古内一絵のレビュー一覧
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ネタバレドラァグクイーンが切り盛りするマカン•マランでの会話、食事を通して悩みを軽くしてくれる話の第二段。第一話は会社の人間関係に悩まされてるOLが自分を取り戻す話。自分をどうでもいい、役に立ってないと、決めつけてる人に対して何かしら人を思って行動することで役に立ってる人のつながりはそういうことの積み重ねだと教えてくれる。第二話は漫画家を目指してるけど実家を継ぐことになり悩む話。誰かは誰かの代わりにはなれない、なる必要もないことを教えてくれる。第三話は子供の成長に悩む母親の話。よくよく見れば、一人一人に特徴がある。ややもすれば、自分の子には自分がされた嫌なこともしてしまう。子供子供の特徴をみて過ごして
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読んでてとても楽しかった。
スイーツとセイボリーの味を楽しむためにソロでアフタヌーンティーに行きたくなる!
出てくるお菓子も美味しそうだし、アフタヌーンティーの歴史も分かるし、雇用問題、偏見、女性の社会進出、職場の人間関係と色んな要素も絡んでいてかつ自然に主人公の落ち込みと浮上も描かれている単なるお食事小説じゃない。でも主役はちゃんとタイトル通りアフタヌーンティーなんです。ブレない。
ツーラインのアフタヌーンティー行きたいなあ。
作者さんの作品読むのはこれが初めてだったけど著作を見るとジャンルが競馬、伝統芸能、カフェものと多岐に渡るようで、かつご本人は中国語の翻訳者さんということで多才な方が -
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マカン・マラン2作目
すべての話を自分ごとのように読める。境遇も夢も違うのに。さくさく読めてしまう
「生きてくのって、寂しいのよ」
「見知らぬ人たちと密着することを嫌悪しながら、どこにいるのかも分からない見知らぬ人たちの"独り言"に目を凝らす。
よくよく考えると、やっぱりどこか異様な状況だ。」
順風満帆でなにもかも思い通りの人生を望む人が大多数、だってこんな世の中だもん。
幸せになるには、定職について、安全で効率的な道を選んでほしい。建設的に生きた方が資本主義の世界では成功するから。
でもそんな生き方ばかりに執着すればするほど幸せって遠のいていくよね、、
シャールさ -
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タイトルが秀逸
なぜこのタイトルなのか、最後にわかる。
夫婦の関係、母子の関係、会社の同僚の関係、いろいろな問題が戦争を軸に展開されている。
母親の代わりに自分を大切に育ててくれた祖母。その祖母と同じ出版社に入社した明日香。不本意な異動で仕事への意義を見出せなかったが、資料の中に祖母の名前を発見し、それから仕事の取組方が変わる。
戦時中の雑誌の中身についても詳しく取り上げられていて、とても興味深かった。
心に残った文章で
『自分の頭で考えることを放棄して、大きなうねりに身を任せてしまったほうが、楽な部分も多かったのだ。』というのがある。
これが戦争の正体なのかな?何も考えずに従うほうが責任転嫁 -
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ネタバレ最近、うまくいかないことが続いてて、なんで自分ばっかりって思ってた。
嫌なことがあるのは自分だけじゃないって、さすがに分かってはいるけど、実際に続くとやっぱり納得できなくて。
そういうタイミングで、この本を読めたのは本当に良かった!
