あらすじ
「預金が尽きる前に、死んでしまいたい」「こんなはずじゃなかった……」年金だけでは暮らせない。金が無いので病院にも行けない。食費は1日100円……。ごく普通の人生を送り、ある程度の預貯金もある。それでも、病気や怪我などの些細なきっかけで、老後の生活は崩壊してしまう。超高齢化社会を迎えた日本で、急増する「老後破産」の過酷な現実を、克明に描いた衝撃のノンフィクション。
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Posted by ブクログ
老後2000万円問題なんていうけどそれで安心して暮らせる訳ではない。時代の変化によって家族の在り方も変化した。今は高齢者の連帯保証人や身元引き受けや死んだ後の手続きをしてくれるサポート法人なんかがあるよって昔の人にいっても信じられないだろうな。
暮らしの水準が上がって豊かになっても天涯孤独な人は増えてるんじゃないかな。
これがノンフィクションなのが一番怖い。
長寿ってありがたい、おめでたいことのはずなのに。
Posted by ブクログ
老後社会に絶望感を抱かざるを得ない。それくらい精神にくるノンフィクション。
取材を受けた高齢者の大半は現役時代誠実に働き金遣いも荒くなかった人々。だがそれでも病気など偶発的なきっかけで老後破産またはその寸前に追い込まれた。老後生活に向け準備や対策をしていても、破産する可能性がある。結構こわい。お金がないと快適な生活は保証できないから早く準備しておくに越したことはないと改めて感じた。お金に対する意識は高めるべき。
自分で稼ぎ収入範囲内でやりくりする能力身につける
周りとの関係大切にして、ひとりでかかえこまない
この2点をこれからより重視していきたい。あと孤独になるのを避けるため結婚したいなとも思った。つらいとき寂しいときに話せる人がいるのはかなり大きいと思うから。
Posted by ブクログ
これはちょっと、老後を安穏と構えている場合じゃないっていう、焦燥感につまされる内容です。その場凌ぎの享楽主義で過ごしてきた人じゃなく、いわゆる真面目に生きてきた人たちに起きている問題だから、怖い。家族の在り方まで含めて、一度真剣に向き合わざるを得ない気持ちにさせてくれる一冊です。
Posted by ブクログ
★きっかけ
ブクともさんの本棚で見かけた
タイトルが強烈な印象で
★わかったこと キーワード
・年金はもともと大黒柱がいる三世代同居
の時代につくられた制度
→独りでは生活を賄えない
・人生、何かに失敗したわけでもなく
ごく普通に真面目に働いてきた人たちが
老後破産に陥っている
→人ごとじゃない
・少しばかりの年金や 古い持ち家がある
ことが かえって ひもじいことも
→何もなくてすんなり生活保護の方が
安泰という、逆転現象
★感想
希望なくすなぁ 途方に暮れたよ
現役世代、働いても働いても老後破産?
たからって 今 どうすればいいの
子育て真っ只中よ?
