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Posted by ブクログ
NHKスペシャル取材班『高校生ワーキングプア 「見えない貧困」の真実』新潮文庫。
家計のために、通学や進学のために働かざるを得ない高校生の実態から日本の貧困層の現実を描いたノンフィクション。NHKにしては挑戦的なテーマである。本書に描かれた子供たちは、貧しい家庭に育ちながらも親思いの努力家で、心豊かなように思える。それだからこそこの日本の現実は悲劇に見える。
数年前から普通にスマホやPCを持ち、100均やファストファッションを利用するなどして見た目は普通なのに実は貧困に苦しんでいる『隠れ貧困』の若者が増えているようだ。家計のためにアルバイトをし、家事をこなして夜学に通ったり、進学のために奨学金という名の大きな額の借金を背負う高校生。この国の向かう先は……
かつての日本には、高度経済成長期に年功序列や終身雇用などが根付き、1億総中流家庭などと呼ばれる時代があった。この時代は勤勉に働けば、それに見合うだけの対価が得られ、持ち家や自家用車、家電などが手に入れられるそこそこ豊かな時代であった。
国内外で経済競争が激化すると企業はより安価な労働力を求めて海外に進出し、国内の競争はさらに激化する。国内では労働者派遣法という悪法を背景に安価な非正規労働者や海外からの技能実習者や留学生を労働力として活用してしまう。
これにより豊かな時代の基盤であった年功序列や終身雇用は崩れ、成果主義やリストラ、雇い止めなどが始まり、中流以下の家労働者の労働により得られる対価は目減りしていく。競争社会という名の格差社会の到来である。
国内の労働者を蔑ろにし、競争社会を加速させたことに加え、持てる者も持たざる者も税金や社会保障費を強制的に搾取されると、さらに格差は拡大していく。将来に抱くのは不安だけしか無く、さらに貧困層が増加するという負のスパイラルへの突入であり、今の日本の現実なのだ。
こうした時代に生きる若者たちには、経済的な豊かさだけを追い求めることなく、そして現実に決して諦めることなく、心豊かに未来を目指して欲しい。
本体価格550円
★★★★
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ビジネス・実用
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