あらすじ
日本実業界の父が、生涯を通じて貫いた経営哲学とはなにか。「利潤と道徳を調和させる」という、経済人がなすべき道を示した『論語と算盤』は、すべての日本人が帰るべき原点である。明治期に資本主義の本質を見抜き、経営、労働、人材育成の核心をつく経営哲学は色あせず、未来を生きる知恵に満ちている。
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・本当に人を評論しようと思うならば、その富や地位、名誉のもととなった「成功か失敗か」という結果を二の次にし、よくその人が社会のために尽くそうとした精神と効果によって、行われるべきなのだ。
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まず読みながら感じたのは、昔も[今の若者は良くない]といった年齢を重ねた後、自分の体験談と比較をし、若者を蔑む発言があったのだなと感じた。人間の性質上、昔の経験談が美化され、なぜか対等でない今の時代と比較をして、優越感に浸りたいのだろう。私はまだそういった年齢ではないので自分を律し続け若者を蔑む発言はしないよう心がけたい。
完読後は、以下が自分の中で印象に残った。
•人は親や目上の人を敬わなくてはならないということ。
•逆境という言葉があるが、自分で作った逆境もあれば、自分以外からの逆境もある。自分で作った場合はそれを作ってしまった原因があるということ。自分以外の逆境はそうなってしまったからには仕方ない。天命だったと思うようにしろという言葉があった。
•真面目に正しいことをして貧しいか、それと反対に不真面目で不確かなことを行い富んでいるかであれば前者を選べ。
•賢者は貧しい環境でも自分の意思を曲げない。
これらを学んで、これからの社会人生でつまづく事はあるかもしれないが、他人のことを思い、真っ直ぐに生きていくことが大事だと感じた。
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渋沢栄一の思考はほぼ全て論語から影響を受けたものだということに驚いた。論語の偉大さが分かる一冊でもある。また、そのストイックさ故に、ピータードラッカーのような印象を受けた。
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最後の小伝が一番面白かった。
渋沢栄一の変化をして新しい物事を取り込む力がすごい。特に尊皇攘夷からフランス留学まで振れ幅があるとは。メタ志向ができる源なんだと思う。
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道徳(論語)と経済(算盤)との両立による発展を啓蒙する名著。
現代語訳も平易で読みやすかったです。
福沢諭吉もそうですが、幕末から明治という激動の時代を生き延びた偉人たちからは、気概の強さと志の大きさを感じます。
昭和や平成に書かれた本か?と思うぐらい現代でも通用する部分が多く、道徳や中庸の大切さは今でも変わらないと思います。
渋沢栄一は、「婦人関係以外は、一生を顧みて俯仰天地に恥じない」と自ら語るほどの好色の士(68歳で子供を作った)ではありますが、日本の発展と近代化に大きな力を尽くした功績は忘れるべきではないと思います。
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いつものことながら、「世に出る人は違うわぁ~」と思いながら読みました。
こう書いてしまうとおおよその年齢がわかってしまうかもしれませんが、学校教育において、渋沢栄一を歴史上の重要人物としては習わなかった気がします。
NHKの大河ドラマで取り上げられたり、一万円札の肖像に採用されたり、近年の渋沢栄一さんの活躍には目を見張るものがあります。
ということで、前々から気になっていた本書を読み始めてみました。
「論語と算盤」という本を渋沢栄一本人が著したわけではなく、渋沢栄一の講演をまとめたものです。
10章に分かれていますが、全体を通して、彼の人生論や経営哲学を学ぶことができる本となっていました。
関係のないくらい遠いものと思われていた、孔子の教えの「論語」と経済活動=「算盤」を調和させて国家を繁栄させていこうという気概から、もう非凡さを感じます。
渋沢本人は自分自身について、「四回ばかり変化しています」と語ったそうです。「尊王攘夷」「文明開化」「明治維新」「殖産興業」という時代の大きな潮流にそのまま棹さしている「時代の児」と評されていたとか。
