斎藤美奈子のレビュー一覧

  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    この30年、私だってそれなりに本を読んできたつもりだけど、2人の読書量と読解力にはまるでかなわない。ああ、読むべき本がまだまだたくさんあるなあ。

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    2024年10月27日
  • 挑発する少女小説

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    面白かった!
    少女時代に読んでいた物語、当時は深く考えず憧れたりワクワクしたりしていたけど、執筆当時の社会が女性に求めるものだったり、それに反発する作者の隠れた思いだったりが描かれていて興味深かった。

    何よりこの本の筆者のバサバサ斬っていく語り口が気持ち良い!

    取り上げられている作品の中では
    「秘密の花園」「ふたりのロッテ」が子どもの頃特に好きだったなぁ。

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    2024年10月20日
  • あなたの代わりに読みました 政治から文学まで、意識高めの150冊

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    『週刊朝日』で10年にわたって連載されていた『今週の名言奇言』全490冊の中から厳選された154冊分の書評をまとめた書評本

    見開き2ページに切れ味鋭い美奈子節であらゆるジャンルの本が紹介されとりました

    いやー斎藤美奈子さんやっぱ好っきやわー

    もちろんあれも読みたいこれも読みたいとなったんですが、わいは今回これ、レビューのお手本としても使えるんじゃね?なんて感想を抱きましたよ

    なんていうかレビューの完成形のひとつはここにあったなって感じ

    もちろん相手はプロ中のプロですからね
    簡単には真似できませんよ

    短い文章で本の内容をきちんと紹介して、興味持たせる作業を100点でこなした上で、自分

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    2024年10月14日
  • 日本の同時代小説

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    あらすぢ紹介本
     いちいち本とあらすぢを取りあげれば、さういふ時代もあったかと思はなくもないです。
     しかし、いかんせん傍證、状況證拠で確信には迫らない。海外旅行記をポスト私小説として扱ふのも、実情に則してゐないとかんじる。それならエッセーはみな私小説になってしまふ。
     日本では私小説の伝統があるので、ノンフィクションとフィクションの境が曖昧言説も耳タコ。んなわけあるか。海外にも似たのはある。

     一方で、純文学と大衆文学とに区別があるか問題では「ある」の立場を取ってゐる。まあこれは妥当だ。

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    2024年10月09日
  • 妊娠小説

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    再読。
    胃もたれしそうな内容を美奈子節で切って切って切りまくっています。
    「妊娠」を小説ではどう扱ってきたのかを、データを用いたり分類分けしたりして評論していますが、今の著者ならもっとジェンダー論に踏み込んで妊娠を消費することについて触れる内容になっていたかもと思います。それも読んでみたいです。

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    2023年12月02日
  • 出世と恋愛 近代文学で読む男と女

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    フェミニズム書評家斎藤美奈子(勝手に命名)の新刊を見かけて購入。
    なんせ近代小説はほとんど、というか全く読んだことがない(こころくらいしか)ので、何せあらすじ読みの気持ちで読む。

    『奴隷』の章は、ひーっ涙、となりながら読み、『金色夜叉』ってそう言う話なんだーってか、あの銅像ってそう言う話なのね、と本当に不教養を実感する私です。

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    2023年08月26日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    ネタバレ

    30年毎年、ではない。
    毎年はせいぜい4年で、あとは刊行直前に30年ということにするためにレンジを広く取った。
    そして選書自体が「そういう傾向」のものなので、そうなるだろうなという放談に過ぎないが、まあまあ面白い。
    文芸誌を集中的に読んでいた時期とも重なるので。

    @以下、コピペして、【 】で追記。

    2011年から令和まで、計6回おこなわれた本をめぐる対話から、日本社会が浮かび上がる。思いもよらない解釈や、意外な作品との繋がりなど、驚きと発見に満ちた、白熱の対談集!

    目次

    はじめに

    ●第一章 震災で小説が読めなくなった
    ブック・オブ・ザ・イヤー2011

    生存にかかわるリアリズムは最強

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    2023年08月17日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    雑誌『SIGHT』の年末定例企画「ブック・オブ・ザ・イヤー」に掲載された高橋源一郎と斎藤美奈子の対談を収録した本です。

    高橋はいつものように、同時代の文学や社会状況に対して批評的なことばをさしはさみつつも、やわらかい態度でつい彼自身の気に入った小説にかんしてはわたくしなどはいくぶん好意的にすぎないかと感じてしまうような語り口で、作品の魅力を解き明かしています。そしてあいかわらず、中原昌也に対しては、手放しといっていいほどの賞賛ぶりです。

    単著では舌鋒の鋭さを見せる斎藤も、基本的にはそうした高橋の調子にあわせているようですが、赤坂真理の『東京プリズン』については、「主人公が女の子なのにすごい

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    2023年04月27日
  • 名作うしろ読み

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    最初も最後も印象的なのは「走れメロス」でしょうか。名作の最初と最後を書き出して比較するのも面白いかなと思いました。ピリッとした解説が良いですね。

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    2023年03月30日
  • 吾輩はライ麦畑の青い鳥 名作うしろ読み<『名作うしろ読みプレミアム』を改題>

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    日本と世界の名作を「最後の一文」に注目して語る。一作につききっちり見開き2ページ、時にバッサリと斬る近現代ブックガイド。


    未読作品で面白そうだったのは、鶴見和子『南方熊楠』、中島らも『カダラの豚』、チェペック『ロボット』、藤枝静男『空気頭』、バルザック『ゴリオ爺さん』。ゴリオ爺さんってこんなリア王みたいな話なんだ。
    既読の作品では、三大奇書が続くところと武田百合子・須賀敦子・米原万里が並ぶところがアツい。個人的には〈虚無への供物〉って、ミステリー小説というエンタメの一ジャンルのことというより、〈物事に意味や物語を求める行為〉そのものを指していると思っているけど。
    斎藤美奈子さんの文章はなん

