NHKスペシャル取材班のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ父を老衰で看取るとき、心の支えになった本。
表現できないだけで本当は苦しかったりつらかったりするのではないかという疑念のを持っていたのですが、その答えもありました。
父がお世話になった施設の方々はこの本を読んだか番組を見ていたのかなというくらいの対応をしてもらってたので、その有り難さと本当に苦しまなかったんだ穏やかに逝けたんだという思いから、読んでて涙が止まらなくなりました。
本当のところは亡くなっていく本人にしか分からないのかもしれないけど、家族として納得が出来るものでした。
老衰死していく本人、家族にも心穏やかな最期を導き、与えてくださった、与えるよう尽力、研究してくださる方々、この本、この本の元になった番組に携わった方々に感謝しかありません。
多くの人にこの本を読んでほしい。多くの人に老衰という穏やかな最期=平穏死の選択肢があることを知ってほしい。老衰死が理想の死となりました。 -
Posted by ブクログ
これ、実際の放送観ましたねぇ…そして、この本はアレですね、その放送をトレースしたような内容と言うか…まあ、なぞっただけですね。 ←え?? 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
読んでいると実際の放送の映像が浮かんできますしまあ…僕の彼ら引きこもり当事者と似たような性質を抱え持っていると…自負していますので(?)内容には結構共感できましたとも…! 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
支援員の人たちも自分もいつこうなってしまってもおかしくない? みたいな心境でもって彼らに接しているとか。
家族が居ても家族として世の中から孤立してしまっているような、そんな家庭が今の世の中では多いのかもしれないですねぇ…目に見えないだけで…!
ヽ(・ω・)/ズコー -
Posted by ブクログ
ネタバレ幕末史を列強間のグレートゲームの切り口から分析したもので、端的に言って新鮮であり、納得感もあって非常に面白い。
既存の歴史のナラティブの疑問として、1850年代の黒船来航から修好通商条約のラッシュがあるが、そこから一転して開国派対鎖国派、幕府対薩長、佐幕対新政府、西対東、と対立軸は様々あるもののフォーカスが国内に向き、戊辰戦争が終わると近代化や外交など一気に西欧列強や清国、朝鮮との関係や、内政も諸外国の制度や技術の導入による近代化という流れになる。
では、維新の時代は外国が日本を敬遠していたのか。全くそんなことは無かったことがわかるのが本書の視点。前半は1853-1856のクリミア戦争に続く英露のグレートゲームが対立軸になっており、西で進出を止められたロシアが東側に不凍港を求めて対馬や蝦夷地を虎視眈々と狙い、イギリスがそれに対抗する。
イギリスは自由帝国主義であり、自由貿易を求めて工業製品を売り、障壁があるなら工業力転化した武力で突破するのが基本作戦。幕府に当事者能力が無いと見切り、薩長そして新政府が天皇の下で国内を安定化してくれると見て、パークス公使の下、そのバックアップが基本政策。といって完全肩入れではなく、江戸城無血開城の裏には英国はじめとした諸国が横浜に艦隊を集結させて恭順した慶喜に武力行使しないように西郷に圧力をかけていた(勝海舟云々の前に話は決していた)。
一方、フランスは幕府に与力して安定化させることを目指す。オランダも軍艦の提供により同様の行為に出る。純粋国力からすればそれも一つの方策であった。完全に決別するのは、奥羽越列藩同盟が綻び、箱館政権も末期になってからのこと。それでも軍事顧問団の一部であるブリュネ中尉らは最後まで榎本らと行動を共にする。
プロイセンも面白い。公使のブランドは英仏の目を盗み、シュネル兄弟という武器商人を使って、新潟港を活用して長岡に武器を売っていた。また、会津・庄内から支援の見返りに蝦夷地租借の約束を取り付け、ビスマルクに介入と蝦夷地租借を上申。その時期は、本国が1864年のデンマーク戦争、1866年の普墺戦争、1870年の普仏戦争を通じてドイツ帝国を統一する時期であり、大国である英仏露の耳目を集める行為には消極的だった。しかし、蝦夷地の租借はプロイセンがロシアとの緩衝になることで英国にも利益があると説き、ビスマルクから会津・庄内との交渉権限を与えられるが、新政府の迅速な攻略により頓挫した。しかし、箱館政権に最後まで望みをかけたのもフランス以上にプロイセンだった。
アメリカは、南北戦争を1861-1865までやっていた結果、影が薄いが、その使用済み武器が大量に日本に流れ込むという意味で影響を与えた。特に、幕府に売る予定のストーンウォール号(後の甲鉄)は、列強の不介入宣言で日本側への引き渡しを中止するが、奥羽越列藩同盟の崩壊後、新政府に渡り、これが箱館戦争において陸戦支援で決定的な役割を果たすことになる。
ロシアは戊辰戦争や箱館戦争で日本側の抑止力が低下したことにより、樺太まで降りてきて蝦夷地にも虎視眈々としていたが、イギリスの新政府支持で早々と戦争集結したことからその道を閉ざされている。榎本も自らの役割をプロイセンのそれと同様に対露防壁として英仏の理解を得ようとしたが将軍が降伏している中で理解を得られなかった。榎本は、新政府ではなくイギリスに負けたと述懐している。
というわけで非常に面白かった。 -
Posted by ブクログ
無条件降伏をし戦争は終わった8月15日。その後の7日間戦闘が継続した樺太の地上戦を取材した記録。
