NHKスペシャル取材班のレビュー一覧

  • 人工知能の核心

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    2016年5月に放送されたNHKスペシャル「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」の取材をもとに、羽生さん自身が、その後に重ねた思索等を織り込んだ著書。
    羽生さんは、1996年に複数のプロ棋士へ行われた「コンピュータがプロ棋士を負かす日は?」というアンケートで、米長邦雄氏、加藤一二三氏、村山聖氏らが真っ向から否定する中、その日を「2015年」と答えていたのだそうだ。そして、人工知能の進化を肌身で感じ、それでいて、その進化を、人間を脅かすものと否定的に捉えるのではなく、人間の新たな可能性を切り拓くものと肯定的に考える人であるがゆえに、NHKは番組のレポーター役を依頼したのだという。
    「現在、電王戦を中心としたコンピュータ将棋と人間の棋士との間で起きている様々な事象が、今後、人工知能が社会で応用されていくときに想定される事態を先取りしているように思える」と語る羽生さんは、棋士がコンピュータ将棋を相手にするときに直面する大きな違和感は、「人工知能の思考がブラックボックスになっていること」と「人工知能には恐怖心がないということ」であり、人工知能が今後さらに大きな進化を遂げ、社会的な位置付けが高まったときに、それらは大きな問題となる可能性があると指摘している。
    また、目的を限定した専門人工知能の進歩は順調に進みつつある一方、何でもできる汎用人工知能の開発の道のりは緒に就いたばかりである点について、汎用人工知能とは、人間の脳はどのように知性を成立させているのか、に密接に結びついたものであり、脳の解明と汎用人工知能の実現は「タマゴが先か、ニワトリが先か」のように、いずれかが進めばもう一方も前進する関係にあるのではないかと語っている。
    そして、我々の今後の人工知能との付き合い方として、人工知能の判断はプロセスがブラックボックスであり、かつ決して100%正確なものではないことを、しっかり認識する必要があること、人間と人工知能が共存していくプロセスにおいて、いかに人間らしい価値観や倫理による判断を人工知能に備え付けさせるかが大きなテーマとなること、を挙げている。
    そして最後に、将来高度に発展した人工知能が登場して、人間の知性と比較されるようになってきたときには、人間の知性の特徴が浮き彫りになり、更に、人間も人工知能も包括するような「知性」とは何かが解明されていくのではないか、と結んでいる。
    人工知能の専門家が、その仕組みや産業への影響などを解説したものとは趣が異なり、最強棋士・羽生さんらしい切り口での、人工知能についての考察、人工知能との付き合い方が語り尽くされた、ユニークな一冊である。
    (2017年11月了)

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    2017年11月18日
  • 人工知能の核心

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    人間の強みは、汎用性思考のプラットホーム 人工知能には恐怖心がない 人間にあって、人工知能にないものは美意識 ロボットには五感がない 人工知能には時間の概念がない 自然の中で安定したものを美しいと感じることが、人類が過酷な生存競争を勝ち抜いていく上で、有利だったからなのかもしれません

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    2017年09月08日
  • 人工知能の核心

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    将棋の視点を活かした人工知能論。人口を通じてみた人間らしさの再発見と言ったほうが本質的かもしれない。

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    2017年09月05日
  • キラーストレス 心と体をどう守るか

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    NHKの番組が話題になっていたので新書で読んでみた。新書だけどすごく読みやすかった。医学的な研究から、対応策まで書かれていて、分かりやすかった。悶々するのはマインドワンダリングという状態で、人間的にはおかしくない状態なんだということがわかったし、コーピングという良さそうな対応方法も見つかった。さっそく試してみようと思う。

    ----- 以下メモ

    ・マインド・ワンダリング(心の迷走)
    過去や未来についてあれこれ考えを巡らせてしまう状態のこと。人間に備わっている「記憶力」や「想像力」によって、ストレスに晒された状態を思い出したり、同じようなことが起こったりしないだろうかと想像したりする。

    NPYの差は、遺伝によるもの。ストレスに弱いか強いかは生まれつきある程度決まっている。

    生活習慣と運動が大事。運動すると脳が変化してストレスに負けにくくなる。食生活を規則正しくするのも重要(魚がいいらしい)

