南杏子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在、父親が末期癌で既に胃ろうをしており、今後は緩和ケアに移ると言われて、改めて本小説を読み返した。数年前の祖父母が死ぬ間際にも読んでいたらしい。
改めて読み返してみると、その描写や心情が実感を持って読み直すことができる。私個人は、サイレントブレスという、終末期患者を穏やかに最後を看取っていく考えに同意している。
父が亡くなっていくことに悲しい気持ちはあるものの、それ以上に望まない延命治療によって、本人を苦しめる方が悲しい。余命の短い父とあとどれだけ後悔なく過ごせるかをきちんと考えないとなと。
余談ではあるものの、生老病死は誰しも避けられず、この世は一切皆苦であることを受け入れる仏教の世 -
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匿名
ネタバレ 購入済み老年内科のある老坂クリニックには熟年女性という感じの老坂小町院長と、若手の男性医師の山里羊司の二人の医師がいる。
「聞こえ」に問題が生じている男性は、亡くなった兄の使っていた補聴器をつけてみるが良くならず
いらだちを抱えていたが、耳垢が耳道をふさいでいたことを見つけてもらい、
耳鼻科で除去してもらったことで、生活を取り戻す。
物忘れが多くなってきたことを夫に指摘され、毎日物覚えのテストをされている女性の場合は、
小町院長から夫の「ニンハラ=認知症ハラスメント」を指摘され、
また、「軽度認知障害」の可能性と、それを改善するためのグループを紹介されて、夫との生活も好転していく。
大学生の孫と -
匿名
ネタバレ 購入済みちょうど母を「老年内科」に連れて行くようになったので、読むべしと思い購入。
舞台は東京自由が丘(というのが実際どんなところかは知らない)にある坂の上の老坂クリニック。
息子の嫁からエンディングノートを書くよう言われたが筆が進まない高齢男性は、図書館で倒れ、
居合わせた老坂クリニックの院長老坂小町に脱水を指摘される。
息子の嫁がエンディングノートを書くよう言ったのは、意外な理由からだったことも判明する。
白内障手術を勧められたが、言われたリスクを思い出すうちに怖くなり、
手術直前に暴れてキャンセルしてしまった高齢女性に、
メリットとデメリットを改めて伝えて手術を受けさせ、女性の生活が好転する -
Posted by ブクログ
ネタバレ
終末期医療の緩和ケア科で奮闘する看護師の麻世ちゃんの物語。
麻世ちゃんは、前作よりも落ちついた印象に様変わりして、読み手としても読みやすくなりました。
それだけ麻世ちゃんが成長したってことなのかな?
最後の仙川先生のくだりでは涙が流れた。別れが分かっていても、別れは怖いし悲しいよね。。。
また、北島先生は厳しいながらも患者さん思いで、信頼出来るなあ、と思った。
実際には、野呂っちみたいな先生は絶滅危惧種だろうから、私は北島先生みたいな先生に(今後)出会いたいなあ。
また、次回作がありますように。
野呂っちと麻世ちゃんの活躍がみたいです。
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Posted by ブクログ
現代のさまざまな介護問題があふれている。特に中2のヤングケアラーの子の問題が心に残る。
介護サービスを利用しているのに、介護負担は重くこの子にのしかかっている。本人も「家の手伝い」との認識で、がんばりすぎるくらいがんばっているのに、母親からはやって当たり前の態度をとられる。病気の後遺症のせいもあるが、こんな状況の子はどうすればいいのか。どこへ助けを求めればいいのか。野呂先生は家族会エルへ助けを求めていたが、地域にそんな会がなければ?
そもそも家族会だけですべてを網羅できるはずもなく。
こういうことが問題なんだな、とヤングケアラーの問題の一端を見た。
自分の介護体験にも後悔を抱えていた野呂先生。 -
Posted by ブクログ
大きな救急センターを離れ、
故郷の在宅医療を担うことになった
佐和子
麻世や野呂、仙川先生といった
温かい周りの人
章ごとに違う患者が抱える
老老介護、ゴミ屋敷、先端医療、
小児癌といった現在の問題の中にある
生きる尊厳
最後の章は、実父の死ぬ尊厳
一貫して生きるってどういう状態なのか
ということ…
お父さんの
「自分で死ぬ力すら残っていない」
「痛みに終わりがあると決めることによって、死はむしろ生きる希望にすらなりうる」
自分や自分の親、家族がこうなった時
自分はどうすればいいのか
考えても想像つかない
せめて自分にも他人にも寄り添える心を持とう