渋沢栄一のレビュー一覧
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今年話題の人の本。ある程度現代語訳されていて読みやすい。「富を成すことは卑しいことではない」「しかし自分だけが儲けようというのは長続きしない」「まずは身体が資本」といった感じで、人としてのあるべき姿を啓蒙している。
根底には孔子孟子の思想があるようだ。五百程の会社の設立に携わったという経済人で、「金は天下の回りもの」「三方よし」を常に心がけていたのも成功の要因だったのだろう。
大河ドラマでは現在、栄一が攘夷思想に傾倒していくのが描かれており、本書でも「かつてそういう血気盛んな頃もあった」と振り返っている。それがどのようにして経済人として変わっていくのか、ドラマの展開も楽しみだ。 -
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ネタバレ当時、日本が西洋に最も遅れているのは経済だった。江戸時代からの朱子学の流れで「金儲け=卑しい・非道徳的なもの」というイメージがあった。しかし渋沢は、論語の教えを「富を得ることができるなら卑しい仕事でもするべきだが、それでも富が得られないからと言って不正はしてはいけない」と解釈しており、金儲けを否定していない。
慶応3年、渋沢(27歳)は水戸の徳川昭武に同行しパリへ留学。そこで、自分の使命が日本の殖産興業にあるのだと気づいた。
パリではフランス全土をつなぐ鉄道が走っており、その事業が合本会社(現在の株式会社)によって作られたものだと知る。百姓や小僧でも、株券さえ買うことができれば融資に参加で -
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今度お札の顔になると言われている、日本実業界のパイオニア渋沢栄一氏の論語解説本である。
高校時代に漢文の授業で論語は多少勉強したが、きちんと読んだことはなかった(というか、原文は難しくて読めない)。渋沢栄一氏は孔子の論語や、歴史を本当によく研究し、論語論のような本をたくさん出版している。興味深いのは、孔子の説く道徳をいかに実際のビジネスの場面に応用していくかという観点で解説されているところである。とても分かりやすく、ありがたいお話が詰まっている。
この本の読みどころはもう一つあり、明治維新前後の歴史上有名な人物本人たちとの交流を通じて、○○はこういうタイプの人だ、と生の印象が書かれている。大隈 -
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平生の心掛けが大切=問題の起きていないときにも備えを考える。
権威ある人格養成法=高尚なる人格をもって得た地位でなければ、完全なる成功とはいえない。
天は人を罰せず=天命には必ず服従を読儀なくさせられる
仁に当たっては師に譲らず=道理が正しければ自己の主張を通すべし。
すべからくその原因を究べし=結末だけを見ない、原因を探る。
人生観の両面=社会を主とし、自己のことを客と心得る
防貧の第一要義=人は一人では何事もなしえることはできない。
人物の観察法=動機も行為も正しくても本音が正しくなければ正しい人とは言えない
現在に働け。
細心にして大胆なれ。
自ら箸を取れ
国家の発達進歩=成功や失敗は丹 -
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ネタバレすごい人。もっと深く知りたくなった。
資産あっての事業、事業あっての労働あると同時に、
労働あっての事業、事業あっての資本である。
賃金を与えるものが貴いと言うのなら、労働を与えるのもまた貴い。
いやそのいずれも与えるのではい。資本と労働との持ち寄りに他ならない。
さらに適切に言えば、資本家と労働者との人格的共働がすなわち産業である。
木戸孝允のこと
一人登用をしようとした人物がいた。その人物の評価を聞きに、当時特に役職も高くない渋沢の家を訪れた。
人を引き上げるということの重要性。
大久保利通のこと
何を考えているかさっぱりわからなかった。気味が悪くて、渋沢は嫌いだった。 -
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ネタバレすごい人。もっと深く知りたくなった。
資産あっての事業、事業あっての労働あると同時に、
労働あっての事業、事業あっての資本である。
賃金を与えるものが貴いと言うのなら、労働を与えるのもまた貴い。
いやそのいずれも与えるのではい。資本と労働との持ち寄りに他ならない。
さらに適切に言えば、資本家と労働者との人格的共働がすなわち産業である。
木戸孝允のこと
一人登用をしようとした人物がいた。その人物の評価を聞きに、当時特に役職も高くない渋沢の家を訪れた。
人を引き上げるということの重要性。
大久保利通のこと
何を考えているかさっぱりわからなかった。気味が悪くて、渋沢は嫌いだった。 -
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ネタバレ栗山監督のバイブルを読もうと思って。大谷に様々なルールを課して自律心を鍛えさせた、そのもとを知ろうと思って。
みんなに知ってほしい。経済は必ず道徳観とセットで語られるものだということを。
そして、渋沢栄一も日本に良い経済を広めるために、人々に道徳を大事にすることを求めた。
「常識が大事」ってのはシンプルすぎて驚いた。でも、合理的だった。日本が何で宗教もなくこれほどに道徳をもてるのか。そういうところも察することができた。
もう一点驚いたのが、渋沢栄一の考えていること、不安視していることが、21世紀の現代日本にも当てはまるということ。
画一的な教育じゃなくて一握りのエリートを