古内一絵のレビュー一覧
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今回のお話も良かったー!最終話なんて、もうウルウルしちゃって大変だった。
前作に引き続き、女性と社会を扱いながら、スイーツに浸れる作品だった。今回は、結婚を大きなテーマにして、夫婦別姓や同性婚、カスハラなども扱う。とても勉強になった。
改姓への疑問をうじうじと考える涼音にはモヤモヤさせられもしたが、彼女が真剣に考えていることはとても大切なことだ。私は改姓について特にこだわりもなかった(むしろ元の名字が全国上位だったので、改姓する気満々だった)が、改姓後の手続きの面倒くささは今でも覚えている。不平等だなと思わない人はいないのではないか。
そういうことにしっかり向き合って、変えていこうとする動き -
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きのうアフタヌーンティーを読み終え
そのまま本日ウェディングケーキを読んだ
私は今作の方が読み応えがあって好き!
冒頭で達也の名前が出てきた私、心の中で小躍り笑
前作は心温まるほっこり作品だとしたら
今作は、それ+世間への訴え に感じた
登場人物の中で言うとトシオと同じ世代なのかなと、
わたしは別姓にもLGBTQ+にもどちらにも肯定的な考えで
要所で出てくる反対派に少し苛立ちを覚えながら読んでいっていた
数年後、この作品が一昔前のものになった時
多様性の考えが当たり前になっていたらいいなと感じた
最終章が一番好き
それぞれの形で世の中の変化を受け入れられる暖かい世界になって欲しいと感じ -
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ネタバレ青年が労働に蝕まれ、追い詰められた結果ビルから飛び降りたが、昔に死んだはずの祖父が幽霊となり現れ、命を救われたというベタすぎる設定に驚きもしたが、読み進めば読むほど深くなる話。
話は戦争の話。
ここに書かれた戦争の話は、沖縄、広島、長崎などの国内の悲惨ではなく、インドネシアでの話。
戦線を拡大していきオランダを打ち払った日本だが、やがて連合軍に玉砕されるまで。
連合軍の接近による焦りや動揺からか、現地人による抗日を捏造し、現地人を大規模迫害したのは紛れもなく日本人だった。
そして次第に雲行きが怪しくなり、やがて突破され続ける戦況のなか、玉砕されている事実すら知らされぬまま、島に見捨てられた -
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令和3年春から始まる。
そして昭和19年へと、場面が交互に入れ変わりながら進んで行く。
令和3年は、新型コロナの感染拡大真っ最中だった
主人公明日花は大手出版社、文林館入社5年目。
学年誌で有名な文林館の今と、昭和19年頃、戦争まっただ中の学年誌出版の様子。
同時に、明日花と母待子、祖母スエ。
女三代の葛藤、そして絆。
児童文学の作家 佐野三津彦曰く、
一般的には戦後は8月15日から始まる、と言われているが、両親と姉を一度に奪われた3月10日(東京大空襲)こそが、自分にとっての敗戦だ。
両親を奪われたら、その後の戦況がどうなろうと、子供にとっては完敗だ。
p269
戦後「鐘の鳴る丘」っ -
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古内一絵さん著「百年の子」
著者の作品は今作品が初読み。
読み応え抜群の作品、とても素晴らしい作品だった。
まず、もうすぐ50歳となる自分には「小学○年生」という学年別学年誌には思い出がある。書店で母親に買ってもらった記憶も思い出され、付録で母親と一緒に遊んだ記憶、母親との忘れていた懐かしい記憶が温もりとなって押し寄せてきた。
終始その母の温もりの様な温かさで包まれた自分の幼少期の記憶を想起させられ不思議な感覚での読書になった。
今まで様々な作品を読んできたがこういう感情を揺さぶられる作品は読んできてなかったのでは?そう思うとそれだけでも充分すぎる作品だった。
そして当然それだけでは収ま