あらすじ
大反響の「NHKスペシャル」を書籍化! 世界中の最新研究を丹念に取材し、アレルギーの予防と完治に向けた実践的な情報が詰まった一冊。
これまでアレルギーの“常識”とされてきた数々の情報。
「一度発症した花粉症は治らない」
「アレルギーになりたくないなら、アレルゲンをとにかく排除する」
「アレルギー予防のために、離乳食はゆっくり進める」
「卵などのアレルギー食品は赤ちゃんに食べさせないのがベター」
「妊娠中、授乳中の母親の食事が子どもをアレルギーにする」
……これらはすべて、間違いでした!
20世紀後半から、先進国で爆発的に増加したアレルギー。日本では国民の4人に1人が花粉症を、赤ちゃんの10人に1人が食物アレルギーを発症しています。
アレルギーパンデミックとも言われるこの状況を打開する手はないのだろうか? 最新研究に迫った取材班が直面したのは、医療の常識が根底から覆ろうとしている衝撃の事実。
カギを握る存在として注目されるのが、日本人研究者が発見した新たな免疫細胞「Tレグ」です。この発見によりアレルギー発症メカニズムの解明が進み、完治を目指す根治療法の研究が世界中で始まっています。
【目次】
第1章 アレルギー患者のいないコミュニティーを追って
家畜との生活に秘密を発見
第2章 免疫の常識を大きく変えた「Tレグ」
日本人研究者が発見! 唯一の制御細胞
第3章 アレルギー予防の“常識”は間違いだらけだった!
根拠のない指針が患者を激増させたという真実
第4章 アレルギーの本当の原因に迫れ
「いつ」「どこから」入り込むかが分かれ道
第5章 アレルギーを完治させる! 驚きの最新治療法
体内の“天秤”をコントロールせよ!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
アレルギーになる原因になる可能性のあるものはお腹にいる間からなど、早くから食べさせることがよいのでは!
アレルゲンを食べることや、注射することでアレルギーを治療できる可能性があるということなど、大きく進歩したアレルギーに関する情報が載っています。
Posted by ブクログ
この春、私は花粉症になった。もう一生ならないものだと思っていたから、かなりショックだった。周りの反応はふた通り、「ようこそ花粉症の世界へ」と「まぁ大変ね」である。2016年刊行のこの本では、日本国民の4人に1人は発症しているらしい(友人情報だと2人に1人だとも言う)。4人に1人以上は仲間意識で一言を言っていたので、実態に合っている。みんなが信じていたのは、「体内に取り込まれた花粉があるレベルを超えると発症する」と言う説だ。しかし、NHKは、それは「間違いだった」と断定する。しかも、治らないと言われた花粉症の治療薬が来年あたりから出回るとの情報も。驚きである。
免疫細胞の役割は、戦争の攻撃そのものだ。偵察隊のマクロファージが情報をもたらし、司令官のT細胞が敵(栄養等の有益なものではない)と判断を下し、現場に出向き命令のサイトカインを出す。実働部隊が武器の活性酸素を放出し、B細胞の抗体で防衛する。しかし、司令官の判断は時々間違いを犯す。だから膵臓のβ細胞を攻撃して1型糖尿病になったりする。でも、簡単に間違うようでは人間は直ぐに病気で亡くなるだろう。そこで間違いを正す司令官が存在するはずだと研究して、見つけたのがTレグ細胞だ。これを応用すればガン特効薬にもなる。この本ではノーベル賞を受賞した本庶佑さんは登場しないが、あゝこの流れだったのだ、と腹落ちた。
さて問題は、いかに花粉症を防ぐTレグ細胞を増やすかだ。そこで再び注目されたのが「衛生仮説=都市化して衛生的になったからアレルギー発症が増えた」説だ。私の幼少期は、家でニワトリを飼うような片田舎で育った。衛生的でなかったから今まで発症しなかった、といえば確かにそうかもしれないとも思う。実際、都会から養豚業に鞍替えした重症の花粉症患者は、多くの場合根治したらしい。しかし、大人の根治には大きな環境変化と時間が必要だ。
では希望はないのか?有る。舌下治療法と花粉症を治療するお米。2015年現在、農水省が2020年の早期実用化を目指していると言う。他にも3回の注射投与だけで劇的に治るとか、日々治療は進歩している。遅れてきた私は、その恩恵を易々と受けれそうだ。これも幼少時の非衛生的な環境のおかげである。
Posted by ブクログ
備忘録としてネタバレ記録です。
1/乳児期なるべく早期にアレルゲン食品を食べることで、食物アレルギー予防になる。
2/アレルゲン食品を食べるより前に、肌荒れ部分など皮膚からアレルゲン物質やそれが含まれるクリームなどを塗っていると、食物アレルギーの原因になる。
食べるのと、皮膚とどちらが先かで結果が大きく変わる。
3/妊娠中にアレルゲン物質を避けていると、子どもはアレルギーになりやすい。
避けずに何でも食べたほうがいい。
4/妊娠中に低栄養だと、胎児が記憶してしまい、産後、エネルギーを消費しない子どもになる。将来、肥満や生活習慣病
などになりやすい。妊娠中のダイエットはよくない。