自分の信念を持ちつつも、時代の流れを読んで素早く判断し、必要とあらば方向転換する。そんな非常に難しいことをやってのける能力があったのだなと思いました。そして何よりエネルギッシュ。そうでなければ何百という組織の設立に関わったり、70歳を過ぎて渡米したり、80歳をすぎて子をなしたりできません。と、ここまで渋沢の人生をかいつまんで書いてみましたが、本書の本筋はそこではなく、先述したように、人生論や経営哲学について行った講義がまとめられたもので、まさしく渋沢栄一の思想なくしては日本の近代化はなされなかったのではないかと思うような大事な教えばかりでした。
個人が利益を求めずにどうやって国家が繁栄していこうか。ただし、そこに道徳がなければならない。政治の方ばかりに重きを置き、どちらかというとお金を稼ぐということに後ろめたさを感じるような時代・文化だったはずですが、的を射たことをぴしっと言っておられます。そして、「道徳」的な考え方を非常に大事にしていて、私利私欲にまみれた商売にはきちんとノーと言っています。この姿勢(自分たちの利益だけを追求する姿勢)が日本経済の発展を阻んでいると、またまたぴしっと言っておられます。
それから、この時代にはかなり最先端の考え方であったであろう、女性への教育、女性の活躍の重要性を説いておられます。素晴らしい。
はたまた、教育の質についても嘆いておられ、知識詰め込み型ではいかん、みんながみんな同じような人間になるような教育はどうしたものか、とおっしゃっています。ここは現在継続中の教育に対する問題意識と似通っていると感じた部分と、職位が低い、たとえば運転手になるような人に、将来職位が高くなるような人と同じような教育をしてもうんむんかんむん・・・というところはちょっと違和感を覚えたりしました(ただしここは私の読み方が悪かった可能性もあり)。
良心、思いやり、道徳・・・こういった言葉が何度も出てきます。経営哲学として、こういったことを大事にしていれば、あの企業のあんなニュースやこんなニュースは出てこないのになぁ、とか合法詐欺とでもいえそうなあんな商売は成り立たないのになぁとか、しみじみ思いました。
本書に書かれていることを全て実践できるようになったとしたら、それこそ聖人君主になれそうです。時代を経ても本書に書かれている多くのことは色褪せないですし、経営者のみならず、多くの人にとって参考となる本だと思います。素晴らしいことが次から次へと書かれているので、若干右から左へ受け流したところもあるので(途中寝落ちしたりもした)、折に触れて読み返して、自分を省みるきっかけの本にしたいと思いました。
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記憶の片隅に置いていた積読に本屋でたまたま再開して読んだ。
"徳"や"義"が先にあり、"利"はその後に来る。
"徳"は時代とともに進化するが、"義"は変わらない。
岩崎家や三井家、住友家は、いわゆる財閥を築いたのに対して、渋沢財閥はない。
ココに、渋澤栄一の"徳"と信念の強さを感じる。
今さらながらに、人としての基本的なあり方を噛み締めた気がする。
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あまりに学びが多すぎて、すぐに別の読書を始めると何も身に付かずに終えてしまいそうだ。
論語と算盤は大きく分けて自らの人格形成に関することと社会の構造や還元方法に関することが書かれており、後者については正直現在の自分のレベルではほとんど腑に落ちることが出来なかった。というかほとんど多くの方がそうだと思う。しかしそれだけでこの内容の評価を固めるのはあまりにもったいない。
人生において何を大切にするか、この偉大な成功者の考えをヒントに改めて向き合う時間をとってみて欲しい。
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道徳を会社の利潤や仕事に活かす考え方が詰まった一冊。そして道徳は論語で養うことができる。
書かれていることのほとんどは、実践することが特別難しいものではありませんが、疎かにしがちな心構えが多かったように感じました。
もっと若いうちに読みたかった。とも思いましたが、今(30代半ば)読んだからこそ自分事として捉えることができたのかもしれません。勧めてくれた会社の上司に感謝したい。
本書を読んでいる時にたまたま、お取引先の方に「論語」をオススメされ、早速購入してみました。これから、時間をかけて読んでみるつもりです。
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論語を咀嚼することによって「社会公益性をもったクリーンなビジネスを行い、富を築く」ことができた渋沢栄一の非常に参考となる書籍。流行りのビジネス書だけに飛びつくのではなく、若いうちは名著から道徳の規範を学ぶことも大切だなと。
