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「機械鍛治の技術を放棄して,文学の道へ志そう.芸術は僕にとっての再生の救いであった」(細井和喜蔵).「女工哀史」といえば「悲惨な労働」のイメージ.でも読めば働く人たちの息遣いが聞こえ,「古典」のイメージが覆る! 当時無名の若者による渾身の内部告発は,現代にこそ有効だ.刊行から100年,作品の魅力を読み解く.
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Posted by ブクログ
岩波ブックレットNo.1110です ついに岩波ブックレットにわいの大好きな文芸評論家斎藤美奈子さんが登場! 分かっとるやないか岩波君 気になる内容は、刊行から100年を迎える細井和喜蔵の名著『女工哀史』を読み解くガイドブックとなっております 『女工哀史』は岩波文庫から絶賛発売中って宣伝かよ!( ...続きを読む゚д゚ )クワッ!! 違うわ、大馬鹿者!(# ゚Д゚) 美奈子さんかそんな安っぽい戦略に手を貸すわけないだろうが! 「女工」です 先日読んだ『警察官の心臓』でも風俗産業の歴史を語る中で、戦前田舎の農村で生まれた貧しい女性たちが、故郷から引き剥がされ、都市で生きて行くには「風俗」か「女工」しかなかったと語られていました しかしそこでも男社会を代表する富める者たちから搾取され貧しさから脱することができなかったのです 『女工哀史』は「男工」として「女工」たちと同じ紡績工場で働いていた和喜蔵が、「女工」たちの置かれた劣悪な状況を詳らかにし、搾取を続ける企業を糾弾し、「女工」たちに立ち上がれと訴えています そしてまた女性たちの権利を求める社会運動のひとつの契機にもなったようなんよね そして美奈子さんは問いかけます 100年たった今、果たして世の中は和喜蔵が思い描いた社会になっているのか? うーん( ・ั﹏・ั)
有名な「女工哀史」を知る人は多いが、著者の細井和喜蔵を知る人も「女工哀史」を読んだ人も少ない。 そんな「女工哀史」と著者の細井と彼を支えた内縁の妻堀としを(細井の没後再婚して高井としを)を紹介するのが本書。 義務教育も満足に終えない少年少女を働かせる明治大正の紡績工場の労働環境は過酷かつ不当だった。...続きを読む室温43℃湿度80〜100%。会話が困難になる騒音が常態化。綿埃が舞い、結核を患ってもまともな治療も受けられず、食事も貧しい。 そうした悲惨な事実は工場の外からはわからない。 それを告発するために執筆されたのが「女工哀史」。 内縁の妻の支えがあっての「女工哀史」だったが、著者の細井は出版まもなく病死してしまう。 ところが、正式な妻でないことを理由に印税の相続権を出版社に否定されたことに著者の斉藤美奈子は憤る。 無名な「高井としを」から短大の研究サークルが聞き取って初めて印税相続拒絶の件が明るみになったという。 「女工哀史」刊行および細井の没後100年を期に細井と高井としをに注目してもらうためのガイド本である。
さすが斎藤美奈子!埋もれていた物語を発掘している、という感想です。当時ベストセラーだった「女工哀史」ですが、読んだことはないし、まして作者については何も知らず、この本で新しい発見がたくさんありました。私は高井としをの『わたしの「女工哀史」』を読みたくなりました。
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『女工哀史』は生きている 細井和喜蔵と貧困日本
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