藤井光のレビュー一覧

  • 絶縁

    Posted by ブクログ

    『闇に包まれた穴の底には、龍が横たわっているような気がした。(中略)年寄りたちの言うには、そうした穴は龍が冬眠をする穴ぐらだそうで、龍は夏になると穴からはいずり出てきて天空に飛び立ち、冬になると再び穴に舞い戻ってくるという。穴の付近の雪が解ける理由は、龍の吐く息が穴から噴き出してくるせいらしい。ぼくはその言い伝えを知っていたので、穴の底でひとりぼっちにさせられたとき、龍に食われてしまうんじゃないかと怖くてたまらなかった』―『ラシャムジャ/穴の中には雪蓮花が咲いている』

    「絶縁」というテーマのアンソロジー。村田沙耶香が作品を寄せているというので読んでみたのだけれど、その他のアジア圏の作家の短篇

    0
    2023年04月12日
  • アクティング・クラス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    演技教室に通ううち、役の設定が現実を侵食してぐらぐらになっていく登場人物たちの物語を読み進めて追っているうちにこちら側が変なところに連れて行かれる感覚に陥る。怖くてイヤーな気分になるのに面白くて最高なマンガだった。

    0
    2023年03月13日
  • 絶縁

    Posted by ブクログ

    村田沙耶香 著「無」を目的に手に取った本。
    著者の“近未来SF”チックな作風が全開でした。
    フィクションだけど、どこか現実と繋がっている様な…

    0
    2023年03月04日
  • アクティング・クラス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    真面目に怖すぎた。
    現実と非現実の境って曖昧な作品って世の中にはたくさんあるけど、これは意図的に作為的に作られた場所にぐわっと連れていかれる。
    怖くて読めないエペペみたい。
    これは読んでしまったけど、それは漫画だったからだと思う。
    どこに連れていかれるか分からへんなんて読んでても怖い。
    しかもみんな、他の人になりきったりしてそれが普通になってて気味悪すぎた。
    ロージーはどこへ行くのかも、最後めちゃめちゃ気になりました。
    誰のことも本当かわからない訳じゃないですか。
    おかしくなっても、当然すぎて寒気します。
    異界みたいですよ、これ。
    ヤバい。
    ヤバいの読んでしまいました!!

    0
    2023年02月21日
  • 絶縁

    Posted by ブクログ

    日本の作家と共作しませんかと問われた韓国の作家チョン・セラン氏が「アジアの若手世代の作家が同じテーマのもと短編を書くアンソロジーはどうか?」と編集部に逆提案。それで編まれたのが本書だとか。
    今回のテーマは“絶縁”。人によって、国や地域によって、こんなにもいろんな“絶縁”があり、それぞれが自分だけの「生」に翻弄されながらそれでも生きていくしかないのだな…。誰かに代わってもらうわけにはいかないものね。
    作品ごとに作者紹介に加えて訳者解説やあとがきがあるのがうれしい。世界が広がるような一冊でした。テーマを変えたり執筆者の顔ぶれを入れ替えたバージョンも読んでみたい!

    0
    2023年02月12日
  • 絶縁

    Posted by ブクログ

    「絶縁」テーマのアンソロジー
    訳者のあとがきにナイスフォロー大賞を捧ぐ

    村田沙耶香、天才
    と思いきや、芋づる式に天才現る
    そして、しんがりのチョン・セラン
    一気に世界が広がってしまったので、これからどうしようかと悩む

    0
    2023年01月26日
  • 絶縁

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    チョン・セランの提案で、”絶縁”をテーマにアジアの作家9人の作品。どれもそれぞれに面白かったけど、ハオ・ジンファンとラシャムジャが特に良かった。

    0
    2022年12月27日
  • 血を分けた子ども

    Posted by ブクログ

    SF。短編集。
    SFでない純文学的な作品やエッセイもあり。
    地球外生命体と人類の奇妙な関係を描いた2作品、表題作と「恩赦」のインパクトが凄まじい。世界観に圧倒された。
    「夕方と、朝と、夜と」も雰囲気は違うが、とても面白い。
    エッセイも良い。
    傑作。今年読んだ小説のベスト3には入る。
    アフリカ系女性の書く小説、好きかも。

    0
    2022年12月19日
  • その丘が黄金ならば

    Posted by ブクログ

    最初から最後まで不幸な物語が続く、でもなぜかのめりこんで読んでしまう。
    父親が死亡するまでは貧困と墓力によって苦しんでいくルーシーだが、スィートウォーターに住み始めてからは憐れみを含んだ友情にも表面上は穏やかだが内面は反骨心を持って生きていく様子が美しい。それが成長とは言えないかもしれないが父親と母親の自立して生きていくという信念を引き継いでいる女性になっている。彼女が唯一幸せだったのが父親の遺体を埋葬する旅の間だけだったのでしょう、死んでからのほうが人間の本音が伝わってくることはあると思います。

    0
    2022年11月27日
  • 血を分けた子ども

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『筆者の解説付きで二度おいしいSF短編集』

    筆者の様々な体験、問題意識を主題として描かれたSF短編集。テーマは多岐に渡り、全体的に暗い雰囲気の中にも温かさが感じられる、経験したことのない様々なSFの世界が楽しめた。

    0
    2022年09月18日
  • ニッケル・ボーイズ

    Posted by ブクログ

    前作『地下鉄道』と比べて、地味な話だなと思い、読むのが遅くなったが、そうではなかった。ネタばれになるので書かないが『地下鉄道』と同じくらいか、リアリズムの分だけ本書の方がくるものがある。アメリカの人種差別問題がモチーフになっているがそれを超えて人間というものを問いかけてくる。

