松岡圭祐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「向かい風のなかでも叡智ある人は、いつも幸せを求める道をたどり、理想の地に至るため、順風に乗るすべを知る」
315頁
この文は、実は本作オリジナルではない。
ルソーの『告白』の一文だ。
悲しい事故を経てなお、という著者からの温かい、救いの言葉なのだと思う。
さて、物語は、クセの強い売れっ子作家、汰柱桃蔵を中心に進んでいく。
彼が出そうとした小説は、実際の事件をもとに書かれたのかと思うほどの、犯人しか知らない事実が書かれていた。
汰柱が罪の告解のために書いたのか。
なぜそれを描こうとしたのか。
杉浦李奈、謎に再び挑む。
本書で考えさせるのは、文章の力強さ、言葉の力、しかし一方で、本が好きだ -
Posted by ブクログ
北朝鮮という国はどんな国なのか?
報道を信じれば軍国主義で一部の幹部が法律を剛拳の如く振るい多くの国民はそれに従わされている。併せて食料や医療が逼迫しておりアジアの中で非常に貧しい国のイメージがある!
果たして本当にそうなのか?
本書を読むと真実かどうかはさておき、ベールに包まれている北朝鮮の地方の実態に触れられる。
また、日本は裕福で自由の国とは言えるが北朝鮮という国と経済的な豊かさ以外でどれ程の違いがあるのだろうと、改めて考えてみたい。
主人公のクム・ヨンイルは北朝鮮の警察官!
11年前の殺人・強姦事件の再捜査を命じられるが過去の捜査の杜撰さを認識させられながら操作を進めていく