NHKスペシャル取材班のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ幕末史を列強間のグレートゲームの切り口から分析したもので、端的に言って新鮮であり、納得感もあって非常に面白い。
既存の歴史のナラティブの疑問として、1850年代の黒船来航から修好通商条約のラッシュがあるが、そこから一転して開国派対鎖国派、幕府対薩長、佐幕対新政府、西対東、と対立軸は様々あるもののフォーカスが国内に向き、戊辰戦争が終わると近代化や外交など一気に西欧列強や清国、朝鮮との関係や、内政も諸外国の制度や技術の導入による近代化という流れになる。
では、維新の時代は外国が日本を敬遠していたのか。全くそんなことは無かったことがわかるのが本書の視点。前半は1853-1856のクリミア戦争に続く英露のグレートゲームが対立軸になっており、西で進出を止められたロシアが東側に不凍港を求めて対馬や蝦夷地を虎視眈々と狙い、イギリスがそれに対抗する。
イギリスは自由帝国主義であり、自由貿易を求めて工業製品を売り、障壁があるなら工業力転化した武力で突破するのが基本作戦。幕府に当事者能力が無いと見切り、薩長そして新政府が天皇の下で国内を安定化してくれると見て、パークス公使の下、そのバックアップが基本政策。といって完全肩入れではなく、江戸城無血開城の裏には英国はじめとした諸国が横浜に艦隊を集結させて恭順した慶喜に武力行使しないように西郷に圧力をかけていた(勝海舟云々の前に話は決していた)。
一方、フランスは幕府に与力して安定化させることを目指す。オランダも軍艦の提供により同様の行為に出る。純粋国力からすればそれも一つの方策であった。完全に決別するのは、奥羽越列藩同盟が綻び、箱館政権も末期になってからのこと。それでも軍事顧問団の一部であるブリュネ中尉らは最後まで榎本らと行動を共にする。
プロイセンも面白い。公使のブランドは英仏の目を盗み、シュネル兄弟という武器商人を使って、新潟港を活用して長岡に武器を売っていた。また、会津・庄内から支援の見返りに蝦夷地租借の約束を取り付け、ビスマルクに介入と蝦夷地租借を上申。その時期は、本国が1864年のデンマーク戦争、1866年の普墺戦争、1870年の普仏戦争を通じてドイツ帝国を統一する時期であり、大国である英仏露の耳目を集める行為には消極的だった。しかし、蝦夷地の租借はプロイセンがロシアとの緩衝になることで英国にも利益があると説き、ビスマルクから会津・庄内との交渉権限を与えられるが、新政府の迅速な攻略により頓挫した。しかし、箱館政権に最後まで望みをかけたのもフランス以上にプロイセンだった。
アメリカは、南北戦争を1861-1865までやっていた結果、影が薄いが、その使用済み武器が大量に日本に流れ込むという意味で影響を与えた。特に、幕府に売る予定のストーンウォール号(後の甲鉄)は、列強の不介入宣言で日本側への引き渡しを中止するが、奥羽越列藩同盟の崩壊後、新政府に渡り、これが箱館戦争において陸戦支援で決定的な役割を果たすことになる。
ロシアは戊辰戦争や箱館戦争で日本側の抑止力が低下したことにより、樺太まで降りてきて蝦夷地にも虎視眈々としていたが、イギリスの新政府支持で早々と戦争集結したことからその道を閉ざされている。榎本も自らの役割をプロイセンのそれと同様に対露防壁として英仏の理解を得ようとしたが将軍が降伏している中で理解を得られなかった。榎本は、新政府ではなくイギリスに負けたと述懐している。
というわけで非常に面白かった。 -
Posted by ブクログ
無条件降伏をし戦争は終わった8月15日。その後の7日間戦闘が継続した樺太の地上戦を取材した記録。
地上戦というものの、戦闘の記録でなく逃走の記録。どんな残酷なものを見てきたのかを、思い出したくはなく話したくもないが、語らないことで歴史から消えてしまうわけには、忘れさせてしまうわけにはいかないという思いで取材に応じてくれた方々には、何を思えばいいのか。
感謝ではある。誰かが語らなければ残らないことでもある。平和安全な時代の日本を生きてきた身として、かつて起こった戦争、今でも起きている戦争の中で、言葉では言い表せない残虐な行為が行われていることを伝えるというのは、残していかなければいけないことだと思うから。
感謝だけでいいのか、良いわけはないのだけど、苦衷の記憶に寄り添うなんて綺麗事を並べては意味がないと思う。
後世のために語り残すことを選んでくれたことに対して、同じことを起こさないという思いを持ち続けることで応えたいと思います。
停戦命令がなかったから起きてしまった必要のない7日間。
無駄死に、というしかないのか。軍人でもない民間人が、死ぬ必要のない人たちがただただ無惨に死んでいった記録。勝利とか敗北とか関係なく、無意味に人が死んでゆくというだけで戦争はおかしい。 -
