斎藤美奈子のレビュー一覧

  • 挑発する少女小説
    子どものころ夢中になって読んだあの少女小説の古典を大人になってから読み返すと何が見えてくるか。家庭的な女性を求める時代の要請に応えながらも反抗心を持ち続け、挑発することをやめなかった少女小説を再評価する。


    本書で取り上げられている少女小説は超古典的なラインナップなのだが、私は昔からファンタジー派...続きを読む
  • 忖度しません 世の中ラボ3
    積読していた本
    時事問題が多いので、早く読んでしまわねば!と思って読んだら、これがまた!ものすごく面白かった。
    2020年初版の本なので、買ってすぐ読んでおけばと後悔。しかし、残念ながら今読んでも大丈夫なのでした。全く2024年の今と現状は変わらず(オリンピックが開催され、安倍氏が死去したにもかかわ...続きを読む
  • 学校が教えないほんとうの政治の話
    現在の複雑な政治状況の見取り図を、いくつかの対立軸を使って、わかりやすく描き出している。書きぶりはぶっちゃけ話のようだが、混乱しそうな概念を慎重に段階を踏みながら上手に整理している。物事をあえて単純化しているようで、じつは対立軸の組み合わせや展開によって、実際の事態や概念が複雑であることを理解できる...続きを読む
  • 学校が教えないほんとうの政治の話
    これぐらいの内容を頭に入れておけば、日本の政治について相当程度語れる。授業においては、この本に書かれている内容にどのような教材で迫っていくか、この本で提示されている対立軸をめぐってどう意見形成してもらうかがポイントとなろう。
  • 学校が教えないほんとうの政治の話
    今の中学生、高校生、それに政治の知識にうとい大人達に、ぜひ読んでもらいたい本。特に、選挙にも行かない今の大人達には、この本に書かれている基本的な教養すらない人がほとんどだろう。前半から日本で起きた歴史の出来事を軽く交えるなどして、政治の基本、考え方などから、「右翼・左翼」「保守・リベラル」など勘違い...続きを読む
  • 出世と恋愛 近代文学で読む男と女
    斉藤美奈子に外れなし!
    ほとんど読んだことがない遠い遠い近代文学なのに(恥ずかしながら取り上げられた本で読んでいたのは2冊だけ…)斉藤美奈子さんの手にかかれば、ものすごく身近に感じられる。
    すぐにも読みたい、読み直したい!
    斉藤美奈子の男性作家への一刀両断ぶりが面白くて何度も笑った。「浮雲」も「近代...続きを読む
  • 出世と恋愛 近代文学で読む男と女
    もう序章でココロ鷲掴みされました
    あの鋭い鉤爪でぐわしゃしあと

    はい、ということで文芸評論家斎藤美奈子女史の『出世と恋愛』です

    いろんなところで彼女の書評は目にしておりまして大好きな方だったんですが、ちゃんと一冊に纏められたものは読んだことなかったなぁとあらためて手にとったのは最新刊の本作です
    ...続きを読む
  • 日本の同時代小説
    10年ずつ区切られた、その当時の文学のかたち。
    1960年代 知識人の凋落
    1970年代 記録文学の時代
    1980年代 遊園地化する純文学
    1990年代 女性作家の台頭
    2000年代 戦争と格差社会
    2010年代 ディストピアを超えて

