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ふだん本を読まない人が読むからベストセラーになる。だからいわゆる「本読み」は、ベストセラーを読まずに批判する。が、それでいいのか? そう思った文芸評論家・斎藤美奈子が果敢に挑みました。49冊を読み倒し、見つけたベストセラーの法則が6つ。読めば、抱腹絶倒、悲憤慷慨、そして世間の事情がわかってきます。文庫化に際し書き下ろしたのは『国家の品格』『東京タワー』など6篇。大増補版。
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Posted by ブクログ
いやあ、おもしろかったわコレ。 新聞の書評を読むのは大好きで、どれも面白そうに書いてあるんだけど、読むと「?」ということも多々あった「邪悪な読者」な私には非常にツボでした。 斎藤美奈子ハマりそうー^^
とにかく面白い。 なんとなく思ってることをよくここまで、活字にできるもんだと。 人前で読まない方がいいですよ。
どんなに落ち込んでいたってめいっていたって、あたしゃ読むよ、買うよミナコ様。 今回もやはり、炸裂するのはミナコ節!! 茨木のり子の詩を「ぼうぜんと」読み直し、永ちゃんの「アー・ユー・ハッピー?」は、愚痴と女と金の話だけかよと切り捨てる。朗読者は、言いも言ったりで「ホーケー文学」!!! もうたま...続きを読むらない、この感性!感覚! あたしがどれだけミナコ先生を愛しるかなんて、誰にもきっともわかんないだろーなー。
ふだん本を読まない人が読むからベストセラーになる。 だからいわゆる「本読み」はベストセラーを読まずに批判する。 が、それでいいのか?(ちょっと裏カバーから文章拝借。) そう思った著者が49冊を取り上げて批評した本。 最初はいろんなタイプの「読書人」の解説。 「読書依存症」「読書原理主義者」「偏食...続きを読む型の読者」「善良な読者」。 鋭い分析に基づいた分類だけど、まるで占いか心理テストの結果みたいだ。 私は「読書依存症」かな。 新刊情報はチェックしてるし、自分のためだけど読書日記もついに ネット公開してしまったし、実際、本の置き場所がなくて困っている。 私の本好きはもう趣味なんてカワイイもんじゃなくて、ほとんど中毒だ。 ごはんと同じ。 そのわりには近現代の名作だけ見事に避けて読んできてるので読み込む力が甘い。 本題に戻って。 最初の§は「人生訓本」を集めたもの。 『大河の一滴』とか『老いてこそ人生』とか。 その中でも、『頭がいい人、悪い人の話し方』は、出版当時、私自身タイトルからしてくだらないと思いつつも手に取ってみた本だ。 売れてるんだから何かあるのかもしれない(私がベストセラーを読むときはたいがいこういう理由)と思って、とりあえず目次をチェック。 そしてぱらぱら拾い読みし、1,2ページで見切りをつけた。 今更説く必要もないような、ありふれたこと、当たり前のことばかり書いてあって、新発見が何もなさそうだったのだ。 斎藤さんもおもしろいところは皆無だったと書いているし、時間を無駄にしなくて良かったと思う。 次。 『「みにくいあひるの子」だった私』梅宮アンナ 出版されたときからタイトルが嫌でめくってみる気すらなかった。 だから『趣味は読書。』であらすじと解説が読めるってラッキーだと思ったんだけれど、梅宮アンナ、甘えすぎなんじゃないの? 元JJモデル、勉強嫌いが高じて高校進学拒否ってあんた・・・。 それじゃただのわがまま娘だ。 いくらハーフで外人と言われようが、親が厳しかろうが、人それぞれ悩みはあるのが当たり前。 悩みのない人生って、どんだけお気楽やねん。 斎藤さんは、アンナこそパラサイトシングルの見本だ、と言っている。 彼女のファンもそんな女の子が多いし、でなければその予備軍なのだそうだ。 何だか長くなってきたので急ぎ足で。 『市販本 新しい歴史教科書』。 けっこう面白いらしい。読んでみたい。 ものすごく売れる本は、ユルイ、との章で。 『五体不満足』『世界がもし百人の村だったら』『ハリーポッター』など。 『世界は~』は、存在は知っていたけれど、タイトルから胡散臭いものを感じたので読んでなかった。 『趣味は読書。』を読んで、内容を知り、そのアイディアには感心したものの、本当に世界が100人だったら、こんな本ができることもなかっただろうと思う。 『ハリーポッター』は、悪いけど、『趣味は読書。』にとりあげる意味がない。 斎藤さんも書いていたし、私も読んで感じたがまるきり現実逃避のためだけの本なのだ。 取り入れてもいいけれど、ファンタジーに問題意識なんか要らない。 必要なのは、想像をよりリアルにしてくれるディティールと、ダラダラにならない展開だけだ。 その展開すらも、後半のハリーポッターには欠けている。 炎のゴブレットからちょっとおかしくなってきて、収拾がつかなくなった気がする。 