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原文を読むのに苦労したためこちらを先に読んでみたが、人は何のために働くのか、働く上で大切な根底の部分を、改めて直球で教えてくれる本でした。
上手くいくためのテクニックとかではなく、とにかく、真面目であれ、商売をする上で一番大切なのは道徳である。と論語から抜粋してなぜ大切なのか、何故自己の利益だけではいけないのか、
幕末を生きた著者だからこそいえる武士道や道理を重んじる考え方は今の時代でも大切だと感じた。
書かれていることは今までに聞いたことあるし、はじめて知った内容は決して多くはなかったが
今までの先人もこの本を読んで、この教えを自分の会社やチームに伝えられて、自分にも届いてたのかなと思った。
この本を読むことでこれまで漠然と入っていた
人のために働く理由や正しく働くための精神が伝わり感動した。
いつか原文を読み、渋沢栄一の言葉で理解できたらと思った。
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社会人になったら一度は読んでみたほうがいいと思う。
何のために働くのかがよくわかります。
大河ドラマきっかけで興味持ちましたが、同じく埼玉人にこんな偉人がいたとは!
Posted by ブクログ
多岐にわたるテーマが論語を軸にシンプルにまとめあげられているのが美しい。
100年前の本ですが、実践的な内容で、今でもビジネスマンが語りそうな内容がふんだんに盛り込まれてますね。
何事も誠実さを基準とする、というのが素晴らしい。
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現代に通ずる箇所が多数あり、人生のバイブル的な要素が盛り込まれている。
アグレッシブな人間のもとに人は集まる。天命を信じて活動する。改めて定期的に読み直したい一冊。
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熱い人だ〜〜〜やはり私利私欲に走る人とでは残した結果が違う。現代の日本にいたらどうなるか気になる
一個人の利益になる仕事よりも、多くの人や社会全体の利益になる仕事をすべきだ 164
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妾が30人いたというのがドン引きではあるが、それを差し引いてもビジネスパーソンとして神。
●悟り
◯ある一定の時期に達するまでは、成り行きを変えることなど人の力ではとてもできない。因果関係はすぐに断ち切ることはできない。
◯成功や失敗といった価値観から抜け出して超然と自立し、正しい行為の道筋に沿って行動し続けるなら、成功や失敗などとはレベルの違う価値ある障害を送ることができる。
◯成功など、人としてなすべきことを果たした結果、生まれるカスに過ぎない以上、気にする必要など全くないのである
——
●勤勉さが大事
◯人にはどうしようもない逆境に対処する場合には、天命に身をゆだね、腰を据えてするべき運命を待ちながら、コツコツと挫けずに勉強するのが良い
◯小さなことは分別せよ。大きなことは驚くな。
どんな場合も、些細なことを軽蔑することなく、勤勉に、忠実に、誠意を込めて完全にやり遂げようとすべき
◯ 受付や帳簿つけといった与えられた仕事を、その時の全生命をかけてまじめにやれない者は、立身出世の運を開くことができない
◯怠けていて好結果が生まれることなど決してない
◯生涯学んで、はじめて満足できるレベルになる
◯どんな仕事にもかかわらず、商売には絶えざる自己開発と気配りが必要
◯国家を勢いに載せるためには、全力を尽くして新しいことに取り組む勇ましい心が必要なのだ。
◯たとえ失敗してもあくまで勉強続けていけば、いつかはまた幸運に恵まれる時が来る
—-
●道徳が大事
◯人の評価は、その人が社会のために尽くそうとした精神と効果によって、行われるべき
◯智情意
情は情けをかけるだけでなく、感情の抑制も含む
7つの感情 喜び、怒り、悲しみ、楽しみ、愛しさ、憎しみ、欲望
◯ 自分を経済的に豊かにするとともに、国家の力や豊かさを増すように努力する必要がある。
◯自分を磨き、良き家庭を作り、国を治め、天下を平和にする
◯社会に多くの利益を与えるものでなければ、正しくまともな事業とは言えない
◯豊かさと地位とは「人間の性欲」。利益追求の学問は、性欲を煽るようなもの。だから、道徳や社会正義が必要。
