【感想・ネタバレ】いのちの波止場のレビュー

あらすじ

吉永小百合さん主演映画『いのちの停車場』シリーズ最終話。主人公は映画で広瀬すずさんが演じた看護師・麻世。

これで安心して死ねるよ。
ありがとう、ありがとう。

余命わずかな人たちの役に立ちたい――“熱血看護師”麻世が「緩和ケア科」で学び、最後に受け取ったものは。
震災前の能登半島の美しい風景と共に、様々な旅立ちを綴る感動長編。

患者さんの苦痛を取り、嫌だと思うだろうことをしない。
それが最後にできる最高の仕事。

まほろば診療所の看護師・麻世は、能登半島の穴水にある病院の看護実習で「ターミナルケア」について学ぶ。激しい痛みがあるのに、どうしてもモルヒネを使いたくないという老婦人。認知症と癌を患い余命少ない父に無理やり胃ろうつけさせようする息子。そして麻世が研修の最後に涙と感謝と共に送るのは、恩師・仙川先生だった――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人生の最終段階をどう過ごすか、どう支えるか。
はっきりとした正解がないものを探す。
舞台となった緩和ケア病院が実在してほしい。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

 地域医療を支える『いのちの停車場』シリーズの三作目です。舞台は震災が起きる前の能登。ターミナルケアに向き合う看護師の物語です。

 主人公は、金沢のまほろば診療所で勤務している看護師、星野麻世。彼女は終末期医療の研修のため、半年間能登の病院で学びながら勤めることになる。そこで出会うのは、通常時の医療とは考え方も対応の仕方も異なる終末期医療に携わる医師や看護師、そして患者とその家族。よかれと思ったことが裏目に出たり、つい"普通なら"、"一般的には"こういう対応をするべきじゃないか、という、経験があるからこそ思い込んでしまいがちな思考でささいな衝突を繰り返しながら、彼女は『いのち』との向き合い方を模索していく。そして、研修の最後に受け持つことになったのは、自らを育ててくれたまほろば診療所の元所長、仙川先生だった。

 緩和ケアや疼痛ケア、終末期の医療について深く感じさせる一冊でした。
 今作で取り上げられている緩和ケア病棟は、通常の入院棟とは異なり、なるべく患者さんが穏やかに心安らかに最後の時間を過ごせるようにすることを主眼においた病棟です。一定の状態まで回復して退院される患者さんもいるけれど、元気に出ていくことができる患者さんの方が少ない病棟。そのようなところで患者さんに感情移入をしすぎると、きっと医療従事者の方の方がお辛いだろうと思うのですが、主人公の星野看護師はそれぞれの患者さんに深く寄り添い、彼ら彼女らを理解しようと体当たりで向かっていきます。上辺だけではなく、自分たちに心を添わせてくれる人がいることの、どれだけ嬉しいことか。少々突っ走り気味なところはありますが、素敵な看護師さんだなと感じました。
 医療小説としても、物語としても、緩和ケアについてとても分かりやすく、心に沁みる優しい物語でした。

 つい、たった一年前の秋に、祖母を自宅で看取ったことを思い出しました。考えてみたら、あれも終末期医療だったのだと思います。白血病の末期で、どうしても何が何でも入院したくない、最期は自宅で迎えたい、そう主張する祖母に折れて、通院治療から在宅の訪問診療に切り替えて祖母に向き合った日々が思い返されました。最後の一週間などは、入院したら絶対食べられないような祖母の好きなものばかり作ったり、取り寄せたりして食べました。最後まで好きなものをたくさん食べて、家族の中で最期を迎えられたのは、祖母にとってきっと幸せだったろうと思います。
 いつか来る自分の最期は、どのようなものだろうと思います。願わくば、この物語の緩和ケア病棟のように、穏やかに、苦しみ少なく、誰かに「ありがとう」と伝えて終えられるものであってほしい。そんなことを考えさせられるお話でした。

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2025年12月30日

Posted by ブクログ

緩和ケア病棟内で患者さん一人一人とのやりとりや、ケアの中で何が正しいのかの葛藤がありつつも、話が重くなりすぎないような工夫が沢山ありました。
医療系の方や、そうではない方にも「いのちの最期は何か」という事を問いかけてくれている気がします

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

終末期の緩和医療について。今話題のマリファナの100倍の効果というフェンタニルが出てくる。アメリカのニュースなどを見ていると筋肉にまで作用してゾンビ化するくらいの麻酔薬。2人に1人がかかる癌が最後にはフェンタニルに頼るほどのつらさで息尽きるまで見守られるのならば尊厳死を採用しても良いのでは無いかと思う。

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2025年07月07日

Posted by ブクログ

吉永小百合さんが主演で映画化されたらしいシリーズ最終作品。たまたま書店で目に留まり、前2作があるとも知らず最終作から読んでしまいましたが、経験を積むためにと勧められて、まほろば診療所の熱血看護師・麻世は能登半島の病院で「ターミナルケア」の看護実習を受けることに。
様々な患者と出会い成長していきながら過ごす日々。すると、そこにはまほろば診療所に務めていた恩師・仙川先生がやってきて……
このシリーズ、とてもオススメです.*・゚ .゚・*.

