伏見威蕃のレビュー一覧
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著者はニクソン大統領の大統領補佐官、レーガン大統領の国務長官を務めたキッシンジャー。本書は古代ローマ時代から現代まで世界秩序どのように形作られてきたのかキッシンジャーによる壮大な歴史書である。
本書からはキッシンジャーの徹底的なリアリズムがうかがえる。現在の国際法はヴェストファーレン的な原則が基礎となっているが、ヴェストファーレン体制は戦争の抑止力とはならない。ここで矛盾が生じてくる。第二次大戦後の冷戦は長期化し、国連は無力であった。アメリカは中東など世界の警察の役割を果たしてきたが、さらなる混乱を生むだけであった。アメリカの正義を世界に売り込む時代は終焉したのである。
新たな国際秩序の枠 -
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「ラザフォード家の娘の行方がわからなくなってから八日が過ぎて、ラリー・オットが家に帰ると、モンスターがなかで待ち構えていた」
いかにもミステリらしい謎めいた書き出しに興味は募るが、正直なところ犯人はすぐわかってしまう。なにしろ<おもな登場人物>に名前が出ているのが11人。ミステリのお約束として、犯人は必ずこの中にいるはず。そのうち二人の被害者は除外して、残りは九人。その中の三人が捜査関係者で一人は視点人物のサイラス。警察官が犯人というのもあるが、ここは南部のスモールタウン。みな顔見知りだ。仕事以外につきあいのない都会とは訳がちがう。
もう一人、ラリーという視点人物がいる。登場するなり何者か -
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輸送トラックを警護中にイラクで行方不明になった傭兵、
ジョン・コーテという魅力的なアメリカ青年の生い立ちとイラクでの生活を中心に、
セキュリティ会社とは現実になにを目的として活動しているのか?
傭兵とはどういった人物像でイラクに行く目的とはなにか?
当時のイラクの治安状態は実際のところどうだったのか?
セキュリティ会社と傭兵を取り巻く法整備の実態についてなど幅広く書かれている。
また残された家族についても丹念に取材されていてる。
残された家族が、安易に戦争反対と唱えることもなく、
すべての登場人物が「戦争」という行為についての受け止め方がそれぞれ興味深い。
ちなみに登場人物が「ニーバーの祈り -
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ネタバレグレイマンがついに本土決戦?
自分が殺しのターゲットにされた理由を探るためにアメリカに戻ってくる。しかし、CIAも事前にその情報を知り、圧倒的に物量で暗殺を謀る。
すごくシンプルな構成で、ある意味、一作目の続編のような感じか。しかし、筆者の実力は格段に上がってていて、テンポのいいアクションも健在だが、ドラマ部分も多彩な人物を配しながらしっかり描きこまれていて読みごたえがある。武器や軍事兵器・組織に関しての描きこみも嫌味にならない程度にしっかりあってうまく読者の興味をそそる。
ワシントンだけを局地戦の舞台としたので、若干アクションが少なめだけど、極上のアクション映画を見てるように楽しめた。後半ど -
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グレイマンシリーズの第3弾。今回はメキシコが舞台となり、麻薬カルテルと戦う。過去に命を助けられたメキシコ人が殺されたのをきっかけに、故人の墓参りから巻き込まれていく。今回もグレイマン(コート・ジェントリー)のタフさに目が奪われる。特に拷問シーンはかなり酸鼻な光景だ。絶対に生き残れないような場面であるが、外部というか自分の前から敵だったやつを利用してサバイブする。少し強引なストーリー展開ではあるが、エンタテインメントとして楽しめた。このような小説は主人公がピンチに陥ってから、ピンチを切り抜けるのを楽しむのが醍醐味なので、多少の強引さには目をつぶろう。
次作品も早く読みたい。 -
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「暗殺者グレイマン」の続篇。前作と同様、これでもかって感じで主人公のジェントリー(グレイマン)が暴れまくる。文字だけなのにクリアな景色が頭の中で想像され、時にえげつない描写もあるが、そこを含めて楽しめる。
政治的状況で作戦遂行者のとるべき行動が変わっていくのは、ドキドキものだ。味方が敵に、敵が味方に、生き延びるため(世界をややこしい状況に陥れないため)に知恵と体を最大限に使う物語はある種の爽快感を覚える。もちろん自分はジェントリーのような立場にはならない場所で生きているので、この物語の世界をフィクションとして楽しめる。でも、世界情勢を鑑みると、今でもこのような物語が地球のどこかで起こっている -
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イラク戦争で従軍し、戦争後遺症を患ったアメリカの好青年が、戦争請負会社に再就職し、不幸な事件が起こるべきして起きてしまう。そして、彼と遺された遺族と交流した著者のノンフィクション。
以下のようなポイントを丁寧な取材により描いてる。
「イラク統治への平和的移行の失敗」
「軍事費削減のための戦争請負会社へ依存の失敗」
「失業者や社会的不適合者の受け皿としての戦争請負会社」
私が、この作品に価値を感じるは、アメリカが全世界の模範たる警察の義務を果たすために派兵し、若者が外国で命を落とす事に、若者の血で賄うだけの国家・国民へのリターンを疑問視する世論が、確実にある事です。
昔、歴史の教科書で習っ