    ストレスには「頑張るストレス」と「我慢するストレス」がある。この2種類に意識的にコーピング、マインドフルネスなどで対応していくのが必要。

    ・コーピング
    認知行動療法から生まれた方法。自分のストレスを観察し、見合った対策をしていく。気晴らしのリストを100個くらいメモって印刷して持っておくとよい。「旅行に行く」とかはすぐにはできないけど、何かを想像する系のだけでもよい。

    ・マインドフルネス
    マインドワンダリングを回避した状態。

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    2017年08月19日
  • 縮小ニッポンの衝撃

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    NHKプロデューサーの主観が濃厚だとは思う。彼らの多くは、ひたすら東京人の目線であることは否めない。それでも、全編を通して読めば、リアルな説得力がある。

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    2018年10月14日
  • キラーストレス 心と体をどう守るか

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    NHKスペシャルで放映されたものの書籍化。
    放送は未見。
    ストレスが体に与える影響、
    ストレスには食事と運動が有効なこと
    マインドフルネスについて
    幼児期のストレスが与える影響

    知っていることや自覚していることが多かったが
    面白かった。

    ストレスのコーピング(対処法)を100あげる方法は面白いし、試したい。
    参考例の40代男性のコーピング内容も
    「怒っている上司のほくろの数を数える」、「結婚当時の妻の顔をイメージ」などなど、ちょっとほっこりしたし、わかりやすかった。

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    2017年02月15日
  • 老人漂流社会

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    ・・・・誰にも起こりうる未来の姿だ。「真剣に生きてきた人たち」のゴールを思う時、胸迫るものがある。それは他人ごとではない。常に自分の今を確かめていなければならないと教えてくれる1冊である。

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    2016年11月04日
  • アレルギー医療革命 花粉症も食物アレルギーも治せる時代に!

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    備忘録としてネタバレ記録です。

    1/乳児期なるべく早期にアレルゲン食品を食べることで、食物アレルギー予防になる。

    2/アレルゲン食品を食べるより前に、肌荒れ部分など皮膚からアレルゲン物質やそれが含まれるクリームなどを塗っていると、食物アレルギーの原因になる。
    食べるのと、皮膚とどちらが先かで結果が大きく変わる。

    3/妊娠中にアレルゲン物質を避けていると、子どもはアレルギーになりやすい。
    避けずに何でも食べたほうがいい。

    4/妊娠中に低栄養だと、胎児が記憶してしまい、産後、エネルギーを消費しない子どもになる。将来、肥満や生活習慣病
    などになりやすい。妊娠中のダイエットはよくない。

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    2016年10月11日
  • やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実

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    ネタバレ

    「多様性」「共進化」をキーワードとして腸内細菌に関する最新研究の結果を紹介、改めて日本人にとっての和食の重要性を再認識。

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    2016年07月25日
  • やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実

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    怒られそうだけど、端的に言うと野菜が食べたくなる本だった笑


    下記ばっくりメモ。

    肥満の人と痩せている人の腸内フローラを無菌マウスに移植すると同環境でも、肥満フローラを移植されたマウスは脂肪量が増えた。(やせフローラの方は何も変わらなかった)

    肥満フローラには、主にバクテロイデスというグループに属する菌が極端に少なく、これらの菌を与えると肥満体質は治った。

    東京農工大学特任准教授 木村郁夫
    短鎖脂肪酸(天然の痩せ薬)に着目した人。
    短鎖脂肪酸は私たちの食事をバクテロイデスなどの腸内細菌が分解して作られる。脂肪蓄積をストップしてくれたり、代謝を活性化してくれる。

    短鎖脂肪酸を作るバクテロイデスなどは、食物繊維をエサとして生きているので、野菜を多く食べることで肥満フローラは改善できる。
    ただ短鎖脂肪酸を作る菌はバクテロイデスだけではなく、どの細菌が肥満防止に一番役立つかは未だ解明されていないので注意。


    肌の健康を保つエクオールは、作れる人と作れない人がいる。日本人では1/2の確率。
    尿検査を検査会社に送ると、有無がわかる。
    エクオールも持つ人は菌のエサになる大豆を食べると良い。
    持っていない人はサプリを飲むか...

