南杏子のレビュー一覧

  • アルツ村 閉ざされた楽園

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    著者初読み。あらすじに惹かれて手に取った一冊。

    アレを切り刻む描写、エッグい。

    「人間が想像できる事は、人間が必ず実現できる」。小説を読んでいると時折思い浮かぶ言葉だが、この作品では特にそれを強く感じた。

    認知症患者が集まって暮らす、閉ざされた村。そこは楽園なのか、それとも現代の姥捨山なのか。

    高齢化、老老介護、ヤングケアラー、介護する家族の限界。どれも他人事ではない問題ばかり。「かわいそう」という言葉だけでは到底片づけられない現実がある。

    前半は、あらすじから想像していた問題意識を再確認するような読書だった。それが後半、村に隠された秘密や登場人物たちの人生が明らかになるにつれ、思いもよらない方向へ。

    認知症患者の人権はどうなるのか。苦しむ家族の心情はどうなのか。医療の進歩はどこまで許されるのか。様々な感情と疑問が入り交じり、簡単には答えが出せない。

    終盤は少々詰め込みすぎにも感じたが、それを含めても読み応えは十分。人間の尊厳と、救いを求める人間の切実さが強く残る一冊だった。

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    2026年10月11日
  • サイレント・ブレス 看取りのカルテ

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    最後を家で読んでて良かった。涙なしでは読めない。
    医療に「正解」は存在しない。
    患者へ「施した数」ではない。患者を「考え」た上での「施し」の大切さ。
    大切な人を失ったことへの後悔がある人に是非読んでもらいたい。きっと誰もが救われるはず。
    また、本書を現役医師の方が執筆されているというところにおいてもさらに説得力がある。

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    2026年09月14日
  • いのちの停車場

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    目も耳も塞ぎたくなる死が次々にやってくる。

    人は生まれてくるのも自分の意思でなく死ぬのも同じ。

    死にたくない。死んで欲しくない。でも、人はいつか死ぬ。

    死を覚悟した人たちの強さ、尊厳と言われても、死と離れた人たちは、無理にでも生きて欲しいと思ってしまう。

    在宅で看取る、そんなことが自分にできるだろうか。

    とても考えさせられた。

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    2026年09月12日
  • サイレント・ブレス 看取りのカルテ

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    医療従事者として働いてるため、本書で描かれている終末期医療と在宅医療については読み進める中でいろいろと考えさせられた

    受け入れない自分を受け入れるってのは無知の知とも似てるなーなんて思ったり、
    それができるだけでも平穏さを保てるような気になったり

    26.08.22-24

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    2026年08月24日
  • アルツ村 閉ざされた楽園

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    ネタバレ

    面白すぎた!!!!
    私全然主人公がアルツハイマーだと気づかなくて、でも後で読み返したときにたしかにリサのカップがなかったり車椅子おしてて人から変な目で見られたり、それに気づいたときゾワゾワだった!!おもしろかった

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    2026年08月13日
  • いのちの停車場

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    救命救急センターで働く62才の咲和子、宿直のホットライン担当、所謂、その日の責任者。
    センター近くで多重事故が発生しホットラインが鳴り響く、無理を承知で次々と患者を受け入れるが、ある少女の両親から医師の資格が無い者が娘に点滴をと..クレームの責任を取り帰路、生まれ故郷の金沢で訪問診療医になる。
    そこで、四肢麻痺のIT社長、小児癌の少女、老老介護等、訪問診療医の奥深さを知る。そして、最愛なる父親の最期を..
    余命を家で送りたい。
    最後に海に行きたい。
    様々な想いが、自分も気丈にいられるかと「ありがとう」が言えるかとこの本に問われた気がする。

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    2026年08月05日
  • サイレント・ブレス 看取りのカルテ

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    現役医師で作家の南杏子さんのデビュー作。
    大学病院の総合診療科から、訪問看護のクリニックへ左遷された水戸倫子。人生の最後を迎えるための看取りの医療を施すクリニック。救う医療に燃えていただけに死を待つのみの患者への医療に波立つ。
    しかし、何人もの患者と接するうちに命を終えるときの医療の大切さに気付く。

    必ずやってくる大切な人の看取りのとき。

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    2026年07月19日
  • いのちの波止場

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    南杏子さんの『いのちの停車場』シリーズ最終回。

    患者さんの苦痛を取り、嫌だと思うだろうことをしない。
    それが最後にできる最高の仕事。

    まほろば診療所の看護師・麻世は、能登半島の穴水にある病院の看護実習で「ターミナルケア」について学ぶ。激しい痛みがあるのに、どうしてもモルヒネを使いたくないという老婦人。認知症と癌を患い余命少ない父に無理やり胃ろうをつけさせようする息子。そして麻世が研修の最後に涙と感謝と共に送るのは、恩師・仙川先生だった――