Posted by ブクログ
古処誠二氏のビルマ関連小説を数冊読んでからの本書。当然ではあるが小説よりはるかに重く、インパール作戦や戦争の悲惨さを突きつけられた。
牟田口司令官が槍玉にあげられるが、大きな組織の中の1人だけの問題ではないことが本書を読むとわかる。直属の上司が承認したり、企業でいう本社にあたる大本営がNOと言わなかったのだから、司令官の立場としては作戦遂行の一択だったのだろう。尖った意見には異論は付きものなので、インパール作戦についてのさまざまな批判が当時からあったようだが、結果論であり当時としてはなるべくしてなったという感じである。
それにしても、大本営というか上が責任を取らないのは今の日本の大企業を見ているようで変わらないものだなと思う。 -
Posted by ブクログ
私たちの社会はどこに向かおうとしているのか。
社会の人々は見て見ぬふりをしてきた。
明るい希望の持てる例は、この本にはありませんでした。
しかしながら、あまりにも大変な、重苦しくて辛いことですが、あくまでも現実を少しでも受け止め、自覚、認識して、諦めることなく小さな一歩一歩を積み重ねていくことから始めなくてはいけないのは明らかなことです。
一つだけはっきりとしている真実を指摘しますと、完全に日本人社会内2極化、分断化だとしか思えません。
複雑さが積み重なれば積み重なるほど、どんどん大変な、取り返しのつかないことになっていってしまいます。
どんどん複雑化していき分断化が進んでしまうことになります。
世の中はどんどん発展していってしまうのに、それに比べて自分は…
亡くなった親を隠していたひきこもり。
衰弱死したひきこもり。娘、親子で衰弱死等。
親もまた、引きこもる子供を抱え込み、次第に社会との設点を断つようになっていった構図が浮かび上がった。
働いていない我が子を抱える後ろめたさや恥ずかしさもあるし、自分を責める思いもある。
人と比べるなと言っても、誰しもが比べちゃうんじゃないかな。
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Posted by ブクログ
ネタバレ写真や図も豊富でわかりやすい!
恥ずかしながら、北海道庁にも行ったことがあるし、北のひめゆりにも興味があったのに、
「樺太地上戦」の意味をきちんと理解できたのはこの本を読んで初めてな気がする…
地上戦、と言うと確かに沖縄が唯一の舞台と言われることが多い中、
8/15の終戦を迎えても日ソ中立条約を破って侵攻してきたソ連と戦った樺太。
本書の通り、今までは本当に日本の歴史で見過ごされてきたんじゃないか。
教科書にも一行載ってるか載ってないか…
でも伝えないといけない歴史ってこういうものな気がする。
幕末の戊辰戦争といい、こういう
「本当は戦わなくてよかった戦争」が一番悲しいし辛い。
誰かが正しい判断決断をしてれば避けれた戦が、一番人間を不幸にする。
樺太のなるべく北で停戦させて、南の人民や財産を守ろうと「自衛戦線だけは続けろ」となったらしいが、停戦出来なければ意味がないし、
結局それにより8/20の真岡上陸という悲劇が生まれてるわけで。
戦争という極限状態がどれだけ人を狂わせ、判断力を鈍らせるか。その縮図が樺太地上戦なのかもしれない。
それにしてもソ連って北海道北側も取ろうとしてたのか。トルーマンが止めたらしいが、その辺りの事情もまた勉強してみたい。
そして樺太が北海道から飛行機で1時間半くらいで行けるという衝撃。
遠いようで近いような…。
機会あれば行ってみたい地ではあるなぁ。
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Posted by ブクログ
ネタバレNHKのドキュメンタリー番組だったらしい。
高齢親と同居する子供は親子共倒れになり易い。
その理由が書かれていた。
まず、親が年金を払ってないか、金額が少ない。
その子供は非正規、ニート、それだとどう考えてもお金が足りなくなる。
親としては見守ってくれる子供にそばに居てもらいたいだろうけど、子供の稼ぎが少ないと自分の医療費や食費まで削ってまで暮らすことに。
生活保護についても少し分かった。
1世帯の中に働いてる人がいたら、その収入が安定してなくても生活保護は支給されない。
ひどい話だ。
シングル介護、という言葉も覚えた。
一人で親を介護する意味。
非正規で働いてると、その間の親は一人で家に。不安だからヘルパーやデイサービスに頼もうとしてもお金が掛かる。となると自分が沢山働かないといけない、、、。
介護離職なんてしたらもっとダメ。
生活保護が沢山出たらいいけど、そうじゃなくて少しの年金だと生きていけなくなる!一人は良くても二人はきつい。
色んなことを学べた。
貯金しておけ、今から。