NHKスペシャル取材班のレビュー一覧
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◯内容を踏まえると、妊婦向けに書かれたのか、挿絵も可愛い。
◯全体の構成も分かりやすく、読みやすいため、悩んでいる人や、そうでない人にも、みんなに読んでほしいという気持ちが伝わる。
◯事例がよく取材されていて、とりわけ子どものことがよく書いてある。
◯子どもの名前の由来、諦めた子が男の子でした、というエピソード、一つ一つが心に響き、期せずして、涙をさそう。家族の気持ちになったような気がしてくる。
◯また、あくまで客観的に事例を紹介しているが、諦める判断をした場合も、そうでない場合も受け入れて、とにかく寄り添う支援の必要性を説いている。(エピソードもその流れを組んでいる)
◯新しい出生前診断が広まりつつある中、様々な議論が行われているが、そういった議論とは別に、行政の支援として、寄り添うかたちでのアプローチが必要なのではないか。 -
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表題にもなっていますが「大切な身内の穏やかな最後のために」
この本をお勧めします。
この本を読んで、母と父を看取った時に無理に食べさせた事を思い出した。
「食べさせないから死ぬのではない。死ぬのだから食べないのだ」
その当時は老衰死の過程で「食べなくなる」そして「眠り続ける」事を
知らなかった。
幸せな最期のために尽力する石飛医師は言う
「自然の摂理のなかで迎える老衰の最期は、穏やかなこと、精一杯生きて、やがていのちの火が自然と細くなって消えていく。それが一番楽な方法なのだ。死は抗うものではない。受け入れるものだと」
私も延命治療は望まない。無理に食べさせないように家族に言っておこう。 -
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ネタバレいまアフリカに、世界中の熱い視線が注がれている。「大虐殺の地」ルワンダは「アフリカのシンガポール」を目標に急成長。マサイ族の生活も携帯電話の普及で一変した。タンザニアやボツワナは、資源をテコに「中進国」への戦略を描く。不幸な歴史に苦しめられてきた豊かなる大地で何が起きているのか。大反響を呼んだNHKスペシャル「アフリカンドリーム」の取材チームが深層に迫る。
主に東アフリカ
第1章 携帯電話を駆使するマサイ族(ケニア、ウガンダ)
第2章 「悲劇の国」が「奇跡の国」に(ルワンダ)
第3章 中国企業アフリカ進出最前線(エチオピア、サンビア)
第4章 地下資源はアフリカを幸福にするのか(タンザニア、ボツワナ)
第5章 経済が破綻した国の日常(ジンバブエ)
第6章 「格差」を経済成長のドライブにする国(南アフリカ)
様々な事情はあっても発展の道を進んでいるように思える東アフリカ。
今後はアフリカ大陸内での格差がますます広がっていくことだろう。 -
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NHKスペシャル「人工知能 天使か悪魔か2017」の取材班による番組取材を通じて番組では紹介できなかった事実などをまとめた本。
人工知能の技術的な解説ではなく、番組放送時点でAIがどのような分野に応用されつつあるのかを紹介し、それによって人間がどのような影響を受けるかを紹介しています。
お客さんの需要予測に利用するタクシー業界、株取引や資金運用に利用する金融業界、この辺までは「便利になるかも」という印象。
アメリカの裁判所が刑務所から保釈する被告人を選び出す際の判定に利用、AIによる面接項目処理で退職リスクの高低を判別して人事に利用、世論調査やニュースなど各種データを処理して政策決定に活かすAI政治家(開発中だが実用を目指している)、このあたりに来ると「えっ?そこまでAIに判定されるの?」という違和感を感じます。
人間が判断しない方がミスもなく、合理的というのが肯定的にとらえている人達の意見。一方でAIの導入に警鐘を鳴らしている人達は、AIを学習させるデータ自体に偏りがあると、偏見を助長したり固定化する危険性や(アメリカの裁判所の例では黒人への再犯リスクを高く評価してしまうなど)、そもそも司法で「正義とコストを天秤にかけるべきではない」と主張しています。また人間の判断とAIの判断が異なる時、どう対応するかという点も非常に重要です。
もっと先の将来、コストと合理化の下に裁判官もAI、政策決定もAI、官僚もAIなどということになったら、三権分立はどう担保するのか、などという議論も出てくるかもしれません。
一方的に「AI=悪」あるいは「AI=万能」と決めつけるのではなく、問題を提起するスタンスで書かれている点が非常に良かったと思います。本書の出版から約2年。最前線はもっと進んでいるはず。本書の続編が出るなら、是非読みたいです。 -