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    2022年06月19日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    その年に、発表された小説を語ることで社会が分かる、ここで取り上げられた小説は、読んだことがない作品がほとんどでしたが、大変興味深く読みました。

    感動した、面白かった、意味不明だった、不快で受け付けられなかった…など、小説を読むと、色々な思いが去来しますが、こんな読み方もあるんだと新たな視点を得ることができました。

    今は、この企画、毎年なされていないようですが、今後も機会があれば、お二人の対談を是非読みたいです。

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    2022年06月18日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    2011年からの時代も映す書評対談。
    さすがに文章のスペシャリストは対談も興味深く、所々は高等過ぎてついていけないところもあり(笑)

    その年に話題になった小説を時代が違う今、改めて読んでみようと思う本がちらほら。

    暇を見つけて、新刊ばかり読んでいないで、遡って自分独自の時代の検証をしてみよう

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    2022年03月08日
  • 忖度しません(世の中ラボ3)

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    やっとシリーズ最新作までよめた。シリーズ通して安倍憎しエネルギー全開だった。安倍さんを外したら3冊が2冊になるのではと思わないこともない。

    彼ら彼女の主張がさっぱりもってわいに受けいられないのは、著者のあとがきにも記載されている部分以外にも、身内に甘くて、敵に強く当たるところ。が大いにあると思う。ぶっちゃけ今の現役世代は1に2に3に4に5に経済が重要視されてると強く思う。
    結局、著者たちの主張はお金がある裕福な視点から立っているので、いつまでも少数派なのではとシリーズを通して読んで思った。
    主義主張も大事だが、生き延びることがもっと大事なんだよね・・・。

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    2021年12月05日
  • 月夜にランタン(世の中ラボ1)

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    2021年に読んでみると2010年時代の出来事を懐かしく答え合わせをする感じで読めた。1回目の安倍総理のことや、リーマンショック、格差問題その他もろもろそーいえばそんな事あったなぁと徒然と振り返れた。
    また、この著者の本は初めて読んだのだが独特な語り口で無機質な歴史に彩りを添えている。

    携帯小説ブーム。懐かしい・・・

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    2021年10月23日
  • 忖度しません(世の中ラボ3)

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    自分が経験できることはたかが知れているから、せめて沢山の本を読んで、いろんな事実や考え方を知りたいものだと思います。

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    2021年09月26日
  • 学校が教えないほんとうの政治の話

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    政治に中立は無いという考えをベースにして、左派を自認する著者が日本の政治について口語でわかりやすく書いた本。体制派、反体制派を縦軸。左派、右派を横軸として考え、明治期から現代に至る政治の潮流を考える。

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    2021年07月11日
  • 月夜にランタン(世の中ラボ1)

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    あまりはっきりしていないのにも関わらずなぜか無理やり三つのカテゴリーにそれぞれのコラムを分けたのかがよく解らない。単純に時系列通りに並べてくれないと政治的であろうが社会的であろうが文化的であろうが全て繋がっているわけなので非常に読みづらいことになってしまった。続巻続々巻も同じかと思ったらこれらはしっかり時系列順に並んでいる。
    自家薬籠中の文芸批評や文化系書籍の解説評論などは今まで通り面白いのだが、実はテキストを論拠とした手法による時事放談こそバランスが良く、こだわりが一般的でわかりやすく、それゆえかかなり本質をついているように見えた。サンデーモーニング辺りに出ている評論家などよりもよっぽど信憑

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    2021年06月27日
  • 文庫解説ワンダーランド

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    ネタバレ

    <目次>
    序にかえて  本文よりもエキサイティングな解説があってもいいじゃないか
    第1章   あの名作に、この解説
    第2章   異文化よ、こんにちは
    第3章   なんとなく、知識人
    第4章   教えて、現代文学

    <内容>
    文芸評論家(って何で食っているのか?)による文庫の解説をくさしたもの。『図書』に連載の記事をまとめたもの(だから、岩波新書)。確かに、文庫解説って、読むけど、何かわからないものが多かった。「解説」でないものが多いことがよく分かった。そして、ここまで抉っても大丈夫なのだろうか?という心配も。そして、この本を読んでいて、著者も含めて、「文芸評論家」には、出版社の編集上がりが多い

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    2021年05月03日
  • 趣味は読書。

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    斎藤美奈子氏による書評本
    刊行されたのは20年ほど前
    古いのだが、対象をベストセラーとしているところが面白い
    話題になっているけど身銭を切ってまで買いたくない本を代わりに読みます、と言うスタンスも拗らせた読書人には惹かれる
    取り上げられた作品個々の評価は好みがあるので特に触れないが、作品を論じる際にその時の社会情勢や流行りを取り上げている視野の広さに好感が持てる
    出版業界の観点だけでなくサブカルチャー的に時代を平面として切り取っているのが面白い

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    2021年05月01日
  • 忖度しません(世の中ラボ3)

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    ネタバレ

    相変わらず切れ味バツグンの書評、というより今を切り取る時事放談。大好きです斎藤美奈子。世の中気になることがあったら、関連書籍をなんでも読んでみよう!という姿勢、見習いたい。書評家じゃないからどうしたってチョイスが偏るもんねえ。自分の言葉で語るには、他人の言葉を知らなければ。知らないことは書物で知っていかなくては。

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    2021年01月27日