古内一絵のレビュー一覧
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地方競馬場と女性ジョッキー、その所属厩舎の調教師、厩務員と競走馬たちの物語。
瑞穂が初めて手綱を持って一人で馬の背に乗ったときの、草原を駆ける表現が、とても美しかった。
馬と折り合いをつけるのがうまい瑞穂だけど、心に傷を負った魚目の馬、フィッシュアイズと初めて心がかよったシーンは、さすがにウルッときた。
馬同士の関係も興味深かった。ツバキオトメの毅然とした態度、安心して本来の姿を見せるフィッシュアイズ。
競馬は興行の側面が大きいとも感じるけれど、緑川厩舎のように、馬たちが大切にされているといいなと思う。
(なお、私の推しはツバキオトメ。と、口は悪いけれど、ゲンさんも。)
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Posted by ブクログ
同期入社の6人それぞれが、悩みを抱えながらも一生懸命生きてきた四半世紀。
映画業界、世の中、どんなに変わろうとも変わらないものもある。
夢や理想や目標、なりたかった自分に今なれていなくても、何も残せていないように見えても、その時、その瞬間一生懸命生きてきた時間は無駄ではなかった。
私は私を生きるしかない。
「人の歩いていく道は、これまでも、これからも、こうした刹那の積み重ねの中で形成されていくのだろう。
そこには絶えず、生まれてくるものと、消えていくものがある。
時代の波に呑まれて消えていくものがあるように、誰もがなにかを失いながら生きていく。
それでも生きている限り、たとえいくつになろう -
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これは良かった!
また素敵な作品に出会ってしまいました。
廃業寸前の厩舎と新人女性ジョッキー。
一癖も二癖もある厩舎の厩務員たち。主人公の瑞穂はどこに行ってもイロモノ扱いで「女」であることを揶揄される日々。
悔しい思いをしながらも腐らず努力を惜しまない瑞穂。そんな彼女が何かすごいことをしてくれるんじゃないかと期待をふくらませ、ずっと応援しながら読んでました。
人間以上に癖の強い魚目の馬を迎え、困難にぶち当たりながらも厩舎のみんなが一丸となって桜花賞を目指す!
追い込まれての奮闘や逆転劇、スポーツの熱い世界は大好き。そして個性の強い登場人物も好き。
レース後は爽やかな感動に包まれました!!
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購入済み
心温まるシリーズ
マカンマランシリーズ、3作目。
1.2作目に登場した人物も再登場し、シャールを中心に、素敵なキャラクターたちが織りなす心温まるお話の詰め合わせ。ついに3作目も読了してしまい、次でシリーズを読み終えてしまうことが寂しいです、、、。 -
Posted by ブクログ
『強い馬や騎手が、必ず勝つとは限らない。だから、誰にでも死力を尽くす権利がある』
生きていると、生きれば生きるほどに自分の無力さを感じることがあります。どんなに懸命に頑張ったとしてもそれが成果に必ず結びつくかはわかりません。『どこの世界も同じかもしれないが、初めから勝ち組が決まっているんだよ』と言う言葉にあるように、単に懸命な努力とは全く別のところで、自分の力ではどうにもならない、そんな不条理な世界が存在するという現実。それは、どんな世界でも同じことです。勝負の世界と言うと、スポーツが思い浮かびます。人によっては会社組織の中での覇権争いを思い浮かべる方もいるかも知れません。そして、そもそも我