南杏子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
南杏子氏の小説を読むのは2冊目だが、本書が著者のデビュー作らしい。
著者は現役の医師であり、本書のジャンルは医療小説だ。患者や家族の描写がとてもリアルである。
ストーリーは、大きな大学病院から在宅医療のクリニックに不本意ながら出向になった女性医師とその患者たちの話。患者ごとに短編になっている。主人公の倫子(医師)の父親は脳梗塞で意識不明になって8年入院している。
自宅療養している患者たちの事情は様々である。患者とのやり取りは、倫子が大学病院で志してきた患者が1日も長く生存できるようにする医療が、患者にとって幸せなのかという疑問を突きつける。父に生き続けてほしい母と、終末医療の希望を書き残した父 -
購入済み
「あろうことか、父は積極的な安楽死を、娘である咲和子に希望してきた。これまでの数日間と違い、ありのままの思いを伝える強く明確な口調で、」
この作品は映画になるらしい。是非ブームになってほしい!ラストシーンは一億みんなに投げかけられた問題。 -
購入済み
作者は現役のお医者様なので、介護の描写がリアルです。
私は今まで肉親や自分自身の死について真正面から向き合ったことはなかったのですが、この本を読みながら、主人公の医師、倫子の苦悩や迷いがそのまま自分のものであるかのような思いで読みました。 -
ネタバレ
作者が現役医者だけに
在宅医療の描写がリアル
医療用語もわかりやすかった
映画はまだ見てないけど
映像だとつらいシーンばかりで
本で読んだ方が良かったかも
最後の元医者の父が
安楽死を望むところでは
自分の死をもって
娘に医者としての姿を
教えたのだと思うと
尊厳死の尊さを感じました
と同時に最後の一手を下さなかったのは
娘を思う父としての思いやりだったのだろう
思い通りの死を迎えられる人は
幸せなのかもしれませんね
残された者はどうやっても悔いは残るものですが
いかに死ぬかは
いかに生きるか
それを意識して生きたい
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Posted by ブクログ
忙しすぎる医療現場、モンスター患者、訴訟問題、信頼していた人の自殺、親の認知症、看取り、妹との確執…。重たい課題に対してロシア武術「システマ」の呼吸法を使いながら頑張る35歳女医さんの話。
行き場のない悲しみ、理解のない職場、頑張れば頑張るだけ気持ちが通じなかった時のダメージは大きく、ほんの小さな感謝の言葉を支えにまた頑張ろうとする健気さ。読みながら苦しくなりつつも、では私はどうする?どう進む?と自分の生き方も考えさせられた。
社会全体がギスギスしてみんなの行きづらさが根底にあるのだろうけれど、私はできるだけ感謝の言葉を周りの人に届けられるようになりたいと思った。 -
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自分に置き換えて考えてみました
現場を経験された方だからこそ書けた作品だと思います。身内の死、患者さんの死、それらを通じて医師としてたくましく成長していく先生と共に読者である私も死についてもう一度深く考える機会をもうけることができました。死とは負けではないのだと自然の摂理なのだとあらためて学んだ気がします。
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購入済み
サイレント・ブレス
突然の死ではなく、死を迎えていく人がいて、そこにはそれぞれ物語があり、在宅医療専門のクリニックや先生など多くのサポートする人・家族など送る人がいる。それらを優し文章で暗くならない展開をしていくため、もっともっと読みたくなる素敵な本でした。これから死を送る人にもなり、死を迎える人なっていくであろう私にとって、それらを受け入れる励み、そのための生き様を考える参考になるような本でした。ありがとうございました。
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Posted by ブクログ
定年後勤めだした仕事が少なからず医療に関係しているので、一つ現役医師の小説家が書いた小説を読んでみようと思い、手始めに新潮文庫にある『夜明けのカルテ』という9人の医師小説家の短編を集めたアンソロジーを読んでみた。収録されていたのは下記の作品である。
牛島志季『研修医ヒナノの洞察』
朝比奈秋『魚類譚』
春日武彦『パイナップルのある光景』
中山裕次郎『救いたくない命』
佐竹アキノリ『春に綻ぶ』
久坂部羊『闇の論文』
遠野九重『言葉が消えるまえに』
南杏子『空中テント』
藤ノ木優『峠を超えてきた命』
それぞれ主人公が外科医だったり産婦人科だったり研究職だったり患者を抱える家族だったり。自分に身近 -
Posted by ブクログ
診療科目は「老年内科」。
老人の悩み事をいろいろ診てくれるクリニック。
「エンディングノート」と聞くと、いかにも老人の問題と思うもの。でも意外とそうでもない。若くても突然亡くなってしまったら、キャッシュカードの暗証番号は? 葬儀の希望は? お墓はどうしてほしかった? と故人の遺志を聞きたくても聞けないなる。いざというときのために書き残しておいてもいいことは山ほどある。
「白内障」も”若年性”のもあるというからほっとけない。
「免許返納」は死活問題な人もいるから簡単にはいかない。
老年になってもつきない悩み、老人だからこそ出てくる症状や悩み事をそっと覗いてみた気になる。まだ遠い先の話ではない。わ -
Posted by ブクログ
ネタバレいのちのシリーズ。
まさかの仙川先生が。。とは、思っておらず、麻世同様に驚いてしまった。
ICDの件は、知らなかったな。
死に至るまでに、それが作動してしまうということ、そして、それがかなりの苦痛を伴うこと。
だとしたら、やはり、穏やかに見送りたいので、効力をなくした方が良い気がしたが、家族のこととなると難しい気持ちもわかる。
延命治療をやめてもらう。
それは、自分の手で、自分の意思で大切な家族を送るということだから。
認知症に関しても、知識はあったが、死に至る病であることに驚きだった。
言われてみれば。。と思ったところから、おそらく私は、死に至る病であることを肯定したくなかったんだろうな -
Posted by ブクログ
○本のタイトル『サイレント・ブレス 看取りのカルテ』
○著者名 南 杏子(みなみ きょうこ)
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○魅力
訪問クリニックで奮闘する、37歳の医師、水戸 倫子(みと りんこ)の物語。
この連作短編では、彼女が終末期医療の大切さを伝えてくれる感動的なエピソードが描かれている。
倫子は新宿の大学病院での忙しい日々を経て、訪問クリニックに異動。
そこで、余命わずかな患者たちと向き合いながら、彼らの人生の最期の瞬間を尊重し、心を込めて寄り添う。
6人の患者さんそれぞれの性格や病気、彼らがどのように受け止めているか、また支えてくれる家族や周りの人々の気持ちが、とてもリアル