あらすじ
旧知のNPO法人「フェロウシップ」から、民事裁判の法廷通訳をしてほしいという依頼が荒井尚人に舞い込んだ。原告はろう者の女性で、勤務先を「雇用差別」で訴えているという。かつて勤めていた警察で似た立場を経験した荒井の脳裏に苦い記憶が蘇る「法廷のさざめき」。何森刑事と共に、急死したろう者の男性の素性を探る旅路を描く、シリーズ随一の名編と名高い「静かな男」など、コーダである手話通訳士・荒井が関わる四つの事件。社会的弱者や、ろう者の置かれた厳しい現実を丁寧な筆致であぶり出した〈デフ・ヴォイス〉シリーズ第3弾。/解説=池上冬樹
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デフ・ヴォイスシリーズで、これだけ読んで無かったので。
決して明るい話ではないけれど、知るべきことが記されてる本というか、読んで良かったと思うし、色々と考えさせられる。
ろう者ではないけれど、何森さん、何だか気になる人だなぁと思ったら、スピンオフ出てるのか!
まだ文庫にはなってないのかなぁー。
読んでみたい!
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前の二作品を読んでから少し時間が経ってしまったので、読み返してから手に取りました。
「聞こえない」ということは、世間的には「障害」といわれることもありますし、日常生活の中で苦労することも多々あるのだと思います。
それでも、「日本手話」という言語と「ろう」という文化をもち、暮している彼らの生きざまは決して不幸ではありませんし日々の生活の中での出会いや感情の機微は、「聞こえる」「聴こえない」という特質による差はなく、みな一人ひとりの人間なのだと改めて感じます。
CODAとして育った主人公・荒井がついに家族を持ったあとの4つのエピソードからなる連作短編集ですが、読後感は暖かく、ますます作品の世界観に引き込まれました。
2025年5月には、シリーズの最新作「わたしのいないテーブルで」が文庫化されるとのことで、いまから刊行が楽しみです。
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「デフ・ヴォイス」シリーズの第3弾
聴こえない人たちが直面する様々な現実を、前作よりも更に深く、読者に突き付けてくる内容だった。
医療へのアクセス、
教育機会へのアクセス、
聴者が抱く「クールなパフォーマンス」としての手話の「イメージ」と、ろう者にとっての「言葉」であり「文化」である手話のギャップ、
職場内での差別や孤立、
それらと並行して、尚人と妻のみゆき、みゆきの連れ子である美和、尚人とみゆきの間に生まれた「聴こえない子ども」である瞳美が、徐々に「家族のかたち」を作っていくストーリーが描かれている。
読み終えてからあらためて表紙を見ると、少女のポーズの意味が分かってキュンとする。
今回も、さんざんモヤモヤした末の晴れやかな読後感が最高!!
行き倒れたろう者の出自を追う尚人と何森刑事の旅では、ろう者と聴者が等しく手話で話す地域が登場する(そのような地域が現実に存在するらしい)。
何森刑事の生育歴がさらに気になり、スピンオフ作品も読みたくなった。
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デフ·ヴォイス シリーズの第三弾。
手話通訳士の荒井尚人が依頼を受ける人々との関わりの中に、大切な事がこの世には沢山ある。ということを教えてくれる。
昨年は草彅剛さん主演でドラマ化もされました。
このシリーズでは新井さんに新しい家族が出来ます。父となった新井さんは少しずつ心ほどかれ、柔らかな表情を見せてくれる。
私は、このシリーズを読み、初めてコーダや手話表現、ろう文化など沢山の事を知りました。耳が聴こえないことの生きづらさも物語を通して初めて知ることばかりで、自分がいかに何も知らなかったかをしり愕然としたものでした。
もっともっと沢山の人に、この本を読んでほしい。
そして、皆がお互いに歩み寄り支え合う日常を見たい。
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相手に寄り添うためには、相手が今何を必要としているか、困っているかを想像する必要があるけれど、知識がなければ想像することも難しいと思う。
辛いこと、うまくいかないこと、心の中のことを話せる人がいることが、一番の救いということが、一つのテーマなのかとも思った。
最後に美和と栄知くんのつながりに救われる最後だった。
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デフ・ヴォイスシリーズ3作目。
今回も面白かったです。
今までと違って、4つのお話からなる連作短編集になっていて、前より読みやすくなったと思います。
『静かな男』では泣いてしまいました。
この作品を読むと、いつも切なくて温かい気持ちになります。
