南杏子のレビュー一覧
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サイレント・ブレス
突然の死ではなく、死を迎えていく人がいて、そこにはそれぞれ物語があり、在宅医療専門のクリニックや先生など多くのサポートする人・家族など送る人がいる。それらを優し文章で暗くならない展開をしていくため、もっともっと読みたくなる素敵な本でした。これから死を送る人にもなり、死を迎える人なっていくであろう私にとって、それらを受け入れる励み、そのための生き様を考える参考になるような本でした。ありがとうございました。
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野呂先生が主人公の今回。
コロナ禍の訪問診療。
コロナの時の大変さを思い出した。
今回は介護について考えさせられた。
家族の介護はやって当然のこと。
一緒に暮らしていたら、特にそう。
介護は親への感謝を持ってやるべきこと。
親も祖父母にやっていた。わたしもやらなければ。
でも、子育てと仕事と介護そんなにできる自信もない。
耳を塞ぎ考えないようにしている今。
「愛しい人、最後まで愛しいと思えるように」
この言葉がぐっときた。
愛しいと思えなくなるほど、介護する側が辛かったら、介護される側もきっと幸せじゃない。
そこが判断の軸で介護の度合いを決められるといいんだと思った。 -
Posted by ブクログ
現実的でまるで自分の日常のようでした。
私自身も、看護師経験の中で
あの時、なにかサインは出ていなかったか、見落としたかもしれない
とか、もっとこうしたらよかったとか
何であの時 余裕がなくなったのかとか、後悔し自分を責めることがあります。
ですが、この本に出てきた言葉を
そのまま引用すると
[自分を振り返って、自分が至らなかったからか、自分が無能だからか、自分がバカで未熟で無責任だったからなのかという思いが、止めどもなく込み上げてくる。その一方で、決して手を抜いたわけではないが結果は思いどうりにはいかなかったのだと悔しい思いを抑えられない]
そんな繰り返し起きる
後悔は
この本の望月の言葉に救われる部分もあります。
たくさんの生老病死があって、それが常に動いている。全てが理想通り、
思った通りいくはずがない。
ですが、看護する側の人間は
その後悔も葛藤も 正面から受け止め
なければならないと思う。
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Posted by ブクログ
70歳になるからリタイヤするね
そう言い残し仙川徹は金沢を去ったっ!
そして穴水へ逃亡
星野麻世は前向き看護士
仙川にすすめられた穴水の病院での実習に興味津々だっ!
※麻世が挑むのは 緩和ケア病棟エキスパート看護実習(六ヶ月)
妹尾理央子看護主任は麻世の高校のパイセン
しかもバスケットボール部だったっ!
パイセンの直接指導に麻世は咽び泣く…
麻世が受け持つ#503の久保田ルミ子は大腸がん末期で、毎晩うなされている
しかしモルヒネ使用を拒み続ける
説得しきれない自身が歯がゆく、無力な存在だと落ち込んだっ!
#506中村照枝は元海女さん
人はねみんなお日様の力で生きとるがやぞ
照枝の名セリフが炸裂するっ!
余命は一ヶ月
辛そうな義母の様子に沙保里はICDの機能停止を申し出る
安らかにあの世へいってらっしゃ~いっ!
お父さんは食べたくないんやね♥️
そば屋「長寿庵」の妻は叫んだ
息子はいまいちのそばしか作れない
#508大山寛介は一言も喋らないまま病棟から旅立ったっ!
#502古谷茂はゲイ
藤堂広樹と病室で唇を交わすっ!
ヤッサイ、ヤッサイ、ヤッサカ、ヤッサイ!
茂さんの車椅子の正面
乱舞するような動きを見せてキリコは浜辺へすすんだっ!
麻世の恩師?仙川先生はなんとすい臓がんだった
しかもステージ四b
もう先があまりないねっ!
離床される際は念のためナースコールも押してくださいね センサーで体の動きを拾いきれないこともありますから
仙川先生はそうだね と頷くっ!
無理なさらず何でもお伝えください 我々は先生のためにいるのですから
ベッドに横になったまま仙川先生は頷くと北島先生に向けて拝むように両手をあわせるっ!
お手てのふしとふしを合わせてふしあわせ ナムー
機嫌よく生きる、と決心
あとは、死ぬまで成長
まさにこれが仙川先生の成長戦略だっ!
