斎藤美奈子のレビュー一覧

  • 日本の同時代小説

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    それが書かれた時代に読む、ということの意味を深く考えさせられた。
    何はともあれ、読みたい、読まねば、と思う本がぞろぞろ出てきて、ああ、これから忙しくなるなあ。

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    2020年02月11日
  • 学校が教えないほんとうの政治の話

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    中高生対象の新書ではあるが大人が読んでも十分読み応えがある。
    政治に中立はあり得ない、同感。
    若者だけでなく、政治になんて興味ない、と言ってる人には是非読んでほしい。
    ちょっと過激かな、と思える意見もあるが私は基本的に著者と同じ考え方。
    政治なんて自分には関係ない、なんてぼんやりしていると取り返しのつかないところまで日本の政治は来ていると思う。
    この本が書かれた時から4年ほど経っている。
    状況は余計に悪くなっていると思う。
    将来を担う中高生には是非読んでほしい。
    政治に無関心な大人にも。

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    2020年01月11日
  • 妊娠小説

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    「舞姫」の主人公って、妊娠した彼女を打ち捨ててひどいよね、というお話は、「舞姫」が広く知られているがゆえにある意味定番のネタとなっているところではあるが、いやいや、妊娠を取り扱った小説はまだまだあって、しかも、それぞれ味付けは違っても、「妊娠小説」という一大ジャンルを形成しているのですよ、とぶち上げるこの評論、「文学はこういう風に読むものじゃない」とのお叱りを受けたというのもわからなくはない、けど面白いのである。文学オタクというのか、ジャンルを楽しんで、「おっ今度はこう来たのか!」みたいな楽しみもあってもいいよね、という気がしてくる。

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    2019年10月05日
  • 名作うしろ読み

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    「古今東西の名作132冊をラスト一文から読み解く」
    つまり、名作の書き出しの一文は有名になるのが多いですが、作品最後の一文は忘れられてしまうようだ。

    例えば超有名な「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」の『雪国』末尾は覚えてない・・・。また、「下痢はとうとう止まらず、汽車に乗ってからも続いていた」というラスト文、わたしは「お見合いに行く令嬢に、これ、ないんじゃないのぉ!」とよく覚えていましたけども、この『細雪』の書き出しは、「はて、何だっけ?」

    斎藤さんはほんとにいろいろな切り口を見つけ出しますね。
    総数132冊、おもしろい名作案内でした。(続編もある)

    このような名作ガイドを読

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    2019年09月15日
  • 文庫解説ワンダーランド

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    上野千鶴子のあとだからか、セジウィックのホモソーシャル論を駆使しても、軽く感じてしまう。しかし、この軽妙さが斎藤美奈子だったと思い出す。

    最後の戦争文学を斬り、解説よ作品に屈するな、は良かった。

    ・太宰と漱石の立たされている位置、まなざしの違い
    ・サイード『知識人とは何か』:知識人にとってもっとも必要な要素は、専門性の中に閉じこもらない「アマチュアリズム」だ
    ・同時代の読者には説明過剰に見えても、数年後の読者にはもう通じない。それが現代。後世の読者に必要なのは、国語よりも社会科なのだ。

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    2019年07月12日
  • 学校が教えないほんとうの政治の話

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    よかった。歴史だいじ。ひいきのチームを見つける、というの、わかりやすい。あと中立とかねえよ、というのもいい。

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    2019年07月03日
  • 日本の同時代小説

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    最近50年の日本の小説の流れを時代・作家・作品とともに語る。60年代・知識人の凋落、70年代・記録文学、80年代・遊園地化、90年代・女性作家の台頭、00年代・戦争と格差社会、10年代・ディストピアを越えて。

    あの小説をそんな風にまとめるなんて、そんな表現してよかったなんて。評論家ってすごい。こうして概観すると、流れがあったのだと見えてきます。

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    2019年06月12日
  • 吾輩はライ麦畑の青い鳥 名作うしろ読み<『名作うしろ読みプレミアム』を改題>

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    納得できる結末も、腑に落ちない結末も含め、ラストに注意を向けることは、表面の細部に目を凝らし、物語全体を吟味し直すことに通じる。

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    2019年05月01日
  • 日本の同時代小説

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    1960年代から2010年代の小説がどうであったから、そして、今後日本文学はどのように向かうのかが示唆される。
    帯に、「きっとある!あのとき、あなたが読んだ本」の位置付けが良くわかり、現代の小説を全体的に理解できる著書である。

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    2019年02月02日
  • 文庫解説ワンダーランド

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    出遅れた。出版されて1年も過ぎている。
    いつもながら、文庫解説を評するという、目の付け所が素晴らし過ぎて…

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    2019年01月07日
  • 日本の同時代小説

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    自分は1973年生まれの45歳。
    物心ついたころから本に親しんできました。
    初めて自分で買って読んだ小説は、赤川次郎の「三毛猫ホームズ」シリーズ。
    小学校高学年のころだったと思います。
    それから現代文学を中心に読み漁ってきました。
    傾向としては、純文学が多かったように思います。
    ですから、今まで読んできた小説とそれを著した作家を、しっかりと時代に位置付けて俯瞰してみたいという欲求がありました。
    ただ、夏目漱石や森鴎外など近代の小説の歴史をひも解いた本はあっても、自分が読んできた小説をカバーする本はほぼありませんでした。
    概ね70年代から現在までに発刊された小説です。
    本書はまさに、この時代に発