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シリーズ3作目。ろう者を取り巻く問題を知ることができる社会的な側面と、家族の成長も温かく見守ることができるハートフルな側面を合わせ持つ、特別なシリーズだと感じる。続けて4作目も読みたいと思う。
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デフ・ヴォイスシリーズ第三段。
『慟哭は聞こえない』
聾者にとっての緊急通報の問題。作中では、サービスの欠如で通報が遅れ、痛ましい結果となったが、現在は、事前登録することでメールやチャットでの通報対応、GPSでの位置検知対応などができる緊急通報サービスが整備されているよう。文字の入力が難しくても状況を動画や画像撮影して送ることもできるし結構便利かもしれない。緊急時、家に一人でいる際など、いつでも口が利ける状態とは限らないし、自分でも登録しておきたいぐらい。
ストーリーの展開上仕方がないとはいえ、聾の若い夫婦があまりにも受け身というか危機管理がなってない気がした。妊娠に気づき、産婦人科を受診という段に、市の手話サービスに不信感があるなら、ネットで少し調べれば手話や筆談対応の産婦人科などすぐに出てくる。何があるかわからない妊娠後期、出かける時は、大きく「救急車を呼んでください」などと書いた紙を持ち歩いていてもよかったのではないか。聾者に対する理解と社会整備はもちろん急務だけれど、受け手の積極的な情報収集と不完全な部分を補う自助努力も必要。片方からだけの歩み寄りには時間がかかってしまうのだから。
『クール・サイレント』
『星の金貨』『愛していると言ってくれ』『オレンジデイズ』『silent』…、聾者の登場するドラマは案外多い。唯一観ていた『オレンジデイズ』、もう20年前のドラマにもかかわらず、最後の最後に勇気を出して妻夫木の背中に向けて声をあげた柴咲コウのシーンは今でも鮮明に思い出せるほど感動したことを覚えているけれど、あれは聴者目線の感動でしかなかったのか…と愕然。作中では、聾者を演じる聾のモデル・HALが、聴者の相手役からの手話を用いた愛の告白に、手話ではなく口話で答えるという台本に異議を唱える。大切な言葉であるからこそ、”自分の言葉”で伝えるのが当然ではないか、と。聴者たちからの”聾者のイメージ”の押し付けに対する精神の摩耗と、自分は聾者を代表して聴者と互角に渡り合うのだ、という気負いからくるプレッシャーで意固地になっているのか、と解釈してみたりするが、実際、聾者の方全般にとってもそうなのか。
『静かな男』
行旅死亡人である男の身元を探る中で、テレビに映るその男が「水久保手話」を操っていたことから瀬戸内海に浮かぶ島の集落・水久保出身者であることがわかる。集落では聴者・聾者の別なく誰もが普通に手話を使い会話する。そんな、社会が目指すべき理想郷で生まれ育ち、よくしゃべった男が、都会の暮らしの中で徐々に”静かな男”へと変貌し、最後は孤独な死を迎えざるを得なかった男。島を出る必要が本当にあったのか、もっと早く踏ん切りをつけて帰郷することができなかったのか。やりきれなさに涙が出た。
『法廷のさざめき』
障害者雇用枠で雇用された女性が会社や同僚たちの対応に不満を持ち、民事裁判を起こす。実際、助成金目当てに雇用し、適切な環境を整えない企業はたくさん存在するのだろうな。聾者一人を雇うために、通訳を雇うことをナンセンスと考えることは、例えば、生理休暇や産休を与えてまで女性を雇用する事はナンセンス、と考えること変わらないことを思えば、その思想の危うさに実感が伴う。
Posted by ブクログ
オーディブルにて。
やはり障害者とその周りの環境について興味があるからか面白く読めた。
聾者として生まれた瞳美が手話を覚えた2歳になるまでが飛んだけど、文字の概念も分からぬうちにどうやって教えたのか気になる。
3作目なので新井とその家族の成長も一緒に追えて面白い。
「一人でも障害児を減らせるように」との言葉にみゆきは 障害児は減らさなきゃいけないものなのか、この子は変わらなきゃいけないものなのか と思ってたけども、障害児に関わる者としては 人工内耳のようにその子自身が大きく変わらなくても道具や環境を変えることで生きづらさがなくなればいい という思いなのかな〜とも思いつつ。
でも少なからず(人工内耳ならば手術など本人自身の努力でなくても)本人が変わった部分もあるか、とも思いつつ。正解がないから難しい。
Posted by ブクログ
Audibleにて。
デフボイスシリーズ3作目の連作小説。
最初の短編は妊娠中の妻をもつ自分には辛すぎる話だった。
続く民事裁判の話は、クライマックスで鳥肌が立った。
ろう者に限らず、自分で声をあげることが難しい人間は想像以上に多い。
なんで言わないんだ、ではなく、聴きにいけるだけの余裕をもちたい。
最後の短編では天真爛漫だった長女の成長を感じられ、このシリーズは引き続き読んでいきたいと思った。
