南杏子のレビュー一覧
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久坂部羊、小松亜由美、中山祐次郎、七尾与史、南杏子『謎解き診察室、本日も異状あり』幻冬舎文庫。
5人の医師作家による医療ミステリー短編アンソロジー。
中山祐次郎と南杏子は初読みの作家。七尾与史が医師作家だとは知らなかった。
七尾与史の『患者は二度死ぬ』がピカイチで、後は並以下の出来だった。
久坂部羊『悪いのはわたしか』。そういうオチであったかと納得するも、真実は一体何処にあるのかと頭の中が混乱した。新聞で人生相談の連載を持つジャズピアニストにして精神科医である女性医師の元に怪文書が届く。怪文書が届いてから女性医師は次第に精神的に弱っていくのだが……
小松亜由美『半夏生のトルソー』。瓢 -
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Posted by ブクログ
言ったもん勝ち、声を大きく荒げたものが勝ち、モンスターペイシェントが医療業界にも広がってきている。
ただ真っ当に医療に尽くしたい内科医の千晶だが、理不尽な要求をしてくる患者「様」に心も体も時間も奪われる。病院側は利益追求のため患者様ファーストであり、ドクターたちを助けてはくれない。
小説ということもあり過剰に描かれているのかと思ったが、他の方の感想を読むと思いのほかリアルなのだそう。
疲弊していくドクターや職員に胸が苦しくなる。
本書では最後多少の光が見えはしたが、現実ではこんな日々が続いているのかと思うと、この先医療が崩壊しないのかと不安になった。 -
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人それぞれの「死生観」に向き合い、考えさせられる作品。
母が「これ面白いで。あんたの仕事のやつやろ〜?読み終わったからあげるわ〜」と言って数年前にくれた小説。
この仕事の経験を積んだ今、読み直すと全く感じ方が違った。
そもそも、訪問診療と病院の医療とでは考え方の根本が全く異なる。
病院は最善の医療を行うところで、訪問診療はある意味、看取りの医療とも言える。
著者の南杏子先生は子育てをしながら、33歳で医学部に入られたそうで、それはもう想像を絶するレベルの努力家なんだろう。素直にかっこ良すぎるし、尊敬しかない。
しかし、ふと、癌末の患者さんに点滴をしている描写がさらっと書かれているのは -
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看護師さんのリアルがわかる。31歳のナース素野子が主人公。使命感と誇りを持ち仕事をしていたけれど、あまりに過酷な現場とシフトに心身ともに追い詰められていく。
読んでいて本当にしんどかったです。看護師さんの働きには頭が下がります。でも看護師だって人間だもの。夜勤もあるシフトをこなすだけで体に負担がかかる上に人手不足でギリギリ。必死に対応して走り回って、一瞬たりとも休めない。それで患者さんやその家族や医者に罵られたりしたら本当にやってられない。これ以上は無理、どうしろと言うの?!という場面の連続です。自分なら絶対にできないなぁと思った。
医療現場の労働環境が少しでも改善するように願います。このまま -
Posted by ブクログ
同じ大学の解剖学実習で組まれた女性だけの4人の班。
城之内泰子教授の元、優秀な成績で卒業し…その20年後…4人はそれぞれ人生の転機を迎えていた。
医師として、女性として、その実力やキャリアとは関係のないところで苦しみ、悩み、自分の人生とどう向き合うか試行錯誤している様子が描かれている。
そして彼女達を育てた城之内泰子教授の退官時、教授から彼女達に関わる驚きの真実が伝えられる。
各章が性の差別と命の2本柱から成り立っている。
いつの時代もやはり女性について回るのが、結婚、出産、家庭、子育て、親の介護…これらの問題で必ず頭を悩ませることになる。
(女性だけではない、男性もそれぞれの状況の中闘いっ -
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病院をサービス業として位置付ける経営方針の中、クレーマー達の理不尽な要求に疲弊していく若い女性医師の物語。
医療現場の崩壊を見ているようです。
こういうのは嫌い(笑)
現状の医療現場、その辛さを伝えたい物語なのだと思います。しかし、読んでいて辛く、いやーな気持ちになります。
まずは、患者を患者様というサービス業にとらえる経営方針。なんだかな。
今でもお客様は神様ですとか言って、理不尽な要求をするような風潮がありますが、それを医療の現場で振りかざすのはかなり嫌な気分になります。
この経営方針そのものが気に入りません。
患者への責任、さらに、経営への責任と医師にここまでの事を背負わせる考え方