    大豆イソフラボンは前立腺ガンを引き起こす男性ホルモンの作用を阻害するが、大豆イソフラボンよりもエクオールの方が効果が高いことがわかった。
    またエクオールは乳がんの予防効果も期待されている。
    だがまだエクオールを持っていない人が持つための方法は見つかっていない。
    (エクオールを作る菌はいくつか見つかっていて、大塚製薬のラクトコッカス20-92やヤクルトのNATTS菌があたる)


    Tレグは他の免疫細胞の暴走を抑えるなだめ役で、アルルギーや自己免疫疾患の根治を可能なする希望の光。


    無菌のマウスは社会性が低く単独行動を好むが、腸内に細菌を移植すると社交的になる。
    腸内細菌は、性格をも変える可能性がある。

    5歳くらいまでに、腸内フローラの構成はある程度決まってしまう。その後は大きくは変わらない。

    日本人だけ海藻を消化する遺伝子がある。
    これらから、腸内フローラも遺伝すると考えられる。
    それぞれの民族にはそれぞれの食生活があり、その食生活に最適化された腸内細菌がいるはず。だから和食は日本人には、より健康に良いと考えられる。

    腸内フローラは多様性が大事。多様的であれば、健康だと考えられる。

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    2016年06月24日
  • アレルギー医療革命 花粉症も食物アレルギーも治せる時代に!

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    大人にはすぐに役立つ内容ではありませんが、
    お子さんにはすぐに役立つ内容だと思います。
    効果があるとされている治療法は、舌下免疫療法以外は研究段階のため、現時点で受けることはできませんが、
    早く普及してほしいなあと思います。

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    2016年05月31日
  • やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実

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    人間が持つ遺伝子の数は2万数千個。腸内細菌たちが持っている遺伝子の総数は、その100倍。その中には、人間と細菌のお互いが生き残っていく為に必要な遺伝子がたくさん入っている。



    私たちは、腸内細菌と共に生きている。



    肥満を防ぐ細菌がいる。



    短鎖脂肪酸は脂肪の蓄積を抑え、消費を増やす両面から肥満を防ぐ働きをしている。



    バクテロイデスなどの短鎖脂肪酸を作る細菌たちは食物繊維を餌として生きている。大切なのは腸内細菌に餌を与えるという考え方。



    ダイエットしたければ、野菜を多めに食べる事。食物繊維が不足すると肥満フローラになる。



    糖尿病は肥満を防ぐ短鎖脂肪酸で改善できる。



    短鎖脂肪酸は腸内環境を整えてインスリンの分泌を促す。



    腸内細菌がつくる、肌のシワを改善するエクオールの原料は大豆。エクオールを作る細菌は日本人の二人に一人が持っている。



    食生活に大豆を意識して摂る事。餌が増えれば、エクオールを作る菌も次第に増えてくる。



    菌を持っていない人でもエクオール以外の大豆イソフラボンの効果は期待出来る。



    エクオールはガン予防効果が期待されている。



    肥満になると増える腸内細菌はガンを引き起こす。



    腸内細菌は食べ物を分解し、吸収しやすくする仕事もしている。喫煙者は腸内フローラのバランスが崩れ、食べ物を分解する能力が衰えていたので食べ過ぎても太らなかったが、禁煙するとフローラのバランスがよくなる為、同じ量を食べると太る。



    腸内環境の改善は、アレルギー予防につながる。アレルギー改善が期待される細菌たちの餌は食物繊維。



    時差ぼけした腸内細菌は太りやすくなる。



    腸のバリアが弱くなると、糖尿病やガンになりやすい。

    腸のバリアを守っているのは腸内細菌が作る短鎖脂肪酸。



    腸内フローラは宿主の性格も左右する。



    人間の脳は1,000億個の神経細胞があるが、腸にも腸菅神経系の神経細胞が1億個ある。これは犬の脳とほぼ同じ。人体の中で2番目に多い。



    生物の進化を振り返ると、脊椎動物の前の腔腸動物の頃はまだ脳がない。腸の方が歴史が古い。腸は第一の脳。



    腸内細菌が作る神経伝達物質が腸の神経を刺激すると、それは迷走神経を通じて脳に伝わり、気分や感情に影響を与える。



    地球上のあらゆる動物と菌は共に生き、共に進化を遂げてきた。これを「共進化」と言う。何千万年という長い時間をかけて互いに助け合う仕組みが自然に出来上がった。共進化した方が、一つの種が単独で進化するより有利だった。



    シロアリも腸内細菌がいないと木を消化できない。



    人間は5歳くらいまでに腸内フローラの構成が決まってしまい、その後は大人になってもほとんど変わらないが、食生活などで小さな変化は絶えず起こり、この変化が健康を大きく左右する。



