丸山正樹のレビュー一覧

  • ワンダフル・ライフ

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    ネタバレ

    有能/無能なんていう物差しは、社会が作ったものにすぎない。そんなもので命の価値に軽重をつけたくない。健常者の感覚で言うならば、コスパ•タイパが重視される社会で、それに適応できる人が「優秀」と評価される。
    でも本当は生きているだけでその生が尊重される世界で生きたい。
    なんていうのは綺麗事かもしれないけど、少なくとも命の選別が行われて、蔑ろにされている命がある今の社会では生きていたくない。



    •353頁の裕太のセリフに刺された。
    「自分が差別的な人間と思われたくないからそんなこと言ってるんだろ。会いたいわけないじゃないか。いや仮に会いたいというのが本心だとしても、それはあくまで『奉仕の精神』だ

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    2025年09月04日
  • 青い鳥、飛んだ

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     大手フランチャイズ加盟コンビニ店主の主人公は、「万引き犯など最低の人間」との正義感の強い人物で、許しを請われても必ず警察に通報して、喜びを味わっている。ある日、菓子パンを万引きした男を捕まえようとして、もみ合いうちにその男を死亡させてしまい、人生は大きく崩れていく。妻子との離別と娘のパパ活疑いが、心をかき乱す。一方、児童養護施設で暮らしていた頃に万引きで捕まり、人生が大きく崩れてしまった女性。バイトを掛け持ちしながら必死に自律生活を夢見るが、コロナ禍で次々に職を失い、メンズエステで働いている。しかし、インターネットでの書き込みなどに不安を抱き、目標の貯金も貯まり潮時だと思っている。自身の児童

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    2025年08月30日
  • わたしのいないテーブルで

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    ネタバレ

    自分の子どもが聴こえない子どもだった場合、先天性にしろ後天性にしろ、親は、せめてどちらかの親は手話を覚えるものだと思っていました。
    覚えて、子どもとコミュニケーションをとるものだと思っていました。
    それが、まさか結構な数の親が手話をさせないで口話をさせているなんて。
    手話をする子どもと一緒に歩くのが恥ずかしいと、それを子どもに言う親がいるなんて。
    これが小説の中の話でなく、現実の話だということに衝撃を受けました。

    瞳の今後が気になります。
    案じられてなりません。

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    2025年08月29日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    興味があったけど、ドラマは途中で離脱してしまった。時間をおいて読んだ小説は、興味深くおもしろく、一気に読み進んだ。
    10年前に旅行したニュージーランドで、添乗員が普通に、英語とマオリ語と手話が公用語だと話すのを聞いて、ニュージーランドがもっと好きになった。
    この世に生を受けた人全てに、幸せであってほしい。

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    2025年08月21日
  • 慟哭は聴こえない

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    デフ・ヴォイスシリーズで、これだけ読んで無かったので。

    決して明るい話ではないけれど、知るべきことが記されてる本というか、読んで良かったと思うし、色々と考えさせられる。

    ろう者ではないけれど、何森さん、何だか気になる人だなぁと思ったら、スピンオフ出てるのか!
    まだ文庫にはなってないのかなぁー。
    読んでみたい!

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    2025年07月17日
  • わたしのいないテーブルで

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    ディナーテーブル症候群という言葉自体はきいたことがあったし、概要もある程度は知っていたけれど、いざ当事者の声を読むとかなりきついものがある。
    毎度のことではあるが、今回は特に全体的に入念なリサーチのもと書かれていて、ろう文化・ろう者を取り巻く社会のことがよくわかるものだった。SNSでろう者が日々呟いていることがまさに出てきて、より心に重くのしかかるものになった。正直、ろう者と聴者の分断は完全に無くなることはないと思っているけれど、少なくとも自分はニュートラルでありたいと願う人はこのシリーズを読んでほしい。きっともう読んでいるかもしれないね。

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    2025年07月05日
  • わたしのいないテーブルで

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    見えない は 疑似体験できる気がするが
    聞こえない は なかなか難しい
    音が無いのに 聞こえる気がするなんて
    紛らわしい事もあるようだし

    聞こえる家族の中で自分だけ聞こえない
    聞こえない家族の中で自分だけ聞こえる
    どちらも孤独感は想像を越えていると思う

    お互いに歩み寄れると良いのにと思うのは
    当事者ではないからかもしれないけれど
    少しずつでも考えていたいとは思う

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    2025年07月05日
  • わたしのいないテーブルで