Posted by ブクログ
NHKスペシャル取材班『老後破産 長寿という悪夢』新潮文庫。
2014年9月に放送されたNHKスペシャル『老人漂流社会 〜“老後破産”の現実〜』をベースにしたルポルタージュ。
超少子高齢化、核家族化、終身雇用制の破綻、ワーキングプアの増加と日本社会は悪い方向へと変貌し続ける。
誰もがいずれ歳を取り、高齢者となり、老後を迎える。他人事とは言っていられない現実。老いることは罪ではないはずのに、日本社会では次第に老人を養う能力が衰えて来ているのだ。
若いうちから長い年月、莫大な税金と社会保障費を徴収され、住宅ローンや学費の支払い、車のローンに苦しみ、ふと気付けば、定年退職の時を迎える。誰もが今を生きることに必死で、貯えの無いままに老後に突入するや、老後の保障など微々たるもの。これでは『老後破産』も致し方無い。
本作では、金の切れ目は生命の切れ目という過酷な状況で生活する高齢者の実態を赤裸々に描いている。
最低限の国民年金しかもらえない独居老人は例え身体が不自由でも病院に行く金も無く、食費は1日100円、話し相手もおらず、満足な介護サービスも受けられないという悲惨な状況にある。持ち家があったり、預金がある程度あれば、生活保護も受けられず、孤独に死を待つのみの悲惨な老後。むしろ生活保護を受けた方が医療費やら何やらが無料になるという歪んだ制度はおかしい。
読んでいて、自分たちの老後と自分が死んだ後の妻の老後が不安になって来た。
自分の親はかなりの額の年金がもらえている。国民年金に厚生年金、企業年金に年金保険などなど。しかし、いざ病気になり、介護が必要となると介護サービスや老人ホームへの入所はかなりの負担になるようだ。比較的安価な特別養護老人ホームに入所しても、その間の医療費などを含み、2年で500万円余りが消える。もしも、月に6万円程度の国民年金だけではどうにもならない。最早、日本社会では政府や自治体には頼れないので、現役時代からの貯蓄や資産形成が大切になって来るのだ。
本体価格590円
★★★★
Posted by ブクログ
家族形態の変化、働き方の変化、突然の病、年金制度の問題、地方の風習などから老後破産が起きている。
金がなければ生きられない。祖母からの教えを再認識した。明日は我が身…
Posted by ブクログ
老後破産と先日読み終わった8050問題は重なっている。現代の世の中の仕組みのズレが重なって、今後の大きな課題になりそうだ。
自分も核家族、離れて暮らす子供はいるが、自分の老後は自分で始末をつけないといけないとは思っている。
頑張れば自分で始末をつけられる人は良いが、一歩歯車が間違えれば私もどんな老後になるか予想がつかない。そんな時に頼れる国であって欲しい。
Posted by ブクログ
年金生活をしている人が病院にいくこともやっとやっとの生活であることなど書かれている。生活保護を受けようと思っても自宅があるためにもらえないとか、貯金がある程度あるためもらえないとか、困っていても福祉が届かないことが書かれていた。現代社会の老後の問題が身につまされる。
Posted by ブクログ
老後破産のケーススタディ。ノンフィクションなだけ深刻に訴えるものが強い。日本の終身雇用が見直され、欧米の実力主義の時代となった。健康面で満足に動けなくなった、介護のため退職を余儀なくされた、等のバックアップがない。男女平等で結婚する人が減った。都市集中で実家を離れる若者が後をたたない。貧富差拡大はますます激しくなる。表面上欧米化しても社会保障の面では貧困。貧しくても幸せなんて言ってもいられなくなってきた。現実を直視し、今後この方面の多くの提言が必要だ。2020.3.16
Posted by ブクログ
押しとどめる事は難しい超高齢化社会。僕自体があと20年もすると高齢者の仲間入りなのですからそりゃそうだ。順送りで年齢を重ねて行くのだから当たり前の事であります。
年金を納めていればとりあえず暮らしていけるという安心が有った時代というのはいつの事だったのでしょうか。そもそも働き始めた頃には年金はいつか破綻するからあてにならないなんて事を片耳で聞いていた記憶があります。
この本は今この時、わずかな年金、または無年金の状態で辛うじて生存している老人たちのリアルな今を取材した本です。
一日一食しか食べられない、一日100円で生活しなければならない、介護サービスを十分に受けられず不自由な体で過酷か毎日を送っている。
取材班の人達も自分たちの手で助けてあげたかったんだろうと、文章からにじみ出ています。一生懸命生きて納税してきたのに地獄のような老後を送っている人々。これからもっと老人が増えて非正規で働いている人が山盛りいる中で、この本に取り上げられた人々は特殊な人ではなく、ありふれた老人の姿になっていくのだと思います。
これ読んだら、急に自分の足元に大きな穴が開いているような気分になりました。今はまだまだ若いし何をしても生きては行けると思うけれど、夫婦で高齢化して日々の生活を豊かに営めるほど潤沢な資金が有るわけではありません。
この本の人々も今の自分のような老後を送るなんて夢にも思っていなかった人々ばかりです。老後の生活が破綻してこの本で描かれる「老後破産」は誰の身にも起きる事です。
お金を使い果たし持家を売らないと生活保護を受けられないという事は、現実に即して無茶な人達が沢山います。そうは言っても最低限の貯蓄は必要だし、持ち家を処分するという事は家賃が今後発生する訳で余計な出費が増える事にもなります。この本の中に、どうしても思い出の家を売る事が出来ず困窮して、病院に行けず体の状態が悪化する人もいました。
他人事どころか自分の親の事が心配になりました。うちの親はまだ若いのですがあっという間に後期高齢者になってしまいますからね・・・。
僕は団塊ジュニアなのでこれから世の中に負担をかける世代であります。僕が後期高齢者になった時には世の中どうなっているのでしょうか。何とか家族を守っていきたいですがそれにはまず健康ですね。健康第一です。めざせピンピンコロリ!
