斎藤美奈子のレビュー一覧
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それほど気にしていなかったオマケに思っていた、文庫本の解説コーナー。
でも、オマケだからいいやとはならなくて、しっかり読んでしまう本好きのサガでもあった。
その文庫本の解説に光を当てて、解説・分析・批評のおかしくもほろ苦い本。
当然、文庫本の著者と「解説」者は別人だ。
そこが肝心なところね。
ただしこの本によると、著者は解説者を選べるらしい。
ちなみに
あの解説って稿料もらえるんだろうか?もちろんもらえるだろう。
だけどね、この文庫がふたたびブレイクして売れ、著者の印税が増えたとして、
「解説」者は恩恵を受けるのかなあ?というはしたない疑問がわく。
そういうわけなら、「解説」者はあ -
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毒舌書評で知られる斎藤美奈子が古典文学から現代まであれやこれやの「解説」をメッタ斬り。文庫のオマケと考えられがちな末尾の「解説」に注目しただけでもかなりの変わり種だが、さらにその解説をどう読むか、解説はどうあるべきかを例の歯に衣着せぬ論調でまくしたてるのだから、これは必読だ。
三島由紀夫(『伊豆の踊子』)を「チンプンカンプン」と斬って落とし、井伏鱒二(『富嶽百景・走れメロス他八篇』)を「ふざけてんの?」とこき下ろす。反戦小説『少年H』(妹尾河童)に寄せられた著名人の書評を「翼賛的な絶賛体制」と揶揄すれば、返す刀で児玉清(百田尚樹『永遠の0』)の零戦賛美を「作品を相対化する視点がまったくない」 -
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各党が多数のトピックで対立している現在、選挙で一体どこに投票したらいいのかよく分からないという人が多いでしょう。そんな人たちに、本書をおすすめします。
著者は「党派性をもたずに政治参加は無理である」と述べています。自分の考えを明確にし、政治参加の第一歩であるひいきの党派をつくるための地図を示したのが本書です。特徴的なのは、各章で二つの選択肢を示して「あなたはどっち?」と問いかけているところです。体制派vs.反体制派、右翼vs.左翼、保守vs.リベラルなど誰もがニュースで聞いたことがあるもののいまいち釈然としないであろうテーマについて歴史も交えつつ平易な話し言葉で分かりやすく解説しています。も -
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ネタバレ戦争の話をするたび、「ものがなくて悲惨だった」「食べるものがなくて常に飢えていた」等の話を聞くたび、そんな話じゃなくて戦争の本質について話を聞きたいと思っていましたが、戦争時の食糧難の話は私の想像を絶していた。
この本では戦前の食事情から始まって日中戦争がはじまったころの節米食、太平洋戦争に発展してからの食、空襲が始まってからの食、敗戦後の食についてを当時の体験談や婦人雑誌のレシピなどから食事情をあぶりだした本です。
読みはじめは楽しかったです。洋食が庶民に浸透し、当時の雑誌にもおいしそうなレシピがいろいろと掲載されていたようで、興味を惹かれるものもありました。
日中戦争下の節米食もまだま -
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この840円の本を書くため、斎藤さんがどれほどたくさんの本を精読したか考えると、本当にすごいと思う。そして、本当に面白かった!
わかりやすいところでは、例えば、「走れメロス」の解説。角川文庫のカバーの紹介文みたいに、「メロスがんばれ!」と、私は一度も思ったことはないが、太宰治を知らない純粋な小中学生なら思うのだろうか、そしてそういう「読み」が正しいのか、とずっと疑問に思ってきたが、それを否定するような解説もなく、太宰作品の中では最も嫌いな一つとなっていたのだが、
「<メロスは激怒した>ではじまり<勇者はひどく赤面した>で終わるテキストは、心身ともに「裸」だった若者が「見られている自分」に気づ -
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今回は買ってから早めに読みました。
“いったいこの国は、どうなってるのよ。権力はしたい放題、メディアのチェック機能は減退、有権者はやる気を放棄では、もはや民主主義の国とは言えないじゃんよっ!”
という気分が、タイトルに「沈没」という言葉を使ったそうです。
転覆しそうになった船=ニッポン
・激震前夜
・原発震災
・安倍復活
・言論沈没
大きくこの4つの章に分かれています。
その中で、一つのトピックについて3冊の関連本を読み、右から左から上から下から読み解いたのがこの本。
“不穏な空気に包まれていたこの国を、さらに大きな二つの「人災」が襲った。ひとつは東日本大震災と東京電力福島第一原発の事 -
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そうか、妊娠小説であって妊娠日記ではないのね。
なんかへんな私小説を想像して読むのが遅れていた自分のばか…
デビュー作は渾身の一撃であるというのが私の主張のはずなのに。
ま、ともあれ読めて良かった!
病気小説、貧乏小説がすたれてなお、日本には「望まない妊娠」をテーマとする、妊娠小説というジャンルが存在する。鴎外の舞姫からムラカミハルキの風の歌を聴けまでを、料理に例え、あるいは図表化して分析し、切り刻む。この鋭い舌鋒と切れある論理。ミナコ節はもう、ここからすでに確立していたのですね。
これはもう、書評ではなく、すでに確立したエンターテイメントなのだと思う。 -
Posted by ブクログ
ふだん本を読まない人が読むからベストセラーになる。
だからいわゆる「本読み」はベストセラーを読まずに批判する。
が、それでいいのか?(ちょっと裏カバーから文章拝借。)
そう思った著者が49冊を取り上げて批評した本。
最初はいろんなタイプの「読書人」の解説。
「読書依存症」「読書原理主義者」「偏食型の読者」「善良な読者」。
鋭い分析に基づいた分類だけど、まるで占いか心理テストの結果みたいだ。
私は「読書依存症」かな。
新刊情報はチェックしてるし、自分のためだけど読書日記もついに
ネット公開してしまったし、実際、本の置き場所がなくて困っている。
私の本好きはもう趣味なんてカワイイもんじゃなくて