松岡圭祐のレビュー一覧
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瑕疵借りとは、賃借人が死んだり、事件や事故が起き、瑕疵告知義務が生じた物件にあえて住む人。瑕疵の説明責任を失効させ、次の賃借人が入りやすいようにという大家や管理会社の依頼をこっそり請け負う。この短編集に登場する藤崎という瑕疵借りは謎の人物で、原発関連死、賃借人失踪、不審な自殺といった事件や事故に関する賃借人の人生をあぶり出し、見事に瑕疵を洗い流す。その過程が名探偵の謎解きそのもので不動産に絡めた社会派ミステリー小説となっている。
また、納得しがたい悲しみや苦しみにうちひしがれていた賃借人の家族や関係者の気持ちをすっきりと鎮めるというヒューマンな筋立てで読後感はいい。
ただ、4作どれも奇をてらっ -
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シリーズ第3弾。
今作も5作の短編からなる。
解説では「続編が待ち遠しい」とあるが、きっとこのシリーズも3作で終わるんだろうと、少し終わるのが勿体ない気持ちで読んでいた。
1作目だけは、スカイダイビング中に失踪した日本人とインストラクターを探すという、これまでにもよく見られたパターンだったが、今回収録されている作品のほとんどはグアムの歴史、その立場の微妙な部分などが全面出されているイメージがずっと漂っていた。
これまでは、ハワイよりも気楽に行けるという触れ込みでグアムの良さを描いていたけど、今作ではグアムの原住民のチ
ャモロ族の歴史や、太平洋戦争時の様子なども描かれ、また2017年に北朝鮮がグ -
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ネタバレ舞台を2009年に移し凛田莉子が帰ってきた
まだ自信が揺らぐ彼女がバンクシーの真偽を
そして事件の本質は漢委奴国王の金印(国宝)
サラリと儒学者亀井南冥の捏造だとか、発見
者甚兵衛の存在確認が出来ない等マニアック
ネタをぶちこんできました
甚兵衛口上書の中身
金印発見 天明四年二月二三日
口上書日付 同年三月十六日
発見場所 筑前国那珂郡志賀島叶の崎
発見者 土地所有の甚兵衛
発見状況 畠の中の小き石段々出候内
二人持程の石有之 かな手子にて掘り除
け申候処、石の間に光候
発見者の兄 喜兵衛の元奉公先米屋才蔵
口上書 津田源次郎
南冥と米屋才蔵は身内
南冥と津田源次郎も交流がある -
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今や芸術の島として「瀬戸内国際芸術祭」には欠かせない直島が2003年から「007」のロケ地誘致の為に奔走する島の人々の姿を描いたノンフィクション。
まだベネッセが「福武書店」だった頃、現在のベネッセハウスを建設する頃から話が始まる。
併設したホテルに「007」の小説家が滞在して、直島を舞台に新作を書いていたと言う話から、「直島で撮影を!」と直島の人々、香川の観光協会などが様々な企画を実行していく。まだフィルムコミッションがメジャーではなかった時代での誘致活動は大変なものだったと想像出来るし、直島の人々の頑張りに心を打たれる。
しかし、何年経っても、ロケ地の決定の連絡がもらえない。
そのうち、映