Posted by ブクログ
彼女は何か叫んでいた 彼女も彼も知らない声で。と締めくくられたラストの赤ちゃんが助からない現実 これこそがデフヴォイスの真髄なんだって事。どれもこれも司も瞳美もみんな障害を持って何かしらの差別を受ける、本当に歩み寄らないとダメなのはどっちなんだよって話で自分にも絶対あった筈だから、恥ずかしい 外伝ぼいいずもりの愛媛県の旅が好きかな 最後に涙を流す息子を認識出来たお母さん 司を助けるのと新開が登場するとか いいね。みゆきと美羽と本物の家族になれた気がする HALを見てた美羽は大丈夫だと理解出来た
Posted by ブクログ
シリーズ第3弾。すっかりこのシリーズの虜になってしまった。
コーダである主人公荒井がついに家族を持つ。荒井家の6年間と、手話通訳士の仕事を通してろう者の生きる世界、取り巻く環境、社会問題を浮き彫りに。
ろう者の緊急時通報が少し前までとても大変で、事前登録が必要だったとは驚き。現在はアプリがあるが、聴者のように容易ではない。緊急なのに…。
手話には2種類あるとシリーズ第1弾で学んだが、特定の地域の独自の手話が存在する(方言)。先天性難聴児への治療、人工内耳をする事への葛藤・メリット、デメリットなど。障害者雇用の難しさなど。
その立場にならないと知らない世界が沢山ある。第3章静かな男では泣いた。
Posted by ブクログ
それぞれの作品から、家族の繋がりや、障害への社会の壁、生きづらさ、けれど、生きていく強さを、感じました。
主人公の家族も、葛藤しながら、家族らしくになっていく過程が、伝わってきて、読んで、よかったです
Posted by ブクログ
今回もすごく良かった。
娘さんの成長についてもっと読みたかったけど、
人工内耳のこととか、
先天性失調児をどう育てていくか、
様々な葛藤が描かれていたのが
胸を打った。
障害者雇用制度についても、
問題はいろいろあるんだろう。
うちの職場にもいらっしゃるけど、
半年〜一年くらいで替わられている。
やっぱり働きにくいんやろうなぁ。
私も確かにコミュニケーションとれていないしなぁ。
身近なところから始めていこう、と
問題意識を持たせてくれます。
それぞれの世界で
手話通訳士の荒井尚人。前作から時がかなり経過し、みゆきと結婚後、女の子を授かる。その子には聴覚障害があった。どのように育てて行くか、尚人とみゆきの葛藤。同時に4つの物語が並行して展開する。聞こえることが普通の私には、聞こえない世界がどんなものか想像できない。しかし、それぞれの世界で、悩みながらも成長してゆく。尚人、みゆき、美和と瞳美、そして司の今後が気になって仕方がない。
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前作も自分の「無意識の偏見」に気づいて衝撃だったが、今回も2話目に出てきた医療従事者の一言に考えさせられた。
ろうという個性、そのありのまま、ではいけないのか?と。
自分の周りが自分と同じような人ばかりではなく、カラフルな様々な個性をもった人がいるのだということを再認識する作品。
その個性ゆえに生きにくさを感じている人もいて…自分はそんな色々を感じられるようでありたい、とか思う。
そして主人公家族の成長を楽しみに読んでいる。
次の作品も読もうと思う。
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「デフ・ヴォイス」シリーズの第三弾。シリーズの主人公の荒井のお仕事ものとしても楽しめるし、ろう者を取り巻く社会の側にある障害について知ることができる作品としても学びにつながる。また荒居一家に会いたくなった。
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デブ・ヴォイスシリーズ第三弾、色々と忘れていたけれど読みながら思い出してきた。
どんなことも自分や自分の周りにないことはなかなか考えたり感じたりすることは難しい。
もし、聴覚障害を持った子が産まれてきたら、人工内耳を入れるか…
遠く離れた家族に元気だと伝える手段が無かったらどうするか…
夢を持って進学や就職をしても差別や偏見があったら…
無自覚な偏見で差別的な言動や行動を自分もどこかでしてしまっているのではないか。この世界はまだまだ多数派に合わせてあることが多い。ひとりひとりの想像力と歩み寄りが大切なんだとあらためて感じた。
Posted by ブクログ
すっかりファンとなったシリーズ3作目です。
手話を取り巻く差別的な現状が伝わってきます。ミステリーなのでぐいぐい読んでしまい、考える間もなくあとがきまで行き着いてしまうところが悩みなくらい。
それでも4話目の法廷のさざめきのラストは鳥肌が立ちました。
私は恥ずかしながら難聴者の方と関わりをもったことがありません。一度、就労支援施設を見学した際に、発話に困っていらっしゃる若い方を見かけたくらいです。面接トレーニングをされていましたが、高度な内容を披露されていたので逆に驚きました。
