伏見威蕃のレビュー一覧
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長い。かなり長い。
兵器や軍事に興味が強い人でないと読めないだろう(まあ、そうじゃない人は読まないか)。
自律型兵器の定義そのものから、実際の兵器の運用や過去の誤爆事例なども含めて、詳細に丁寧に述べられている。
最近はやっている株取引の高速取引、いわゆるアルゴリズム取引にて、コンマ何秒の世界で勝負する世界になり、結果、フラッシュクラッシュという原因不明の暴落を例に説明していた点においては、とても納得がいった。
判断が人間の手を離れ、機械が自動的に判定すると、いきつくところまで行ってしまうということ。株ならまだなんとかなる(まあ、これはこれで大変なことだけど)が、戦争で行きつくところまで、勝 -
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科学技術の発展をドライブさせる因子には様々なものがあるが、最も重要な因子の一つが”軍事”であるのは間違いがない。では、現代を代表する科学技術の一分野であるAIは”軍事”の中でどのように用いられ、発展していくのか?
本書は実際にアメリカのレンジャー部隊に所属し、イラクとアフガニスタンにて危険な任務に従事した後、軍事兵器のアナリストとして活躍している著者が、AIがどう”軍事”の中で用いられており、どのような論争が起こっているのかという全体像を非常にわかりやすく示してくれる。
軍事兵器にAIを用いることで得られる究極の姿は、人間の判断を経ることなく、自律的な軍事行動の遂行である。それはつまり、敵 -
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暗殺者グレイマンシリーズ
前回で一区切りつき、CIAで
心機一転働くことになったグレイマンことジェントリー(前作から一年も経ってない)
結局やってることは同じ様なことなんだけど、上巻ではあらゆる国の脅威となりうる中国人ハッカー奪還作戦が繰り広げられる。
一人きりの戦いではなくなったものの、問題点が…調整係のスーザンとのやりとりはなかなかピリつき「24」のジャックとクロエみたいな険悪な感じ(初期の感じ、なので今後多少仲は改善されてくのだろうか…)
追われる組織が減り、組織のバックアップもあって緊張感は減っているが、普通にアクションモノとして楽しめる。
今まで追われる側のみ使用していた最新 -
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フリードマンが「フラット化する世界」を著したのは2005年。世界はフラット化しつつも、まだiPhoneもfacebookもない時代だった。
今では、とてつもないスピードで生活、環境が変化し、人々は立ち止まり考えるヒマもなく、予定を詰め込み、スマホで写真を取りアップすることに忙しい。しかし、環境破壊は臨界点を越えつつあり、多様性とレジリエンスは劣化し、世界は分断化の方向へ向かう。それでも変化のスピードは加速度を増し、AI、バイオテクノロジーが更なる激変をもたらす。
それでも。とフリードマンは言う。立ち止まって考えよう。新しい時代に適応するため、学び続けよう。まだ我々には多様性を受け入れ、人々 -
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フリードマンが「フラット化する世界」を著したのは2005年。世界はフラット化しつつも、まだiPhoneもfacebookもない時代だった。
今では、とてつもないスピードで生活、環境が変化し、人々は立ち止まり考えるヒマもなく、予定を詰め込み、スマホで写真を取りアップすることに忙しい。しかし、環境破壊は臨界点を越えつつあり、多様性とレジリエンスは劣化し、世界は分断化の方向へ向かう。それでも変化のスピードは加速度を増し、AI、バイオテクノロジーが更なる激変をもたらす。
それでも。とフリードマンは言う。立ち止まって考えよう。新しい時代に適応するため、学び続けよう。まだ我々には多様性を受け入れ、人々 -
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トランプ大統領の発言や政策は無茶苦茶に見えることが多いし、政権スタッフもしばしば入れ替わり、娘や娘婿が影響力を行使するなどガバナンスにも疑問がある。
それがなぜなのか、ということが本書で明らかにされている。まともというか、優秀なスタッフもかなりいるが、ナバロとかロスといったろくでもない者も紛れ込んでいて、それがトランプ大統領自身のポピュリスト的な発想と相まって、世界を混乱に陥れるような政策を打ち出しているということだ。それにしても、このトランプという人物はいったい何なんだろう。ビジネスで成功と失敗を繰り返し、かなりの資産を築いているのだから、頭脳も度胸もないわけではないだろうに、テレビばかり見 -
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ひとまずグレイマンシリーズの一区切り
SOSの謎は解決…だけど
これで良いのか?って感じの疑問も…
改めて語られていないジェントリーの生い立ち
父親との場面はベタやけど
このベタさがおっさん大好物やぞ
ちょっと文句を垂れると、銃の名称やたらと描写するのは良いけど読むとき減速するので
控えめでも良い気がする。(ミリタリーモノのお約束なんで他に比べたらマシですが)
今更ながら訳す時にジェントリー、グレイマン、コート、バイオレーターなど呼称の使い分けに意味のあるものとないものが混ざってるのなんか嫌だな。
だけどアクションの読ませ具合はやはり健在
グレイマン読むならここまでは是非読んでほしい。 -
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暗殺者グレイマンシリーズ4作目
今回はCIAが委託している民間の暗殺部隊の一匹狼であるデッドアイという工作員が立ちはだかる。
この男が出てきた時、グレイマンと同じ訓練を受けているため主人公の行動パターンが読める。
出てきた時「厄介なヤツきたなぁ〜」
と思ったけど、読むにつれて厄介度は増すばかり…
一歩間違えば主人公もこうなっていた"かも"しれない敵パターン
「俺はお前と同じだ」という割に民間企業に所属してるためバックアップも手厚く、グレイマンの地味に質素な隠密行動との差が描かれていてちょっと笑った。
「暗殺者の正義」あたりでほかの読者さんが言ってたけど、やっぱり北上次 -
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ネタバレ後半になっても期待を裏切ることなくテンポよく物語が進む。
特にグレイマンがイランに潜入してからは、本来単調になりかねない物語を、複数の組織や様々なかかわりの人物を描きこむことで章ごとに交互に描いて退屈させない。
基本的には無事に(変更された)ミッションを遂行できるのか?誰と誰が味方となり裏切り者となるのか?最後まで予断を許さず物語がラストまで運ばれる。
しかもこの作者の巧いのは、軍事アクションとしての武器や装備の描きこみが緻密な一方で、多彩な人物のキャラも描けるし、何よりも下手すると超人的すぎるくらい強いグレイマンを、ユーモアでくるんだキャラとして造形できている事。
それが物語に深みを与え -
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本書を読んでいる途中でまたひとり、トランプ政権から人が去って
行くことが発表された。ジョン・ケリー首席補佐官が年末までに
辞任する。
辞任というより更迭かもな。政権発足後から側近の誰もが自分の
考えを大統領に吹き込み、娘のイヴァンカとその婿であるクシュ
ナーは家族であることを特権のように使う。政治経験もないのに。
秩序も規律もなく、カオスと化したホワイトハウスを正常化しよう
としたケリー氏の姿は本書の中でも涙ぐましい努力だった。でも、
結局一番の障害はトランプ大統領本人なんだものな。
こうなって来ると次はマティス国防長官が政権を去る日も近いかも
しれない。ティラーソン