    0
    2021年05月09日
  • ニッケル・ボーイズ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ハッピーエンドではなくて、悲しい結末だが、救いない結幕ではない。暗いないようなので、新年に読むには、しんどかった。翻訳はとてもよい。

    0
    2021年01月02日
  • ニッケル・ボーイズ

    Posted by ブクログ

    真面目に前向きに暮らしていた少年が、不運によって人種差別が色濃く漂う劣悪な少年院に放り込まれる。
    実話をベースにしたフィクション。
    だが、この物語のような話はいくらでも存在したのだろう。

    0
    2020年12月25日
  • ニッケル・ボーイズ

    Posted by ブクログ

    『ニッケル・ボーイズ』コルソン・ホワイトヘッド著、藤井光訳(早川書房)エルウッドの人生から見える米国の構造的人種差別。実在した「エルウッド」たちの叫び。「究極の良識が、あらゆる人の心に息づいていると信頼すること」が公民権運動のメッセージ。(p.216)読んでいて身体が強張り震えた。#読書 #coltonwhitehead #翻訳 #藤井光

    0
    2020年12月07日
  • 勇気の赤い勲章

    Posted by ブクログ

    憧れ、不安、不満、高揚、恐怖、恥、誇り、熱狂、狂乱……、南北戦争下の一兵士を通して描かれる、戦争下での兵士の心理の軌跡。
    戦争と兵士たちを冷徹にそして距離を取って、まるで戦火の映像も、そして目には見えない兵士の心象すらも、ドキュメンタリーカメラで写すかのように、詳細に描き切っているように感じます。

    戦場での英雄的活躍に憧れ、軍に入隊したヘンリー。母親から感動的な言葉をかけられるかと思いきや、戦闘になったら自分のことだけを考えるんだよ、と当ての外れた言葉をかけられ、イライラしてしまいます。
    そんな彼ですが、家からの去り際に母が身体を震わせ涙を浮かべている姿を見て、自分の求めているものが恥ずかし

    0
    2020年06月07日
  • 海の乙女の惜しみなさ

    Posted by ブクログ

    表題作「海の乙女の惜しみなさ」を筆頭に「アイダホのスターライト」、「首絞めボブ」、「墓に対する勝利」、「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」の五篇からなる短篇集。「私、俺、僕」と作品によって異なる人称に訳されてはいるが、英語ならすべて<I>。一人称視点による語りで全篇統一されている。もっとも、内一篇はアイダホにあるアルコール依存症更正センターに入所中の「俺」が外部にいる家族、知人にあてた手紙という形だ。

    「私」の語りで語られる「海の乙女の惜しみなさ」は、掌編と言っていい短いスケッチのような章も含め、十の断章で構成されている。現代アメリカで広告代理店に勤める六十代の男が、自分の見てきたいろいろ

    0
    2019年05月29日
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

    Posted by ブクログ

    本屋で見つけて、編者が都甲幸治ってこともあり、是非読みたいと思って入手。最近特に、洋邦問わず文学賞が気になるってこともあり、これもとても楽しく読ませてもらいました。方々で言われていることだけど、ノーベル賞より注目すべき文学賞は、あれもこれもあるってことですね。実際には”8大”文学賞では決してないけど、芥川賞と直木賞の章も設けられていて、それはそれで日本人なら気になるものではあるし、ちょっとした息抜きみたいにもなっていて、高感度高しでした。毎度のことながら、また読みたい本・作家がたくさん見つかって、嬉しい悲鳴再び。

    0
    2018年05月10日
  • 天空の都の物語

    Posted by ブクログ

    生きるということは、物語を紡ぎだすこと。
    昨日があり、明日がある。
    過去があり、未来がある。
    そう僕らが素朴に信じられるのは、生きることに意味を与え、自分自身の物語を作り上げてゆく力があるから。
    その場限りで消えゆく現在の集積に過ぎない生の中から、点と点を繋ぎあわせてストーリーを与えると、それは人生となり、より大きな歴史の一部になる。

    それでも虚無に飲み込まれ、自分の物語を信じれなくなるときだってある。
    本当はただ刻々と過ぎゆく“今”だけが生の本質に過ぎないのでは?
    物語という虚飾を剥ぎ取れば、生には意味も目的もないのでは?

    そんな暗い夜にも、僕らにはすがるべき多くの物語がある。ドーアの「

    0
    2026年01月25日
  • ニッケル・ボーイズ

    Posted by ブクログ

    エンタメ小説としておもしろかった。
    堅実であること、誠実であること、ひたむきであること。厳しい世の中で、自分の運命は変えられないかもしれないけれど、他人の運命をちょっと変えることはできるかもしれない。
    でも、事実を元にって考えると、人間とは本当に恐ろしい生き物だと思う。当時の黒人にとって、どれだけ白人が恐ろしかったか、白人をどれほど憎んだか、いくらたくさんの小説を読んでも、いくら当時のことを調べても、日本人に理解することは絶対に不可能だろう。

    0
    2026年01月23日
  • すべての見えない光

    Posted by ブクログ

    第二次大戦中のドイツの孤児ヴェルナーとフランスの盲目の少女マリー=ロールの運命的な物語です。二人の物語が交互に描かれ、だんだん交差していきます。

    ヒトラーユーゲントに入ったヴェルナーはラジオの修理技術があり、不法電波の傍受をするようになります。

    個人的にはヴェルナーのユーゲントでの親友フレデリックが推しでした。
    大の鳥好き、夢見がち、周りに流されないというおよそ軍隊向けではないタイプ。なんでヒトラーユーゲント入ったの?って突っ込みたくなる子です。途中色々ありましてしばらく登場しなくなってしまい、ロスでした…

    0
    2026年01月17日