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    丸山正樹『わたしのいないテーブルで デフ・ヴォイス』創元推理文庫。

    『コーダ』の手話通訳士・荒井尚人を主人公にした『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』シリーズ第4弾。

    『デフ・ヴォイス』とは、ろう者の発する明瞭でない声、何を言っているか判然としない言葉のことで、『コーダ』とは、ろう者の両親から産まれた聴者のことである。著者は一般の人が全く知らない聴覚障害者について誤解することが無いよう非常に気を使ってその実態を極めて詳しく、正確に描いていることが良く解る。

    今回は『ディナーテーブル症候群』という家族や友人、仲間と交われない聴覚障害者の苦悩がテーマとなっている。ページを捲る度に聴覚障害者の

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    2025年05月30日
  • 刑事何森 孤高の相貌

    購入済み

    こっちがわから

    デフ・ヴォイス」で馴染みのある何森刑事が主人公。シリーズのスピンオフ。荒井尚人視線から何森刑事視線になり、伏線回収もできる。何事にも視線を変えると言うことは大切だなと感じる。視線を変えると生きやすくなるのにと思う。

    #アツい #共感する #切ない

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    2025年05月25日
  • ワンダフル・ライフ

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    健常者が障がい者を特別扱いするのは差別なのか
    障がい者の子どもを殺してしまった親は…

    「無力の王」「真昼の月」「不肖の子」「仮面の恋」という4つの物語が同時進行で展開されていきます

    どうしても傲慢で偽善的になってしまいますが、とても考えさせられる本でした

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    2025年05月10日
  • 夫よ、死んでくれないか

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    タイトルは少々物騒だけど、主人公麻矢の夫に対する分析?気持ちはすごーーーーく共感。
    話さなきゃ、言わなきゃいけないことは分かってるのに、それらから逃げちゃってることも。
    ま、諦めとも言えるけど。

    麻矢がどんな決断を出すのかは書かれてなかったけど、今まで言えなかったこと、思ってたことをぶちまけたんかなぁ、と。
    もし私ならどうせ別れるなら言ったって仕方ないよな〜と思ってしまうな。

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    2025年04月28日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    ろう者と関わるミステリー。
    ろう者といっても十把一絡げではなく、どの手話を使うのか、どんな環境で生きてきたのかによって異なる。
    ろう者と聴者には異なる世界があり、世界をブリッジする人が必要である。ブリッジするのが、通訳者の主人公だ。
    ブリッジはろう者に限らない。わかりやすいのが今回の設定だが、聴者だろうと言葉をうまく使えない人もいる。そうした人が、不公平な形で扱われてはならない。言葉が使える私は、わかろうとする努力、それを伝える努力が必要だ。

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    2025年04月26日
  • ウェルカム・ホーム!

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    100人以上の入居者のいる特別養護老人ホームで働く新人介護士のお話だ。もちろん文章ではあるが介護現場のリアルが多少なりともわかった。
    どこからともなく漂う便臭、認知症による徘徊、陰部洗浄、宿便対応、孤独な入居者の事情、そして死…果たして自分にはできるか…そして現実問題として、これから我がオフクロを施設に入れてお世話になることも充分に想定しておかねばならない…

    派遣切りにあい仕方なく就職し、最初は嫌々いつ辞めようかと働いていたが、仕事を覚えるに連れ、やり甲斐等を見出して成長していく主人公が逞しく思えた。

    本編の解説は、なんとメイプル超合金の安藤なつさんが書いている。もともと介護施設でお手伝い

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    2025年04月12日
  • 慟哭は聴こえない

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    前の二作品を読んでから少し時間が経ってしまったので、読み返してから手に取りました。

    「聞こえない」ということは、世間的には「障害」といわれることもありますし、日常生活の中で苦労することも多々あるのだと思います。
    それでも、「日本手話」という言語と「ろう」という文化をもち、暮している彼らの生きざまは決して不幸ではありませんし日々の生活の中での出会いや感情の機微は、「聞こえる」「聴こえない」という特質による差はなく、みな一人ひとりの人間なのだと改めて感じます。

    CODAとして育った主人公・荒井がついに家族を持ったあとの4つのエピソードからなる連作短編集ですが、読後感は暖かく、ますます作品の世界

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    2025年04月11日
  • 慟哭は聴こえない

