NHKスペシャル取材班のレビュー一覧
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NHKスペシャルのアフリカ特集の新書。
TV放送は見ていないけど、成毛眞氏(@makoto_naruke)のブログで紹介されていたので購入。
『ホテル・ルワンダ』や『インビクタス』といった民族解放の歴史がテーマになった映画はこれまで見てきたが、
本書では経済成長あるいは経済破綻、IT化、グローバリゼーションといった、極度の変化の渦中・フロンティアにいるアフリカ諸国に焦点を当て、東アフリカ諸国から南アフリカまで9ヶ国それぞれの変化の様子・変化のキープレーヤー・キーワードが解説・紹介されており、新たなアフリカに対する理解が深まり、勉強になった。
中国がビッグブラザーとして乗り込むアフリカは、もはや『沈まぬ太陽』の主人公・恩地が左遷された未開の地ではなく、フロンティアとして捉えなくてはいけないと思った。
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まえがき
第一章 携帯電話を駆使するマサイ族 —ケニア、ウガンダ
第二章 「悲劇の国」が「奇跡の国」に —ルワンダ
第三章 中国企業アフリカ進出最前線 —エチオピア、ザンビア
第四章 地下資源はアフリカを幸福にするのか —タンザニア、ボツワナ
第五章 経済が破綻した国の日常 —ジンバブエ
第六章 「格差」を経済成長のドライブにする国 —南アフリカ
あとがき 〜 1万キロの旅を終えて〜
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Posted by ブクログ
「先進国の食い物にされる大陸」
アフリカのイメージはこうだったし、本書を読んでも変わらなかった。
そしてアフリカが自立するにはまだまだ時間がかかるとも感じた。
仕方ないことかも知れないが、他国の資本や知識を流入させ基礎を築いてからでなければ、「アフリカ独自の発展」は望めない。
そんな伸び盛りな国故にビジネスチャンスは多い。
しかし、「今の日本」はイメージ先行で大きく進出できず仕舞いなことがもったいない(不毛地帯のような時代の日本なら絶対進出していたはず)。
逆に中国は政府の意向も汲みつつ私企業がどんどん進出している。
そんな中で中国のアフリカでの強さは資金力ではなく、私企業であっても「国益とは?」という当事者意識を持って、ある意味で政府と連携して(チームワークを持って)事業展開している点にあると思った。
どんな分野でも一人でできることよりチームプレイの方ができることは増えることの実例。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアフリカ…
アフリカと言えば、貧困と紛争、エイズ、スラムといったイメージがうかぶだろう。マサイなどの、昔ながらの狩猟生活を続ける原始的な人々を思い起こす人もいるだろう。
ところが、今アフリカは大きな変化をとげている。
マサイが携帯をもち、ルワンダの首都はすさまじい経済発展をとげ、人々はインターネットでグローバル市場の取引価格を確認して物を売るようになったという…。
いま、アフリカで何がおきているのか。
その好奇心から、NHKのディレクターたちが一年をかけ、エチオピアから南アフリカまでを旅し、生のアフリカとそこで暮らす人々の思いとエネルギーを、感じたままに伝えようと描き出された取材記だ。
ディレクターたちがアフリカの人々の日々に寄り添い、彼らの直面する発展と数々の問題の本質を見据えようと試みながら、アフリカの今を物思う。
その取材態度にとても好感がもてた。
本書は六つの章で構成され、取材班は合計9ヶ国の国々を周っている。
一章ではまず、携帯をもつようになったマサイ達から、アフリカの人々と通信技術、そしてグローバル企業との関わりを見つめている。
ニ章ではルワンダの首都の奇跡的な経済発展の立役者達から、内戦を経験した人々の光と闇をみつめている。過去に殺し合った民族の間に横たわる影は、いまだ色濃い。だが取材班はそこに希望も見いだしていた。
三章は、ひとつの国家まるごと携帯を普及させる巨大プロジェクトを勝ち取った中国企業をみつめながら、一足二足先をゆく中国とアフリカの人々の夢を追う。
四章は地下資源のお話。地下資源は先進国の企業により、アフリカの市場を介さず持ち去られてゆく。新植民地主義とも言われる彼らに対抗し、自分たちの力で金を掘るタンザニア人、国内市場を遠させることで豊かになろうとするボツワナ政府。アフリカの底力と未来への希望を感じさせる。
五章六章は、隣り合う両極端の2つの国のお話。大統領の失策により、経済が破綻し、90パーセントの人々が失業と最悪の貧困にあえぐジンバブエ。人々は夢を求めて、危険をおかして隣国南アフリカに向かう…。そこには希望と闇があった。