    老化が始まると、腸内細菌の種類が減り、多様性が失われていく。



    自然界の細菌は70門あるが、腸内からみつかるのは4門だけ。



    日本人の腸内フローラを遺伝子解析すると、海藻を消化する遺伝子が見つかった。これは「スシ・ファクター」と呼ばれている。



    白血球は盲腸でどんな腸内細菌がいるのかを学習し、IgA抗体を特定の腸内細菌に出し、腸内の粘液層の中に入れて守る。



    私たちの体が腸内細菌を選ぶのは、人類と共に生きる細菌の大枠を決める「遺伝子」と、虫垂で行われる「学習」の2段階がある。



    生物は生きていく為に必要な機能をすべて自分の遺伝子として持つのではなく、他の生物に任せられるときは任せている。



    細菌は世代交代が早く、遺伝子が簡単に書きかわる性質がある為、新しい遺伝子を獲得するスピードが非常に早い。その為、人間が自分の遺伝子として獲得しようとすると何百万年もかかる事をごく短時間で行う事ができる。



    細菌は、ある種の細菌から別の種の細菌へ遺伝子が移動する事が頻繁に起こる。



    もはや、腸内フローラは私たちの体の一部どころか、本体と呼ぶべき存在とも言える。



    人類は自分たちが超生命体である事に気づいていなかった。私たちは自然の一部であり、小さな生き物達との関係性の中で生かされている。

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    2016年02月16日
  • ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか

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    NHKスペシャルの番組の取材を書籍にしたものだ。NHKスペシャルは『沸騰都市』や『ヤノマミ』など書籍化されるものも多い。NHKスペシャルのような人と手間をかけた作品においては映像と書籍とは、相補的な関係にある。枠が決められた放送番組だけでは伝えきれないものを書籍で伝えることができる。また文字だけで伝えられないことを映像で表現することができる。たとえば『ヤノマミ』はまさしくそのような作品であった。

    「この本は、人類の壮大な歴史のなかに、私たちの心の進化を追いかけるものだ」

    グレート・ジャーニーと呼ばれるアフリカからの出発と全地球規模の人類の拡散。この過程において、人間の心はどのように発展していったのだろうか、というのがこの作品のテーマだ。『イヴの7人の娘たち』などの書籍でも一般的になったが、現生人類は5万年ほど前に東アフリカの大地で生活をしていた非常に少ない数の人類から全世界に広がったと言われている。その中で、人類の攻撃性と協調性とがどのような役割を担ったのかが提示される。

    本書のひとつの大きなトピックは、現生人類とネアンデルタール人の交流と比較だろう。ネアンデルタール人がなぜ滅亡をしたかについて定説は確立していない。本書でも挙げられているように、現生人類に対する単なる種としての優劣ではなく、多くの原因が重なったものだろう。本書では、現生人類が最終的に生き残った想定要因のひとつとして、投擲具の利用を挙げている。ネアンデルタール人は、その大柄な体格から必要がなかったのではないかと。また、その事実が現生人類の持つ攻撃性の問題につながる。

    いずれにせよ、彼らが現生人類の祖先と遭遇したのは確実であるようだ。ある研究によるとアフリカ以外の人類で1~4%の遺伝子がネアンデルタール人と共通しており、異種交配の可能性を示しているとのことだ。それは真実なのだろうか、またそれは進化の過程においてどのような影響があったのだろうか。まだまだ分からないことがたくさんあるということはある意味ではよいことだ。

    人間の持つ攻撃性については、なぜ人類が全地球規模に広がっていったのかという考察にもつながる。ひとつの要因として、子どもが増えたときに食糧不足の原因もあるだろうが、本来的に持つ攻撃性によるグループ間の戦いの結果として、あるグループが別の場所を探していったということが継続的かる広範に起きたということも理由としてあるのかもしれない。コンピュータシミュレーションでも、身内に対して利他的で、対外的に非友好的なグループが最終的に優勢になったという結果も紹介されている。もちろん、こういうシミュレーションはルールの設定にも依存してしまうので拙速に結論を出すべきではないのだが。

