あらすじ
選挙に行って誰に投票すればいいのか、わかりますか? 若者の投票率が低い理由、それは、「ひいきのチーム」がないからです。政治参加への第一歩は、どっちがホームで、どっちがアウェイか決めること。この本を読んで、あなたの政治的ポジションを見つけてください。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今の中学生、高校生、それに政治の知識にうとい大人達は、ぜひ読むべきだ。特に、選挙で投票にも行かない大人達には、この本に書かれている基本的な教養すらない。前半から日本で起きた歴史の出来事を軽く交えるなどして、政治の基本、考え方などから、「右翼・左翼」「保守・リベラル」など勘違いしている人が多い部分にも、しっかり触れていて、政治の教養がある人でも十分読める。
すでにこれらの知識はあったものの、政治にうとい人にどのように説明していいか困る事も多かったため、「なるほど、確かにこう言えば理解してもらえるな」といった新しい気づきもあったため、個人的に文句なしの良書である。この本に加えて、憲法の基本理念が備わっていれば、なお良い。
Posted by ブクログ
現在の複雑な政治状況の見取り図を、いくつかの対立軸を使って、わかりやすく描き出している。書きぶりはぶっちゃけ話のようだが、混乱しそうな概念を慎重に段階を踏みながら上手に整理している。物事をあえて単純化しているようで、じつは対立軸の組み合わせや展開によって、実際の事態や概念が複雑であることを理解できるようになっている。そして自分の声をなんとか若い人たちに届けなければという、著者の切実な危機感、というか強烈な熱意を感じる。これはいろいろな意味で学者には書けない本だなと思う。
Posted by ブクログ
これぐらいの内容を頭に入れておけば、日本の政治について相当程度語れる。授業においては、この本に書かれている内容にどのような教材で迫っていくか、この本で提示されている対立軸をめぐってどう意見形成してもらうかがポイントとなろう。
Posted by ブクログ
安倍晋三元首相の国葬の是非をめぐり、また北朝鮮拉致被害者の帰国から20年という節目を迎えるにあたり、「政治」に関心を集めたいと思って本を探している中で出会った一冊です。
学校では特定の政党や政治スタンスについての授業(指導)ができない(教員個人の意見表明、という形であっても非常に神経質にならざるを得ない)という事情がある一方で、生徒に対しては「政治に関心を持つように」指導してゆかねばならないというジレンマがあります。
なぜ、政治に関心が持てないのか、それは「自分のスタンス」と「推しが誰(何)か」が明確になっていないからだ、と筆者は主張します。
そして「右派/左派」「保守/リベラル」「体制派/反体制派」などの対立軸を設定して社会問題を紹介し、「政治スタンスに”中立”はない」と繰り返し主張します。
自分自身がどのような政治スタンスなのか、今の世の中に対して「このままでよい」と思っているのか「変えなければならない」と感じているのか。
私憤や義憤を抱いたところから、人は政治的になる、という筆者の「あとがき」に共感しましたし、ぜひ生徒に紹介してみたいと思う本でした。
文章は中学・高校生を意識したのか、少しフランクすぎる印象もありますが、「何をめぐって”対立”しているのか」ということがわかりやすく解説されていますし、自分がそれぞれの立場に「賛成」なのか「反対」なのかを考えるきっかけを与えてくれる本だと思います。
Posted by ブクログ
わかりやすい文章を書く著者でした。
政治を語る上で中立はあり得ないという切り口、ほんと、その通りだと思います。
学校では政治的中立を守って授業しなければならないと学習指導要領に書いてあるので、社会の先生たちはよほど勇気がないかぎり、踏み込んだ授業ができないと思う。でも、こういう風に学校教育で政治的中立を掲げているから、みんな政治に無関心になっちゃうんじゃないの?って思ってしまいます。若者が投票行かないのは、馬鹿だ、じゃないよ、興味を持たせられるような授業がマニュアルで禁止されてる体制に問題があると思うよ。ほんとに。
…脱線してしまいましたが、著者は結構リベラルな思想なので、右派の人が読むとイライラしてしまうのかもしれません。ですが、右派の人にも読んでほしいと思います。右派にとっては敵であるリベラルの考え方がわかる本になってますから。あと、右派の考え方も同時にわかるようにもなっているので、再確認ができるかもしれません。
Posted by ブクログ
プリマー新書は取っつきやすくて良い。好みの著者だったり、興味のあるジャンルだったりするとなおさらのこと、良い。そんな自分的に、本書がプリマー新書の理想的なラインナップと思える。その道の専門家じゃないからこそ書ける、初心者に理解しやすい入門書。本書を読めば、『選挙権を持つ年齢にはなったけど…』っていう心理的ハードルを、大胆に下げてもらえること請け合い。何を判断基準にすれば良いのかってあたりも、すんなりと腑に落ちる。これ、中高生時代に読みたかったな。政治・経済や現代社会の教科書より、こっちをまずは当たった方が良いのでは、とすら思う。
Posted by ブクログ
若者が政治に無関心なのは「ひいいきのチームがないから」と本質をずばりと突く。じゃあ決めよう、あなたは「体制派」「反体制派」か、どっち?
