NHKスペシャル取材班のレビュー一覧
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「一億総中流社会」と呼ばれた日本が現在どのようになっているのか。
また、よりより未来を目指すためにどのようにするべきかをまとめた本。
日本の現状、他国での取り組み事例、将来に向けての3つの解決策で構成されている。
所得分布の中央値が25年間で505万/年→374万/年と130万も減少。
思っていた以上に危険な状態になっていた。
内容は具体的な数値等はあったものの、新聞や書籍等から得られる情報と大きく乖離はなく、特別に目新しいものではありませんでした。
”正論よりもまず目の前の現実に向き合う”
企業の存続を前提としたある中小企業の社長の取組がとても重く感じられました。
企業存続のためには粗利が0でも、大手の仕事を取ってくる必要がある。
また、正規雇用を守るためにも年功序列から成果報酬への給与体系の変換や非正規雇用の採用も行う。
下請けの企業は、大企業からの値下げ圧力に対してなかなか対抗できず、値下げ受注をすれば社員の給与を上げられない。
今回の事例では粗利0での値下げをしても、受注とはなっていませんでした。
難しい問題だと思います。
中流復活のための3つの方策
1・デジタルイノベーション
2・リスキニング
3・同一労働同一賃金
デジタル化成功の秘訣
まずはスモールステップ、「一人の業務を楽にする」ことから始める。
実戦経験はリスキニング成功の8割を占める。
他に影響の少ない、まずは個人の小さな業務でデジタル化を進める。
そのことによりデジタル化の手法が身につき、また「次はこれもできそう」というアイデアにもつながる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ所得の中央値が130万も減少。4人世帯の可処分所得は113万減少。
若者の間で投資が増えている。
終身雇用を維持するために、使い勝手のいい非正規にたよる。
企業依存型雇用システムの限界。正社員を守るために、非正規を増やす。
派遣労働のポジティブリストからネガティブリスト化へ。原則OKが国際的な常識。違法派遣の問題もあって、規制緩和した。派遣は当初高級だった。専門職に限ったため。
ILOも派遣労働の自由化を容認。181号契約が採択された。
正社員の絞り込み=中流階級の落ち込みへ。
政府による職業能力評価基準、ジョブカードなどの人材育成機能は機能していない。=最初から企業は当てにしていない。
中流復活に向けて国家の人材育成が必要。
価格の引き下げ、利益減、投資減、イノベーション難、賃金減、の循環。
多くの設備と人材を自前で抱えることが強みから弱みに変わった。
リスキリングの例=日立製作所など。
リスキリングの先進国ドイツ。インダストリー4.0を目指す。失業保険ではなく、労働保険=失業の前からリスキリングを行う。
派遣会社もリスキリングを行って、企業のニーズに答える。国民経済が上向く。
リスキリングは企業が主体となって行う。
RPA=おもちゃのような感覚で使い始める。定型業務を自動化。実践の場をつくること、ひとりひとりの業務を楽にすること。専任の担当者をつける。
オランダの奇跡=ワッセナー合意=ワークシェアと減税。女性の社会進出。組合も自らの人数を増やすためにパートタイマーも入れる。有意義な時間を過ごせれば業績もアップする。
ギグワーカーの増加は新しい社会問題。
イトーヨーカドーの同一労働同一賃金。パートタイマーのまま管理職になれる制度。転勤がないことで正社員と同じ給料にはならない。
中流危機は150年前にもあった。幕藩体制の解体。 -
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久しぶりに読みました。ランニングレベル的には、中級者以上、マラソン競技の科学的なアプローチを知る読みものとしても面白いです。
今までわかっていたつもりだったことも、レベルの向上とともに、体験的に理解できました。専門書以外で、フルマラソンを科学的に分析してくれる本は少ないので、新書でわかりやすく読めます。副題の「つま先着地vsかかと着地」は、あくまでランニングエコノミーの一部なので、そこを見誤ると細部の技術論に陥ってしまいますので、注意が必要ですね。
いわゆるランニングハウトゥー本ではないので、東アフリカ選手の強さの秘訣から、自分のレベルに合わせた、最大酸素摂取量、乳酸性作業閾値、ランニングエコノミーを高めるかを考える必要があります。
