【感想・ネタバレ】老坂クリニック 坂の上に見える窓のレビュー

あらすじ

老年専門内科へようこそ。最初は難聴の患者さん。院長が短歌を詠んで伝えるメッセージの効果は? 現役医師作家の書下ろし医療小説!

稲葉哲郎(70歳)は困惑していた。膜の向こう側や水の中の音のように、いろんなものが聞こえにくくなったのだ。病院では受付の呼び出しの声を聞き逃したり、コンビニのレジでは訊かれたことがわからなかったり、同窓会では憧れだった女性との会話が成り立たなかったりした。妻との意思疎通も適当な返事でごまかしていたが、このままではまずいと思い立ち、亡き兄が遺してくれた補聴器を引っ張り出すも、結局、老坂クリニックの小町先生を頼ることになり……。

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匿名

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老年内科のある老坂クリニックには熟年女性という感じの老坂小町院長と、若手の男性医師の山里羊司の二人の医師がいる。

「聞こえ」に問題が生じている男性は、亡くなった兄の使っていた補聴器をつけてみるが良くならず
いらだちを抱えていたが、耳垢が耳道をふさいでいたことを見つけてもらい、
耳鼻科で除去してもらったことで、生活を取り戻す。

物忘れが多くなってきたことを夫に指摘され、毎日物覚えのテストをされている女性の場合は、
小町院長から夫の「ニンハラ=認知症ハラスメント」を指摘され、
また、「軽度認知障害」の可能性と、それを改善するためのグループを紹介されて、夫との生活も好転していく。

大学生の孫と二人暮らしを始めた男性は、だんだん疲労感が強くなり、動けないほどになったことで受診。
診断結果はなんと脚気。
食事がうどんやインスタント、スナック菓子などが中心になって、ビタミンB1不足になったことが原因。
実は最近、増えてるらしい、というのにはびっくりした。

各話の患者さんに、小町先生は短歌を書いて渡す。
また、脳出血で意識不明になったままの夫への想いも短歌に乗せるのが、切ないなあと思う。

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2025年11月27日

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