斎藤美奈子のレビュー一覧
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斎藤美奈子氏が大好きだ。語り口の意地悪さも好きだし、引用箇所の適切さも好きだ。特に、このデビュー評論『妊娠小説』の面白さといったら……!
正直に告白すると、この本の中で俎上に上げられた小説の半分以上を私は読んでいない。読んでいないんだけど、わかる。『妊娠小説』ジャンルの存在に膝を打って喜び、『舞姫』の「受胎告知」シーン引用に笑い転げ、にやにやしながら最後まで一気に読んでしまう。
読んでしまった後には(まるきり思惑通りに)読む本読む本ほとんどに「妊娠小説」のレッテルを貼りたくなってしまうのだ。困ったことだ。(笑)
今では伝説レベルのデビュー書評だが、切り口、読ませ方など斎藤氏のすべてが詰まっ -
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文学関係の学科に行く人が大学に入る前に読んでおくと他の人に差をつけることが出来る本。もっと早く出会ってればよかったなあ。
何でかと言うと基本的な小説の読み方と言うものを教えてくれてるもので。と言うよりは小説家が行っている手練手管をとても簡潔に教えてくれているのだ実は。妊娠のことばかり書いているのではなくてそういう基本的かつ細かいところがしっかりしているからこの本は名著なのである。
具体的にはイメージ操作の話が一番教育的。知らないとどうしようもないんだけれど、これで案外ちゃんと教えてくれている本がないときたもんだ。
妊娠に関してはもちろんメインだからしっかりしてるんですけども、まあ一つの論 -
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ベストセラーはなぜベストセラー足りうるのか?
この本を読んだからには著者の意見を鵜呑みにすることができないが(書き損だね)、
それでも乱暴と言っても差し支えない痛快な切り口はいたく気に入りました。
残念ながら私は「趣味は読書」とうそぶいておきながら
半分ぐらいしか理解していない洋書をぼつぼつ読む読者なのですが
宮部さんは好きなので、ディープだったり邪悪だったり。
で、ベストセラーには見向きもしないのですが
これを読んだらどれだけ今の本が薄っぺらいかわかります。
なんとか君が100ページほど悩んだ「会社の目的とは何か?」の問いは、
さすがに高校で政治・経済を学んだ身として一瞬でわかりました。
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日本はカルトの世界的な穴場で、カルトの世界的な吹き溜まりになっている。日本の霊感商法に類するような被害は、欧米ではほとんどない。著者がカルトと認定するのは、オウム真理教、統一教会、SPGF(旧ライフスペース)の3団体。
「マインドコントロール」紀藤正樹
日本の農業が過保護だから自給率が下がったとか、耕作放棄が増えたとか、高齢化が進んだというのは間違。アメリカは日本よりよほど補助金漬けだし、農家の所得に占める補助金率は、日本が30%程度、英仏は90%以上。
「世界で最初に飢えるのは日本」鈴木宣弘
福島第一原発の事故で多大なダメージを被った人々が、2013年に会津電力株式会社を、2017年に飯 -
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いやー、よかった。文芸評論家の斎藤美奈子氏による政治参加とは何か、選挙に行くのが楽しくなるにはを解説する。そもそも右翼と左翼ってなに?保守とリベラルってどういうこと?というような政治参加の頻出語を日本の政治史を追いながら説明していき、また当時の日本といまの日本で状況がどう変わっているのかを紐解いている。口語体で書かれているため、かなりとっつきやすく読みやすい。また前の項目で出てきた用語を所々で振り返ってくれるので、あれ。どういう意味だっけ?と前のページに遡ってはわからなくなる新書挫折を起こしにくい作りになっている。ちくまプリマーということで本来は20~25歳を想定しているらしいけど、いくつにな
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ネタバレ面白かったし!ほんと私に代わりに読んでもたって著者独自の感想が読めて一石二鳥。
それは本来の目的じゃないにことはわかってるけど(著者もこれを読んで読んだ気にならないでほしいとあった。)
なんせ読みたい本が山のようにある私には、自分に嗜好じゃない本も紹介されてて政治や歴史や憲法、タレント本に関する感想は大いに勉強になった。
古来は女系天皇も容認されていたんだ。男系天皇は近年になってからだとか。
あと渡辺淳一(作家)や石原慎太郎らを軽くディスってるとこもおかしい。(大いに納得なので)
樹木希林が悠木千帆時代にかいた「心底ほれた」読んでみたい。 -
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斎藤美奈子の本は楽しい。
斎藤美奈子大好きだ。
この本は、週刊朝日に連載していた書評を厳選して一冊の本にしたものだ。
新書の斎藤美奈子の書き下ろしの本と違い、書評の字数が少なく見開き2ページで一冊分。なので、深掘りはしていないので軽く読める。
寝る前に少しずつ読んだ。
その中にも何冊か読みたい本があり、付箋したり注文したりした。(2013年からの連載なので書店で扱っていない場合が多い)
ホントいろんな分野の本を読んでくれてるので、ありがたい。
すでに読んでる本が出ると、斎藤美奈子さんの読み方は?とワクワク。(でも前述のように短いので書評というより本の紹介程度ではある)
最後がタレント・有名 -
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「日本国憲法って太っ腹でしょ。『国家によって侵されない自由』と、『国家にいろいろ要求する権利』の両方を認めている。まるで国民が主人で、国が家来のようです」
語気には棘があって、ちょっぴり挑戦的。書かれている内容も確かに学校では教えない。というか、表立って教えられない。政治に明るい知人から話を聞いているような感覚だった。
けれどもここまでサクサクいけたのは、自分も今の政治に思うところがあったからなのかもしれない。(きっと自分は、本書で言うところの「ゆる反体制派」なのだろう) 普段耳にする政治用語をよく理解せぬまま使っていたりと気づきも多かった他、自分ごとで政治を捉えるきっかけの一つにもなった。