南杏子のレビュー一覧
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東京の救命救急センターで働いていた、六十二歳の医師・咲和子は、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で訪問診療医になる。命を送る現場は戸惑う事ばかりだが、老老介護、四肢麻痺のIT社長、小児癌の少女……様々な涙や喜びを通して在宅医療を学んでいく。一方、家庭では、脳卒中後疼痛に苦しむ父親から積極的安楽死を強く望まれ……。
終末期医療専門病院の内科医さんだから書ける内容だなぁと思った。
そして、こんなに個人に寄り添った医療を受けることが出来た患者さんは幸せだなと思う。
定期通院をしていていつも思うのは お医者さんの大半は検査の数値を見て薬を処方するだけの人やな…ってこと…
その資格があるだけでも凄 -
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自分にとって「幸せな死に方」ってどんなだろう?
緩和ケアについて書かれた小説を読んで、そんなことを考えてみるのも良いのではないでしょうか
まぁ、多くの人の意見にぽっくり行きたいってのがあるよね
俗に言うペンペンオシリじゃなかったピンピンコロリってやつよね
「病気に苦しまずに元気に長生きしてコロリと死ぬこと」だそうです
まぁ、子どもたちに迷惑かからんから良いだろうなぁとは思うけど、家族に見守られながら静かに目を閉じるみたいな、ドラマのワンシーンみたいなんも捨てがたいよね
高原の病院でね
最悪なのはやっぱり痛いやつよね
最後の瞬間まで痛みに悶えながら死ぬやつよね
それは絶対嫌よね
そこ -
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さてさてさんのレビューで手にした本。
堤素野子は31歳の看護師。
一生懸命に仕事をしているのに問題ばかり。
真面目にがんばっているのにミスしてしまう。
誠実に向き合っても責められることが多い。
休みはあるのにいつも睡眠不足。
いつも看護師長と後輩ナースの板ばさみになり、いいたいことのほとんどを飲み込んでいる素野子は最終的には、自分がいたらないと自分を責めてしまう。
素野子さんの気持ちを思うと苦しくて泣いてしまった。過酷な現状…かわりがいないため、たおれるまで働かなくてはならない現実はつらすぎるよ。
私個人としては、患者とトラブルがあった時、看護師長には患者側ばかりではなく、素野子さん -
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都市部の地域医療を支える市民病院の抱える問題や闇、医師の置かれた過酷な状況をリアルに感じさせる医療小説です。
主人公は大学病院から地域の市民病院へ転院してきた女性内科医。病院の方針は金融畑から転身してきた事務長が取り仕切っており、サービス業と化した医療は患者を『患者様』として過剰なまでに患者にへりくだり、おもねっている。デパートのように綺麗で明るい空間を演出した待合室は、毎日大挙して押し寄せてくる患者で座る場所もない。待ち時間が長くなればクレームにつながり、かといって一人一人の患者を手早く済ませようとすればきちんと話を聞いてくれないとクレームになる。医師は相手が医療を求める限りどのような -
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ネタバレ・あらすじ
Audibleで視聴。
大学病院の総合診療科に勤める倫子は、教授から訪問診療への異動を命じられる。
当初は急性期医療とかけ離れた「診療」に戸惑っていた倫子だったが、死にゆく患者に対して「医者」として己に何が出来るのかを自問自答していく。
・感想
医者は病気を診るプロ。
でも現代では医者はトータル的な視点を持って「人間」を診る、全人的医療が必要とされている。
本来であればチーム医療でそれぞれ役割分担ができてればいいけど中々そうもいかない現状もあるのがもどかしい。
でもなーー思想哲学している現場の医者なんかほとんどいないよ。
業務の多忙、過大な責任、訴訟対策。
諸々の問題もあるけど -
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医師でありながら作家でもある方々の医療小説9編。
私の知っている作家さん以外にこんなに多くの医師作家さんがいることに驚きました。どれも医師であるだけに小説の内容は臨場感が溢れていて迫力がありました。
中山祐次郎さんの『救いたくない命』は救急で運ばれてきた患者が犠牲者15人以上を出した通り魔事件の犯人と知り、葛藤をしながらも必死に命を救う姿に京アニ事件を思い出しました。
南杏子さんの『空中テント』は家族の介護の経験がある人は共感出来るはず。
どれも本当に良い作品ばかり。若手医師の過酷な労働時間、医療ミスの隠蔽、不都合な論文を闇に葬る等、医療小説が好きな人なら興味のある内容ばかり。でも朝比 -
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この本のおかげで、これまであまり考えることのなかった「在宅医療」について知ることができ、人間の最後つまりどう死ぬかということについて考えさせられた。
バリバリの救急医が故郷の金沢に戻って在宅医になるというお話。
街の風景が多々描かれていること、周囲の個性的かつ温かい人々、そして医療系…と少し前に読んだ『スピノザの診察室』を彷彿とさせる内容(『いのちの停車場』の方が出版は先)。
一つひとつのエピソードが出来すぎていて作り物感は否めないけど(現実はそう上手くいかないでしょと心の中で突っ込みつつ)、思わずぐっとくる場面もあった。
再生医療の江ノ原のエピソードだけはこれからっていうところで気になる終わ -
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終末期医療を題材にした作品。
とにかく殺人が起こる作品ばっかり読んでいたので、温度差がすごい。
死は「負け」ではなく「ゴール」、という表現があった。
昔から、寝たきりになって食事も自力で取れなくなったらその時はもういっそ延命せず安らかに死にたいと、そう思っている。
でも仮に自分ではなく、自分の周りの人がそういった状況になったとして、まして仮に自分がそれに抵抗できるかもしれない技術・知識を持った医者だったら、考え方は変わるかもしれない。
自分が頑張ったら、もしかしたら何とかできるかもしれないと、患者に「諦めるな!」と、そう思う気がする。
でもたぶん大事なのは、患者自身がどう思っているか、 -
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ネタバレ9人の現役医師による医療小説アンソロジー。
医師作家でしか表現できないと思われる臨場感あふれる詳細な描写、ヒューマンでミステリアスなストーリーが魅力の作品集だ。
1〈研修医ヒナノの洞察〉
上司からパワハラを受けている研修医が患者の膠原病を見つけ上司を見返す痛快な話
2〈魚類譚〉
封建的で理不尽な医大の内部構造、詳細な手術シーンにミステリーとホラーの要素を取り入れた作品
3〈パイナップルのある光景〉
同じような引きこもり系の精神疾患でも、一方は入院治療、一方は家族による対処という示唆をする精神科医。専門的な見解が押し付けなく、ふわっと伝わってくる秀作
4〈救いたくない命〉
救急外来に運び込まれて