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    ネタバレ

    主人公が結婚し、子どもが生まれたけど、子どもは耳が聴こえなかった。

    人工内耳の手術しても、そこまできれいに聞き取れないのか…と知った。親は手術するか悩むし、言葉をどうするか悩むし、育てていくうえで進路にも悩むし…。
    自分も障害ある子を育ててるので、子の生き方育て方に悩むの、ジャンルは違うけどわかる気がする…。

    どの話も考えさせるエピソードだけど、ある地域限定の手話というのはかなり心に残った。

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    2025年04月04日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    この作品は、「コーダ」(両親ともに、もしくは一方がろう者・難聴者でも、聞こえる子ども)が主人公である。これまで、障害を持った方を中心に描いた作品は多かったが、コーダという視点はあまり無かったのでは無いか。私自身、コーダという言葉を初めて聞いたということもあり、学べることも多かったが、あくまでも推理小説であるので、あまり同情を買うような話でも無く、非常に読みやすかった。

    また、徐々に事件や主人公についてのことが分かっていくため、読み進めていく面白さもあり、最後は少し心がざらっとするような感覚があった。

    是非多くの人に読んで頂きたい作品であった。また、他にもシリーズがあるようなので読んでみよう

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    2025年04月03日
  • 龍の耳を君に

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    シリーズ化されていたとは知らず僥倖でした!
    1作目の内容を踏まえている描写もあり、初見の人は若干とまどうかもしれません。
    しかし聾の方々のコミュニティがなぜ閉鎖的になりがちなのか、どんな孤独を抱えていらっしゃるのかを知るには、これ以上の入門書はないのではと思います。

    朴訥で透明感のある主人公も好きです。
    宮部みゆきさんの杉村三郎シリーズや、中山祐次郎さんの泣くな研修医シリーズを思い浮かべました。

    老女の手話を聞いた時には、手話に性別はないのかなと耽ったりもしました。考えの深まる良い作品だと思います。

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    2025年03月27日
  • 慟哭は聴こえない

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    「デフ・ヴォイス」シリーズの第3弾
    聴こえない人たちが直面する様々な現実を、前作よりも更に深く、読者に突き付けてくる内容だった。
    医療へのアクセス、
    教育機会へのアクセス、
    聴者が抱く「クールなパフォーマンス」としての手話の「イメージ」と、ろう者にとっての「言葉」であり「文化」である手話のギャップ、
    職場内での差別や孤立、
    それらと並行して、尚人と妻のみゆき、みゆきの連れ子である美和、尚人とみゆきの間に生まれた「聴こえない子ども」である瞳美が、徐々に「家族のかたち」を作っていくストーリーが描かれている。
    読み終えてからあらためて表紙を見ると、少女のポーズの意味が分かってキュンとする。
    今回も、

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    2025年02月16日
  • 龍の耳を君に

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    【「龍の耳を君に」丸山正樹】
    「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」シリーズの第2作。丸山正樹さんの作品は、ミステリとしての面白さと、社会の中で見過ごされている課題への気付きが相乗りしている。読んでいる間はすごくドキドキ・ モヤモヤするのに、読後感か爽やかなところが好き。

    不十分な通訳で無実の罪の被疑者となってしまった林部、
    日本語対応手話での取り調べに応じなかった新開、
    手話によって「自分の言葉」を得た場面緘黙症の少年、英知。
    「意思を自分の言葉で伝える」ということは、「尊厳」そのものなんだと思った。

    ろう者や日本手話、ろう教育の歴史などについても多くを知ることができる。その丁寧な描写から

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    2025年01月29日
  • 慟哭は聴こえない

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    デフ·ヴォイス シリーズの第三弾。
    手話通訳士の荒井尚人が依頼を受ける人々との関わりの中に、大切な事がこの世には沢山ある。ということを教えてくれる。
    昨年は草彅剛さん主演でドラマ化もされました。
    このシリーズでは新井さんに新しい家族が出来ます。父となった新井さんは少しずつ心ほどかれ、柔らかな表情を見せてくれる。
    私は、このシリーズを読み、初めてコーダや手話表現、ろう文化など沢山の事を知りました。耳が聴こえないことの生きづらさも物語を通して初めて知ることばかりで、自分がいかに何も知らなかったかをしり愕然としたものでした。

    もっともっと沢山の人に、この本を読んでほしい。
    そして、皆がお互いに歩み

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    2025年01月22日