どんな人でも、見えないところで、泣いてることもある。
しんどい時に、自分を上機嫌にする技をひとつでも持てたらいいなと思った。
*お気に入り*
好きなものがある私たちは強いはずよ。美味しいものを食べるのでも、すてきなアクセサリーを作るのでも、なんでもいいの。自分を憐れみたくなったら、誰かに八つ当たりしたり、甘えたりしないで、自分で自分の機嫌を上手に取って元気になる -
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めっちゃ好きな系統のお話でした。
主人公の異なる6話の連作短編。
40代女性管理職の世間からのラベリングに苦しむ「森の箱舟」
同じく40代女性、あえて1人を選択しているのに都合の良いラベリングに辟易している「眺めのよい部屋」
この二つが特に好きで、この二つに共感している時点で自分も大なり小なりそんなところがあるんでしょう。
あと、ジェリーフィッシュは抗わない、50代の男性がハラスメントに立ち向かうお話も面白かった。
この作品の良いのは最後にちゃんと前に向くところ。
息苦しさに共感すると同時にちゃんと息を吐ける結末が良かったです
2025.7.27
153 -
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ネタバレマカン・マランシリーズ。
シャールさんの暖かさと厳しさ。それに背中を押してもらう人々。いつでも帰れる場所。それがマカン・マラン。
みんな何かを抱えて生きている。
「妬みの苺シロップ」
あんなことはしないけど綾みたいなどうしようもない妬みの感情少なからずある。私もそういうものはグツグツ煮込んでしまえばいいのかな。
「藪入りのジュンサイ冷麦」
みんなそれぞれ自分に合った場所に居ていいって言ってくれるようだった。
シャールさんの言葉はスーッと心に沁みていく。
「風と火のスープカレー」
黄色い撫子は"悲しい嘘つき"と物語の中では言われてたけど、キバナムナデシコ(黄色い撫子)の -
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2018年出版。シリーズ第4作にして最終巻。LGBTQでのマイノリティである主人公。支え合う人との関係。生きている限り、正解も完全解決も有り得ない。悩みながらも埋もれてしまわず、自身の身体と心を救い続けて生きていくこと。失う事を恐れていては、何も選べない。選ぶことは捨てることでもあり、誰かしらを傷付ける事も避けられない。などなど。
いやぁ、涙出て来ちゃいましたよ...。これで評価を「5」以外にしたら大嘘つきでしょう。
登場人物の苦しい状態が描かれるシーンは、相変わらず読み進めるのが辛いけど。これまでの設定が上手く絡められて、素晴らしい。 -
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『最高のアフタヌーンティーの作り方』がとっても良くて、その続きを知りたくて読みました。タイトルから涼音と達也の為のウェディングケーキのことだろうと思ったけれど違いました。
涼音と達也のその後のことではあるけれど、この本のテーマが予想だにしなかったもので、初めは違和感がありました。
個人的な思いとしては、涼音と達也のその後のことをメインにしたストーリーを読みたかった。それが皆無ではないけれど、物足りなさはありました。
結婚すれば、大概は女性が改姓する。でも、そこに違和感を抱いた涼音。かと言って、達也に改姓してほしいというわけでもない。初めは涼音のそのこだわりが重たく感じました。
で -
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読後感がとてもよくて、続編を作って欲しい。
タイトルから、仕事にまつわるお話かと思ったけれど、それだけではない。偏見や差別、育児、家族にも踏み込んでいて、身近に感じられたストーリーであり、自分自身はどうだろうかと考えさせられた。
達也が鈴音のことを「この人は元々、美しいものを探させる眼を持っているんだ」と思ったように、「美しいものを探せる眼」を持ちたいと、読み終わって思う。
アフタヌーンティー。この本を読むまでは、午後に飲む紅茶のことだと思っていました。アフタヌーンティーとは、スイーツを紅茶と一緒に楽しむこと。スイーツは2段あるいは3段のスタンドに盛りつけられている。贅沢だけど、1度はア -
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これはすごい!
最初は要領の良いデキ婚した同僚に都合よく利用されている主人公にイライラしましたが、読んでいくうちに時代の流れで仕方なかった出版社の事情だったり、貧しくて教育を受けられなかった人のその後の人生、今では考えられない働き方など、3世代の人間の目を通した壮大な群像劇に、あれ?これってもしかしてあの方では?と予想しながら読んだものが当たったり外れたり、意外な所で繋がったりとワクワクしました。特におばあちゃんの話が良い。性格も良いし良き母ですね。
お話が進んでいくにつれ、出てくるとイライラしていた人物達に対する評価が自分の中で変わっていくのがわかる。1人の視点で見ると、すごく嫌な奴に見えて -
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いやぁ〜。
戸惑いました、戸惑いましたとも
夫婦別姓とかフェミニズム(性差別をなくし、性差別による不当な扱いや不利益を解消しようとする思想や運動のこと)とか…
肩に力入れて考えなくてもいいのでは?と思ってるんで、延々と語られる問題定義に正直に言って、何度本を投げようかと思ったか分かりません
作者さま、ゴメンナサイ
わたしは涼音さんのお仕事するときの立ち居振る舞いが好きだから
涼音さんと達也さんのその後が気になったから
とってもすてきなお菓子にふれたかったから
なんで…
なんで…
大好きな世界がぁ〜(泣)って感じでした、本当に。
瑠璃ちゃんと桜山ホテルラウンジのあたらしい仲間・長谷川俊生くんが -
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2025.10.8
再読です
愛と平和と革命に燃える、誇り高きドラァグクイーン
シャールさんにまた会える!!♡
『いつかまた、機会があれば、あらためて彼らの物語を書いてみたいと思います』
作者さまのお言葉から7年…。
10月21日に続編となる最新刊
『女王さまの休日 マカンマラン ボヤージュ』が発売♡
まさかこの作品のつづきが読めるなんて、、
(ʘᗩʘ’) (´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
嬉しすぎる!
感情がジェットコースターです
ということで、再読
ひとつひとつの食材の瑞々しさを活かしたお料理に、シャールさんの、時にはつつみこむような、時に