    相変わらず読書量も凄ければ、分析力もハンパない。
    知らないこと...続きを読む
  • 出世と恋愛 近代文学で読む男と女
    NDC910

    近代文学批評。
    「日本の近代文学の主人公である青年たちは、恋を告白できず片思いで終わるケースが多い。たまに恋が成就しても、ヒロインは難病や事故などで、なぜか死ぬのだ。日本の男性作家には恋愛、あるいは大人の女性を書く力がないのではと著者は喝破する。
    たかが文学の話ではないかと思うなかれ...続きを読む
  • 出世と恋愛 近代文学で読む男と女
    青春小説の王道は「告白できない男たち」で恋愛小説の王道は「死に急ぐ女たち」
    もうほんとにコレに尽きる!
    青空文庫で色々読めるのもありがたい。
  • 出世と恋愛 近代文学で読む男と女
    べらぼうに面白い一冊。斎藤美奈子先生の本にハズレなし。『友情』とか『桜の実の熟する時』とか、スパッスパッと切っていく。ただし、通勤途中に読むのはおすすめしない。何度か吹き出しそうになった。
    『真珠夫人』が出ているのが新しいなあと思ったが、あの小説がテレビドラマになったのは、2002年のことだったと書...続きを読む
  • 学校が教えないほんとうの政治の話
    安倍晋三元首相の国葬の是非をめぐり、また北朝鮮拉致被害者の帰国から20年という節目を迎えるにあたり、「政治」に関心を集めたいと思って本を探している中で出会った一冊です。

    学校では特定の政党や政治スタンスについての授業(指導)ができない(教員個人の意見表明、という形であっても非常に神経質にならざるを...続きを読む
  • 学校が教えないほんとうの政治の話
    わかりやすい文章を書く著者でした。
    政治を語る上で中立はあり得ないという切り口、ほんと、その通りだと思います。
    学校では政治的中立を守って授業しなければならないと学習指導要領に書いてあるので、社会の先生たちはよほど勇気がないかぎり、踏み込んだ授業ができないと思う。でも、こういう風に学校教育で政治的中...続きを読む
  • 学校が教えないほんとうの政治の話
    プリマー新書は取っつきやすくて良い。好みの著者だったり、興味のあるジャンルだったりするとなおさらのこと、良い。そんな自分的に、本書がプリマー新書の理想的なラインナップと思える。その道の専門家じゃないからこそ書ける、初心者に理解しやすい入門書。本書を読めば、『選挙権を持つ年齢にはなったけど…』っていう...続きを読む
  • 文庫解説ワンダーランド
    『日本の国語教育は、文学教育というより道徳教育だとよくいわれる。「主人公の気持ちになって考えなさい(共感読み)」と「作者のいいたいことを五〇字でまとめなさい(教訓読み)」のような質問はいまも授業につきものだ。』(p.90)
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた
    どちらも好きな作家、評論家でそれぞれの書く文章も好きなのだが、対談となるとまた違った趣を呈する。「この30年」というのは平成の総括であり、最後に現在のコロナ禍の状況についても述べられている。元々は「SIGHT」に掲載されていたものだそうだが、休刊したらしい。これは私自身が高校時代に読み耽った「ロッキ...続きを読む
  • 日本の同時代小説
    小説は社会を映すことがよく分かった。社会風俗とその時代の代表作を結びつける筆致が巧み。これまで、小説は古典を優先してきたけど、今後は積極的に現代作家を読みたいという気持ちにさせられた。各論で言えば、私小説の系譜とポストモダン系は読む価値がないと思ったが、現代におけるプロレタリアートの系譜は読んでみた...続きを読む
  • 学校が教えないほんとうの政治の話
     若者が政治に無関心なのは「ひいいきのチームがないから」と本質をずばりと突く。じゃあ決めよう、あなたは「体制派」「反体制派」か、どっち? 
    〈「体制派」とはいまの政治を支持し「このままのやり方でいい」と思っている人たち、「反体制派」は今の政治に不満があって「別のやり方に変えたい」と考えている人たちで...続きを読む
  • ニッポン沈没 世の中ラボ2
    2000年代の直近史をオバマの「Promised Land」きっかけで辿り直しているのだがどうもこの震災以降2015年ほどまでが現在の日本の崩れていくきっかけのー最も顕著になる案件が目白押しだったことが確認される。
    著者も言っている通りこの5年間が最も暗澹たるもので底を打ってるかと思えば今現在までそ...続きを読む
  • 忖度しません 世の中ラボ3
    斎藤美奈子の本の読み方は、私の手法とは全く違って面白い。そして、問題意識もいまの時代にフォーカスして、実に巧みな解説をする。
    6つのテーマの選定がうまい。時代の核心に触れる。とにかく、「忖度しません」と言う題名さえも素晴らしい。現在の官僚やマスコミも忖度しすぎの時代に、これまで言えるのはいい。
    6つ...続きを読む