自身も人生末期はこうありたい…
仙川先生も話し続ける
互いに話を終わらせまいとしているようだ
別れの時間が永遠にこぬいように
二人にはこれが最後の面会になると分かっているっ!
この、おちゃけで十分おいしいよ
お酒をのめなくなっている仙川先生はダシャレで返したっ!
※お酒とお茶(大爆笑、老人の括約筋はゆるめ・油断して猛り狂う放屁を披露)
やっ、麻世ちゃん 元気?
運転席から降り立った野呂先生こと野呂っちは、相変わらずひょう×2としているっ!
まほろばを任せるよ…
野呂先生は声を出さず激しく頷くばかりだっ!
そんなのがあるんだー
仙川先生は手を打つっ!
まさに内浦は命が生まれて命が去るところだな…
仙川先生の声はいつもよりよわよわしかったっ!
先生、最期まで私が一緒にいますから大丈夫です 心配ないさぁ~(大西ライオン風)
そう言って仙川先生の手をしっかりと取るっ!
苦痛を取り嫌だと思うことをしないのが最後にできる最高の仕事
もしかして白石先生のお父さんもそれを娘に伝えたかったのかもしれないっ! -
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52歳末期癌の母を自宅で看取ることを決めた私は、訪問医療に携わる方々には頭が上がりません。
モルヒネやミダゾラムの投薬、酸素吸入、痰の吸引…から、息を引き取るその瞬間を見守るプロセスを、伴走してもらいました。夜間も早朝も緊急対応が必要になるこの仕事をしてくださることに、感謝しかないです。
そしてこの本を読んで…
単なる「人の死」への感傷ではなく、生々しい三年前の実感と重なり、涙したシーンが多くありました。
当時、「死の授業」は私もしてもらい、チアノーゼ、尿の変化、呼吸数、そして下顎呼吸、私たち家族は、事前に分かっていたから受け入れられました。医療者のいない場でも落ち着いて、自分達で最後の呼吸を悟り、看取ることができました。
夜も他人の気配がして消毒の匂いがする病院が落ち着かず、患者が「家に帰りたい」と希望することは至極全うで、口にするのは容易いけれど、よし、と動き始める家族は本当に本当に大変。体力もそうですが、何より心が決断の責任を背負いすぎてしまいます。
在宅で家族を看取りたい、という方は早めに読んでおくとよい一冊だと思います。「いつか来る死」という本も、合わせてお勧めします。 -
Posted by ブクログ
サイレントブレスを再読してから、未読のものも読んでみたくなって手に取った南杏子さんのお話。
どこか不安げで、でも積み上げたものという芯を持った女性の医師が共通しているので既視感。
在宅医療というと、どうしても高齢者をイメージしがちだけど、事故で四肢麻痺になった人、小児癌の少女。色々な患者さんのケースがあることを改めて知る。そして実父の骨折から肺炎、脳卒中と苦しむ姿に家族として医師としてどう向き合うのか。
正解はないし直面したらどうするのかはわからないけれど、どれも自分や家族の生きることと死ぬこととの向き合い方を考えさせられるお話でした。 -
Posted by ブクログ
訪問診療を行う医師として働く日々を通して患者と自分、そして家族と向き合っていく医療小説です。
主人公は大学病院で総合診療医として働いていた女性医師。人事異動の辞令を受けて「むさし訪問クリニック」へ異動となるが、毎日忙しく最先端の医療技術や症例を学びながら行うものが『医療』だと考えていた彼女は、十分な設備もなく在宅で家族がケアをしている患者たちにどのように向き合っていけばいいのかに悩み、毎日が手探り状態。大学病院のように病気と闘う医療ではなく、静かに病気と向き合って受け入れていく人に寄り添う医療。『看取り医』として患者に向き合う日々の中で、彼女は自らの父を在宅で看取ることを決意する。
安心安全の南杏子先生のお話だな、と感じました。『いのちの停車場』シリーズで初めて読んだ作者様でしたが、医療に向き合う真摯さ、人とのつながりや心情を描く心象風景描写のあたたかさはとても染み入るものがあります。