    「意識しようがしまいが、人間のなかには、闘争に駆り立てられる生理的な仕組みがある。その仕組みはなぜ、私たちに広く組み込まれることになったのだろうか」

    放送は4回にわたって行われた。章立てと同じく、助け合いについて、投擲具(=攻撃性)、農耕(定着と摩擦)、貨幣(交換と不平等)の登場をキーテーマとして展開される。おそらくは番組制作の企画段階で練られたものだと想定するが、結論ありきで仮説を集めているところもある。目的のひとつでもあるのだろうが、取材の過程に割かれるパートも多く科学書としてはやや物足りない。たとえば、

    「そもそも類人猿の社会は、優劣がはっきりした階級社会で、平等ではない。人類の遠い祖先もおそらく不平等の社会をつくっていたはずだ。つまり平等主義に基づく社会は、人類が誕生し、その進化の過程で築きあげたものなのだ」

    格差社会批判をやりたいとも取れるが、考察がやや足りていないように感じる。作品全体としてやや消化不足かなという印象だ。NHKスペシャルといった作品の可能性とともに限界が出ているように思う。ただ、NHKの資産としては何等か有益なものが残ったと思う。重要で興味深いテーマだと思うので、NHKさんには予算を付けてもらってこの先もまた何度か取り上げてほしい。

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    2015年05月11日
  • 老人漂流社会

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    まっとうに働いて税金払って体が駄目になったら施設をたらいまわしにされて家賃滞納で自己破産。
    人事で済まされない未来に見える地獄絵図。
    その地獄も金次第と言わんばかりの施設一覧も掲載。

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    2014年08月16日
  • 老人漂流社会

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    ことばがありません
    安心して歳を重ねられる制度や施設を作ってください。
    本当にそう思う。

    それがあったら日々が充実したものになるのだろうか。

    家族から離れてしまった個人、親族集団から離れてしまった家族、地域から離れてしまった親族集団、私たちが選んだライフスタイルが漂流する自分を作ってしまうのか。

    密な地域共同体の中で生きていけば、漂流することはなくなるのか。幸せに生きていけるのか。

    いろいろな答えの出ない問いを考え続けています。

    ただ、安心して歳を重ねられる制度や施設があれば、こんな過酷な状況に身をおかずにすむことは確かだろう。

    安心して歳を重ねられる制度や施設を作ってください。
    本当にそう思う。

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    2015年04月04日
  • 42.195kmの科学 マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」

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    東アフリカ(ケニアやエチオピアなど)のマラソン選手がなぜ速いのかについて分析した本。
    マラソンで世界記録を出すのに一番重要な要素は、生まれ育った環境だということ。

    市民ランナーの自分としては、高地生活も高地トレーニングも長時間トレーニングにも取り組めないが、今意識して取り組んでいる「つま先着地」が間違っていないということを再認識できたので満足。

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    2014年01月25日
  • アフリカ―資本主義最後のフロンティア―

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    アフリカの現実を、現地の人々のそれぞれの視点から語られていて面白かった。
    また、非常に読みやすく、ざっくりとした歴史の概要もわかり、読みやすい。

    「開発」する主体が旧植民地国からアフリカのそれぞれの国に移ってきていることが強調されていたが、結局それぞれの国の上流の、資本を持ち、人脈を持ち、海外で教育を受けた人たちの話が中心に思えた。
    これはかつて南米で起きたことにも似ているような気がする。
    つまり、ナオミクラインが「ショックドクトリン」で描いたような、新自由主義的な政府が主体となって、公共物を私物化していく。その利益は「国益」とされるが、国民には還元されない。テクノクラートと呼ばれる、アメリカの有名大学帰りのエリートたちやその人脈に通じる人々のみがその恩恵を受ける。
    そして彼らが主張することは、規制を緩和して海外の投資を呼び込むということ、そしてその海外の投資案件を自分の持っている会社の利益としていくということ。
    これらの要素が非常に似ているように思えた。
    結局、大資本を持つ、政権中枢部に近い人々が高級ショッピングモールを建てたり、高級ホテルを建てたりする話が主なモノだったように思える。
    このことは本書での取材先のアフリカの多くの国に共通なことのように思え、それを発展として捉えていいものかと思った。
    ただ、本書の素晴らしい点は、しっかりとそこに住んでいる、すむしかない人たちのひたむきな経済活動、そこから生まれる地場産業を捉えていたことだ。
    特に素晴らしいと思ったのは、タンザニアの金鉱山の話だ。
    金は「みんなのもの」として、多くの雇用者に対する安全への配慮や投資、そして利益を病院や井戸の建設へ還元する姿勢。
    こうしたその地の資源がその場で還元されること、この循環がうまくいくことこそが「経済発展」と呼べるのではないだろうか。
    この本はアフリカの小さな、しかし大きな意味を待つ循環を捉えている。
    その一点だけでもこの本は素晴らしい。

