藤井光のレビュー一覧

  • アクティング・クラス

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    ネタバレ

    演技教室に通ううち、役の設定が現実を侵食してぐらぐらになっていく登場人物たちの物語を読み進めて追っているうちにこちら側が変なところに連れて行かれる感覚に陥る。怖くてイヤーな気分になるのに面白くて最高なマンガだった。

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    2023年03月13日
  • 絶縁

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    村田沙耶香 著「無」を目的に手に取った本。
    著者の“近未来SF”チックな作風が全開でした。
    フィクションだけど、どこか現実と繋がっている様な…

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    2023年03月04日
  • アクティング・クラス

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    ネタバレ

    真面目に怖すぎた。
    現実と非現実の境って曖昧な作品って世の中にはたくさんあるけど、これは意図的に作為的に作られた場所にぐわっと連れていかれる。
    怖くて読めないエペペみたい。
    これは読んでしまったけど、それは漫画だったからだと思う。
    どこに連れていかれるか分からへんなんて読んでても怖い。
    しかもみんな、他の人になりきったりしてそれが普通になってて気味悪すぎた。
    ロージーはどこへ行くのかも、最後めちゃめちゃ気になりました。
    誰のことも本当かわからない訳じゃないですか。
    おかしくなっても、当然すぎて寒気します。
    異界みたいですよ、これ。
    ヤバい。
    ヤバいの読んでしまいました!!

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    2023年02月21日
  • 絶縁

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    日本の作家と共作しませんかと問われた韓国の作家チョン・セラン氏が「アジアの若手世代の作家が同じテーマのもと短編を書くアンソロジーはどうか?」と編集部に逆提案。それで編まれたのが本書だとか。
    今回のテーマは“絶縁”。人によって、国や地域によって、こんなにもいろんな“絶縁”があり、それぞれが自分だけの「生」に翻弄されながらそれでも生きていくしかないのだな…。誰かに代わってもらうわけにはいかないものね。
    作品ごとに作者紹介に加えて訳者解説やあとがきがあるのがうれしい。世界が広がるような一冊でした。テーマを変えたり執筆者の顔ぶれを入れ替えたバージョンも読んでみたい!

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    2023年02月12日
  • 絶縁

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    「絶縁」テーマのアンソロジー
    訳者のあとがきにナイスフォロー大賞を捧ぐ

    村田沙耶香、天才
    と思いきや、芋づる式に天才現る
    そして、しんがりのチョン・セラン
    一気に世界が広がってしまったので、これからどうしようかと悩む

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    2023年01月26日
  • 絶縁

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    ネタバレ

    チョン・セランの提案で、”絶縁”をテーマにアジアの作家9人の作品。どれもそれぞれに面白かったけど、ハオ・ジンファンとラシャムジャが特に良かった。

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    2022年12月27日
  • 血を分けた子ども

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    SF。短編集。
    SFでない純文学的な作品やエッセイもあり。
    地球外生命体と人類の奇妙な関係を描いた2作品、表題作と「恩赦」のインパクトが凄まじい。世界観に圧倒された。
    「夕方と、朝と、夜と」も雰囲気は違うが、とても面白い。
    エッセイも良い。
    傑作。今年読んだ小説のベスト3には入る。
    アフリカ系女性の書く小説、好きかも。

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    2022年12月19日
  • その丘が黄金ならば

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    最初から最後まで不幸な物語が続く、でもなぜかのめりこんで読んでしまう。
    父親が死亡するまでは貧困と墓力によって苦しんでいくルーシーだが、スィートウォーターに住み始めてからは憐れみを含んだ友情にも表面上は穏やかだが内面は反骨心を持って生きていく様子が美しい。それが成長とは言えないかもしれないが父親と母親の自立して生きていくという信念を引き継いでいる女性になっている。彼女が唯一幸せだったのが父親の遺体を埋葬する旅の間だけだったのでしょう、死んでからのほうが人間の本音が伝わってくることはあると思います。

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    2022年11月27日
  • 血を分けた子ども

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    ネタバレ

    『筆者の解説付きで二度おいしいSF短編集』

    筆者の様々な体験、問題意識を主題として描かれたSF短編集。テーマは多岐に渡り、全体的に暗い雰囲気の中にも温かさが感じられる、経験したことのない様々なSFの世界が楽しめた。

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    2022年09月18日
  • ニッケル・ボーイズ

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    前作『地下鉄道』と比べて、地味な話だなと思い、読むのが遅くなったが、そうではなかった。ネタばれになるので書かないが『地下鉄道』と同じくらいか、リアリズムの分だけ本書の方がくるものがある。アメリカの人種差別問題がモチーフになっているがそれを超えて人間というものを問いかけてくる。

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    2021年05月09日
  • ニッケル・ボーイズ

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    ネタバレ

    ハッピーエンドではなくて、悲しい結末だが、救いない結幕ではない。暗いないようなので、新年に読むには、しんどかった。翻訳はとてもよい。

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    2021年01月02日
  • ニッケル・ボーイズ