どう死にたいかという問いに向き合うと、どう生きたいかにつながる。そんなことを感じさせる一冊でした。最後の最後まであきらめずに病気と闘う人もいるのでしょうけれど、ある一線を越えたら、最後の時間をどう過ごしたいかという考え方にシフトしていくものなのかもしれません。最後の最後まで病院には入院したくない、最期は自宅にいたいと言っていた祖母の介護をしていた時のことを思い出しながら読んでいました。
延命治療のこと、在宅で静かに死ぬための医療のこと、家族の意思をどう尊重するかということ…とても真摯に向き合ってこられた方だからこそ書けるお話だったのだろうと感じます。どの家庭も一筋縄ではいかない中で、思うところを書き著されたものだったのかもしれません。私は自分が死ぬときに、どんな選択をするのだろう、どんな選択をして欲しいと思うだろう、そんなことを考えさせられるお話でした。
自分がどう生きたいかを改めて考えさせてくれる、看取り医の成長の物語でした。 -
Posted by ブクログ
現役の医師が書いた作品なので、すごく細かく処置内容や患者の様子が描かれており、映像としてスッと入ってきた。
でも、難しい医療用語が使われているわけではなく、読みやすい。
病気の人を長生きさせることが正義ではなくて、本人の最期の願いを叶えてあげるのが真の優しさだと実感させられた。
実際、身近な人が余命少ない状況で延命治療を施さないという選択をするのは、すごくすごく勇気がいることだと思う。
でも、小説を読みおわったら死=辛いことではないのかもしれないと少し思うことができた。
「人の死」という重いテーマを、前向きに描いていて心が温かくなる作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新米研修医が気づいた真実、引きこもり患者を救う精神科医、無差別殺人犯への緊急手術、友人の脳腫瘍に向き合う脳外科医、深夜の出産に奔走する医療チームなど、医師作家9名がそれぞれの知識と経験をもとに描く医療小説アンソロジー。
医療小説としてのドラマ性だけでなく、診療の段取り、医師同士の距離感、病院という組織の空気、患者や家族とのすれ違いが自然に描かれている。医療者が読むと「わかる」と思う場面が多い。
使命感、判断力、患者を助けたい気持ち。
一方で、自己正当化、権威性、論文や業績への欲、組織内の空気の悪さ。
医師という職業を美化しすぎず、かといって冷笑しすぎてもいないところが読みやすい。
精神科、外科、脳外科、産婦人科、内科的な視点など、作品ごとに医療の切り口が違う。1冊で“医療小説の総合病院”のように読める。
特に「闇の論文」と「空中テント」がよかった
「闇の論文」は、医療者なら笑えないリアリティがある。論文、名誉、組織、倫理の境界がじわじわ不穏になる感じが印象的。
「空中テント」は、認知症の家族の介護問題を忠実に再現していると思った。診断がくだったときに「当事者としての自覚をもつように」と言われてもピンときていなかった主人公が、その本当の意味に気づくまでの家庭がリアルだった。
「魚類譚」は少しホラーっぽい不穏な感じ
「研修医ヒナノの洞察」「救いたくない命」「春に綻ぶ」「峠を越えてきた命」ドラマになりそうな感じで好き。 -
Posted by ブクログ
定年後勤めだした仕事が少なからず医療に関係しているので、一つ現役医師の小説家が書いた小説を読んでみようと思い、手始めに新潮文庫にある『夜明けのカルテ』という9人の医師小説家の短編を集めたアンソロジーを読んでみた。収録されていたのは下記の作品である。
牛島志季『研修医ヒナノの洞察』
朝比奈秋『魚類譚』
春日武彦『パイナップルのある光景』
中山裕次郎『救いたくない命』
佐竹アキノリ『春に綻ぶ』
久坂部羊『闇の論文』
遠野九重『言葉が消えるまえに』
南杏子『空中テント』
藤ノ木優『峠を超えてきた命』
それぞれ主人公が外科医だったり産婦人科だったり研究職だったり患者を抱える家族だったり。自分に身近な問題が扱われていたり、医療関係者だからこそ書き込める医療用語が出ていたりすると、読む側としても気が引き締まる。研究職を経験したことのある自分にとっては『闇の論文』に興味を持ったが、一番印象に残ったのは救いたくないのに医者と言う立場ですく若くてはならない『救いたくない命』だった。これを機に、医療小説をまとめて読んでみようと思っている。