走り方のヒントを掴むことと、世界レベルのマラソン観戦も、楽しくなる一冊です。 -
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学校の成績で見合った高校に振り分けられて、見合う仕事の量がある程度あって、技術の進歩が就業人生とほぼ同じくらいのサイクルだった時代は、就職しさえすれば何とかなる時代だったのかな。脱サラ、という生き方は異端で、定年まで辛抱すれば年金が貰えて次世代も同じ様な生き方をすると信じて思考停止出来ていた時代だったんだろうか。
技術スピードが桁違いになった今では、自分をバージョンアップさせなければ適応出来ないって事なんだろうけど、ドイツや大企業に比べて取り残されている人が多過ぎると感じます。自分が持ってるスキルの棚卸しと取得すべきスキルの相談に乗ってくれる様な場所が、出来てくるのかな。(もうあるのか?私が知らないだけ?) -
Posted by ブクログ
ネタバレNHKスペシャル「”中流危機”を越えて」をまとめた新書。所得中間層について、失われた20年+αの間にほとんど賃金や生涯年収が伸びていない(むしろ減っている)ことを問題意識として、最終的には日本の労働法や労働環境の問題に言及している。つまり、本書は所得中間層に対して不安を煽り、リスキリングを促すようなものに留まらず、日本が停滞期から脱却するために、国・企業・労働者(組合)の3者が何をするべきかを提言しているように思われた。
厚生労働省の幹部は「企業のなかだけの議論では『雇用か賃金か』の二者択一になってしまって賃金が上がってこなかった。だからこそ企業の外で転職などをしてキャリアを重ねる外部労働市場を作り、正社員だけのキャリアだけではなく、外部でもキャリアアップをしていく、また内部と行き来するという形にしないと賃金は上がらない。
外部労働市場に資するようなキャリアアップの仕組み作るため厚労省としてはこうしたパーツ(ジョブ・カードなど)は作ってきてはいるが、結局、外部労働市場そのものができていないとパーツがうまくはめ込まれることなくそのままきてしまっていて、なかなか浸透しない。外部労働市場が健全に働くモデルが令和の労働市場として目指すものだと思う」と打ち明けている。 (p.107)
中小企業でのリスキリング 成功の秘訣
①具体的な業務のデジタル化から”スモールスタート”で始めること
「一人の業務を楽にする」ことから始める
スキル習得のために必要なのは、基礎学習2割、実践8割。つまり”実践こそリスキリング”なのだ。
②新たにデジタル分野に取り組む専門チームを作ること
チームといっても何もおおがかりなものを作る必要はない。2人のチームから始めればよい。
③リスキリング対象者を思い切って異動・配置転換させること
④リスキリングによる成果を昇給・昇格制度などで評価する
(p.186~191)
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内田樹の「撤退論」を読んで以来、人口減の日本の在り方を考えているので、積読していたこの本も読んでみた。
東京オリンピック前の本ではあるが、人口減少の具体的な都市の実例が出ていて、今読んでも衝撃は同じ。
いや、出生率がこの時よりも下がったので、さらに悪化していると考えた方がよさそう。
東京の豊島区は池袋のある若者の街、と言うイメージだったが、低所得の若者が仕事を求めて流入することで人口を保っているだけで、実のところは、数十年後は彼らが単身高齢者となり、区の財政を圧迫するであろうということ。
東京ですら!
また、限界集落で暮らす高齢者のためのインフラ整備に莫大なコストがかかり、自分が暮らしたい地域で暮らす事が今後不可能になってくること。
「雪国の場合、市町村道1キロの維持に年間90万円かかっています。例えば、メインの道路から5キロ入ったところに高齢者が一人で暮らしている場合、その人のためだけに年間450万円の支出が行われていることになる。ゴミ収集や水道管のメンテナンスの費用もかかります」
夕張市の場合、老朽化した住宅、入居者のほとんどいない団地の水道管や浄水槽のメンテナンス、除雪や道路修理の今後40年維持するインフラコスト場合488億円。財政破綻した時の借金を上回る。
地域医療は、身寄りのない老人の居場所も考えなくてはならなくなる。
今後解決困難な問題が一気に顕在化する。
「プラン75」の映画の世界が現実味を帯びてきそう。
少子化を食い止めるのも、少子化を飲み込み撤退していくのもどちらにしても、道は険しい。
どうする?