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    真面目に前向きに暮らしていた少年が、不運によって人種差別が色濃く漂う劣悪な少年院に放り込まれる。
    実話をベースにしたフィクション。
    だが、この物語のような話はいくらでも存在したのだろう。

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    2020年12月25日
  • ニッケル・ボーイズ

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    『ニッケル・ボーイズ』コルソン・ホワイトヘッド著、藤井光訳(早川書房)エルウッドの人生から見える米国の構造的人種差別。実在した「エルウッド」たちの叫び。「究極の良識が、あらゆる人の心に息づいていると信頼すること」が公民権運動のメッセージ。(p.216)読んでいて身体が強張り震えた。#読書 #coltonwhitehead #翻訳 #藤井光

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    2020年12月07日
  • 勇気の赤い勲章

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    憧れ、不安、不満、高揚、恐怖、恥、誇り、熱狂、狂乱……、南北戦争下の一兵士を通して描かれる、戦争下での兵士の心理の軌跡。
    戦争と兵士たちを冷徹にそして距離を取って、まるで戦火の映像も、そして目には見えない兵士の心象すらも、ドキュメンタリーカメラで写すかのように、詳細に描き切っているように感じます。

    戦場での英雄的活躍に憧れ、軍に入隊したヘンリー。母親から感動的な言葉をかけられるかと思いきや、戦闘になったら自分のことだけを考えるんだよ、と当ての外れた言葉をかけられ、イライラしてしまいます。
    そんな彼ですが、家からの去り際に母が身体を震わせ涙を浮かべている姿を見て、自分の求めているものが恥ずかし

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    2020年06月07日
  • 海の乙女の惜しみなさ

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    表題作「海の乙女の惜しみなさ」を筆頭に「アイダホのスターライト」、「首絞めボブ」、「墓に対する勝利」、「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」の五篇からなる短篇集。「私、俺、僕」と作品によって異なる人称に訳されてはいるが、英語ならすべて<I>。一人称視点による語りで全篇統一されている。もっとも、内一篇はアイダホにあるアルコール依存症更正センターに入所中の「俺」が外部にいる家族、知人にあてた手紙という形だ。

    「私」の語りで語られる「海の乙女の惜しみなさ」は、掌編と言っていい短いスケッチのような章も含め、十の断章で構成されている。現代アメリカで広告代理店に勤める六十代の男が、自分の見てきたいろいろ

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    2019年05月29日
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

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    本屋で見つけて、編者が都甲幸治ってこともあり、是非読みたいと思って入手。最近特に、洋邦問わず文学賞が気になるってこともあり、これもとても楽しく読ませてもらいました。方々で言われていることだけど、ノーベル賞より注目すべき文学賞は、あれもこれもあるってことですね。実際には”8大”文学賞では決してないけど、芥川賞と直木賞の章も設けられていて、それはそれで日本人なら気になるものではあるし、ちょっとした息抜きみたいにもなっていて、高感度高しでした。毎度のことながら、また読みたい本・作家がたくさん見つかって、嬉しい悲鳴再び。

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    2018年05月10日
  • サブリナ

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    登場人物の目が単純なのに、前後の文脈によって超怖く見える時があり不思議。明確な殺意に見える時もあり、諦観しているようにも見える。ヘビーな話でSNSに追い込まれていく様は本当にどう救えば良いのかわからない。最後に猫を探しに行くストーリーは救いや何が待っているのか不可思議な感覚で良かった。

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    2025年11月18日
  • ブリス・モンタージュ

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    ⭐️4.0
    久しぶりに面白い作品に巡り会ったなあ。
    アメリカに住むアジア人の目線で、人種、ジェンダーなど織り込みながら、鋭い観察眼と軽妙な文体(これは翻訳者の力もあるが)に魅了された。
    中短編で、作品によってSFチックなのもまたよい。さまざまなタッチの作品が楽しめて、一粒一粒味わう高級チョコのように、ゆっくり楽しみました。

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    2025年11月08日
  • すべての見えない光

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    第二次世界大戦中の重苦しさとダイヤモンドを巡るサスペンス感がありつつも、繊細な心情が綴られた詩的な文章が素敵で魅せられた。

    ドイツ兵というと横暴なイメージしかないけれど、全員がそうではなくヴェルナーやフレデリックのような性格の人達もいたんだよね。学問に興味のあった2人が戦争がなければ全く別の人生を歩んでいけただろうに…と思ってしまう。
    戦争経験者は戦争が終わっても生きている限りその記憶はいつまでも重い心のしこりとして残ってしまうのもやるせなく辛い。

    ドラマ化もされているので観てみたい。

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    2025年09月01日
  • ブリス・モンタージュ

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    短編集8篇
    ひとつの情景から人生が顔を出す。心理描写が巧みでSFタッチの作品も違和感なく流れていく。
    移民、暴力キャリアや成功などてんこ盛りで息苦しさも感じた。異世界と繋がる「オフィスアワー」、赤ちゃんの手が出ている(これ怖いんですけど)「明日」
    が面白かった。

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    2025年05月08日