〈「体制派」とはいまの政治を支持し「このままのやり方でいい」と思っている人たち、「反体制派」は今の政治に不満があって「別のやり方に変えたい」と考えている人たちです〉
〈どっちでもない? あ、そうですか。そんなあなたは「ゆる体制派」「ぷち体制派」「かくれ体制派」です。どっちでもない、つまり政治に無関心で、特にこれといった意見がない人は、消極支持とみなされて自動的に「体制派」に分類されます。〉
ここを足がかりに、資本主義と社会主義、右翼と左翼、全体主義と個人主義、といった概念をわかりやすく解説していく。政治に「中立」はない、政治参加には「党派性」が必要だという、この気づきがすばらしい。
すごいよこの本。名言の宝庫。
〈いいですか。政治的な発想は反体制派的発想と結びついているのです。権力の側からいえば、みんなに政治音痴の「ゆる体制派」でいてもらうのが、いちばんいいわけ。〉
〈自分は誰の味方でいたいのか。上半分の資本家や富裕層と、下半分の労働者や貧困層と、どちらの側につくのか。そして、あなたやあなたの家族はどの階級に属しているのか。それは政治を考えるときの大切な指標なのです。〉
〈「国益優先派」は「全体主義」。「人権優先派」は「個人主義」です。〉
〈国家権力は強大で、放っておくと必ず「全体主義」に近づいていく(中略)。個人主義は、国にとってはたいへん面倒で邪魔くさいものなのです。そして邪魔くさいからこそ、個人主義は社会全体にとっても有益だし、必要なんです。〉
ほんと、学校の授業の副読本にしたいくらい。
もっとも重要なのは、「戦後日本の体制派」はどちらだったのかという指摘だ。
〈意外にも(?)左派、自由と権利を重んじる個人主義こそが「体制派」だった。それを私たちは「戦後民主主義」と呼んできたのです。〉
だから日本会議は、安倍晋三は、「戦後民主主義」を目の敵にしてきたし、そのディスりが浸透してきているのだ。左派は自分たちをつい少数派ととらえたがるが、現在を正しく把握するためには、上記の「気づき」が必要なのだ。
政治を考える最初の一歩というだけではなく、政治と自分とをつなぐ道しるべとして、すばらしい一冊だと思う。
Posted by ブクログ
大学の講義で用いられた新書でした。
政治に無頓着な若い世代が、政治的教養や政治への関心を持つきっかけとして、とても有用だと思われます。
基礎的な知識について具体的な時事問題を絡めながら、非常に簡潔にわかりやすく書かれていました。筆者が本書の中で述べていたように、「中立はない」というのは確かにそうかもしれないと考えさせられました。
Posted by ブクログ
この本を読み終わってから、統一地方議員選の様子をテレビで見ていたら、これまでより胸にせまるものが生まれた。ちょうど、地元の若手候補にオバチャンたちが「がんばれー」と声をかけている場面。これが、ごひいき筋ということで、これも選挙を活発にしてきたのだろうなあ。教科書の中に羅列された単語や数字だけではなくて、もう少し自分目線で社会を捉えるにはどうすればよいか、選挙を通して考え方の例を見せてくれた本だった。
Posted by ブクログ
各党が多数のトピックで対立している現在、選挙で一体どこに投票したらいいのかよく分からないという人が多いでしょう。そんな人たちに、本書をおすすめします。
著者は「党派性をもたずに政治参加は無理である」と述べています。自分の考えを明確にし、政治参加の第一歩であるひいきの党派をつくるための地図を示したのが本書です。特徴的なのは、各章で二つの選択肢を示して「あなたはどっち?」と問いかけているところです。体制派vs.反体制派、右翼vs.左翼、保守vs.リベラルなど誰もがニュースで聞いたことがあるもののいまいち釈然としないであろうテーマについて歴史も交えつつ平易な話し言葉で分かりやすく解説しています。もちろん、クリアカットには分類できない事項もあるとは思いますが、学び始めにおいてこのような分類的思考は補助輪として役に立つことでしょう。厳密性は概観を掴んだあとに追求すればいいのです。