    仙川先生が末期の膵臓癌だったことはとても驚きでした。
    緩和ケア科に入った患者さんには、病気が治ったり急速に回復したりといった『奇跡のような物語』は起きない。
    自分にできないことが増えていくのを受け入れながら、穏やかに最後の時を過ごすこと。
    ここではそれがとても大事なことなのだと思いました。

    患者さんになるべく後悔が残らないよう、病院が一体となってケアをする姿勢に感動しました。

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    2026年06月15日
  • サイレント・ブレス 看取りのカルテ

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    とても読みやすくするすると読破した。
    著者のバックグラウンドが存分に発揮された作品。
    主人公の成長物語や人柄というよりも、現代医療における終末期患者と患者を取り巻くその家族の事情にフォーカスが当てられた作品と感じた。5つほどの
    章は全て実際の医療従事者でないとわからない。

    上記ゆえに、人生の終わり方や、周りの方との関係性について考えるようになった作品だと感じる。
    終末期に情けなく縋るような人物はあまり描かれず、最後に人々は受け入れ、今を生きる。
    忘れてはいけないと感じた。

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    2026年06月07日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医師作家のアンソロジー。自分の好みの医師作家の発掘のためには最適な一冊。私もやはりこの人は好きだな〜。この人はちょと苦手かも〜。などと楽しみながら読みました。好みはあれどどれも読み応えの医療短編でした。

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    2026年05月30日
  • いのちの停車場

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    柔らかいブログ文章に泣きポイントが満載の物語。最後は少しドキドキした。大学病院には悪いやつしかいないのが笑えるけど、小さな診療所と対比になっていて面白い。モンゴルで解脱したようなバーのマスターの言葉が迷える白石先生に沁み渡る。人魚の話は人がいたけど号泣してしまった。旅猫読んだ時以来かな。大好き度❤️❤️❤️❤️

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    2026年05月28日
  • いのちの十字路

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    南杏子さんの『いのちの停車場』シリーズ2作目。

    医師国家試験に合格した野呂は、金沢のまほろば診療所に戻ってきた。
    娘の手を借りず一人で人生を全うしたい老母。母の介護と仕事 の両立に苦しむ一人息子。妻の認知症を受け入れられない夫。体が不自由な母の世話をする中二女子。……それぞれの家庭の事情に寄 り添おうと奮闘する野呂は、実はヤングケアラーという辛い過去を封印していた。

    家族が介護しなければならない、という責任感のもとで産まれてしまうヤングケアラー。
    その人は自身の人生を犠牲にして介護をしなければならない。公共サービスも、要介護度の低い患者は受けづらい。

    介護の現実を知って、自分にも起こるかもしれないことなので
    自分だったらどうするだろうと考えながら読みました。
    息子が養護施設に入った母に会いにいった時、自宅で介護を受けていた時より楽しそうにしていたのが印象的でした。
    自宅で、時に身内に疎まれながら介護を受けるより、プロにきめ細やかなサービスを施してもらう方が幸せなこともあるんだなと思いました。

    また、介護の5つ目の権利『介護を休む権利』も印象に残りました。
    フランスでは、介護者が毎年10日程度のバカンスを取るのは一般的とのこと。
    "介護を休むための"介護休暇が、日本でも浸透すればいいと思いました。

    最終話『いのちの波止場』も既に刊行されているので、近いうちに読みたいと思います。

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    2026年05月28日
  • いのちの波止場

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    「いのちの停車場」「いのちの十字路」に続くシリーズ最終作。
    今回は看護師の麻世を主人公に、能登での緩和ケアが描かれてます。

    病気を治して命を1日でも長く延ばすことが医療の目的でだか、痛みのない、その人らしい時間を過ごすことも同じくらい大切で、ただ生きるだけでなく、「どう生きるか」という命の質に目を向けてあります。

    悲しい結末だが、仙川先生が命への優しい眼差しを、次の世代へとしっかり手渡した。麻世の中に仙川先生の教えが生き続け、多くの人の命の旅立ちを優しく照らし続けることだろう。

    能登が舞台で、そこに生きる人たちの温かさも風景も良かった。

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    2026年05月25日
  • サイレント・ブレス 看取りのカルテ