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

看護師の星野麻世が恩師である仙川先生の勧めで6カ月の緩和ケア病院で研修を受けることになり穴水町で生活する。研修2か月目で仙川先生が緩和ケアに入院することになり麻世に研修を勧めた理由が判る。死なない人間はいない。すべてのページに共感しながら読んだ。最高の一冊。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

2025.5.9
看護師、麻世ちゃんが緩和ケア科で実習。
終末医療って難しい…少しでも長く生きてて欲しいという家族の願いと専門家からの意見がぶつかることも、この人の最期はこれでいいのか、苦しみを取り除くことができているのか悩む医療従事者も。
寄り添いかたがとっても勉強になった。

“どこで生まれるかは誰にも選べない。でも、どこで暮らしてどこで死ぬかは、自分で選んでいいはず。誰にとっても守られるべき自由だ。”

仙川先生がまほろば診療所を急に退いて地元の穴水町に戻ったのは膵臓癌だった。
こんな寛容な生き方の人いるんだなぁ。 

“人間、年をとったり病気になったりすれば、できないことが次々に増えてくる。そんなできない自分を受け入れるには、心の成長が必要だからね。最後にねこれも人生の味わいだと現状を楽しむこと。”

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2025年05月09日

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緩和ケア病棟での日々の様子が書かれていて、どれも身につまされる内容でした。

人それぞれの生き方や、望みなど、いろいろな選択肢があるなかで、人生の最期をどのように迎えるか?
考えさせられる内容でした。

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2025年05月06日

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私の理想は、末期がんと診断されて、治療は受けずに緩和病棟で亡くなることなんだ〜。
痛さ・苦しさだけは勘弁してほしいから。

我慢なんて絶対にしたくない。
主治医を北島先生に、担当を麻世ちゃんにお願いしたい。

生まれたら死ぬの当たり前だけど、生ききって死ななきゃダメよね。

すごく、あらゆる意味で勉強になりました。

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2025年03月17日

Posted by ブクログ

シリーズ最終話。
余命わずかな人達が心穏やかに過ごせるように…と心を配るスタッフ達が、まさにプロフェッショナルで素晴らしい。
言葉にすることもままならない人の気持ちまで汲み取るなんて、なかなかできることではない。
死が近づいてくると、精神が研ぎ澄まされてくるというし、耳も最後まで聞こえているのだそう
自分が大切にされていることは本人もちゃんとわかっているだろうし、こんな最期は遺された家族にとっても救いになるだろう。
ラストはとっても悲しいけど、プロ意識の塊のような立ち振る舞いがかっこいいなと思った。

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2025年03月11日

Posted by ブクログ

エピローグが、なんて優しさが詰まっているんだろう。
舞台が石川だから、だろう。
温かな、でも間違いなく強い気持ちを感じながら本を閉じました。

本編はもう泣きました。
字が見えない程泣きました。
すんすんするくらい泣きました。

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2025年03月04日

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心暖まる物語りだった。緩和ケア病棟それは終末医療に携わるドクターや看護士さん達の並々ならぬ日常のご苦労は大変なものだろうと思います!そして患者さんの親族へのご理解を得る努力には頭が下がります。患者の苦痛を如何にして取り除くかの決断は大変なものがある!良い本に出会えて良かったです。

