あらすじ
医師国家試験に合格した野呂は、金沢のまほろば診療所に戻ってきた。娘の手を借りず一人で人生を全うしたい老母。母の介護と仕事
の両立に苦しむ一人息子。妻の認知症を受け入れられない夫。体が不自由な母の世話をする中二女子。……それぞれの家庭の事情に寄
り添おうと奮闘する野呂は、実は、ヤングケアラーという辛い過去を封印していた。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
野呂先生お帰りなさい!
今回は前作の主人公である白石先生ではなく、助手?であった野呂君が医師としてまほろば診療所に帰ってきた!
反対に白石先生は違う病院の方に多くいるようになり野呂先生がメインとなっていく。
患者を診て、自分を見詰めて、成長していく。
人に携わる仕事をしている人はどうしても対象者を通して自分を見つめなおして成長?整理?していかなくてはいけない場面が多々存在すると思う。その度に自分の中の答えを出しながら成長していく。
登場人物全ての物語が心に沁みた。
Posted by ブクログ
コロナど真ん中で医療現場最前線で働く1番大変な思いをした人の話、ほんとうに頭が下がります。白石先生ではなく野呂先生だったけど 視線が凄くて露子さんの旦那の睡眠薬服用してたのよく見つけたし、留学生の保険金に特養に入れる策士の息子にと、あと介護の4つの権利も知る事出来たし あんな訪問看護に出会いたい 自分も介護するはずだし、生きてく上で助かるし家族も自分もたくさんのチューブでベッドに縛られて生きながらえるとかまっぴらごめんだよ。
Posted by ブクログ
現代のさまざまな介護問題があふれている。特に中2のヤングケアラーの子の問題が心に残る。
介護サービスを利用しているのに、介護負担は重くこの子にのしかかっている。本人も「家の手伝い」との認識で、がんばりすぎるくらいがんばっているのに、母親からはやって当たり前の態度をとられる。病気の後遺症のせいもあるが、こんな状況の子はどうすればいいのか。どこへ助けを求めればいいのか。野呂先生は家族会エルへ助けを求めていたが、地域にそんな会がなければ?
そもそも家族会だけですべてを網羅できるはずもなく。
こういうことが問題なんだな、とヤングケアラーの問題の一端を見た。
自分の介護体験にも後悔を抱えていた野呂先生。おばあちゃんが幸せな気持ちで最期を迎えていてよかった。にしても、自分の母親の介護を妻と子に押しつけている父親って、いったい何?感謝こそすれ、介護疲れで休んでいる息子に寝ているのかと怒鳴りつけるってどうなの?と怒りが湧いた。
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介護者に「介護を休む権利」を
介護の経験はないが、うまく立ち回れる自信はない
ただ、「愛おしい人を、最後まで愛おしく思って生きられるように」来る日を乗り越えたい
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介護の現実を知れます。
本当に大変な部分はサラッと書かれていますが、現実はもっと大変なんだろうなと思いながら読み進めました。
悪気なく言った人の言葉がそれを受けた人自身も知らずに縛られてしまう事の怖さと、介護には5つの権利があると書かれていてなるほどなと分かりやすかったです。
歳を取ってからも自分がどうしていきたいのか何が幸せなのか考えないといけないのと、自分の周りの人達の幸せも考えないといけないのだと思いました。
Posted by ブクログ
いのちの停車場の続編。
在宅介護の現場の話。
介護をしてきた人も見てきたし、
自分自身も実際に介護をした。
人によってそれぞれだとは思うが、
介護するのは勿論、介護されるほうも
辛かったと思う。
心にしみる物語でした。
Posted by ブクログ
「いのちの停車場」の白石先生は、コロナ禍のもと加賀大病院のヘルプに出かけ、まほろば診療所は、医師国家試験に合格したばかり、久しぶりに帰ってきた野呂先生の肩にかかることになった。
前著は、終末医療の厳しい現実がテーマだったけど、今回は新人の野呂ということもあって、独居老人問題、家族の負担、外国人労働者の終末医療、認知症隠し、ヤングケアラー問題、老老介護など、比較的世の中に「よくある問題」を扱っている。現役医師南杏子さんは、日頃の経験から「どうしても伝えたい」という想いが、あり過ぎるのだろう。他の医療小説よりもヒシヒシと感じる。
金沢の訪問医療の小さな診療所。
「私たち、最後の砦なんですね!」看護師の麻世ちゃんの言うとおり、世の中のいろんな歪みが其処に集まる。若い野呂先生の目を通して、私たちも考えなければならない。
図らずもコロナ禍小説ともなっている。次のシリーズは、能登の震災直前までの小説になっているようだ。第四巻があるとしたら、災害医療小説になるのかもしれない。
Posted by ブクログ
主人公には「できる人」を求める私が悪いのですが、成長中の野呂くんにイライラしてしまう笑
ヤングケアラーのことを伝えてくれてありがとう。今はいろんなことが急激に多様化して、当たり前とか普通がなくなってきてる。弱い立場の人が声を上げることができるようになってよかった。まずははじめの一歩ですね。
Posted by ブクログ
訪問診療での医師が高齢者介護だけでなく、ヤングケアラー領域にも関わる。祖父母を介護する孫のイメージしか無かったが、確かに40代の親が介護を受ける場合、子どもは学童期でヤングというよりチャイルドなのにケアラーのパターンがある事を知った。介護保険は介護対象者のためのものだとは思うが、制度から抜け落ちるレアケースを想定されていない。その狭間を救ってくれる人はなかなか見つからないし、見つけることも難しい。難しい問題。
でもこの中では子どもが救いを受けられ、それだけでもホッとする。