斎藤美奈子のレビュー一覧
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1960年代以降の日本小説史を10年ごとに区切って紹介する。前書きにあるように明治以来の小説の歴史は中村光夫が纏めており、その続編を意識したらしい。あまりにも多くの作家が登場し、その代表作の訴えるもの、世に与えたインパクトを列挙していくが、著者の整理力には感服する。10年ごとの集約は圧巻である。60年代は知識人の凋落、70年代は記録文学の時代、80年代は遊園地化する純文学、90年代は女性作家の台頭、2000年代は戦争と格差社会、10年代はディストピア社会を超えて。考えてみればヤワなインテリが主人公の小説は60年代までは主役だったことを忘れていたほど、思えば遠くへ来たもんだの心境である!巻末に
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確かに国語の授業では文学史を習ったわけで、だから読んだこともない作家や本のタイトルを覚えていたり、あらすじまで知っていたりする。読んだことないのに!
でも文学史はどっちかっていうと文学の歴史というか昔のことを学ぶわけで、自分が生きてきた時代とか読んできた本のことをこうしてまとまった形で時系列にしてくれたものって新鮮です。さすが斎藤美奈子。読みやすいし相変わらずキレのある文章。
しかしこれだけたくさん紹介されてるけど、読んだ本なんてほんの一握りだな。。。これをブックガイドにして来年はもっと読もっと。読んだことないのにあらすじ知ってる本が増えても自慢にならんし。 -
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若者が投票に行かないのは、ひいきのチームや推しメンがいないからだ、というユニークな観点から、若い読者に向けて書かれた、政治に参加するためのガイド・ブックです。
江戸時代の武家政権による支配と百姓一揆、冷戦期における戦後民主主義と五十五年体制の関係、新自由主義の台頭と東側の崩壊以後のリベラルの混迷、そして現在のネット上で繰り広げられている「ネトウヨ」と「反日サヨク」の罵倒合戦にいたるまで、それぞれの陣営が依拠する政治思想の異なるさまざまな対立軸を、「体制派」と「反体制派」に分類することで、自分の「ひいきのチーム」を見つけることへと読者をみちびいています。
著者らしい諧謔も随所に見られるのです -
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ネタバレ筆者書き下ろし渾身の妊娠小説!使用した機材は何✖何のポストイット あえて漢語を用いるなら懐妊である。 ちなみに漢字を読めない民草のためにこれを大和言葉に意訳するとおめでたである。力点 学校の成果 望まない妊娠史
黎明期 明治政府のイッパツ目が堕胎の禁止。 列強のすうぜいだった。 ハタと膝を打つ。 外部観察で終わる手法か。鈴木三重吉 長塚節 土っぽい農民文学者
文芸職人ギルド 近代的自我というテクニカルターム
意味深長だ。 ユングフロイリヒカト 中絶と堕胎は意味が異なる官製用語 犠牲者と混血化と労働力化が育児制限に キラ星のごとく
文化と鈍感 受容から参加へ 系譜を見る 刺激剤よりか劇薬 ハ -
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ジュニア新書でなくて新赤版~Ⅰあの名作に、この解説「坊ちゃん」(夏目漱石):敗者の文学(江藤淳・平岡敏夫)赤シャツに理あり(ねじめ正一)「伊豆の踊子」「雪国」(川端康成):処女の主題?(三島由紀夫)人生初期のこの世との和解?(竹西寛子)伊藤整の解説はタルい「走れメロス」(太宰治)太宰の徹底紹介(師匠筋の井伏鱒二)云ってみれば一億人の弟(斎藤)「放浪記」(林芙美子)の解説が迷走するのは、雑記帳の抜き書きが三度にわたって行われたからで、林も改稿に改稿を重ねている「智恵子抄」(高村光太郎):愛の詩集(光太郎死後の編者で光太郎に頭の上がらない草野心平)贖罪のうた(駒沢喜美)Ⅱ異文化よ、こんにちは「悲し
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岩波新書は、大学の般教の授業に相当するレベル。高校生でも社会人でも手に取れる知識や教養の入り口。高校時代そう言われて読んでいた。
新赤版になってから、くだけた内容の物が増えて、それが悪いとは思わないが、ちょっと語り口が雑誌っぽすぎるのが、最初は良くても、うーんと唸った。但し…ここに取り上げた本たちの解説が
「これ読まないと、本当にこの本は分からない?小難しいなあ…あってもなくても変わらないよ。」
と感じた経験は、私に限らず誰にもあるだろうし、それはちっとも変じゃないんだよと提示したことには意味があると思う。
わかりやすいイコール低俗
わかりにくいイコール高尚でお偉いもの
という誤った -
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名作とベストセラーが綺羅星の如く並ぶ文庫本。その巻末に併録されている、所謂「おまけ」である解説。本書はこれを主役に据え、毒ある筆致で寸鉄釘刺す「解説の解説」書。誰しもが知っている不朽作品のあらすじと作風と時代背景をさらりと舐め、いよいよ“なっとらん解説”の中枢へ。筆法はあくまでも鋭く容赦なく遺漏なくぶった斬り。その多くの指摘は至極尤もで、作家先生ご指名の御用文芸評論家によるものも多く、解説の解説が必要とする「屋上屋を架す」ような難解極まりないものに出くわし、著者は原理主義的命題に辿り着く。「はたして、解説はだれのためのものか」。初読者への理解促進をミッションに掲げるわけでもなく、読書の愉しみを
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【目次】Ⅰ あの名作に、この解説 1 夏目漱石『坊っちゃん』 2 川端康成『伊豆の踊子』『雪国』 3 太宰治『走れメロス』 4 林芙美子『放浪記』 5 高村光太郎『智恵子抄』/Ⅱ 異文化よ、こんにちは 6 サガン『悲しみよ こんにちは』 カポーティ『ティファニーで朝食を』 7 チャンドラー『ロング・グッドバイ』 フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』 8 シェイクスピア『ハムレット』 9 バーネット『小公女』 10 伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』『女たちよ!』 11 新渡戸稲造『武士道』 山本常朝『葉隠』/Ⅲ なんとなく、知識人 12 庄司薫『赤ずきんちゃん気をつけて』 田中康夫『なんとな
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