1巻を出した直後に、7巻の最終章はもう書き終わっていると宣言していたにもかかわらず、最後が近づくにつれ書き直さざるをえなくなったと言っているのを読んで、ますますその感が強まった。 『だからあなたも生き抜いて』大平光代 について。 極妻から弁護士になった人、と言えば誰でも知ってる本だ。 私が読んだのは中学生のときで、著者のプロフィールに惹かれて買った。 ミーハーなもんで。 確かにその凄まじい過去には驚いたけど、それだけだった。 あとは、人間やればできるもんやな(でも私には無理)、 というきわめてシンプルな感想を抱くのみ。 斎藤さんと私の共通の突っ込みどころは「極妻になった」部分のあまりのサラっとぶり。 一番濃い時代だったはずなのに、たった1章しか割り当てられてなくて、 「気付いたときには極妻になっていた」との記述には本当にあっけにとられた。 斎藤さん曰く、「気付いたときには、って、それはないんじゃないでしょうか。」 そうやんねー。そうやんねー。 いろいろあるでしょうに、いろいろ。 そこを教えてよ。 強引にまとめてしまうと『趣味は読書。』は、いろんな視点でベストセラーを見られて面白い本だ。 この先本を読む姿勢が少し変わるかもしれない。 ただし、冒頭に述べてある「善良な読者」さんは読まないほうがいい。 今まで抱いてた感想を斜め目線で、スパッと切り落とされる。 その切れ味は小気味良いほど。 恐れ入りました。 これからも、こういう本を出してくれればいいのにと思う。 読む気になれない、でも一般常識的ベストセラーを読む手間が省けるんだけど。
こんな本がなぜベストセラーに……という疑問について、かなり鋭い考察をしている。そして、それだけでは終わらないのがこの本の魅力。ひねくれた読書家のみなさん(僕も含めて)にとっては、かなり笑える一冊でもある。ちょと前までの「ケータイ小説」の隆盛は、さしずめ純愛ブームの反動といったところか。
ベストセラーはなぜベストセラー足りうるのか? この本を読んだからには著者の意見を鵜呑みにすることができないが(書き損だね)、 それでも乱暴と言っても差し支えない痛快な切り口はいたく気に入りました。 残念ながら私は「趣味は読書」とうそぶいておきながら 半分ぐらいしか理解していない洋書をぼつぼつ読む読...続きを読む者なのですが 宮部さんは好きなので、ディープだったり邪悪だったり。 で、ベストセラーには見向きもしないのですが これを読んだらどれだけ今の本が薄っぺらいかわかります。 なんとか君が100ページほど悩んだ「会社の目的とは何か?」の問いは、 さすがに高校で政治・経済を学んだ身として一瞬でわかりました。 よかった。まだ教養の一部を失っていない。 純粋な気持ちで本を楽しむことと、 こう斜に構えて楽しむのと、 両方は一気にできないのでしょうか? てか もっと本を読まなきゃなぁ、と。 食わず嫌いしてる場合じゃないね。 でもこの本を読んだらとりあえずいっぱい読んだ気分になれるからお得。
長い間人に貸しっぱなしだったのが戻ってきたので、おお、そうだ、ともう一度目を通した。 いやぁ、爆笑脱腹ものであります。 世の「大作家」「先生」の権威もなんのその。 ばったばったと言いたい放題! 読んでいるうちに彼女やっつけるところの「インテリよがり中年じじい系」って結構私にもあてはまるでないの...続きを読む、と震えちゃいますね。 一応、本を読む人はこれに目をとおし、世の書評がいかに「権威主義」「金太郎あめ」かよく認識してもらいたいものである。
忖度なし文芸評論家斎藤美奈子さんが1999.7~2002.10四十数冊のベストセラー本を読書しない人に代わり読み紹介してくれる。飯島愛、梅宮アンナ、石原真理子、大橋巨泉などのほとんど忘れ去られたタレント本達。日本語練習帳、買ってはいけない、動物占いなどのブームとともに去っていったもの。大河の一滴、鉄...続きを読む道員、東京タワー、模倣犯海辺のカフカも、永遠の仔なども 今後20年後残れるかは微妙そうです。
売れる本をカテゴライズして分析・レビューした小気味いい内容。思わず吹き出してしまったり、苦笑いしてしまったり...。そこまで扱き下ろす? これは持ち上げちゃうんだ...。直球と変化球の組み立てが絶妙で、読者から三振の山を築くこと必至!
斎藤先生のベストセラー解読書。世の善男善女が手に取るベストセラー、邪悪な読者が読んだらどうなる?というコンセプトのもと、皮肉のきいたベストセラー評を読むことができる。概ね2000年前後のベストセラーを取り上げているのだが、結構覚えているものですね。それだけ現象化した本ということなのでしょうが、それら...続きを読むが一刀のもとに切り捨てられる様(別に切り捨ててばかりいるわけでもないけれど)は爽快。
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斎藤美奈子
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