どう心構えする? -
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NHKスペシャル『老人漂流社会』の書籍化である。2013年11月に発刊された本書を2014年1月に購入したが読まずに本棚に飾ってあった。
足立区の事件から始まる「消えた高齢者問題」が話題になったのは2010年であった。当時、『無縁社会』という本も出版された。その延長にあるのが本書である。
高齢者が行き場を失った社会。それは「老い」と「死」から目を背けてきた現代社会の一つの帰結であろう。都市化した社会の当然の帰結であろう。
なぜなら「老い」や「死」は自然の理であり、都市とは相性が悪いからだ。
この問題の根本的な解決は「価値観の転換」であろう。誰しもが老い、いずれは死ぬという当たり前のことを前提にした価値観の確立しかない。
しかし、それは容易ではない。いま困っている高齢者がいる。この人たちを救うスキームがすぐにでも必要だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文章の構成、取材の精度としては、優れていると感じた。
難しい取材対象と題材に対して、かなり根気強く正確にヒアリングしてあり、一冊の書籍にまとめ上げているNHKスペシャル取材班に敬意を表する。
こういった書籍のおかげで、世に出回ることがなかった情報をつぶさにキャッチすることができる。
一方で、ヒアリング対象者の発言に織り交ぜながら、著者の主観や類推を織り交ぜている箇所が多々あり、読者をミスリードするおそれはないのか、やや懸念する作りとなっていた。
著者が個人名なり、主義主張が明確であればそれを含めて読者は解釈をできるが、
「NHK取材班」という著者の主観や類推をどのように解釈すればいいのか、やや迷いが生じた。
内容としては、
大東亜戦争戦時下、全体主義が当然の雰囲気の中で、国民一人一人が国家に対して義務を果たしていく風潮を背景に、戦況や国家の存続を考慮して展開されるゲリラ戦について書かれている。
特に沖縄では少年を含めたゲリラ部隊が組成され、実戦にも動員された。
米軍の本土上陸に備えて、上陸予定と予測される九州と関東を中心に、ゲリラ戦の準備も行われていた。
①民間防衛
中野学校は国内・国民向けに工作活動を行っており、士気高揚を含めて、ゲリラ戦を行うための内的な準備を行っていた。
全体主義的な雰囲気の当時の日本においても、国土を守るためには国内向けの工作活動が必要なこと、そこに国を挙げて国を守ることの難しさを感じた。
現在日本でも民間防衛はある程度議論は必要だろう。
圧倒的な戦力を背景に侵略する他国があると仮定して、自衛隊が機能不全に陥った⇒即ち全面降伏、というわけにもいかないだろう。
②少年の動員
タイトルにもあるとおり、「少年」をゲリラ兵に、そもそも兵隊に動員することはどのように考えればいいのだろう。
一般的に少年を軍人として巻き込むことは「現在の日本」における道徳観等に鑑みると、到底受け入れられないだろう。(「なお、何歳」からならOKという基準も引きにくいが。)
しかし、緊急時本当に国土に危機が迫った時、その時の大人たちは子供を巻き込むことなく、危機を脱することができるだろうか。
そういった危機を迎えることがないように安全保障環境を整備することは当然だが、
究極の危機を迎えたとき、道徳上避けるべき問題や国際法上の違反等々の「正しさ」と国家防衛のバランスは考えておく必要があると感じた。
学びの多い一冊だった。 -
Posted by ブクログ
時々ニュースを見ては
なぜ そこの手前で助けを求めなかったのだろうと
思ったりしていました。
実際に自分は 介護をした事がないので
本当の気持ちはわかりませんでした。
ニュースでは 話題性のありそうな事件のみ取り上げられていますので
実際の傾向などは わかりませんでしたが
この取材では 配偶者、子供、そして 孫 、
更に 男性も女性も 全ての人が 加害者と なりえる事がわかりました。
長年の つらさもあるでしょうけど
短期でも 急に親や 配偶者の 変化に 戸惑い
介護者が 自分を失って行ってしまう事もわかりました。
大抵は 自分がと いう感じで 家の中で終らせてしまう。
他の家族には 頼れない。
そして・・・・・
テレビで放映したそうですが
残念ながら 見ていませんでしたが
こういう 番組は 何度も再放送をして
社会に問題提起をしていって もらいたいと思いました。
不幸にも 家族に手をかけてしまった人は その後もずっと悔やみ つらい人生になってしまう。
そして つらい思いを乗り越えて 告白してくださった人々の為にももう こういう事件を 起こさせないように社会がサポートできる仕組みが 早くできる事を祈ります。