◯上に立つ人間と、下の人間がともに利益追及に走ってしまえば、国は危うくなる
◯常に貧しい人と金持ちの関係を円満にし、両者の調和を図ろうと努力することは、もののわかった人間に課せられた絶えざる義務
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●教育する
◯人を変えるのは簡単なことではない - 魚の干物を売っている市場にいる人間は、匂いに慣れてしまって、自分がいかに臭いが染み付いているのかわからない
◯ 子供たちが自分の思右葉にならないからといって、親不孝の子供だとは思わないようにしている。
◯私の思い通りになれ、と強制されても、わたしのようになれない子供たちにはなす術がない。
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●仕事を楽しむ
◯趣味のように楽しむことが大事
◯精神がはつらつとして、愉快な気持ちから楽しみを発見し、さらに尽きない喜びを感じて、事業を進める原動力とすることができる。
——
◯昔の教育は百人の中から1人の秀才を出そうとしたのに対し、今日は、99人の平均的人材を作る教育法
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人生で生きる上での指針
日本の発展の根本思想をわかりやすく説いてくれている
義務教育に組み込めば今の日本はもっと底力が上がるのではないか?
数々の政治や外交問題も日本古来から伝わる道徳の心を持ってみることができれば日本らしく気高く対応することができるのではないか
大体人手不足と言ってるけどまともに働かない若者が多いと思う
日本人全員をまともにするためにはこういった道徳教育がされるべきでだと思う
子供を大切にする 若者が自分を大切にする 親を大切にする
こういったことができれば日本人全員が豊かになるのではないか
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『論語と算盤』は、渋沢栄一の講演口述をまとめたものです。経済活動と社会道徳両立の必要性が記されています。
栗山英樹さんが、大谷翔平選手に『論語と算盤』を薦めたということを、他の本で知りました。渋沢栄一の考えの中に、「お金をよく集め上手に使う」ことがあります。大谷翔平選手が行った、能登半島地震での多額の寄付や、小学校へのグローブのプレゼントが思い起こされます。まさに、「よく集めてよく使う」ことの実践です。
本書には「渋沢栄一小伝」があり、私生活についても記されていました。驚いたことは、お妾さんがたくさんいて、その子供の数は30人以上いたらしいということ!「婦人関係以外は、一生を顧みて俯仰天地に恥じない」と渋沢は語っていたそうです。日本社会への功績と共に、私生活も桁外れでビックリでした。
【心に残った渋沢栄一の考え】
・勉強したことを実践に結びつけること。生涯学び続けること。
・どんな仕事でも「趣味」をもつこと。「趣味」とはワクワクする心。
・人が動物と異なる点は、道徳を身につけ知恵を磨き、世の中のためになる貢献ができる点。
・人格を磨く。(精神、知恵、知識、身体、行い)
本書を読んで、自分の行動を振り返ることができました。できることから、即実行していきます。
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論語が大事だよという話だと思ってたが、
論語と算盤、両方バランスよく大事だという話だった。
綺麗事がなくてよかった。
富や経済は勝手に発展するものではなく、意志を持って発展させる必要がある
智・情・意のバランスが大事である
待つことが大事、細かい仕事も手を抜かずにやる
人間と動物の違いは智の蓄積
悪い競争と良い競争がある
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100年近くも前に書かれたとは思えないほど現代社会においても教訓として十分通じるところがあり、名著として長く読み継がれていることに納得した。
渋沢栄一という名前は知っているものの何をしたかまでは認識がなかったが、東京電力やサッポロビール、JR、帝国ホテルに東京証券取引所や日本商工会議所等など480社以上に関わっており、「日本資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれる活躍をしていたなんて、現代にいたら、それこそ世界的な実業家でありスーパースターだったんだろうなと想像する。
