あらすじ
「渋沢論語」は、ビジネスパーソンの「最強の教科書」!明治の実業界で活躍し、東京ガス、東京証券取引所など、500もの会社設立に関わった日本の“資本主義の父”渋沢栄一は、年少時代に出合った『論語』を終生手放さず、経営の指針とした。「『論語』は一言一句がすべて実生活に即応用がきく。人生、物事の基本の道理を説いて実にわかりやすく、2500年後の今日でも、読めばすぐ納得して実行できる」「人生でも、仕事でも、どう判断してよいか悩むときがある。そんなとき『論語』の物差しに照らして考え行動すれば、絶対に間違いはないと確信している」読んだその日から実践できる「実学」としての『論語』を、渋沢自身の経験も交え、心血を注いでわかりやすく解説。理学博士で東京大学名誉教授の竹内均の解説を加え、大反響を呼んだ書籍が、読みやすい新装版で蘇る!
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Posted by ブクログ
渋沢栄一が論語を座右の書とし、数々の新事業を成し得る指南としたことはこの本から初めて知ったが、忠恕の心をもって事にあたったからこそ、あれだけのことを成し遂げられたのだろうと思う。
Posted by ブクログ
今度お札の顔になると言われている、日本実業界のパイオニア渋沢栄一氏の論語解説本である。
高校時代に漢文の授業で論語は多少勉強したが、きちんと読んだことはなかった(というか、原文は難しくて読めない)。渋沢栄一氏は孔子の論語や、歴史を本当によく研究し、論語論のような本をたくさん出版している。興味深いのは、孔子の説く道徳をいかに実際のビジネスの場面に応用していくかという観点で解説されているところである。とても分かりやすく、ありがたいお話が詰まっている。
この本の読みどころはもう一つあり、明治維新前後の歴史上有名な人物本人たちとの交流を通じて、○○はこういうタイプの人だ、と生の印象が書かれている。大隈重信は口だけ達者で実行力はないがいい友達だった、とか、伊藤博文は口も達者で実行力もあるがおごり高ぶっている、とか、西郷隆盛は寡黙で腰も低いが物事を強力に推し進める力があった、などである。
渋沢氏の書く、究極のビジネス本である。商売だからと利益を追い求めるだけではだめで、その裏に事業で人を助けたいという思いが常にあったという。偉業を成し遂げた後に書かれた本だが、説教くさくはない。彼のメッセージは若い人達のこころにどれだけ届くだろうか。