NHKスペシャル取材班のレビュー一覧
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内田樹の「撤退論」を読んで以来、人口減の日本の在り方を考えているので、積読していたこの本も読んでみた。
東京オリンピック前の本ではあるが、人口減少の具体的な都市の実例が出ていて、今読んでも衝撃は同じ。
いや、出生率がこの時よりも下がったので、さらに悪化していると考えた方がよさそう。
東京の豊島区は池袋のある若者の街、と言うイメージだったが、低所得の若者が仕事を求めて流入することで人口を保っているだけで、実のところは、数十年後は彼らが単身高齢者となり、区の財政を圧迫するであろうということ。
東京ですら!
また、限界集落で暮らす高齢者のためのインフラ整備に莫大なコストがかかり、自分が暮らした -
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NHKスペシャル『老人漂流社会』の書籍化である。2013年11月に発刊された本書を2014年1月に購入したが読まずに本棚に飾ってあった。
足立区の事件から始まる「消えた高齢者問題」が話題になったのは2010年であった。当時、『無縁社会』という本も出版された。その延長にあるのが本書である。
高齢者が行き場を失った社会。それは「老い」と「死」から目を背けてきた現代社会の一つの帰結であろう。都市化した社会の当然の帰結であろう。
なぜなら「老い」や「死」は自然の理であり、都市とは相性が悪いからだ。
この問題の根本的な解決は「価値観の転換」であろう。誰しもが老い、いずれは死ぬという当たり前のことを前提に -
Posted by ブクログ
ネタバレ文章の構成、取材の精度としては、優れていると感じた。
難しい取材対象と題材に対して、かなり根気強く正確にヒアリングしてあり、一冊の書籍にまとめ上げているNHKスペシャル取材班に敬意を表する。
こういった書籍のおかげで、世に出回ることがなかった情報をつぶさにキャッチすることができる。
一方で、ヒアリング対象者の発言に織り交ぜながら、著者の主観や類推を織り交ぜている箇所が多々あり、読者をミスリードするおそれはないのか、やや懸念する作りとなっていた。
著者が個人名なり、主義主張が明確であればそれを含めて読者は解釈をできるが、
「NHK取材班」という著者の主観や類推をどのように解釈すればいいのか、や -
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時々ニュースを見ては
なぜ そこの手前で助けを求めなかったのだろうと
思ったりしていました。
実際に自分は 介護をした事がないので
本当の気持ちはわかりませんでした。
ニュースでは 話題性のありそうな事件のみ取り上げられていますので
実際の傾向などは わかりませんでしたが
この取材では 配偶者、子供、そして 孫 、
更に 男性も女性も 全ての人が 加害者と なりえる事がわかりました。
長年の つらさもあるでしょうけど
短期でも 急に親や 配偶者の 変化に 戸惑い
介護者が 自分を失って行ってしまう事もわかりました。
大抵は 自分がと いう感じで 家の中で終らせてしまう。
他の家族には -
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ネタバレ本書の内容もふまえ、環境問題の改善に向けた大きな課題として以下を頭の中にとどめておきたい。
①経済性
経済的なインセンティブが誤っており、地球を破壊するやり方のほうが利益を得られることが現在の問題を引き起こし、なおかつ劇的な改善が難しい要因の大きな一つとなっていると感じる。対策としては、地球を破壊するやり方にコストを反映させる?暮らしの金額的負担が増えて難しい・・・。地球にやさしいやり方に補助金を出す?すでにやってるが、部分的かつ財源は税金。
②進行スピード
やはり人々の目先の生活には影響がない、目先の利益を追い求めることが大多数の人たちがすぐに動こうとしない大きな理由になっている。 -
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ネタバレ老後破産に至った方のインタビューを通して、彼らの現状、老後破産に至った要因を取り上げているが、全員共通した要因があり、自分自身の将来を考える上で参考になる。
①厚生年金に未加入:ほとんどの方は自営、もしくは厚生年金加入期間が短く、未加入であり、国民年金のみでやりくりしている。(国民年金も満額で無い事例も)
②生活保護をもらえないと思い込んでいる。もしくは、貯金が多少あるために一度追い返されている。
③完全に孤立している。生活を見守る方がいない。
④支援者がいるが、それによって、かえって公的支援が受けにくく合っているケース
⑤病気になり、働けない
現時点で老後を迎えている世代は比較的年金などに -
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ネタバレNHKスペシャルの取材を、ベースにマラソン世界記録保持者の身体的特徴を科学的に分析するとともに、彼らの育った環境なども含め、多角的に考察した本。
1km3分弱のスピードで42km走り続けられるようなトップランナーは、そもそも一般人とは体の造りが違うとは思っていたが、最大摂取酸素量が大きいとか乳酸がたまりにくい傾向にあるらしい。
とはいえ、マラソンの身体的な過酷さは半端なく、完走後に血尿が出ることも。世界記録保持者たちが、心理面、体の調子を含め"すべてがパーフェクトでなければ勝てない"と言うのも頷ける。
スポーツの記録は技術の進歩もあってどんどん進化していると思っていたが、 -
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NHK番組の本。フェイクニュース、デジタル監視、デジタルツイン、プライバシーデータ活用の問題など、番組で紹介できなかった部分も含む。 インターネットスマホの普及により便利になった一方で、フェイクニュースが蔓延して社会問題になっている。 フェイクとリアルの境界があいまいになって、ネットリテラシーの低い人は何が正しいか判断できず、自分の嗜好に合う人の情報や誤った情報を鵜呑みにする傾向になってきている。 また、ビッグデータを活用すると、個人の行動を推定することができるため監視ツールに利用することもできる。 読んでいてこの先の展開が恐ろしくなってきた。
昨年中国スマホの情報流出の危険性が話題になったけ -
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ネタバレ老後破産
長寿という悪夢
著者 NHKスペシャル取材班
2015年7月10日発行
新潮社
今年は「下流老人」という文字も目についたが、こちらは「老後破産」。2014年9月に放送されたNHKスペシャル「老人漂流社会~“老後破産”の現実~」をベースに、番組で紹介しきれなった高齢者の例を含めてまとめた本。「老後破産」は番組プロデューサーの造語だが、こちらもしばしば見かける言葉になった。
年金収入だけでは生活できず、わずかな蓄えを減らしながら暮らす高齢者。いずれ底つきることは分かっているが、何も出来ない。1日1食しか食べないとか、2束100円のそうめんのようなもので食いつないだりとか、もちろんだ