政権で国務長官を努めた外交のプロであり、ベトナム和平を実現してノーベル平和賞を受賞したほどの大物である。その言葉は重く、優れた歴史観と洞察力を以って、国際情勢を地域別に開設している。

    1916年 サイクス・ピコ協定を以って、中東はイギリスとフランスによって分割されることとなった。それは、歴史的根拠が何もないものであり、その後の紛争や戦争の火種を内包したものとなった。

    イスラム世界にとっての世界は、ヴェストファーレン体制は世界秩序の考え方として対極にある。国家は世俗的なものであり。国際システムの出発点ではなく、宗教統一への道筋への通過点にすぎない。

    アラブの春は、広場に群衆を集めるのには成功したが、独裁政権を倒したその後にどういうものが来るかという考えが欠落していた。

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    2018年10月08日
  • 遅刻してくれて、ありがとう(上) 常識が通じない時代の生き方

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    トーマス・フリードマン氏には、フラット化する世界で胸を射抜かれてから、所謂ファンだ。ニューヨークタイムスのコラムも以来読んできた。本書は氏の集大成かつ真骨頂という内容。早過ぎる時代の変化を、楽観的な調子を貫き、科学技術へのリスペクトをふんだんな事例で織り込んで、全網羅的に展開している。刺激的だ。下巻に進もう。

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    2018年09月21日
  • 暗殺者の潜入 上

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    ネタバレ

    シリーズ第7弾。今回も難しく苛酷な任務。アクションシーンは短いけれど圧倒される迫力。それぞれの目的と裏の顔。駆け引きの面白さ。まだまだ静かな上巻だけれど激しくなりそうな下巻が楽しみ。

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    2018年09月12日
  • ガイトナー回顧録 ―金融危機の真相

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    序   爆弾
    第1章 海外に出たアメリカ人
    第2章 危機で学んだこと
    第3章 逆風に立ち向かう
    第4章 燃えるにまかせろ
    第5章 崩壊
    第6章 「私たちはこれを解決します」
    第7章 火中へ
    第8章 計画は無計画に勝る
    第9章 状況は改善、気分は最悪
    第10章 改革を目指す戦い
    第11章 余震
    エピローグ 金融危機を回顧する 

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    2018年09月10日
  • 暗殺者の潜入 下

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    コートランド・ジェントリーシリーズの続き。
    葛藤の末、赤ん坊を救い出すためにシリアに潜入したジェントリー。
    民間警備会社に偽装潜入したものの、そこでも激しい戦闘に巻き込まれ、作戦を進めるうちに戦乱の渦の中央に巻き込まれていく。

    最後はちょっと急いですべてを回収した感じはあるが、面白かった。

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    2018年09月04日
  • 暗殺者の潜入 上

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    コートランド・ジェントリーシリーズ。
    正式にCIAエージェント兼フリーアサシンとして認められたジェントリーがシリアを舞台に依頼をこなす話。

    初めの依頼はシリア自由軍を支援する民間人医師の夫婦からのもので、シリアにて虐殺を進めている大統領の愛人を拉致して大統領の弱みを握るというもの。

    ミッションは比較的容易に終わると思われたが、愛人には秘密があり、ジェントリーを更なる困難にさらすことになった。

    相変わらずテンポがよく、面白い。

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    2018年09月04日
  • たとえ傾いた世界でも

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    1920年代のアメリカ
    ミシシッピ川大洪水 洪水のシーンは凄い迫力。二百人以上の犠牲者と記録にはあるが、本当はもっとかもしれないらしい。黒人の労働者は記録に残っていなかったのだろう。
    赤ちゃんの愛らしさと、母になりたい切実な女の気持ちがリアル。

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    2018年08月23日
  • 暗殺者の飛躍 下

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    仕事のバディを見つけたグレイマン。しかも飛び切り一級でグレイマンより能力は高いかもしれない。この2人で自作を描いてくれないかな?

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    2018年08月07日
  • 暗殺者の飛躍 上

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    今まで単独で動いていたバイオレーターが支援を受け始めるが、支援無しでもハイテク装置によって一人で出来る様になると幅が広がる。面白い。

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    2018年08月05日
  • 戦慄の魔薬<タイフーン>を掃滅せよ!(下)

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    ネタバレ

    いつものガブリーニョ。タイフーン麻薬の撲滅と盗難に遭った名画の救出をする話。 どんどん新兵器が出てくるね。読み物としては痛快娯楽劇。ただある面ワンパターン化していることは否めない。

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    2018年07月25日
  • 戦慄の魔薬<タイフーン>を掃滅せよ!(上)

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    ネタバレ

    いつものファンカブリーニョ。今度はフィリピンのゲリラと戦う。 戦前の麻薬タイフーンを撲滅する為に。下巻へ!

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    2018年07月24日
  • 失われた世界

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    数十年振りの再読。台地の傍らに屹立する塔のような岩山から丸木橋を渡してロストワールドに入り込むシーンが、ビジュアルを伴い強烈に印象に残っていたが、それは挿絵によるものだったことが分かった。良質の空想科学小説はこの歳になって読んでもとても面白かった。舞台のモデルとなった岩山がギアナに実在するとは…。

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    2018年07月03日
  • 反撃のレスキュー・ミッション

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    ホームレスになってしまった元SAS隊員。自ら立ち直るきっかけを掴み人質を救出する。
    自らの再生をかけた救出任務。面白いぞ。

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    2018年06月13日
  • 謀略のステルス艇を追撃せよ!(下)

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    オレゴン号シリーズ相変わらずの一気読み。
    絶対負けないと分かっていてもドキドキ感がある。
    ただステルス艇とはもう少しバトルがあった方が良かった。

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    2018年06月05日
  • レッド・プラトーン 14時間の死闘

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    手に汗握る戦争もの.この本の内容は素晴らしいの一言に尽きる.写真もたくさんあって一人一人の兵士が生きていることを実感させられる.だけどそもそもよその国にこんな基地を作ることの是非を問いたい.

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    2018年04月18日