斎藤美奈子のレビュー一覧

  • 妊娠小説

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    ネタバレ

    結論もいいけど、分析の過程がいちいちおもしろい。

    明治以降に著された中で、
    いわゆる『望まない妊娠』を扱ったものを纏めて分析・批評した本。
    有名無名のいろんな作品が出てくるが、妊娠に関わる記述のみピックアップしていて、すごくドライに扱っているので妊娠に対して神秘性とか求めてる人はイラっとくるかも。
    妊娠小説って基本的に男の人の優位性が滲み出るもんなのだと著者は言いたいのだと思う。

    なお、最後に取り扱ったお話一覧が付いているので、読みたくなった人には便利。

    いわゆる、文学の中で扱われる妊娠というのは、
    (男性に取って都合の良い)道徳を説くのにとても便利というのが、
    触れた小説を通して実感が

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    2011年04月28日
  • 妊娠小説

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    ネタバレ

    小説における女性の妊娠を描いて秀逸な作品。森鴎外の舞姫でエリスが最後は「はかなくなりぬ」で、終わっているが、随分都合良いなと思った記憶がある。

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    2011年03月07日
  • 趣味は読書。

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    ベストセラーを読者のかわりに著者が読みたおして小気味いい口調で切る! 斎藤美奈子さん、相変わらずの切れ味です。

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    2011年02月02日
  • 月夜にランタン(世の中ラボ1)

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    書評と感想文は違うなあと、しみじみ思います。
    過去の作品と、また同時代の他の著者の作品と比べ合わせ、共通傾向と非共通項を見分け、その本のオリジナリティがどこにあるかを探っていく、斎藤美奈子の読みを追体験する面白さ。
    一番好きな書評家です。

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    2010年12月21日
  • 趣味は読書。

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     ベストセラーをめったギリにする読書エッセイ。
     ざくざくと切り捨てる様がカッコイイ。

    「あれ? これなんで売れているんだろう?」とランキングを見て首をかしげる方にオススメ。
     そうだったのかー。

     続編も読もうと思った。

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    2010年07月07日
  • 趣味は読書。

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    「ベストセラーを斬る」本でしょうかね。

    米原万里さんの「打ちのめされる…」でこの本を知ったが、米原さんは賛否両論であるのに比べて、この本に出てくるベストセラー本はすべて否の方です。賛の方も書いてあるなら読みたいな。

    ちなみに浅田次郎に関しては同意見でした。

    面白かった。特にタレント本の辺り。

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    2009年12月16日
  • 趣味は読書。

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    高熱の中読んだ斎藤美奈子。高熱でも読めてしまうのが斎藤美奈子のすごいところだよな。わたし、趣味は読書。なんて、これからは絶対言えない。っていうか、実際本よんでねーし。『趣味は睡眠。』っていう本でも書こうか。
    斎藤美奈子の何がすげえって、これは書評じゃなくて、そんなの超えて、社会学的な分析っていうか、マーケティングっていうか、そういうレベルの本であること。何が読者に求められているのかを分類して、わかりやすく、かつ面白く書いてしまったわけ。しかし、斎藤さんが自覚的であるように、彼女の言うところの「善良な読者」は、斎藤さんの本なんか手にとらんのだというのがものがなしい。もともと斎藤さんは編集者だった

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    2009年12月06日
  • 趣味は読書。

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    よく売れている本は読みたいけどつい後回しにしてしまうし、
    評判が先に立つのでだんだん興味がうせてくる。
    それに高いお金をだして一度だけしか読まないであろう本を買うのは気が引ける。

    タレント本はちょっと気になるけれど、
    買う気はさらさらないし、
    買ってしまったが最後後悔するのは目に見えている。

    でも、内容くらいは知っていて損はないのでは?
    そう思うような本がじゃんじゃんネタばれありで
    評されている。
    すぐ読み終わるのに、読んだ後は100冊くらい本を読んだような気分になれる。
    お得。


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    2009年10月04日
  • 妊娠小説

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    この人の文体は、評論家にしては軽くて読みやすいのでありがたい。それに語り口がいさぎよくて気持ちいい。「妊娠」に注目するとこんなにも小説が似たり寄ったりになるんだなと思って、悲しかったり、おかしかったり。読んでいる小説に「妊娠」が出てきたときに、またこの本を手にとってみたい。

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    2009年10月04日
  • 妊娠小説

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    『紅一点論』よりは固めだけど、笑える論説が備える鋭利さはやっぱり斎藤さん。
    三島も森鴎外も村上春樹もばらしてしまえば「妊娠小説」

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    2009年10月04日
  • 妊娠小説

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    この著者の本は他のが先になってしまって、デビュー作を今頃読んだ。やっぱり名著ですね。笑えるし。
    ぜんぜん関係ないんですが、「僕小説」って言葉、むかーしどこかで見た気がするんですが…もしかしてむちゃくちゃ初期のロマンJUNE? 気のせい? ああ確認したいけどもう手元にはない…というよりここでロマンJUNE読者であったことを告白してどうするよアタシ。