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2024年12月25日

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『いのちの停車場』から続く3作目。

余命わずかな人たちの役に立ちたいと看護師の麻世が、能登半島の穴水にある能登さとうみ病院の看護実習で「ターミナルケア」を学ぶことになる。

第一章 キリシマツツジの赤
大腸癌が肺にも転移している患者さんが、かなりの痛みがあるにも関わらずモルヒネを拒否する理由とは…

第二章 海女のお日様
子宮体癌の患者がICDをどうするか…家族の判断は…。

第三章 親父のつゆ
末期の前立腺癌と重度の認知症を患っていても家族は、胃瘻をしても生きてほしいと願う理由は。

第四章 キリコの別れ
末期の肺癌患者が、親族は両親も含めて拒否な理由とは。

第五章 内浦の凪
仙川先生が、膵臓癌のため穴水町で終末期を過ごしていたことを知る。

最後まで楽しそうなのは?と麻世が聞くと仙川先生は〜
「機嫌よく生きる、と決心」
「あとは、死ぬまで成長、かな」
「人間、年を取ったり病気になったりすれば、できないことが次々に増えてくる。
できない自分を受け入れるには、心の成長が必要だからね。」
「最後にね、『これも人生の味わいだ』と現状を楽しむこと」
とても心に沁みる言葉だ。
きついとき、苦しいとき、こわいときに人は楽しくなんてできないけれど、考え方を変えるだけで残りの時間が楽しくもなる。

終末期の患者や家族と接することで、病を治すことはできないけれど最後まで患者に寄り添い、心の苦痛を取り除くことを覚えた半年間。
最後は、お世話になった先生にもたくさんのことを教わったと思う。



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2024年12月17日

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ネタバレ


終末期医療の緩和ケア科で奮闘する看護師の麻世ちゃんの物語。

麻世ちゃんは、前作よりも落ちついた印象に様変わりして、読み手としても読みやすくなりました。
それだけ麻世ちゃんが成長したってことなのかな?

最後の仙川先生のくだりでは涙が流れた。別れが分かっていても、別れは怖いし悲しいよね。。。

た、北島先生は厳しいながらも患者さん思いで、信頼出来るなあ、と思った。
実際には、野呂っちみたいな先生は絶滅危惧種だろうから、私は北島先生みたいな先生に(今後)出会いたいなあ。

また、次回作がありますように。
野呂っちと麻世ちゃんの活躍がみたいです。

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2025年11月08日

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終末期の緩和ケアについて、よくわかった。
能登さとうみ病院の北島先生の言葉が印象的だった。
「心地よく死ぬための医療」 
病気を治すための医療とは違い、死ぬための医療。
一歩間違えれば、医療ではなくなってしまう。
医療従事者が学んでいかなくてはならない分野なのだろうと思う。

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2025年07月10日

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緩和ケアについて考えることができる物語。
続きものみたいだが、単発読みでも可。
主体は患者であること…、当たり前のようだが、当たり前じゃない世界なんだろうな。
主人公が純心なところが良いところでもあり、イライラさせられる感じでもある。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

ますます高齢化社会に突入していくなかで、死に方を選択する自由も大きな議論になっていくと思う。希望通りに行き希望通りに死にたい。苦痛に耐えながら死ぬのは辛すぎる。全体的に能登のゆったりとした自然を満喫したエンディングだったのに、その後に襲って来た能登半島地震をエピローグで描かれている。町が修復され、日常が戻っていく過程を命を救うプロセスに似ていると述べられいる。『人間は自然の力には逆らえないけれど、自然とともに生きることはできるんだよなあ』という言葉が胸にしみる。

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2025年04月28日

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シリーズ最終話。

能登さとうみ病院の緩和ケア科に実習として赴いた
看護師の星野麻世。
様々な患者とその家族に関わることで学んでいく。

痛みをどのように対処するか。
医師と看護師は葛藤しながら最善を探す。

北川医師の言葉
P251
〈死ぬための医療〉
〈より苦痛なく死を全うできるよう、
患者さんを支えるために緩和ケアがあるのです〉

少し怖い感じの北川先生だが
患者第一の考えに、この先生なら間違いない。
と、思ってしまう。
P262
〈いのちの旅路に寄り添うこと〉

麻世は、最後まで寄り添うことができたのだろう。
最終話ということだけれど
形は変わっても、その後を読みたい。

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2025年02月21日

Posted by ブクログ

物語の舞台は能登にある緩和ケア病棟。
人生の最後をここで迎える患者たちに、最大限苦痛を取り省き最期まで安らかでいられるように懸命に働く医師や看護師たち。
命が終わる瞬間までの様子が、とてもリアルで読み応えがありました。
病気を治すことを目的としない医療には
患者さんの人生と同じ数だけの正解があって、医療者も家族も最期まで迷っている。
自分はどう生きるのかと同じように、どう死んでいきたいのかも考えておかなくてはと思った。

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2025年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

連作短篇5篇
緩和ケア病棟のいろんなケースとその対応、家族の気持ちではなく患者自身の気持ちに寄り添う事など当たり前のことが難しいと気付かされた。最後、仙川先生自身の患者としての在り方、とてもお見事でした。

