あらすじ
地方議員って何をしているの?
NHKが2019年におこない話題になった全国3万2千人の地方議員へのアンケート。議員の本音から見えてきた課題とは。
議会は何をするところ?/議員報酬は条例で定める/議員が訴える“議会不要論”/首長はなぜ強い?/質問しない、その訳は?/住民投票の未来は/ニュースになった、マズイ議員たち/政務活動費というブラックボックス/“起きていられない”議員たち/議会は“超男社会”/“日本版パリテ法”とは?/定数が埋まらない議会/内田茂と六人の都知事たち/選挙にはお金がかかる?/障害がある議員は特別なのか
ほか、イメージとは違う、いまの地方議会の本当の姿が見えてくる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「地方議員」と聞いて真っ先に思い浮かべる
のは、どういう内容でしょうか。
時々報道される汚職や、政治資金の使い込み
か、またまた具体的にあの「号泣議員」の姿
でしょうか。
最近では各都道府県の知事もその存在感を増
していますが、議員となるとやっぱり見えて
こないです。
確かに地方の小さい自治体では「なり手」さ
え見つからず、選挙戦という言葉さえ死後に
なっている状態の地域さえあると言います。
知人にでも議員がいない限りでは、その実態
にすら想像もできない地方議員について、様
々な角度から考察を経て明らかにする極上の
ノンフィクションです。
Posted by ブクログ
全国の地方議員に対するアンケートを通して、地方議会の実態を記した本。
障害をもつ議員、外国出身の議員など、様々な地方議員が存在することが分かった。
また、地方議員のなり手不足は、地方と都市部関係なく存在することも分かった。
地方議会は、身近な存在であることが分かる本だとも思う。
Posted by ブクログ
都道府県議会から村議会まで全国の地方議員を対象に行ったアンケートをベースにまとめられた本。
地方議員の実情を垣間見ることができて、地方議員への関心が高まりました。
自治体によっては議員報酬だけでは生活が厳しくて、アルバイトも掛け持ちしている議員がいることには驚きました。
本書を読んで地方議員の活動も少し知ることができましたが、やはり地方議員という職自体は必要なものだと思いました。
地方議員の活動にも目を向けることで、議員の質やモチベーションも上がり、私たちの生活にも良い影響が出てくると思うので、議員の活動に注目する人が一人でも増えればなと思います。
Posted by ブクログ
読み応えのある一冊だった。
地方の議員の方でも頑張って活動されてる方々は多い。しかし、現状はあまりにも庶民の生活とかけ離れているようにも感じる。夜間の議会や休日に集まるなどの工夫もされているが、会社員などには立候補など夢のまた夢のように感じる。
自営業との兼業ならいざ知らず、実際に立候補までして議員になろうと思えるかどうかで言うと難しいように感じた。まずは選挙運動にカネと時間がかかり過ぎることから変えてほしいと感じる。ただ、私は地元が好きなのでいつか議員になりたいなとも思う。
Posted by ブクログ
この本、面白かったよ!
なれあい議会とか
女性議員に対する、セクハラ、票ハラとか
議員になり手がいないという問題とか
あと、都議会のドン内田氏への取材内容とか、都議会の特殊性とか
ドラマとか映画による政治のイメージが強かったけど、やっぱり地方議会は生活に近い場で、国政ほど注目されないし、地味だと思う。
地域事情も課題も違う。
なんだろう、ただただ知らないことがたくさん知る事ができ、勉強になった。これから、どうやって捉えて考えていくか、考えようかと。
Posted by ブクログ
地域で活動していると、必ず登場するのが議員である。都道府県議会議員と市町村議会議員、国会議員と合わせるとその三層構造で約3万2000人もの政治家がいるのだ。とくに目立つのは、不祥事や事件を起こす議員個人だったり、野次や乱闘などで荒れる議会といった、悪いイメージだ。だから、果たして地方議員は必要なのか?という議論が巻き起こることになる。
大多数の議員は、地域住民の元に何度も足を運んで意見を取り上げ、それを議会質問として首長や行政執行部に繋げる役割を担っている。そのため、議員のなり手は行政職員経験者や地区の顔役といった主に男性がなることが多い。とくに過疎地域に行くと、地方議員は高齢男性が何十年も続けているケースがほとんどで、選挙すら成立するかどうかのギリギリなところも多い。
地方議員は年間50日以下の議会のみが拘束されるため、報酬は政令指定都市を除くと年額2−300万円程度であり、専業で働くには厳しいところが大半だ。とくに子育てしているような現役世代には敬遠され、議会とは別の冠婚葬祭といった地域のイベントには顔を出す必要があるので、正直コスパは悪い。
地方においては、首長の権限は絶大である。役所というシンクタンク機能を人事によって掌握し、幹部職員を中心に地域内外の情報を吸い上げて判断する立場のため、議会としては別の論点で存在価値を見出す必要がある。それが地域住民と直接コミュニケーションを取り、ある程度の票と利害を共有する状態をつくりながら地区単位での意見を中央集権化する自治体の執行部に伝える、地方議員としての生き残り策と言える。