それにしても1人の人間がよくもそこまで様々なビジネスに関われたなと感心してしまう。
また、西郷隆盛とのやり取りにしても、裏付けのある根拠をしっかりと調べ、目上の存在である西郷に臆することなく意見をきっちり述べるあたりはとても芯の強い人だったんだろうなと推測する。
その渋沢の根底にあるのが孔子の「論語」であり、これも紀元前に書かれた書物ということで孔子の偉大さが伝わってきた。
また、三菱の創始者でもある岩崎弥太郎とのやり取りからも、渋沢は私利私欲に目が眩むような人物ではなく、あくまで国を富ませ、人々を幸せにする目的で事業育成を行ってきたことが後世の評価に繋がり、紙幣の図柄にも選ばれる人物になったのだなと納得した。。
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この人は、死ぬまでバイタリティがあった人なのだと思った。論語をどう解くか。仁や孝も重要だが、孔子も、お金を稼ぐことは悪いことではないと説いていたと言い、謙虚な態度でビジネスに臨む。私利私欲ではなく、国家のために、というのが論語らしい。
孔子自身は、国家の運営にあまり関われなかったとは思う。しかし、時代を経た近代、しかも辺境の国、日本で、国家の経済の基礎を創るのに、論語が読み解かれたことは、孔子もほくそ笑んでいることだろう。
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全体的に自己利益のみ追求しすぎないように、といった内容と捉えた。稲盛さんの教えを思い出した。
また明治維新後の日本について書いているはずなのに、現代日本でも同じ憂いがあるのでは?と思わされるような問題提起・批判が書かれており耳が痛い気持ちとなった。
たまに出てくる具体的なエピソードによる自慢話が、お話好きのおじちゃん感があって和んだ。
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今一度誠実に堂々と生きていこうと思わせられた本でした。
1番心に残ったのは「人格を磨く」という言葉でした。
この意識があるかないかだけで、日頃の些細な細かい感情や言動が違ってくるなと思いました。
Posted by ブクログ
「渋沢栄一」という原点を振り返る本。原点に戻りすぎてイメージしにくいことも多々。斜め読みだったので次回じっくりと読み進めてみたい。
一部抜粋
・「志」が多少曲がっていたとしても、その振舞いが機敏で忠実、人から信用されるものであれば、その人は成功する(P76)
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月並みだがお札になる人はとてつもない偉人だと知ることができてよかった
渋谷栄一の人生論の中で、自分のことだとドキリとさせられる金言が散らばっている
少なくとも今の仕事に不平ばかり募らせる日々ではなく、すこしでも前のめりになれるところを見つけていこうと思えた
本著で繰り返し述べられていた「趣味をもつこと」
これこそが渋沢栄一を数々の事業に携わらせ、老齢になってなお精力的に活動を続けさせた力の源泉なのだと思った
楽しめる奴は強いをまさに体現した傑人
修験者の下りは彼の知恵とユーモアが垣間見える話でよかった
恥ずかしながら渋谷栄一という名をお札になるまで知らなかったので、知るきっかけをくれただけで新札に変えた意味はあったと思えた
善し悪しは別として、三菱や三井よりかっこいい名の残り方だと思う
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まず、この本が今から100年以上前の本ということに驚きです。現代社会にも通ずる、核心をつく哲学書です。
前半は基本的なことが多く、「凡なビジネス書だな」という印象でしたが、後半にかけて唸らされるページが多かった印象です。段階を踏んで論が展開されているのは、筆者が意識されてのことなのでしょうか。この本が多くの人に愛される理由のひとつは、ここにある気がします。内容の薄い昨今のハウツービジネス本より、よっぽどタメになると思います。
特に印象に残ったのは、第10章の最後の節『成功と失敗は、自分の身体に残ったカス』です。常に心に留めておきたいことと思いました。
仕事をしていて、えも言われぬ不安感に苛まれたり、将来のキャリアに悩みを感じた時に時には、この本を読んでみると何か得られるものがあるかもしれません。ぜひ一度読んで欲しいと思います。
もちろん、これから社会に出ようとしている学生にもおすすめです。日々、どういった姿勢で学ぶべきか、何が欠けているのかなど、学生生活を顧みるきっかけにもなる気がします。