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    2009年10月04日
  • 妊娠小説

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    ・すっごく面白い(著者のつっこみが)んだけど、
     半分を過ぎるとくどすぎてだんだん疲れてくる
    ・登場してくる妊娠小説が妊娠小説としか思えなくなる
     特に舞姫。

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    2009年10月04日
  • あなたの代わりに読みました 政治から文学まで、意識高めの150冊

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    タイトルどおりの本紹介本。コロナ禍の頃の世相本や特定思想本などが多い感じで、本の見た目の印象ほど軽くない。
    一行で超要約、見開きで本紹介という構成。
    紹介本の索引があるとよかったな。

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    2025年11月23日
  • 戦下のレシピ 太平洋戦争下の食を知る

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    戦地に行ったのは男性だったけど、女性も「銃後」として生活のなかで戦っていた。最たるものが料理で、戦時中も生き延びた女性誌を参考に、少ない食料や燃料で、家族の栄養を補う工夫を続けていたとのこと。
    戦争初期は「イケイケ」の雰囲気で、戦意を盛り上げるイベント気分の料理も掲載されていたほどだったのに、戦況が悪化するに連れて、いかに野草や茶殻を食べるかの解説が載るまでに必死になっているのが、リアルに戦争の愚かさを表していた。

    そして、戦時中〜戦後の食糧難はなんとなく知っていたけど、実は戦前から、農村部では慢性的な食糧不足に苦しんでいて、都市部との貧富の差がひどかったことは、知らなかった。。
    なんとなく

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    2025年08月24日
  • 挑発する少女小説

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    小説を読むときこういう読み方はあんまりしないなぁと思ったけど(言葉も結構強い笑)、大人になったからこういう視点を持つのは大事かな。
    こういった本の著者たちが、時代背景を考えてもただの「模範的な女子教育のために」でとどまるわけもないよなというのはきっとそうで、少女たちをエンパワメントしてきたんだなと思った。

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    2025年07月05日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    なんリベポストモダン vs なんリベフェミニズム
     高橋源一郎のことはポストモダン小説を評する、どこかすっとぼけたひとだと思ってゐる。読巧者とはまったく思ってゐない。むしろズレてゐる。
     池澤全集の新訳古典のときも、町田康の「宇治拾遺」訳と自分の「方丈記」訳とを比べて、なるほどそのやり方があったかと町田訳に感心してゐた。それぐらゐズレてゐる。

     だいたいが、純文学で社会を知らうとするのが無理やりなのだ。純文学は、文壇村とその周辺でしか通用しない通貨みたいなもんだ。木を見て森を見ず、群盲象を評す、である。

     『アンクル・トムの小屋』が、奴隷解放に貢献した偉大な通俗小説なのはまちがひない。
     

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    2025年06月02日
  • 挑発する少女小説

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    202404/同意したり、気づかなかった視点にうならされたり、とても面白かった。題材の少女小説に未読の作品が案外あったので、読んでみたくなった。

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    2025年05月15日
  • 出世と恋愛 近代文学で読む男と女

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    ネタバレ

    なぜ男は煮え切らないし、女は死ぬのか?

    近代日本文学にパターンがあるのでは、という著者の考えから始まる文学論。明治大正の文学の男はうだうだしているよね、というイメージに理由がついた感じ。新書だからコンパクトにまとめてあるが、このケースをもっと深掘りすると面白いことがどんどん出てきそう。あらすじしか知らない作品が多かったので(また男がうだうだする話だろとも思っていて)今度読んでみようかな。

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    2025年03月09日
  • あなたの代わりに読みました 政治から文学まで、意識高めの150冊

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    これは書評ではなく感想じゃないか?と思ったものの、20/150冊を読んでみたいと思わせるのは凄い。
    読みたい本を読んで感想を曝していくのは、かなり頭の中を露出する行為ね、と読んでて羞恥心を感じた。

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    2024年12月28日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    作品紹介・あらすじ

    2011年から令和まで、計6回おこなわれた本をめぐる対話から、日本社会が浮かび上がる。思いもよらない解釈や、意外な作品との繋がりなど、驚きと発見に満ちた、白熱の対談集!

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    雑誌「SIGHT」の年末に掲載されていた「ブック・オブ・ザ・イヤー」という高橋源一郎と齋藤美奈子の対談を集めた本。タイトルには「この30年」とあるが、実際の「ブック・オブ・ザ・イヤー」は2011年から2014年、及び2019年と2021年の計6年分が掲載されている。「30年」というのは平成~令和を総括したような形で記述されていることを指しているのだと思われる。

    それにしても高橋源一郎も齋

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    2024年11月15日