古内一絵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本屋さんにて【絶対読得】のポップを見て、手に取った一冊。読み終わった今、本当に読んでよかった。大好きな作品になりました。
人も月も満ち欠けがあるのが自然。欠けている時も大事な時期。
玉青は戦時前から戦後にかけての壮絶な時代を、世の中の価値観や権力が好きで自分がない不気味な人々に流されず、確かな自分を持って生き抜いた。おそらく描かれていない時代もさまざまな満ち欠けを経て生き抜いたのだ。そして玉青の確かな自分を支えたのは、共に過ごした周りの人や、離れでの思い出なのだろう。
情報が溢れて、様々な意見を発信しやすく、その意見に流されやすい今の時代において、確かな自分を持ち、大切にしたいもの、やり -
Posted by ブクログ
「お誕生日」を軸にして繰り広げられる連作短編。
自分が主役になれるお誕生会は、ただ嬉しいだけじゃなく、時にほろ苦くせつない思い出もあるようです。
誕生日を迎えるということは、今まで気づかなかった新しい何かに出会うこと。
学校で、お誕生会が禁止になった小学生。
姪のお誕生会を企画する叔父。
夫のプレゼントに納得できない妻など、7編とも心に沁みるものばかりでした。
物語の背景には、東日本大震災や新型コロナウィルスの流行も見られます。
学校や職場、家族など、身近にいる人たちと祝える大切な記念日は、どんなに時代がかわっても良いものでありたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『百年の子』を読んでからこれを読んだら、過去と現在を交互に描いて、主人公が(読者が)知らなかったことを読み解いていく方式が同じだった。
雄哉が生きる現代と、玉青の生きる昭和、戦争の時代がフラッシュバックしながら、物語が進む。
雄哉が疑問に思っていることや、困っていることが、玉青の時代にスイッチされると理解できるようになっているので、混乱することはない。
もちろん、物語の素晴らしさがその手法によって損なわれることはない。古内さんならではの、魅力あふれる個性的な人たちが次々と現れて、ドラマを作っていく。
以下、ネタバレあり。注意。
玉青と雄哉が出会うこともなければ、雄哉が玉青の人生を知ること