Posted by ブクログ
一握りの準備万端の層を除き誰にも起こり得る老後破産という現実。社会の移り変わりに追いついていない社会保障制度の設計の不備・綻びという問題はあるが、本質はもっと根深いところにある。それはゆとりがなくなりつつある日本の公助、共助の限界。若い頃放蕩を尽くしたような人には責任を問うて見捨てる?コツコツ働いてきたのに介護や体調不良で貧困に陥った責任のない人は助ける? 選別はできないしそもそも選別しても増え続ける高齢貧困者を助ける体力が日本に残っているのかという問題が…
Posted by ブクログ
生活保護受給者以下の年金生活者の実態を描いており、未婚化・独身化が進んだ日本では、このノンフィクションが他人事と言い切れる人は少ないはずであり、全世帯が読むべきと言っても言い過ぎでない。
このノンフィクションが、過去の話にならなければ日本に未来はない。
この論点へスポットを当てた、NHK、本当に素晴らしい。
生活保護保護以下の必要最低限の年金で、食費も事欠く貧困に落ちてしまった人達の、迷惑をかけたくないなどの自責の本音は、心に刺さり、そして、自己防衛を真剣に考えるきっかけとなった。
運用しましょう!貯金しましょう!保険入りましょう!というオチの巷に溢れたファイナンシャルプランナー兼、評論家の著作よりも役に立ちます、この作品は。
投機ではない貯金や生活拠点たる自宅所有は認めない生活保護の申請要件は、即刻見直しをすべきです。
Posted by ブクログ
真面目に働いていれば老後も安泰というのは夢物語であることがよくわかる本。
真面目に働くだけではダメで、お金のリテラシーをちゃんと学び、しっかり準備しないといけない。最終的には生活保護という手があるのを知っておいて、どういう状況になれば受給できるのかを把握しておくことが重要と感じた。
Posted by ブクログ
老後破産に至った方のインタビューを通して、彼らの現状、老後破産に至った要因を取り上げているが、全員共通した要因があり、自分自身の将来を考える上で参考になる。
①厚生年金に未加入:ほとんどの方は自営、もしくは厚生年金加入期間が短く、未加入であり、国民年金のみでやりくりしている。(国民年金も満額で無い事例も)
②生活保護をもらえないと思い込んでいる。もしくは、貯金が多少あるために一度追い返されている。
③完全に孤立している。生活を見守る方がいない。
④支援者がいるが、それによって、かえって公的支援が受けにくく合っているケース
⑤病気になり、働けない
現時点で老後を迎えている世代は比較的年金などに恵まれた世代にもかかわらず、こうした老後破産に至る事例が数多く、今後はさらに老後生きて行くには厳しい状況になることが容易に想像できる。逆に現時点で老後に至っている方の多くは「こんなことになるとは思わなかった。」と語っており、かなり自分で招いた(見通しが甘い)結果であるように見え、あまり共感できなかった。
Posted by ブクログ
2014年nhkスペシャルで放送された”老後破産”を書籍化したもの。
ショッキングは話がこれでもかと出て来る。
・年収120万円以内、家無し、貯金無しで生活保護が受けられるが、貯金が無くなる事の恐怖はこたえられないという。
・皆我慢して、1食100円の食事で凌いでいる。
・病気になってから転落するケースが多い 医者には行けない
・介護サービスも高くて利用できない。
Posted by ブクログ
日本の社会保障制度が機能不全に陥りかけている様子がよく分かった。
分かったけど、今の日本にそれを打開する策が残されているのだろうか。
結局のところ自己責任論に回帰してより一層冷え冷えとした社会になっていってしまうのではないだろうか。
Posted by ブクログ
老後破産
長寿という悪夢
著者 NHKスペシャル取材班
2015年7月10日発行
新潮社