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人工知能の急激な進化によって、失業などの直接の悪影響を受ける人がいる一方で、今以上に便利さや豊かさを享受できつつあることも事実で、私個人は期待値の方が不安を上回る。しかし、人工知能があまりに優秀で、人工知能が仕事でもなんでも人にやらせるより早いしうまいし安心だということになってしまったら、人間の生きがいや存在意義はどうなってしまうのだろうというところにはとても引っかかる。
この本では実際に業務に人工知能を取り入れている企業の話が出てきておもしろい。多くはまだおっかなびっくりレベルなので、完全に人工知能だけに頼るのではなく、最終的に人間がチェックする、人間のカンや経験値と併用させる、計算は人工知能に任せ顧客とのコミュニケーションは人間がする等の分業制、などの段階のようだ。
その中でもこの本の最初と最後に登場する、将棋における人間と人工知能の対決の話は一番興味深い。普通の人が直接人工知能と対峙する場面は滅多にないかもしれない。職や居場所を奪われることはあっても、戦って破れる人はそういない。人が人工知能に敗れた時、何を思ったのか。
一度目の敗戦では、人間では思い付かない手を打って勝利する人工知能に、まだ将棋の世界に無限の宇宙が広がっていることを感じたと言う。また、二度目の敗戦では、人工知能と人間の軸の違い、人間が将棋を打つ価値について、あらためて考える機会となった。佐藤名人本人が言うように、この対決は未来を生きる人全てにとっても、貴重な経験だと思う。負けて相当なショックがあったろうにもかかわらず、清々しいコメントで感動した。
結局、何のために仕事をするのか、何のために生きるのか、毎日何を思って過ごすのかを、自問自答していくしかないのではないかと思う。 -
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がんについての深い考察が、実に参考となった。
本には二つある。がんをどう治すのか?とがんとは何か?が、そしてこの本は後者に傾注している。
がんとは、そもそも何か?
がんは、なぜ起こるのか?
がんは、なぜ生じるのか?何が生み出すのか?
がんの発生メカニズムとは何か?
がんを、何が進行&成長させるのか?
がんとは、どんな病気なのか?がんの病気の本質論。
がんとは、治る病気なのか?
がんになって、どのような生き方を選択するのか?
を様々な&独特の角度から、追求する。
がんとどう向き合うか?
それは、がんと闘うのではなく、がんと共存するという立場からの
問いかけとなっている。つまり、がんとほどほどの関係を保つ。
がんに勝つ&克服&征圧することは、できるのか?
何を持って、がんに勝ったと言えるのか?
がんを根絶することができるのか?
がんは、日本人では二人に一人がかかり、三人に一人が死ぬ。
がんは、自分自身を攻撃する。
がんの世界標準の治療法とは何か?
1995年頃、近藤誠から、がんと闘うなというような主張も出てきた。
人類はがんを克服できるのか?
がん戦争 100年の苦闘。生命の進化ががんを生んだ。生と死を超えて。
がんとは、細胞の病気である。細胞は全てがん化する可能性を持っている。
正常細胞が狂い出して、無限の増殖能をもつがん細胞になってしまう。
死なないで増え続けて、細胞が集積して、コブのようなかたまりになり、それが腫瘍である。
→正常細胞が狂い出すという表現は正しいのだろうか?
→異常増殖をしたら、正常にストップさせる機能があるのに、それが壊れて暴走する。
良性腫瘍と悪性腫瘍は、区別がつけにくい。専門家しかわからない。
→なぜ?
がんとは、遺伝子の病気である。
がんの要因は、コピーミスであり、そのコピーミスを修正する機能を超えた場合に、コピーミスが蓄積されていくことにある。
がんという病気は、本質的にその人の遺伝子に蓄積した変異の積み重ねがもたらすものである。つまり、一人一人違い、がんには個性がある。つまり、個人の生活と歴史の積み重ねを反映している。
そして、その変異は、個々の変異があり、その変異が結びついていく。変異の多さと変異の結びつきの複雑さが個性を作る。
がんには ①異常増殖力と②浸潤能力と③サバイバル機能としての転移能力がある。
がんは、ホメオスタシスが維持されない状態を作り出す。
がんの原因物質。
放射能、宇宙線などの物理的要因。
染色体異常。エピジェネティクス説。
フリーラジカル説。がん幹細胞説。
コールタール、魚の焼け焦げ、タバコ、アスベスト、農薬、
防腐剤などの食品添加物、ダイオキシンなどの大気汚染物質、環境汚染物質。突然変異誘発物質。
ウイルス説。それなりであり、当たらずともとうからず。
長寿になって、老化によることが要因。年寄りは、がんにならざるを得ない。
がんの発生。プロモーション 育成。プログレッション(悪性化の進行)
抗がん剤は、殺細胞剤と分子標的薬がある
抗がん剤は、がんだけに特定的に効くわけではない。
抗がん剤は、禿げる。それは、毛髪は分裂活性が強いからだ。
抗がん剤は、吐き気を催す。胃腸などの消化器の粘膜部分が新陳代謝が激しいからだ。
がんとは、細胞分裂システムが狂うことにある。
抗がん剤は、免疫力を低下させる。
抗がん剤は、延命効果があったのか?短縮効果だけなのか?