アフリカ、私たちの知らない人々の暮らしと未来への希望。
あなたもアフリカの今を覗いてみませんか。 -
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【出会い】
成田の三省堂で、出発前に目に入り。
ここ数年アフリカ関係の新書出版が増えている中、さっと目を通しておこうかと。
【概要】
NHKスペシャルで放映された内容の書籍版。
【感想】
放映は一部だけしか見ていなかったので、このような形でまとまったものがあり、よかった。
コンパクトなのでさっと読めた。
全体的にポジティブな印象を受けたが、成功者と取り残された者の両面を切り取ろうという態度には好感が持てた。
特に、中国企業の進出については批判的な感情が先に立ちがちなところ、冷静な取材・分析がされており、説明力がある。
本書で取り上げられている東南部アフリカ地域(主にCOMESA圏)は自分も多少行っているエリアだが、行った経験がある人であれば、この地域は荒涼なサバンナや着の身着のままの生活といったアフリカに対するステレオタイプではくくれないこと、成長のエネルギーが著しいことを実感していることと思う。
その一端を日本のお茶の間にも紹介した意義あるシリーズだったのでは。
「アフリカ」という大陸としてくくりで中国やインドに次ぐマーケットポテンシャルという並列をするのはどうかと思うが、アフリカにはこれからさらにビジネス的な観点から目を向けられて然るべきと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ南アフリカに出稼ぎにきた人の話のところは、実際にテレビで見ていた。
アフリカの希望の国、だってさ。
不法移民でも、国力をつけるために受け入れている国。そのせいで格差がすごい。
ケータイが日常に浸透したマサイ族。
ライオンが牛を食おうとしているのを見つけた人が、近所の人に電話しまくって、みんなでライオンを撃退した話はよかった。
西部劇みたいな世界と、現代のハイテクの融合。
ケータイのプリカを使って送金ができ、ケータイショップがプチ銀行のようになっている話には驚いた。家族を大事にする文化があり、それまでは出稼ぎをしていなかったけど、ケータイで話ができるから、男たちが出稼ぎに行くようになったということも。
アフリカには、中国人の進出が激しいと知っていたけれど、大卒で職にあぶれた人が必死になっているというのを知って、納得した。確かに大卒者は多すぎるから。しかし、彼らの住環境は、中国国内の出稼ぎ労働者と同じレベル、プレハブ小屋にバケツ。だけど、給料はばつぐんにいい。3~5年働いて中国に戻って、家が建つレベルだとか。アフリカの現地の人からは、大卒のインテリが田舎の第一線で働いてくれていると感謝されてもいるという。すごいわ。
ルワンダの内戦の話もすごい。いまや、出戻り族が政治を動かし、ものすごい経済復興をしているとか。だからこそ、二つの民族が未だにいがみあってる。けど、それでは国が発展しないから、協力しあおうという動きもあるけど、なかなかうまくいかないらしい。それってアメリカの白人と黒人がたどってきた道と同じじゃないか。歴史は各地で繰り返すのだな。
アフリカのどこだかの国で漁業が盛んだとか。けど、魚をとりすぎて、ピンチという話や、アイスランドの噴火の影響で出荷できないとかもすごい。グローバル、ボーダレスな世の中なんだなあ、と。 -
Posted by ブクログ
リーマンショック以降も独自の経済発展を続けるアフリカ諸国。その現状を追ったNHK取材班によるレポート。
日本からは遠く、その実態が知られていないアフリカの今がわかる。
ひとつは情報革命。
携帯とインターネットの活用で天然資源や農産物の国際価格などの情報を得ることで、先進国の搾取による貧困から抜け出しそうという動き。中でも携帯電話を使いこなすマサイ族のエピソードには驚いた。
次に政治的な安定への動き。
中でも内戦による傷跡が残るウガンダで、ツチ族とフツ族との融和を目指す農園主のエピソードは涙なしには読めなかった。
そして経済発展の影に潜む問題点。
経済破綻した国からの難民を安価な労働力として発展を続ける「持続可能」でない経済。これは資本主義全体が抱える問題でもある。
アフリカはまだまだ何が起こるかわからない危うさを秘めている。 -
Posted by ブクログ
BSの番組で富雄丸山古墳の話が合った。本屋でも歴史雑誌に謎の四世紀の特集があり、新しい情報収集と思い、手を出してみた。
邪馬台国の特定については、畿内説と北九州説の両論併記。畿内説の場合は北九州まで含む広域説を説く。それは考えたことが無かった。しかし、纒向遺跡に九州の土器など発掘されているんだろうか。
