斎藤美奈子のレビュー一覧
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斎藤美奈子のデビュー作。小説の中でヒロインが妊娠をする小説を「妊娠小説」と定義づけ、より正確には「望まない妊娠」である。原点は森鴎外の「舞姫」だとしています。「太陽の季節」「死者の奢り」「青春の蹉跌」「北都物語」がメンズ系なら、「もう頬づえはつかない」「海を感じる時」はレディス系。メンズ系は女に裏切られる話。ヒーローの年齢により、若い男が恋人の妊娠で打撃を受ける話、中年妻子持ちの男が愛人の妊娠で疲れる話などに類型。レディス系は自身の妊娠を機に男を見限る話、などに類型。
この本を出した時、文芸誌の元編集者から「小説はそんな風に読むんじゃない」と叱られたといいます。がこの「妊娠」をキーワードにす -
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なにかと波長の合う斎藤美奈子氏の書評本。しかしそこは斎藤氏、単なる本の羅列とはちがう。本を材料に世の中を縦に斜めにバッサバサ斬る。
2006年7月~2009年5月に、マガジンハウスの小冊子「ウフ」に連載されたものが主となり、2010年3月~「ちくま」に連載の物が核になっている。なので取り上げた本はその間に話題になった本をよみつつ、さらにその旬な本のバックボーンになっている本も取り上げている。
2012の今からだと6年前。最初の本が安部元首相の「国家の品格」。この時点でまだ次期首相候補なんです。いまや歴史の彼方ですよ。
斎藤氏と私は同学年。したがって団塊世代への非共感も同じ。2006年6月 -
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読書家である事を誇りに思っている層はベストセラー本を買わない傾向にあるが、ならば代わりに読んで概要を紹介しよう! というのがこの本。
要点をさくっと説明しつつ、ツッコミどころには容赦なくつっこんでいくのが非常に痛快。
何故その本が売れたのか、という事の分析もされている。
大多数の作品がばっさりと斬られているが、単に批判するばかりではなく、著者が良い作品だと感じたものもきちんと評価されていて、
よくある「痛烈に批判するばかりの書評本」とは違い、著者が作品に真摯に向き合った上で紹介しているのだと感じられた。
「善良な読者」(ベストセラー本をよく読む層を、文中でこう読んでいる)ではない人の中でも -
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ネタバレ結論もいいけど、分析の過程がいちいちおもしろい。
明治以降に著された中で、
いわゆる『望まない妊娠』を扱ったものを纏めて分析・批評した本。
有名無名のいろんな作品が出てくるが、妊娠に関わる記述のみピックアップしていて、すごくドライに扱っているので妊娠に対して神秘性とか求めてる人はイラっとくるかも。
妊娠小説って基本的に男の人の優位性が滲み出るもんなのだと著者は言いたいのだと思う。
なお、最後に取り扱ったお話一覧が付いているので、読みたくなった人には便利。
いわゆる、文学の中で扱われる妊娠というのは、
(男性に取って都合の良い)道徳を説くのにとても便利というのが、
触れた小説を通して実感が -
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高熱の中読んだ斎藤美奈子。高熱でも読めてしまうのが斎藤美奈子のすごいところだよな。わたし、趣味は読書。なんて、これからは絶対言えない。っていうか、実際本よんでねーし。『趣味は睡眠。』っていう本でも書こうか。
斎藤美奈子の何がすげえって、これは書評じゃなくて、そんなの超えて、社会学的な分析っていうか、マーケティングっていうか、そういうレベルの本であること。何が読者に求められているのかを分類して、わかりやすく、かつ面白く書いてしまったわけ。しかし、斎藤さんが自覚的であるように、彼女の言うところの「善良な読者」は、斎藤さんの本なんか手にとらんのだというのがものがなしい。もともと斎藤さんは編集者だった -
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「週刊朝日」の読書欄「今週の名言奇言」(2013年2月~2023年5月)で取り上げた490冊の中から154冊を選び、テーマ別に分けて収録した本である。
テーマは下記の3つで、それぞれ50冊ほどとなっている。
1.現代社会を深掘りすれば (政治や社会に関連した本51冊)
2.文芸書から社会が見える (文学作品53冊)
3.文化と暮らしと芸能 (知的好奇心をくすぐる本、暮らしや人生の指針になりそうな本50冊)
著者は、「はじめに」で以下のように書いている。
「書評は映画でいえば予告編、2時間分の内容のエッセンスを1分でまとめたダイジェスト版みたいなものだ。予告編だけでもある程度内容がわかる -
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近代文学で、よく名前が上がる(もしくは読まされる定番の)作品のパターンだよな。
『こころ』にしても『舞姫』にしても、大体、女の人は幸せそうじゃない。(ってか、主人公でさえ、幸せそうじゃない)
いやまあ、別に幸せを目指すストーリーじゃなくても良いんだけれど。
なかなか女性に気持ちを打ち明けられない男たち。
そんな男たちをうまく魅了していく女たち。
女たちは、忽然と消えるか、死んでいく。
そして、残った男たちは再び生き始めるのだ。
本文で繰り返される「向き合わない男」という言葉。
今日においても、その姿が完全に変わったという気はしない。
向き合えないから、ぶつかり合う。
言葉がまとまらな