地上戦というものの、戦闘の記録でなく逃走の記録。どんな残酷なものを見てきたのかを、思い出したくはなく話したくもないが、語らないことで歴史から消えてしまうわけには、忘れさせてしまうわけにはいかないという思いで取材に応じてくれた方々には、何を思えばいいのか。
感謝ではある。誰かが語らなければ残らないことでもある。平和安全な時代の日本を生きてきた身として、かつて起こった戦争、今でも起きている戦争の中で、言葉では言い表せない残虐な行為が行われていることを伝えるというのは、残していかなければいけないことだと思うから。
感謝だけでいいのか、良いわけはないのだけど、苦衷の記憶に寄り添うなんて綺麗事を並べては意味がないと思う。
後世のために語り残すことを選んでくれたことに対して、同じことを起こさないという思いを持ち続けることで応えたいと思います。
停戦命令がなかったから起きてしまった必要のない7日間。
無駄死に、というしかないのか。軍人でもない民間人が、死ぬ必要のない人たちがただただ無惨に死んでいった記録。勝利とか敗北とか関係なく、無意味に人が死んでゆくというだけで戦争はおかしい。 -
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日本の全世帯の所得分布の中央値は、1994年には505万円だったものが、25年後の2019年には374万円に約130万円減っている。所得の比較的低い非正規労働者の増加や、高齢世帯の増加が一因とも言われているが、「正社員」の推定生涯所得そのものも、1993年には男性3.24億円だったものが、2019年には2.88億円に、また女性の場合、1997年に2.78億円だったものが2019年には2.4億円に減っている。日本の1人当たりGDPはかつては世界最高レベルであったものが、今では先進国中で最低レベルと言われている。また、現代の若者たちは親の世代よりも豊かではなくなりつつある、それが現在の「中流危機」である。
本書では、その一因を、バブル崩壊以降のデフレスパイラル、【消費者がお金を使わなくなる】→【値下げ競争が激化】→【企業が稼げなくなる】→【給与が減る】→【消費者がお金を使わなくなる】に求めている。それは、直感的にはその通りだと思う。バブル崩壊後、「過剰設備」「過剰負債」「過剰雇用」といったことが言われ、企業はスリム化・コスト削減に生き残りの道を求めた。雇用について言えば、1990年代の半ば以降、非正規雇用を増やすことにより労務費の削減を図っただけではなく、「成果主義賃金」や「ベアゼロ」等により、正社員の賃金水準も上がらない仕組みをつくってきた。また、投資を控えることによりコストダウンを実現できたのは良いが、企業の稼ぐ力自体も削ぐこととなってしまった。
本書では、日本企業が競争力を失った原因のもう一つのものとして、日本的な雇用慣行を挙げている。終身雇用的な日本的雇用慣行により、企業は雇用を守ることにプライオリティを置き、そのためにコストダウンに走った。また、欧米のように、レイオフで一つの企業で雇用を失った人たちが結果的に、成長率の高い産業や企業に吸収されていくというようなダイナミズムが日本では生まれなかったとしている。
本書では、こういった状況を反転させるために、コストダウンばかりを繰り返し、すっかりと稼ぐ力を失った企業の、グローバルな競争力を取り戻すこと、すなわち、中流の所得の源泉を増やすことが大事であるとしている。そして、そのための方策を示すキーワードとして、①デジタルイノベーション②リスキリング③同一労働同一賃金、の3つを挙げている。企業の稼ぐ力を取り戻すことが重要というのは、その通りだと思う。そのための方策としての3つのキーワードについては、それが切り札になり得るかどうかは、正直なところよく分からなかった。
バブルの時代、日本企業は世界の時価総額企業ランキングで上位を独占していたが、現在は上位に入っている企業はない。日本企業がバブルの後始末でコストダウンに奔走している間に、例えばGAFAと呼ばれるデジタルプラットフォーマーたちは、巨額の時価総額を誇る企業に育っていった。彼らは、それまで存在しなかった革新的なビジネスモデルを創造し、文字通りグローバルにビジネスを展開することにより、巨大企業となっていった。それらの企業と競争するには、日本企業に①革新的なビジネスモデルを創造する力②それをグローバルに、地球規模でマーケティングする力、が必要である。本書が解決の手段として挙げている①デジタルイノベーション②リスキリング③同一労働同一賃金は重要なこととは思うが、どちらかと言えば、企業を「運営するスキル」を上げていくものであり、今までにない創造的な何かを生み出すための方策としては弱いかな、と感じた。
全体としては説得力のある、とても面白い本だった。 -
Posted by ブクログ
古処誠二氏のビルマ関連小説を数冊読んでからの本書。当然ではあるが小説よりはるかに重く、インパール作戦や戦争の悲惨さを突きつけられた。
牟田口司令官が槍玉にあげられるが、大きな組織の中の1人だけの問題ではないことが本書を読むとわかる。直属の上司が承認したり、企業でいう本社にあたる大本営がNOと言わなかったのだから、司令官の立場としては作戦遂行の一択だったのだろう。尖った意見には異論は付きものなので、インパール作戦についてのさまざまな批判が当時からあったようだが、結果論であり当時としてはなるべくしてなったという感じである。
それにしても、大本営というか上が責任を取らないのは今の日本の大企業を見ているようで変わらないものだなと思う。