延命効果は、ほぼ2ケ月程度。
抗がん剤に対して、がんは薬剤耐性を獲得する。そして、効かなくする。それは、遺伝子が本質的に変異を起こす能力を持っている。変異を残す能力とは、生命体の本質である。
→がんも生命体なのである。生命体と同じ機能を果たす。
がんに対する作用の仕方。鍵と鍵穴が一対一ではないときに副作用が起こる。
分子標的剤のアストラゼネカのイレッサ。
2002年に承認されて、その年に百八十人が死んだ。
がんに対しての選択肢が増えた。
何を基準にして、がん治療をするのかは、患者が決めることである。
あらゆる手法を使って、延命することもありうる。
痛みを止めるならば、モルヒネ療法もある。
緩和ケアーは、がんが発見されてから行われるべきことだ。
そして、QOLを充実させるという方法もある。
「がんになったからといって、自分の人生が終わるわけではない。
人間は、必ず 100% 死ぬわけだから」
がんに負けても、人生で勝つことができる。
「生きていなければ、わからない価値がある」
がんにかかって、良い可能性と悪い可能性のどちらをえらぶのか?
限りある命。そして、支えてくれる人たち。最後にありがとうと言える人生。
生命は、連続体であり、連環体である。
がんに向き合うことで、
がんに対しての医学の限界がある。
がんには、医師がもう何もやることがないというときがある。
がん難民となることもある。
がんに対しての、代替え療法もある。多くは、化学的なエピデンスがない。
あれが効く、これが効くという話がある。
がんには、スピリチュアルペインがあり、魂の救済が必要なときもある。
がんが生きている世界のイメージができるのか?
右往左往することではなく、自若で生きることができればいい。 -
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NHKで放送したストレスに関する番組の内容に、加筆して書籍化した本。ストレスは「変化」であるとか、支配している人の方がストレスが低いとか、ストレスが実際に体を変化させる(脳を退化させる、血管が詰まる等)とか、子供の時にいじめられると大人になってストレス過敏になるとか、運動をすると自律神経の興奮が減るとか、ストレスに対する知見の山で面白い。
また、実際にストレスを減らすためには何が必要なのか(軽い運動と、マインドフルネスと、コーピング)にもきちんと言及されており非常に実践的な本だな、と思ったりした。。ストレスに苦しんでいる人は読んでみると良いと思う。
ちなみに、コーピングとは「自分がやると気分が良くなることをリストアップし、それを実践すること」なので、自分が楽しくなることを色々とリストアップして実践してみたい。 -
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ネタバレ読み終わっても、あれこれと考えさせられ続けています。
それは「介護には”死ぬ”以外に明確なゴールがない」ことと同じでもあり「何をするのが正解なのかわからない」こととも通じるのかと思います。
傍からは介護者と被介護者を引き離すのが最善と思われるケースでも、当事者たちが「家族だから離れるなんて考えられない」と言って拒否。
そして最悪の結果を生んでしまった…とするとこの当事者たちにとって”最善なこと”とは一体何だったのか。
行政のヘルプに量質ともに限界がある中、極論、もしかしたら”殺める”という手段をとったとはいえ最期まで一緒にいられたことが当事者たちにとって最善だったのかもしれない。
そんなことをぐるぐると考えてしまいます。
殺人に至った様々なケースの後、現在進行形で介護に携わる方のインタビューが紹介されていました。
「介護を始めた頃は以前の生活を取り戻したいとあがき、疲弊していた。
もう戻れないと悟った今は、感情を押し殺し、何も考えないようにしている。
『自分は介護ロボットになった』
そう思えば、今の生活を受け入れられる」
当初は介護殺人に至る人とそうでない人を隔てる境界線が必ずあると思っていた取材班。
しかし、取材をすすめるうちにその境界線がわからなくなったといいます。
そして「明確な境界線はなく、事件の当事者も越えてみて初めて自分がそこまで追いつめられていたことに気づくのだと実感した」と結論づけています。
”介護ロボット”とまではいかなくても、感情を押し殺し、ジリジリと追い詰められていたならば、ふとした瞬間にこの境界線は無自覚に越えてしまってもおかしくないと思いました。
それぞれのケースを自分に置き換えてみて「思いとどまれるか」と自問してみて「100%で『思いとどまれる』と言えないかも」と感じた瞬間の怖さは、忘れられそうにありません。