2016年に選挙権年齢が18歳に引き下げられ、これからは若い世代の積極的な政治参加が期待されます。本書は若い世代が「言われたからなんとなく」ではなく、自分の意見をもって投票するための一助となってくれることでしょう。
Posted by ブクログ
ちくまプリマー新書を初めて読んだけど読者をなめてなくて面白かった。右派とか左派とか自分のポジション(ひいきチーム)を作った方が私憤義憤から政治に参加するようになるという本。想定読者は10代だと思うけど40代でもじゅうぶん面白かった。
Posted by ブクログ
いやー、よかった。文芸評論家の斎藤美奈子氏による政治参加とは何か、選挙に行くのが楽しくなるにはを解説する。そもそも右翼と左翼ってなに?保守とリベラルってどういうこと?というような政治参加の頻出語を日本の政治史を追いながら説明していき、また当時の日本といまの日本で状況がどう変わっているのかを紐解いている。口語体で書かれているため、かなりとっつきやすく読みやすい。また前の項目で出てきた用語を所々で振り返ってくれるので、あれ。どういう意味だっけ?と前のページに遡ってはわからなくなる新書挫折を起こしにくい作りになっている。ちくまプリマーということで本来は20~25歳を想定しているらしいけど、いくつになっても読んでほしいし、政治史の流れとか言葉の意味を改めて確認しておきたい、という人にはぴったり。また刊行当時は2016年なのだけれど2024年になって読んでみると、斎藤美奈子氏の予想が悪い方向で当たっていたりもして、いまのこの状況は見る人が見れば予想していた通り、ということなんだろうなあ。何にせよ何となく選挙に行ったり行っていなかったりしている「ゆる体制派」のような人たちに、この本が1冊でも多く届けばいいと思う
Posted by ブクログ
「日本国憲法って太っ腹でしょ。『国家によって侵されない自由』と、『国家にいろいろ要求する権利』の両方を認めている。まるで国民が主人で、国が家来のようです」
語気には棘があって、ちょっぴり挑戦的。書かれている内容も確かに学校では教えない。というか、表立って教えられない。政治に明るい知人から話を聞いているような感覚だった。
けれどもここまでサクサクいけたのは、自分も今の政治に思うところがあったからなのかもしれない。(きっと自分は、本書で言うところの「ゆる反体制派」なのだろう) 普段耳にする政治用語をよく理解せぬまま使っていたりと気づきも多かった他、自分ごとで政治を捉えるきっかけの一つにもなった。
中高生より大人の方がチクリ(あるいはヒヤリ?)とくるだろうが、それは真実がまるごと自分の中に浸透し始めている兆候なのだと信じたい。
本書では日本史の出来事を交えながら、体制派・反体制派、右派・左派について洗い直し、我々と政治との関係性を改めて見つめ直している。
政治家でなくても、政治には参加できる。投票だけでなく、正しい知識のインプットや自分の立ち位置(政治に何を求めるのかや派閥等)を定めたり、必要なら声を上げたって良い。
「どうしてワタシがこんな目にあわなくちゃいけないわけ?どうして彼や彼女がああいう境遇に置かれてるわけ?そう思った瞬間から、人は政治的になる。[中略]すべてのスタートは『こんちくしょう』です」
労働や社会福祉問題が「こんちくしょう」の最たる例だろう。
近年よく持ち上げられている北欧諸国の「高福祉・高負担」は、政府と国民との間に強い信頼関係がないと成り立たない。夢のような政策でも、日本では実現できない理由が必ずある。
でもベターな世界があることを知った以上、動かないという理由もない。「国益より人権のほうが上。国家より個人のほうが大切。これが近代国家の原則であり、国際社会の常識」なのだから、一人ひとりが生き延びて何が悪い。
「個人」で思い出したが、「個人と全体」についても多く触れられている。
中でも四大公害病を例に、個人の幸福を追求するとは何かを考えるくだりが揺さぶられた。こうして洗い直してみると大変理不尽な話で、被害者やご遺族は国や大企業を相手に20年、またはその倍の年月訴え続けなければならなかった。
しかしその働きかけは実を結び、環境に配慮した政策が次々と打ち出されていったのである。「個人の権利の主張は、全体を救うことにもつながる」…。ここで揺さぶられたのだった。