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    2019年01月04日
  • 趣味は読書。

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    斎藤先生のベストセラー解読書。世の善男善女が手に取るベストセラー、邪悪な読者が読んだらどうなる?というコンセプトのもと、皮肉のきいたベストセラー評を読むことができる。概ね2000年前後のベストセラーを取り上げているのだが、結構覚えているものですね。それだけ現象化した本ということなのでしょうが、それらが一刀のもとに切り捨てられる様(別に切り捨ててばかりいるわけでもないけれど)は爽快。

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    2018年12月30日
  • 妊娠小説

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    「赤ちゃんができたらしいの」と女が宣告し、男はうろたえるという展開が、さまざまな小説のなかでくり返し描かれてきました。ほとんどパターン化しているといってよいこのような場面を含む小説を著者は「妊娠小説」と呼び、その構造と歴史の解明をおこなっています。

    森鴎外の『舞姫』と島崎藤村の『新生』によって、「どうでもいい女の問題」だった妊娠が「どうでもよくない男の問題」に昇格し、文学のテーマになったと著者はいいます。それ以前の小説に描かれていたのは、「妊娠」ではなく「堕胎」でした。しかしそれは、「生むにせよ堕ろすにせよよろしくやってもらいたい」という男にとっては「問題の解決」でしかありません。こうして著

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    2018年12月27日
  • 日本の同時代小説

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    ざっと1冊の本でまとめてくださったのがうれしい。
    もっと細かく書かれたものも読みたい。

    大好きな斎藤美奈子さんの本だが、この頃新刊キャッチ力が衰え、上野千鶴子さんが褒めておられて、え、そんな本出たんだと知った。

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    2018年12月22日
  • 日本の同時代小説

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    あくまで小説を読むためのブックガイドとして。
    しかし半世紀を通覧する文学史は、著者の軽やかな文体に支えられて展開していて、それ自体読んでいて楽しくなる。
    とりあえず何冊か読みたい本を見つけた。

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    2018年11月17日
  • 名作うしろ読み

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    自身の読書量の少なさを痛感。世の中まだまだ面白そうな本があるではないか。
    ビジネス書がどうしても増えていくなかで、過去の名作もしっかり読みながら、人間力を高めなければ。目次コピーして、手帳にしのばせ、紹介されている本を少しずつ、意識的に読み進めよう。著者とは違う感想や視点を持てると尚よい。

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    2018年06月01日
  • 文庫解説ワンダーランド

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    文庫の解説が大好きだ。
    わけのわからない解説がついているとがっかりするし、本文に劣らぬ輝きのある解説もある。
    そんな解説好きはきっと珍しくないはずだ。
    本書はそんなニッチな、マニアックな、「解説」にスポットライトを当てた珍しい本。

    まずは名作から。
    『坊ちゃん』の解説だ。
    実は読んだことがないが、「痛快な勧善懲悪劇」(13頁)という認識はあった。
    しかし、だ。
    それを覆す悲劇として読んだ解説があるそうだ。
    奇をてらいすぎじゃないか、何でもかんでも本流に逆らえばいいってもんじゃない。
    あるいは、赤シャツがうらなりからマドンナをとったのではなく、マドンナの方から赤シャツに近づいたのだとした解説も

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    2018年04月17日
  • 学校が教えないほんとうの政治の話

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    なぜ学校で教えないのかが分かり易く綴られている。
    だとすると、若い世代を中心に政治に関心のある人が少ないのも頷ける。
    穿った見方をすれば、この種の事が学校で扱われないのは陰謀論的な国策ではないかとさえ思う。

    私はイギリスのEU脱退やトランプの台頭等、名だたる先進国が罹っているポピュリズムの根底にあるのは『自分達さえ良ければ良い社会』に他ならなず、先進国どころか先祖返りではないかと思っている。

    個人的には、おらが村ではなく、国でもなく、世界を見据えるのが政治家の役目だと考えているので、はからずも先進国と呼ばれるこれらの国の現状はカタストロフへの序章にしか見えない。

    隣人との共存が損なわれ

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    2020年08月07日
  • 文庫解説ワンダーランド

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    文章が小気味いい。ぽんぽんと、アラレのように飛んでくるといおうか。言っている内容はけっこう高度なようで、いて、ときにくだけたりもする。読んでいて楽しかった。著者のプロフィールをみたら、もう60を超えているんだね。もう少し近い世代の人かと思ったけど。とはいえ、前から知っている著者さん。そしておれ自身も40代半ばになったことを考えると、そういうものかもしれない。

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    2017年10月05日
  • 学校が教えないほんとうの政治の話

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    学校教育では特定の立場の政治に偏って教えられない

    そうだなあ…そういう前提だものね

    社会秩序とiうtいうものがピラミッド状の構造をしている以上
    右か左かとか
    資本家か労働者かとか
    何らかの立場になっているのだな

    自分で気が付かないうちに

    あんまり極端ことをやると△自体が崩れて
    違う△になったりするけど
    その時はおおごとになっている

    そういうことをわかりやすく書いてあるように思う

    いまや人間と自然がいかに調和するかというのはどういう△になるのだろう?
    それは△でなるのだろうか?

    異次元の話かもしれない

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    2017年09月20日