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2025年01月28日

Posted by ブクログ

今作の舞台は能登の穴水町。
穴水といえば牡蠣祭りが有名。何度か行ったが本当に美味しくて安い。
緩和病棟だから全ての話は死で結ばれる。ちょっとしんどい。でも末期癌のイメージが痛くて辛くてというものから少しでも痛みをコントロールして最後まで人間らしく患者の希望に寄り添った看護計画がたてられることに希望が持てた。
能登が一日でも早く復興することを祈ります。

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

金沢のまほろば診療所から穴水の緩和ケア病棟に研修に来たのは看護師星野麻世。鎮痛剤を使いたくないと言う患者、機械を埋め込んだ患者、認知症の蕎麦屋店主、親の面会NGの患者。

自分が死にかけたらこういう所に入院したい。読む側が患者側からも医療側からも死を真摯にリアルに考える機会をくれた。

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2025年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

慕っていた仙川先生の近くにいることになった看護師の麻世ちゃんの能登の緩和病棟での葛藤

[人間、年を取ったり病気になったりすれば、できないことが次々に増えてくる。そんなできない自分を受け入れるには、心の中成長が必要かだからね」

不完全な自分を受け入れて、さらにそれも人生の味わいとして楽しむ…

筋縄ではいかない緩和病棟の大変さ。患者とその家族、担当医師との間を取り持つ看護師の負担も伝わってくる

仙川先生は最後にカンファレンスに参加して自分の死に方、死場所、見守ってくれる信頼のおける看護師まで近くにつけて見事な最期だ

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

自分にとって「幸せな死に方」ってどんなだろう?

緩和ケアについて書かれた小説を読んで、そんなことを考えてみるのも良いのではないでしょうか

まぁ、多くの人の意見にぽっくり行きたいってのがあるよね
俗に言うペンペンオシリじゃなかったピンピンコロリってやつよね

「病気に苦しまずに元気に長生きしてコロリと死ぬこと」だそうです

まぁ、子どもたちに迷惑かからんから良いだろうなぁとは思うけど、家族に見守られながら静かに目を閉じるみたいな、ドラマのワンシーンみたいなんも捨てがたいよね
高原の病院でね

最悪なのはやっぱり痛いやつよね
最後の瞬間まで痛みに悶えながら死ぬやつよね
それは絶対嫌よね

そこで緩和ケアですよ、奥さん!

ありがたい
もし自分がそんなことなったら絶対ありがたいって思うよ
だってむっちゃ痛みに弱いもの
ヨワヨワ大臣だもん(何担当やねん)

そしてできれば心配の種が残らない状態で死んで行きたいな〜
そうなるとやっぱ相当頑張んないとな

死ぬのもなかなか大変やでこりゃ

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2024年12月24日

Posted by ブクログ

人生最期の日々、穏やかな能登の内海眺めて逝ければ…と牡蠣小屋での一杯思い返しながらも、そんな単純な話でもないと。地震からの復興を治療に例えたのはストンと腑に落ちた。キリコの祭りの季節にまた訪れたくなった。緩和ケアの本質「治すことー時々、和らげることーしばしば、慰めることーいつも」看護師も医師も大変。せめてワガママな患者にならないように「何があっても機嫌よく生きる」「死ぬまで成長」「これも人生の味わいだと現状を楽しむ」こと肝に銘じて。

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2024年12月23日

Posted by ブクログ

金沢のまほろば診療所の看護師麻世ちゃんの、能登半島穴水町の病院での緩和ケア病棟実習の様子が物語となっている。そこはまほろば診療所を急に引退した仙川先生のふるさとであり、釣りをしながらのんびりと過ごす姿を心強い存在はとして実習に臨んでいく。
元気に退院することのない患者さんへの親身なケアが、時に自身の思い込みが強くなってしまう麻世ちゃんに、仙川先生や病棟の北島先生、先輩看護師の妹尾主任たちは、その人の人生の背景を知って望みに寄り添うことを教えてくれる。
より良いお別れをするためには、家族も本人の気持ちをどれだけ汲み取れるかによるのだと感じた。仙川先生も人生の終盤をふるさとの海と旧友に囲まれて暮らすことを望んだように。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

緩和ケアってなんだろう?とじっくり考えさせられた。特に死ぬ間際の親子関係の話が。死ぬ時は家族に見守られて、というのが当たり前ではない人もいる。誰の意思を一番に考える?意識レベルが低下したら患者の意思を無視していいのか?生きることとは、死ぬこととは…

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2025年02月16日

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