一方で自分が正しいと思ったことは、実行すると、どのように伝播していくのかを思索するのも大切だと思う。
「政治を考えるのに『中立』はない」と、著者は序盤で断言している。
一番いけないのは、どっちつかずでいること。でも現代の風潮は我々に「中立」を求め、政治トピックを持ち出そうものなら危険人物認定されてしまう。
しかし「中立」であることは即ち、お上のなすがままということになる。それは自分たちの生活を放棄しているってことになるのでは?と薄寒くならないだろうか。
Posted by ブクログ
今の政治状況に繋がる日本の近代史が簡潔に読みやすく書かれており、サクッと読めました。
若い頃、「物は言いよう」に救われた身としては、相変わらず美奈子節が炸裂していて爽快でした。
最近「モダンガール論」「妊娠小説」を読み返し、改めて斎藤美奈子は分かりやすく物事を(茶化したりふざけたりしながらも)伝える天才だと思いました。
Posted by ブクログ
さすが作家。大学教授が書くような本より断然読みやすい。自分の立場を明らかにするのにも好感が持てる。右翼と左翼の意味がようやくわかった。選挙が楽しみになった。
Posted by ブクログ
本著が想定しているであろう政治に対して自身の意見を持っていない読者の一人として、この本をきっかけに自身の政治的立場を明確にしたいなと思うことができました。政治において中立的な立場は存在せず、少なからず偏りがあるという意見には文章を通して賛成できることが多かったです。
日々色々な情報を整理して自分がどういう環境を望んでいるのか考えつつ立場を固めていきたいなと思います。
Posted by ブクログ
中高生向けの政治を考える本。大人が読んでも、まあ、わかりやすい。美奈子節が炸裂しまくりで、スカッとすること間違いなし。この本が出てから4年経過し、先日は真新しさのない立憲民主党という党名と代表が決定。明日は自民党総裁選...。今秋の解散・総選挙はどうなるのか? この本を読めば関心を持てることだけは間違いない。
Posted by ブクログ
中高生対象の新書ではあるが大人が読んでも十分読み応えがある。
政治に中立はあり得ない、同感。
若者だけでなく、政治になんて興味ない、と言ってる人には是非読んでほしい。
ちょっと過激かな、と思える意見もあるが私は基本的に著者と同じ考え方。
政治なんて自分には関係ない、なんてぼんやりしていると取り返しのつかないところまで日本の政治は来ていると思う。
この本が書かれた時から4年ほど経っている。
状況は余計に悪くなっていると思う。
将来を担う中高生には是非読んでほしい。
政治に無関心な大人にも。
Posted by ブクログ
なぜ学校で教えないのかが分かり易く綴られている。
だとすると、若い世代を中心に政治に関心のある人が少ないのも頷ける。
穿った見方をすれば、この種の事が学校で扱われないのは陰謀論的な国策ではないかとさえ思う。
私はイギリスのEU脱退やトランプの台頭等、名だたる先進国が罹っているポピュリズムの根底にあるのは『自分達さえ良ければ良い社会』に他ならなず、先進国どころか先祖返りではないかと思っている。
個人的には、おらが村ではなく、国でもなく、世界を見据えるのが政治家の役目だと考えているので、はからずも先進国と呼ばれるこれらの国の現状はカタストロフへの序章にしか見えない。
隣人との共存が損なわれつつある今、国というものを考える入口にはうってつけの本だと思う。
良書。
Posted by ブクログ
学校教育では特定の立場の政治に偏って教えられない
そうだなあ…そういう前提だものね
社会秩序とiうtいうものがピラミッド状の構造をしている以上
右か左かとか
資本家か労働者かとか
何らかの立場になっているのだな
自分で気が付かないうちに
あんまり極端ことをやると△自体が崩れて
違う△になったりするけど
その時はおおごとになっている
そういうことをわかりやすく書いてあるように思う
いまや人間と自然がいかに調和するかというのはどういう△になるのだろう?