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    2014年01月01日
  • 42.195kmの科学 マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」

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    VO2Max,LT( もしくは、Maxlass)、ランニングエコノミー
    つま先着地の際に、後ろに引くことで、衝撃を和らげる。
    間買う選手は、跳ばない。10000mのランナーのように飛び跳ねる時代は終わった。
    やっぱり、すり足。設置時間は長い。

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    2013年12月28日
  • 激走! 日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース 富山~静岡415km

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    非常食の基準 カロリーメイト1グラム当り5kcal

    スタートは、8月12日0時
    早月川河口~馬場島~北アルプス(剱岳~槍ヶ岳)~上高地(cp)(8月14日8時)~
    境峠~木曽駒高原スキー場~中央アルプス(木曽駒~空木岳)~駒ヶ根~市野瀬(cp)(8月16日17時)~
    南アルプス(仙丈ヶ岳~三伏峠~茶臼岳)~畑薙第一ダム(cp)(8月19日0時)~
    井川~大日峠~静岡~太平洋/駿河湾・大浜海岸(8月19日24時)
    丸8日間

    レイドゴロワーズ

    北アルプスのルート 
    早月尾根~剱岳山頂~別山乗越~立山~一の越山荘~五色ヶ原~越中沢岳~スゴ乗越~薬師岳~太郎平小屋~黒部五郎小舎~三俣蓮華岳~双六小屋~槍ヶ岳山荘~槍沢ロッヂ~横尾山荘~上高地

    雁坂峠越え秩父往還142キロ
    さくら道国際ネイチャーラン

    軽量化を図るため防寒装備は最小限。高度が低いところでビバーク、地面のマットを用意。睡眠は2時間、20時間行動。主食はチョコチップの餡が入ったクッキー。足にはワセリン、マメ防止。靴下は2足を使い回し、ザックに安全ピンでさして干す。初参加者は、トレランシューズが多いがロードが多いので足を痛めやすい。2~3回の参加者はロードシューズが多い。市野瀬では、サイズが大きいシューズも用意する。筋肉疲労時は重心位置を前後にずらし、使う筋肉を変える。

    南アルプス
    市野瀬~地蔵尾根~仙丈ヶ岳~三峰岳~塩見岳~三伏峠~板屋岳~荒川前岳~

    荒川小屋の名物カレー

    60時間の不眠トレーニング、24時間断食トレーニング、炎天下の30キロラン

    裏磐梯山岳耐久レース

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    2013年12月26日
  • がん 生と死の謎に挑む

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    印象に残った文章。
    がんとは、細胞の病気です。正常細胞が狂いだして、無限の増殖能を持つがん細胞になってしまう病気です(37ページ)。
    がんは、遺伝子の病気、DNAの狂いによってもたらされる病気です(38ページ)。
    人間は物質としての同一性は短時間しか保持できないですが、情報(DNAあるいは、脳の中の記憶)の同一性が相当の長期にわたって維持できるので、個体としての同一性も一生保ち続けていると思うのです(40ページ)。
    がんがなぜ生まれるかは、まだ十分にわかっていませんが、DNAのコピーミスによる変異の蓄積が最大の要因の一つにちがいないと考えられています(40ページ)。
    人間の体は、すべて新陳代謝していきます。六十兆の細胞がみな新しい細胞に置き換わることを日々につづけていく(すべての人において毎日平均数千億個の細胞が新しい細胞に置き換わっている)から、人間は生きているのです(74ページ)。
    表皮の新陳代謝は、風呂に入って石鹸で体をこすると、アカになってこそげ落ちてゆくので自分ですぐにわかりますが、体内上皮の新陳代謝されたものは、大便小便の中に入って排泄されてしまうので、普通の人はなかなか気が付きません(77ページ)。
    医学はまだまだがん克服にいたる道からはるかに遠いところにいるというのが、がんに関してまず知らなければならない第一の事実なのです(106ページ)。
    がんは全ての多細胞生物にとって、本質的で先天的な宿命の病なのです(124ページ)。
    浸潤(しんじゅん、invation)、パスウェーマップ、ダブリングタイム、上皮細胞がん(カルシノーマ)

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    2013年10月25日