松岡圭祐のレビュー一覧
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表紙を見て、この人が誰か分かった人は、著者の作品をよく読んでいる人に違いない。
そう、万能鑑定士Qこと、凛田莉子だ!
登場する際、「ちょっとふっくらしていて、もう少し痩せていたらモデルのような美女だったろう」、というのは正直余計なお世話で、(著者に対して)ムッとしたが…。
この、それぞれのシリーズ世界がクロスする手法は嬉しい。
内輪受け、あるいは自己宣伝(NHKみたいな…)と受け取ることもできるだろうが、ずっと読み続けている身としては、単純に喜ばしい。
さて、本題に戻ろう。
本作は文学界の大惨事から始まる。
こんなことがあったら、と思うと恐ろしい。
そして謎解きについて。
本作では副題にある -
Posted by ブクログ
クローズド・サークル。
ミステリーファンなら基礎の基礎と言える、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせるタイトル。
もちろん中身も。
この本歌取りめいた物語だが、そもそも集められた原因は「櫻木沙友理」というとんでもなく売れに売れた作家の後継者選びだった。
櫻木は誰なのか。
その謎解きと、そもそも櫻木はいるのか。
『金田一少年の事件簿』を思い出す。
売れない作家たちの運命やいかに。
終わり方は一回でわからず、数ページ戻ってもう一度読んだ。
なるほど、櫻木は「いた」。
ちょっと解決シーンが急ぎ気味だったかなという印象と、李奈の最後のセリフが蛇足、のような気もするが……。
古 -
Posted by ブクログ
松岡圭祐『高校事変 VII』角川文庫。
ダークヒロイン優莉結衣の孤独な闘いを描くシリーズ第7弾。
シリーズを重ねるごとにその思考が凶暴化していく優莉結衣。
今回はいつもと毛色が変わっている。1年前の事件と現在とが交互に描かれ、いつものようなスピーディーな展開の面白さが感じられない。作者が変わってのではないかという位の変貌に愕然。一応、ストーリー全体の一貫性は保ってはいるが。
シリーズのこれまでは手放しに面白いと思える出来栄えだったのだが、ついに力尽きたか。いや、シリーズはまだまだ続く。多少の中弛みは仕方がない。
京都の緊急事案児童保護センターに身柄を移された優莉結衣。新型コロナウイル -
Posted by ブクログ
しばらく知的財産権(主に著作権、商標権)がらみの仕事をしていたので、今回の物語は楽しかった。
シンデレラ物語と知的財産権の組み合わせ。
なんて発想が豊かなんだろう!
アイデアだけでは著作物ではない、これを逆手に取ったREN という若手作家は、いまいち売れていない作家の良い作品をパクる。
これはひどい話だ。
有名な判例、事件(ワン・レイニーナイト・イントーキョー、江差追分事件)が出てくるのは、元担当者としてはたまらない。
判例集には必ず載っているので、興味のある方はぜひ。
また、シンデレラ起源説についても面白い。
自然発生か、それとも伝播か。
各地域、国のシンデレラ類似譚はどれも面白い。