それは△でなるのだろうか?
異次元の話かもしれない
Posted by ブクログ
第1章の歴史を読み解いた部分が大変わかりやすく、ここだけでも歴史の教材として使ったらいいんじゃないかと思ったほど。教科書で読むとごちゃごちゃした歴史が「体制」「反体制」とわけるだけで、すっきりと頭に入る。中高生、受験生必読。
第2・3章にある「体制は反体制を全力でたたきつぶす」「資本主義は『自由』を、社会主義は『平等』を重んじる経済のしくみ」「右翼は『反共』、左翼は『反米』」なんかは、政治に関心がないけど勉強せざるを得ない中高生は覚えておくと便利だと思う。
この本では(というか斎藤さんが書いているものを読めば、どれにもそう書いてあるが)自分の政治信条とその理由がはっきり書いてあるるので、おのずから結論は見えているわけだけど、右翼の人の言い分もちゃんと書いている。
新聞の世論調査を使っている点はちょっとオールドスタイルという気はしたけど。(今新聞を取っていない家はどんどん増えているので。若い人は新聞よりネットニュースが多数派だと思う。)
しかし、これを読むような意識の高い中高生は、基本的には大丈夫。
ネットの情報を鵜吞みにするような若者に読んでほしいけど、そういう子たちは読まないんだよね…。
Posted by ブクログ
本当に中立な立場から学校で政治を教えることは難しいと本書。なんでこんなことが起こるのかと考え始めたところから、いくつもの説明の仕方が発生し、その選択肢の中から自分で判断する能力が磨かれると思います。
Posted by ブクログ
書評という形で社会の様々なものについて、私にその見方を教えてくれてきた斎藤美奈子が、ついに直球を投げてきた。
タイトルの”学校が教えない”は、”学校では教えることができない”というのが正確な表現ではないかな、と思います。学校で教えなくたって、身近な大人が冷静に教えることができればいいんだよね。
Posted by ブクログ
政治に中立は無いという考えをベースにして、左派を自認する著者が日本の政治について口語でわかりやすく書いた本。体制派、反体制派を縦軸。左派、右派を横軸として考え、明治期から現代に至る政治の潮流を考える。
Posted by ブクログ
若者が投票に行かないのは、ひいきのチームや推しメンがいないからだ、というユニークな観点から、若い読者に向けて書かれた、政治に参加するためのガイド・ブックです。
江戸時代の武家政権による支配と百姓一揆、冷戦期における戦後民主主義と五十五年体制の関係、新自由主義の台頭と東側の崩壊以後のリベラルの混迷、そして現在のネット上で繰り広げられている「ネトウヨ」と「反日サヨク」の罵倒合戦にいたるまで、それぞれの陣営が依拠する政治思想の異なるさまざまな対立軸を、「体制派」と「反体制派」に分類することで、自分の「ひいきのチーム」を見つけることへと読者をみちびいています。
著者らしい諧謔も随所に見られるのですが、それ以上に本書に込められた著者の戦略的な意図には、舌を巻きました。もちろん、本書はアジテーションの本ではありませんが、もしかするとこれまでだれもなしえなかったような「動員」の思想のヒントを提供しているのではないかとひそかな戦慄をおぼえたのは、わたくしの読み込みすぎなのか、どうなのでしょう。
Posted by ブクログ
高校生とか大学生、若い社会人向けだと思うが、内容的には日本の近代政治の流れがコンパクトにわかりやすく示されているので、年齢を問わず読みやすいと思う。
政治には中立はないという前提は、たしかにそうだ。考えることから逃げてはいけない、と気づかされる。
有権者の意識、政治家の説明力、マスコミの報道のあり方、日本は2流であり、著書の中でいう『ゆる体制派』中心の国になるのだろうな、と思った。一有権者として、やっぱり勉強して、選挙に行きたいと思う。次は憲法の本でも読もう。
Posted by ブクログ
日本の政治史がざっと説明されているところは、わかりやすくて良い。
政治的に中立な人はいなくて、右か左のどちらかによっているもので、著者は左だそう。確かに左の人だと感じる。安全保障と歴史認識の部分以外は、なるほど、わかりやすくていいねと納得できる。