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    著者は社会人経験を経て医学部に学士編入後内科医となった経歴を持つ。2016年刊行の本書がデビュー作。深く考えずに手に取ったが、これは当たり本。
    在宅で最期を迎える患者専門の訪問クリニックへの勤務を、意に反して課せられた女性医師を主人公とするフィクション。大学病院の臨床とは全く異なる現場。誰もが迎える"死"に対して、患者、家族、そして医療従事者がそれぞれ抱える答えの出ない葛藤を言葉に紡ぐ。命の灯が消えそうな時に延命か自然に任せるか。どちらが正しいというわけではないが、患者が望む死に方に寄り添おうとする主人公の姿は、終末期医療専門病院で働いた経歴を持つ著者の表現によって、いっそう際立って映る。

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    2026年05月23日
  • いのちの十字路

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    様々な事情を抱える家庭の在宅介護現場で奮闘する若き医師の成長を描いた物語。医療の限界にぶつかりながらも、奔走する姿に心揺さぶられました。

    次は絶対に同じ後悔をしない。何かあるたびに、そお決心して乗り越えてゆく。救急救命医療も大事だけど、在宅医療も同じように大切。

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    2026年05月16日
  • いのちの停車場

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    父が入院中で、今読みたい本!でした。とてもよかったです。
    映画化されているようなので、是非観たいです。

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    2026年05月15日
  • アルツ村 閉ざされた楽園

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    ネタバレ

     自分はこの小説を選んだ時に、てっきり「アルツ村でなにか事件が起きてその犯人を追うミステリー小説だろう」と思っていました。実際はこの「アルツ村」そのものが何の村なのか・何のために作られたのか、というミステリーでした。
     同時に、現代の日本が抱えている高齢化社会のことがなんとなく見えてくるストーリーでした。年々認知症患者も増え続けて、最近は若年層でも認知症患者が増えていることも考えさせられました。
     また、北海道の土地が外国の個人・法人に買われて植民地と化している問題も書かれていました。その中で、しかも認知症患者が住む村で、認知症の研究が村の「センター」で秘密裏に行われていたことに衝撃を受けました。
     アルツハイマー型認知症などの研究が大事なのはわかりますが、研究が過ぎると人権問題を考えなければならないことを改めてこの小説を読んで実感しました。
     最後の方では、とんでもないどんでん返しを受けて、「やられた~」と思ってます。これだからミステリーは面白いですね。
     今までいくつかのどんでん返しミステリーは読んできたのですが、久しぶりのどんでん返しを受けて衝撃を受けましたが、面白い作品でした。また、印象に残る作品でした。
     アルツ村での「対認知症ドメスティックバイオレンス」という「佐々野」の言葉が特に印象に残ってます。主人公の設定が夫のDVを受けていた、という設定がここで効いてくるんだなと自分で勝手に思ってます。

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    2026年05月11日
  • ヴァイタル・サイン

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    面白くて一気読みしました。でも内容は壮絶な看護師の労働実態が生々しく描かれており、思わず顔を歪めてしまうこともありました。ハッピーエンド、というわけではないですが、希望が持てる終わり方も良かったです。

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    2026年05月09日
  • いのちの停車場

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    ずっと読みたいと思いながらも、ずっと読めずにいた本。
    読んでみた。

    南さんの作品は、医療現場そのものに立ち会っているかのようにリアルだ。
    今回も在宅医療という場に、自分もいるかのような錯覚を覚える。
    「読みたい」と思っていた間に、自分が介護福祉士実務者研修を受講し、介護の知識を得たためか、ますますリアルに感じる場面が多かった。

    人はいつか亡くなる。
    それは当たり前のことなのだが、その最終地点がどこか。
    病院か、施設か、自宅か。
    在宅医療が患者はもちろん、患者家族にとってどれだけ大変なものかはわかっているし、今の日本は、病院死が多いのもわかっている。
    でも、やはり、家で死ぬこと。
    それが幸せだな。。とおもいつつ読み終えた。
    野呂くん、がんばれよ!

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    2026年04月19日
  • ヴァイタル・サイン

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    医療物が好きで良く読むのだけど、この本は看護の医療現場が切実に描かれているんじゃないかと感じた。
    看護師さんって、いつも笑顔で平常心で接してくれて、なんでもできてなんでもこなせる素晴らしい、まさに天使のような存在だと勝手に勘違いしていたらしい。
    背負う命の重さ、限られた人数でこなす膨大な業務。看護師さんも一人の人間で、その人の人生があって、山あり谷ありはほかの人と一緒で、感情もあるわけで。
    そんな当たり前のことを主人公の日々から再認識。
    小説ということを忘れ、改めて看護師さんに感謝したくなった。

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    2026年04月18日