古内一絵のレビュー一覧
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シャールさんin台湾。(取材旅行のさくらちゃんと付き添いのジャダも)
美味しいものが沢山というイメージの台湾。行った事はないけど、文章からスパイシーな八角の香りが漂ってきそうで、取材しているさくらちゃんやジャダと一緒に旅をしている気分になれた。
美味しいものだけじゃなくて、台湾情勢や歴史がフラットに表現されていて考えさせられるものが多かった。特に九份や台湾珈琲、LGBTQ事情。フェアリーテイルゲイというのは初めて知って、自分もそういったイメージを少し持っていた事に気付いて、複雑な気持ちになった。
真奈ちゃんの魯肉飯が美味しそうだし、『妬みの苺シロップ』にその後があってスッキリした。 -
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最終巻は挫折と苦難を乗り越える人たちを描いていた。
空気の読めない希実は自らの過ちに気付けたし、周りの悪意を敢えて『無視』して、意外とアウェイも悪くないと思えるようになった。孤独を楽しめる自分にとっては、アウェイも悪くないぞと、これからの希実の人生にエールを送りたくなった。比佐子との年齢が関係ない友人関係も築けて、趣味のビーズアクセ作りも続けられて、無理して承認欲求を満たしていた頃よりもずっと満たされていると思う。
前作からの登場人物の掘り下げも面白かった。挫折から立ち上がるために、シャールさんとの縁があるのが羨ましい。
シャールさんにも苦悩はある。だけど穏やかにかつ鮮烈に「エピファニー」を感じるシャールさんはこれからも唯一無二の女王様だと信じている。
さて、『マカン・マランボヤージュ』を読もう。 -
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第一話 さくらんぼティラミスのエール
高校2年生の秋元希実は、仲良くしていた友人グループから、なぜか距離を置かれるようになる。自分が招待されていないSNSのグループトークで悪口を言われていることまで知ってしまい、孤独と不安を抱えることに。
第二話 幻惑のキャロットケーキ
香坂と共に、かつて世界一のレストランと称されたジパングでホールスタッフを勤めた芦沢庸介(あしざわようすけ)。
SNSの炎上をきっかけに、経営するレストランは傾いていく。香坂との再会、マカン・マランとの出会いをきっかけに、自分は刺激的な料理を作り、語り継がれる店を作っていくことを決意する。
第三話 追憶のたまごスープ
更紗
一回り上の裕福な夫とタワーマンションで暮らしていた更紗。母に愛された記憶もないまま、妊娠する。しかし元妻との間に既に子供がいる夫は暗に産むことを否定する。
不安を抱える更紗に「誰だって不安なのよ」とシャールが告げ更紗は離婚を決意する。幼い頃、母は自分の料理にだけ卵を入れていてくれたことを思い出し、母も少しは愛してくれていたのかもしれないと思い実家に帰る。
第四話 旅立ちのガレット・デ・ロワ
クリスマスを迎えたマカン・マランに、ある美青年が訪れる。この美青年は、柳田が水泳部の顧問をしていた時の部員。自分の性に違和感を覚えた雪村襟香を男部員として迎え入れた水泳部員と柳田。そんな襟香(エリック)が性転換手術を決意したことをシャールと柳田に伝えた。
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第一話 妬みの苺シロップ
弓月綾(ゆづきあや)
コールセンターでアルバイトをしながら、「私はあなたが嫌いです」という酷評を集めたサイトを運営していた。
藤森裕輝の後輩で、漫画家デビューした裕輝が自分のことを忘れてしまっていたことをきっかけにアンチになる。
シャールが料理を出さなかった。代わりにシャールお手製の保存食である苺シロップとレシピをあげた。
第二話 薮入りのジュンサイ冷や麦
一流の料理人を目指していた香坂省吾は、思うようにいかない現実に直面し、料理人としての自信を失ってしまう。さらに、味覚にも問題を抱え、以前のように料理を楽しめなくなっていた。
そんな省吾は、ライターの安武さくらに誘われてマカン・マランを訪れる。
第三話 風と火のスープカレー
燿子
シャールの元同僚であり、タワーマンションで暮らしていた。愛人との間に子供ができたと、夫に離婚を切り出され見栄を張りたい夫は離婚式を開くという。
その離婚式に着るためのドレスをシャールに依頼する。ちなみにウェディングドレスもシャールに依頼して作ってもらった。
夫の体裁を守るために開かれた離婚式で絶対に燿子は辛かったはず。そこに突然現れた男装姿の御厨は本当にかっこよかった。
第四話クリスマスのタルト・タタン
マカン・マランの常連客であり、その界隈の地主でもある比佐子。比佐子の終活をテーマに、比佐子のこれまでの過去がわかる。したくなかった結婚、「ここにいていい」と守ってくれた祖父、そんな祖父との思い出のタルト・タタン。
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第一話 蒸しケーキのトライフル
主人公:西村真奈(まな) あだ名:マナチー
読書が好きなOL
第二話 梅雨の晴れ間の竜田揚げ
藤森裕紀(ひろき) 漫画家
出来のいい兄と自分を比べていた。
130年続く老舗旅館を継いだ兄が亡くなり、代わりに女将である母を支えてやってくれないかと打診される。
第三話 秋の夜長のトルコライス
伊吹未央(みお) 小学生の息子、圭の母。
シングルマザーで幼少期から厳しく躾けられた経験から母が苦手。
圭が発達障害なのではないかと恐れていた。
第四話 冬至の七種(ななくさ)うどん
柳田敏(さとし)
高校2年生の娘、真紀(まき)が文系から理系への進路変更することに対して猛反対する。 -
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すっかりこのマカン・マランシリーズにハマり中。長い人生、落ち込んだり不安になったりすることもあるけれど、そんな悪いもんじゃないのよと包み込んでくれるようなシャールさんの人柄がとっても素敵で読むと優しい気持ちにしてもらえる。こんな風に彼女の言葉を生み出せる作者もきっとあたたかい人なんだろうなと思うくらい、すっかりシャールさんの虜になってしまった。私もお店に会いに行きたい〜〜!
今作は人の顔色ばかり伺ってしまうOLや子供の発達に悩んでいる完璧主義の母親など、主人公の感性が自分と近くて前作以上に共感するシーンが多かった。三話のラスト1ページは子を愛おしく思う気持ちが胸いっぱいに広がって気づくと涙。
やっぱり面白いし好き。続編も楽しみ! -
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ネタバレマカン・マランシリーズの次に手に取った古内一絵の本『東京ハイダウェイ』。マカン・マランシリーズの時にも思ったが、古内一絵の短編はキャラクターが紋切り型ではなく、しっかり練り込まれていて、それを軸に物語が展開するので読み応えがある。あっという仕掛けや大きな事件がなくても、主人公が抱えている事情を知っていくだけでも面白くてページをめくる手が進む。ひとつひとつは長くないのに、こんなふうに丁寧に作り込まれた物語に触れると、読書をしていてよかったなあ、という気持ちになる。
好きなのは『星空のキャッチボール』と『眺めのよい部屋』。
『星空のキャッチボール』は堅実な仕事を積み重ねていく桐人が主人公。ひどい不眠症に悩まされているが、同僚の女性が通うプラネタリウムで昼休みを過ごすことによって、不眠症の原因だった亡き父への思いに気づく。読後、じわりとあたたかい気持ちが胸に広がった。小説を読むことの醍醐味、人と関わることの醍醐味、それを静かに噛みしめて元気が湧いてきた。