今年は「下流老人」という文字も目についたが、こちらは「老後破産」。2014年9月に放送されたNHKスペシャル「老人漂流社会~“老後破産”の現実~」をベースに、番組で紹介しきれなった高齢者の例を含めてまとめた本。「老後破産」は番組プロデューサーの造語だが、こちらもしばしば見かける言葉になった。
年金収入だけでは生活できず、わずかな蓄えを減らしながら暮らす高齢者。いずれ底つきることは分かっているが、何も出来ない。1日1食しか食べないとか、2束100円のそうめんのようなもので食いつないだりとか、もちろんだが、病気になっても医療費を払うと食費がなくなるので行けない、倒れて入院して回復しても、医療費を払ったので生活費がなくなり不摂生をしてまた病気に、といった負のスパイラル。わずかな年金収入のほとんどが今の住まいの家賃に消えるが、安いところに引っ越したくてもその費用がないので高い家賃を払い続け、食費をけずらざるを得ない、というこちらも負のスパイラル。そうしてやがて破綻し、生活保護を受ける。それが老後破綻。
数年前、ごく普通のサラリーマンやどちらかというと裕福だった男たちがリストラされ、ホームレスに陥った話がはやった時期があった。そんな本には、貧乏で惨めな生活ぶりが紹介され、読者はそれを読んで同情はするが「自分はまだましだ」という慰めにもしてきた。老人モノの“極貧物語”に衆目が移ってきたのかという思いも少し持ちながら読んだが、そういう趣旨の本ではなく、いろいろな問題を提示したなかなかに優れた本であった。
なぜ、貧しい高齢者は生活保護を受けないか?
制度をよく知らない、という点がある。持ち家があるから、わずかだが預金があるから受けられない。年金をもらっているから受けられない。そう思いこんでいる人々は多い。
社会的に生活保護はさけるべき道だという考えを持つ老人。これも多い。
役所がなるべく受けさせないようにする。
年金収入が少なくても、預金があると、それがなくなったらまた相談に来てくださいと言われるらしい。そこで共通に持つのは、底つきた時にもし受けられなければ死ぬしかない、という不安。至極、当然である。いわば生死の境に立たされてからでないと相談に乗ってくれないとは。不安だから預金を減らさないようにする。すると食事は不健康、医者にも行けない、益々負のスパイラルにはまっていく。
ただ、この本を読むと、どうやら一番苦しい線は、年金収入が10万円前後ぐらいのようにも思える。それ以下なら、人が導いてくれたら生活保護を受けるということがありそうだが、10万円前後だとなかなかその気にならない。自分でやりきろうとする。そうすると、病気になっても医療費がもったいないので医者に行かない。結果、大病になる。ところが、全部でなくても少しでも生活保護を受けていれば、医療費は無料になる。
高齢者の極貧問題は、制度上の不備、社会的生活上の問題、個人の考え方など、実にいろいろな要素があって複雑である。では、解決の方法はないのか?そうでもないと思う。例えば、40代、50代の息子がリストラされ職がなく、高齢者の親の年金にパラサイトしているという実態もあり、こちらは将来に向けてさらに深刻だが、お金が一部に集中してしまっている格差社会こそが諸悪の根元であり、「頑張れば報われる社会」にすればいい、などという単純な問題ではないことだけは確かである。
Posted by ブクログ
こんなにも高齢者の中に、少ない年金で医療をきちんと受けることも出来ずに生活している人がいるとは…
私が定年になるのはまだもう少し先だけれど、今より良くはならないでしょう。
どちらかというと悪くなるでしょう。
お金って持ってる方がいいのか、悪いのか良くわからなくなってきました。
老後に向けて貯めていても、それではきっと足りないでしょう。
その後にはどんな生活が待っているのか…今後ますます老後破産は増えていくでしょうし、介護の問題も大きくなるでしょう。
不安が募ります…
2019.11.3