斎藤美奈子のレビュー一覧

  • 妊娠小説
    「紅一点論」がキツかったので敬遠してましたが、なんでもっと早く読まなかったのかと笑いながら反省。生命の神秘が物語の舞台装置として使われる様を、これでもかというほど浮き彫りにしてきます。食いもん屋直行のくだりはさすがに笑った。
  • 名作うしろ読み
    数年前、女優でエッセイストの中江有里さんがテレビ番組の中で紹介していたので、気になっていた本書。
    当時は単行本だったので買うか買うまいか悩んでいた。結局、買わずに年月が過ぎた。
    いつものように、書店を眺めていると、文庫本化されているではないですか!
    そっと手に取りレジへ向かい、ようやく手に入れたので...続きを読む
  • ニッポン沈没 世の中ラボ2
    斎藤美奈子さんの本は、ほとんど読んでいると思うのだが、今回も相変わらず鋭い。
    ずっと吠え続けていただきたい。
    吠えずにすむ未来ならいいのだけれど。
    この先、日本は、世界はどうなっていくのだろう。
  • ニッポン沈没 世の中ラボ2
    相変わらず切れ味するどい斎藤さん。ニッポン沈没ときましたか。そうですよそうですよ。この泥船がいつまで沈まずにいられることか。今年になって傾きはさらに大きくなりましたからね、やれやれ。なんて言ってる場合じゃないと思わせてくれる斎藤美奈子。学ばなくては。声をあげなくては。
  • 趣味は読書。
    まさに立体的な読書、とでも言うべきか。書いてある内容をただただ「ふーん…」と読み飛ばしていくのではなく(こうなりがちな気がするけど)、これでもか!?というほど各所にメスを入れていく。この好奇心、探究精神こそが知性に繋がるんだと思うし、記憶に残る読書になるんだと思う。時に割と身も蓋もないような言い方も...続きを読む
  • 妊娠小説
    これは面白い。実際もっとたくさんの妊娠小説があるはずだ。
    作者の斜に構えた物言いもいい。何を及び腰になってんのよ、こんなものこうやってつまめばいいのよ、簡単でしょ!? と言わんばかりに禁忌を易々と犯す感じが爽快だ。
    誰もが口に出すことをタブーとしてきたからこそ小説として面白い妊娠、そして中絶(流産)...続きを読む
  • 妊娠小説
    斎藤美奈子のデビュー作。小説の中でヒロインが妊娠をする小説を「妊娠小説」と定義づけ、より正確には「望まない妊娠」である。原点は森鴎外の「舞姫」だとしています。「太陽の季節」「死者の奢り」「青春の蹉跌」「北都物語」がメンズ系なら、「もう頬づえはつかない」「海を感じる時」はレディス系。メンズ系は女に裏切...続きを読む
  • 月夜にランタン 世の中ラボ1
    なにかと波長の合う斎藤美奈子氏の書評本。しかしそこは斎藤氏、単なる本の羅列とはちがう。本を材料に世の中を縦に斜めにバッサバサ斬る。

    2006年7月~2009年5月に、マガジンハウスの小冊子「ウフ」に連載されたものが主となり、2010年3月~「ちくま」に連載の物が核になっている。なので取り上げた本は...続きを読む
  • 趣味は読書。
    斉藤美奈子の名前を聞いて、「まさか、ないわな」と思いつつ、あのミス.ミナコ・サイトウを連想していた口なので、想像以上の辛口書籍批評に驚いた。
    しかし、あー、笑った。笑った。笑いましたよ。
    まずはじめに批判ありき、の姿勢に「ちょっと」と思う部分もあったけれど、
    大半は、膝を打つような小気味良さ。

    ...続きを読む
  • 趣味は読書。
    ベストセラー本の共通項とは?を探った書評集。
    いや~笑った。
    ほとんどの本に対して最初から斬るつもり満々で読んでいるところが感じられるので好き嫌いは分かれそうだけど、それにしたって斬るのがうまい。
    読まなくてもいい本がわかるっていう書評は珍しいし助かる。
    あ、でもほんとにそんなひどい本なのかって確か...続きを読む
  • 趣味は読書。
    読書家である事を誇りに思っている層はベストセラー本を買わない傾向にあるが、ならば代わりに読んで概要を紹介しよう! というのがこの本。

    要点をさくっと説明しつつ、ツッコミどころには容赦なくつっこんでいくのが非常に痛快。
    何故その本が売れたのか、という事の分析もされている。
    大多数の作品がばっさりと斬...続きを読む
  • 妊娠小説
    結論もいいけど、分析の過程がいちいちおもしろい。

    明治以降に著された中で、
    いわゆる『望まない妊娠』を扱ったものを纏めて分析・批評した本。
    有名無名のいろんな作品が出てくるが、妊娠に関わる記述のみピックアップしていて、すごくドライに扱っているので妊娠に対して神秘性とか求めてる人はイラっとくるかも。...続きを読む
  • 妊娠小説
    小説における女性の妊娠を描いて秀逸な作品。森鴎外の舞姫でエリスが最後は「はかなくなりぬ」で、終わっているが、随分都合良いなと思った記憶がある。
  • 趣味は読書。
    ベストセラーを読者のかわりに著者が読みたおして小気味いい口調で切る! 斎藤美奈子さん、相変わらずの切れ味です。
  • 月夜にランタン 世の中ラボ1
    書評と感想文は違うなあと、しみじみ思います。
    過去の作品と、また同時代の他の著者の作品と比べ合わせ、共通傾向と非共通項を見分け、その本のオリジナリティがどこにあるかを探っていく、斎藤美奈子の読みを追体験する面白さ。
    一番好きな書評家です。
  • 趣味は読書。
     ベストセラーをめったギリにする読書エッセイ。
     ざくざくと切り捨てる様がカッコイイ。

    「あれ? これなんで売れているんだろう?」とランキングを見て首をかしげる方にオススメ。
     そうだったのかー。

     続編も読もうと思った。
  • 趣味は読書。
    「ベストセラーを斬る」本でしょうかね。

    米原万里さんの「打ちのめされる…」でこの本を知ったが、米原さんは賛否両論であるのに比べて、この本に出てくるベストセラー本はすべて否の方です。賛の方も書いてあるなら読みたいな。

    ちなみに浅田次郎に関しては同意見でした。

    面白かった。特にタレント本の辺...続きを読む
  • 趣味は読書。
    高熱の中読んだ斎藤美奈子。高熱でも読めてしまうのが斎藤美奈子のすごいところだよな。わたし、趣味は読書。なんて、これからは絶対言えない。っていうか、実際本よんでねーし。『趣味は睡眠。』っていう本でも書こうか。
    斎藤美奈子の何がすげえって、これは書評じゃなくて、そんなの超えて、社会学的な分析っていうか、...続きを読む
  • 趣味は読書。
    よく売れている本は読みたいけどつい後回しにしてしまうし、
    評判が先に立つのでだんだん興味がうせてくる。
    それに高いお金をだして一度だけしか読まないであろう本を買うのは気が引ける。

    タレント本はちょっと気になるけれど、
    買う気はさらさらないし、
    買ってしまったが最後後悔するのは目に見えてい...続きを読む
  • 妊娠小説
    この人の文体は、評論家にしては軽くて読みやすいのでありがたい。それに語り口がいさぎよくて気持ちいい。「妊娠」に注目するとこんなにも小説が似たり寄ったりになるんだなと思って、悲しかったり、おかしかったり。読んでいる小説に「妊娠」が出てきたときに、またこの本を手にとってみたい。