NHKスペシャル取材班のレビュー一覧
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「デジタル空間に残したデータから自らのプライバシーがあらわになったことに不安を感じつつも、便利さを手放すことはできない」(あとがきより)
これが本書を読み終わった時の正直な感想だった。
NHK取材班が番組作成にあたって取材した様々な人のエピソードや出来事が記載されているが、印象的だったのは、①デジタル断ちをして当局の捜査の手を逃れる香港の若者たち②自殺に関する検索をした結果、自殺関連の記事が次々に表示されることになり、本当に自殺してしまったイギリスの14歳の女の子③高齢者の代わりに意思決定を行うデジタルツインの開発が進んでいること、の3つ。特に①と③については、読みながら伊藤計劃の『ハーモニー -
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NHKスペシャル取材班『高校生ワーキングプア 「見えない貧困」の真実』新潮文庫。
家計のために、通学や進学のために働かざるを得ない高校生の実態から日本の貧困層の現実を描いたノンフィクション。NHKにしては挑戦的なテーマである。本書に描かれた子供たちは、貧しい家庭に育ちながらも親思いの努力家で、心豊かなように思える。それだからこそこの日本の現実は悲劇に見える。
数年前から普通にスマホやPCを持ち、100均やファストファッションを利用するなどして見た目は普通なのに実は貧困に苦しんでいる『隠れ貧困』の若者が増えているようだ。家計のためにアルバイトをし、家事をこなして夜学に通ったり、進学のために奨 -
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ネタバレタイトルと表紙に魅せられて手にした一冊が非常に学び多き一冊でした。
人を構成する最小単位である「細胞」。
1人の人間は約60兆のもの細胞で構成されている。
全体の約1/3にあたる約20兆個は赤血球で、最大の細胞は卵子。
いやはや本書を読めばすんなりと理解納得出来る。
そんな細胞はひたすらに生殖できる年齢まで生き延び、次世代を残すことだけが細胞たちの関心事といっても過言ではない。
生命が40億年もの歳月をかけてつくりあげた壮大な仕組みは全て次世代を残すため。
人は何で出来ているのか?人とは何なのか?
その答えが得られた気がする。
説明
内容紹介
生命が40億年の歳月をかけて -
Posted by ブクログ
押しとどめる事は難しい超高齢化社会。僕自体があと20年もすると高齢者の仲間入りなのですからそりゃそうだ。順送りで年齢を重ねて行くのだから当たり前の事であります。
年金を納めていればとりあえず暮らしていけるという安心が有った時代というのはいつの事だったのでしょうか。そもそも働き始めた頃には年金はいつか破綻するからあてにならないなんて事を片耳で聞いていた記憶があります。
この本は今この時、わずかな年金、または無年金の状態で辛うじて生存している老人たちのリアルな今を取材した本です。
一日一食しか食べられない、一日100円で生活しなければならない、介護サービスを十分に受けられず不自由な体で過酷か毎日を -
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Posted by ブクログ
序盤のストレスチェックリストで、いきなりストレスない人に判定されたので読む必要が無くなったのですが、これはとても素晴らしい本でありました。
ストレスがどういう風に体に影響を及ぼすのか、科学的な実証を基に書かれているので、漠然とストレスへのモヤモヤした恐怖を煽るのではありません。
ストレスを受けた時に発生する物質が、遺伝子や細胞に直接影響を与え、様々な病気の原因となっていることがものすごーく分かりやすく書かれています。
今まで関係無いと思っていた疾患が、慢性的なストレスが原因で発生した可能性が高かったと分かって、怖いと同時にストレスにしっかり対処する事で可能性の芽を摘むことが出来る希望になりまし