頭を捻るのは「前方後方墳」を狗奴国のものとした処。当該の番組を見ているんだけど、ホント莫迦じゃないの。何でトンデモ説を唱えるバカ学者を取り上げるかねえ。NHKはときどきこういうことやっちゃうんだよなあ。p137の前方後円墳と前方後方墳の分布図を見れば、殆どおなじ場所にある。つまり、本来は前方後円墳を作る処を何らかの理由で前方後方墳を作ってしまったと考えるべき。例えば、円墳部分を築くのが面倒だったとか。第一、大和勢力が大陸の土木技術を知って古墳を築いたとしているのに、どうやって狗奴国はその知識を得たんだか。
狗奴国のクコチヒクは、熊本の菊池郷にいた熊襲の菊池彦と考えるのが、真っ当だと思う。僕は邪馬台国北九州説支持。
富雄丸山古墳の紹介や倭の五王については頭の整理になった。 -
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ネタバレ考古資料・鏡・刀剣・地名・外交関係を丹念に追いながら、列島と大陸の「連綿とした交流・権力継承」を重視した本書、NHKだから左翼的偏見書籍じゃねえか?という私の偏見は空振りな一冊
2024年放送のNHKスペシャル「古代史ミステリー」を加筆し「グローバルヒストリーの視点」で邪馬台国・ヤマト王権の成立を描く
「邪馬台国と古代中国」最新の発掘・AI解析・DNA分析紹介、魏・呉との戦略的交渉(曹真・司馬懿・孫権)、鏡の伝来、七支刀の百済外交、特に「卑弥呼のグローバル戦略」や「狗奴国との争い」を三国志史料と考古資料で再構成⇨「敵の敵は味方」
考古資料の重視:丸山古墳や古墳出土品の分析のように、具体的な遺物(鏡・剣・鉄器)を軸に語り、AIを使った未知古墳調査や大規模実験の成果もたまらりません
邪馬台国連合(なんじゃこりゃ)からヤマト王権への移行を、最近は纏向の地がヤマト(邪馬台=倭=日本)と考えている事と符合するか思いつつ読み進めた
空白の4世紀を「技術革新の時代」として解説、製鉄(タタラ)や加耶・百済文物交流も満足だが、グローバルヒストリーと銘打ち「白村江(663年)」あたりまでの百済・新羅・唐との7世紀外交の文脈が薄めで「百済王族末裔」や「任那条」などの朝鮮半島側資料との絡みも、もう少し欲しかったところ・・・NHKは避けるのかなw -
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日本でコロナ禍の際に、フェイクニュースが様々な問題を引き起こしたという主張の後に、フェイクニュースが殺人を引き起こすことがあるとして、メキシコでの例を出してくるという、かなり飛躍した理論がある。持論を裏付ける具体例の取り上げ方も、台湾、アメリカなどのエピソードを挙げてきて、かなり恣意的な印象で納得しにくい。対象を絞らないと実際どれくらい深刻なのかが分かりにくくなるので、日本なら日本のことに限定すべきだと思った。
デジタルネイティブにとってスマホは常に手元にあった便利なツールなので、それによって自分のデータが勝手に使われたり、プライバシーが侵害されることにあまり危機感を抱いていないようだ。スパイ防止法に対しても警戒心を持っていないし、政府が「プライバシー侵害の心配はありません」と言えば疑いもなく信じて、日本は大丈夫とナイーブに信じているフシがある。これって、幸せなことなんだろうか。 -
Posted by ブクログ
「最終結論、邪馬台国は阿波にあった」を読んで信憑性他あるなぁと感じて別の視点の本も読もうと選書。やはり九州説も奈良説も少し弱い。魏志倭人伝に書かれてある旅順の方向や日数が間違えていたという解釈はさすがに強引すぎないかと思う。
また、九州、奈良どちらも古墳や埋蔵物から当時かなりの権力者がいた事は事実だと思うが=邪馬台国がそこにあったという判断は多少尚早気味と感じる。というのもそもそも邪馬台国がどこまで中央集権的に倭国を支配できていたのかによると思う。邪馬台国は対外的に存在はしていたのは事実であるだろうが倭国内での立場や地位がどのようだったかは想像の範疇を出ない。
そして、これだけ調べてもまだ決着がついていないところがこの古代史の魅力なのかと思う。
こうなると調べまくって事実を明らかにしてほしい。でないと阿波説を推しちゃうなあ。 -
Posted by ブクログ
特定の説の解明の目指すではなく、最新の研究成果を、グローバルの視点を交えて紹介している。
次の視点・知識を得ることができた。
・狩猟から農耕への移行により、生態系や他者を支配するという観念が強化された可能性。
・AIにより、これまで人間の目では特定できていなかった古墳が見つかっていること。これを支えるデジタルデータ作成に研究者が根気強く取り組んでいること。
・古墳を築造の基礎技術、馬は、古墳時代の日本にとっては外来のイノベーションであり、大きなインパクトであったこと。
・中国の古い地理観では、日本の東西と南北が逆転している事例があること。(これは、例の魏志倭人伝の邪馬台国への道のりの解釈に影響はないのか?)