NHKスペシャル取材班のレビュー一覧
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無条件降伏をし戦争は終わった8月15日。その後の7日間戦闘が継続した樺太の地上戦を取材した記録。
地上戦というものの、戦闘の記録でなく逃走の記録。どんな残酷なものを見てきたのかを、思い出したくはなく話したくもないが、語らないことで歴史から消えてしまうわけには、忘れさせてしまうわけにはいかないという思いで取材に応じてくれた方々には、何を思えばいいのか。
感謝ではある。誰かが語らなければ残らないことでもある。平和安全な時代の日本を生きてきた身として、かつて起こった戦争、今でも起きている戦争の中で、言葉では言い表せない残虐な行為が行われていることを伝えるというのは、残していかなければいけないことだ -
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日本の全世帯の所得分布の中央値は、1994年には505万円だったものが、25年後の2019年には374万円に約130万円減っている。所得の比較的低い非正規労働者の増加や、高齢世帯の増加が一因とも言われているが、「正社員」の推定生涯所得そのものも、1993年には男性3.24億円だったものが、2019年には2.88億円に、また女性の場合、1997年に2.78億円だったものが2019年には2.4億円に減っている。日本の1人当たりGDPはかつては世界最高レベルであったものが、今では先進国中で最低レベルと言われている。また、現代の若者たちは親の世代よりも豊かではなくなりつつある、それが現在の「中流危機」
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試し読み
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古処誠二氏のビルマ関連小説を数冊読んでからの本書。当然ではあるが小説よりはるかに重く、インパール作戦や戦争の悲惨さを突きつけられた。
牟田口司令官が槍玉にあげられるが、大きな組織の中の1人だけの問題ではないことが本書を読むとわかる。直属の上司が承認したり、企業でいう本社にあたる大本営がNOと言わなかったのだから、司令官の立場としては作戦遂行の一択だったのだろう。尖った意見には異論は付きものなので、インパール作戦についてのさまざまな批判が当時からあったようだが、結果論であり当時としてはなるべくしてなったという感じである。
それにしても、大本営というか上が責任を取らないのは今の日本の大企業を見てい -
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私たちの社会はどこに向かおうとしているのか。
社会の人々は見て見ぬふりをしてきた。
明るい希望の持てる例は、この本にはありませんでした。
しかしながら、あまりにも大変な、重苦しくて辛いことですが、あくまでも現実を少しでも受け止め、自覚、認識して、諦めることなく小さな一歩一歩を積み重ねていくことから始めなくてはいけないのは明らかなことです。
一つだけはっきりとしている真実を指摘しますと、完全に日本人社会内2極化、分断化だとしか思えません。
複雑さが積み重なれば積み重なるほど、どんどん大変な、取り返しのつかないことになっていってしまいます。
どんどん複雑化していき分断化が進んでしまうことに -
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ネタバレ写真や図も豊富でわかりやすい!
恥ずかしながら、北海道庁にも行ったことがあるし、北のひめゆりにも興味があったのに、
「樺太地上戦」の意味をきちんと理解できたのはこの本を読んで初めてな気がする…
地上戦、と言うと確かに沖縄が唯一の舞台と言われることが多い中、
8/15の終戦を迎えても日ソ中立条約を破って侵攻してきたソ連と戦った樺太。
本書の通り、今までは本当に日本の歴史で見過ごされてきたんじゃないか。
教科書にも一行載ってるか載ってないか…
でも伝えないといけない歴史ってこういうものな気がする。
幕末の戊辰戦争といい、こういう
「本当は戦わなくてよかった戦争」が一番悲しいし辛い。
誰かが正し -
Posted by ブクログ
ネタバレNHKのドキュメンタリー番組だったらしい。
高齢親と同居する子供は親子共倒れになり易い。
その理由が書かれていた。
まず、親が年金を払ってないか、金額が少ない。
その子供は非正規、ニート、それだとどう考えてもお金が足りなくなる。
親としては見守ってくれる子供にそばに居てもらいたいだろうけど、子供の稼ぎが少ないと自分の医療費や食費まで削ってまで暮らすことに。
生活保護についても少し分かった。
1世帯の中に働いてる人がいたら、その収入が安定してなくても生活保護は支給されない。
ひどい話だ。
シングル介護、という言葉も覚えた。
一人で親を介護する意味。
非正規で働いてると、その間の親は一人で家に。 -
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本書は、2015年に放送されたNHKスペシャル「アニメドキュメントあの日、僕らは戦場で~少年兵の告白~」の取材記録をあらためて書き起こした作品である。
沖縄戦では、鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊など、少年達が軍部に随伴して戦場に駆り出されているのは知っていたが、現在辺野古米軍基地問題で揺れている名護市では陸軍中野学校が秘密裏に少年「護郷隊」が組織され、組織的遊撃隊・ゲリラ戦を展開していた。当時の「兵役法」では、17歳以上が招集の対象であったが、兵力不足に悩む軍部は1944年12月、沖縄と一部の地域では14歳以上でかつ志願すれば招集可能になる法令を変更。奇しくも沖縄戦の組織的戦闘が終結した194