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この逆に驚いた、というのがまさに差別の温床なのでしょう。作品内でも登場人物が同じように自問する場面が多々あります。
少しでも苦しみに共感できるように、これからも考え続けていきたいと思わされました。
それにしても、まさかここで七尾旅人さんのお名前を見かけるとは…。学生時代を思い出しました。
Posted by ブクログ
聞こえない世界に生きる人たちの葛藤や悩みがよく見える
聞こえない子どもを聞こえる世界へ導きたいと思うのは親のエゴなのか
子どもをありのまま愛することができるのか
親の持ち物ではないのだ
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耳が聞こえない人の世界ってこういう世界なのね、と自分の無知を恥じる。
短編がいくつか入っていて、どれも読みやすく勉強になり、時にハラハラしたり応援したり。
障害がある人、ない人、お互いに歩みよらないといけない。
私ももちろんそうだけど、息子には優しく共感力があり、器の大きい人間になってほしい。
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手話通訳士・荒井尚人の活躍を描く『デフ・ヴォイス』シリーズの第3弾。短編集だがストーリーは個々に独立していて連作にはなっていない。もちろん登場人物は被るし、尚人がその卓越した手話通訳技術で聾者を救済していくスタイルは変わらない。尚人の家族関係が少しずつ進化していくのも読みどころだ。どれも読み応えがあるが特に第三話の『静かな男』がしっとりと味わい深い。解説で触れているが、何森刑事シリーズが始まる布石となった作品のようだ。『デフ・ヴォイス』シリーズの方は第4弾が出ていて、まだまだ続きそうなので今後の展開が楽しみだ。
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日本手話と日本語対応手話があるのもはじめて知った。サイレントは見てなかったから私の中ではトヨエツで止まってた。親の立場だったらとても余裕がないだろうけど、手話の喃語とか手話を習得していく子どもたちが手でたくさん話す様子は見てみたい。
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シリーズ第3作。
手話通訳士荒井尚人はみゆきと結婚し、耳の聴こえない子、瞳美を授かる。
人工内耳を入れるかで悩む夫妻。
尚人と美和に囲まれ日本手話の世界ですくすく育つ瞳美。
家庭内でただ一人手話ができないみゆきは習得に焦る。
ろう者の中で健聴者は少数派となり、立場が逆転する。
指摘されてみれば当然と気付く。
電話が使えない、コミュニケーションが取れないがために起こる悲劇。
健聴者主体の社会でろう者に配慮するとはどういうことなのか。
それぞれの立場に寄り添う尚人の生き方に、何森刑事も感化されていく。
みゆきとの結婚でろう者である兄家族との交流が始まる。
社会に出て行こうとする甥司と、ろう者の姉となった美和。
それぞれの生き苦しさをわかろうとする尚人。
最後は尚人の人との繋がりが尚人と家族を救う。
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本が大好きなこから教えてもらいました。
私はサスペンスやホラー系ばかり読んでいたので、人気だったり教えてもらったりしないと、この手の感動本はあまり手を出さないのですが、面白かったです。
というか涙が出ました。
あと、ろう者という、耳が聞こえない人達がどのように感じてどのような悩みを持っているか、我々には想像つかない感情を少し知ることができたような気がして、今後の人生に役に立つような気がします。
1話から4話までありそれぞれ、耳が聞こえな人の人生に通訳者が関わっていき物語が展開するという、構成です。
私は、地方から東京にでてきたろう者の話が、その人物の気持ちを思うと苦しくて涙がこぼれました。
Posted by ブクログ
慟哭は…聴こえると思った。
聴こうとしないだけで、聴こうと思えば聴こえると。
声って、音だけじゃない。
こっちの鼓膜が震えて聞こえるんじゃなくて、心が震えて聴こえるもんだろう。
それは、そんなに難しいことなんだろうか。
前を歩いていた人がリンゴを落としたら、拾うだろう。
小さい子が1人泣いていたら、頭に手を置いてやるだろう。
痛がってる人がいたら、気にかけないか?
それは、そんなに難しい事じゃない。
誰だって気付いて欲しい
だから聞こえる声よりも
聴こうとする感性を大事にしたい。
Posted by ブクログ
自分が知らない世界が広がっている。
静かな男
の、親には心配かけまいと取り繕ってしまう優しさが泣けてしまう。
それでも報われないのが泣けてしまう。
ハンディキャップを持ってる人って、
生活か大変なんだ、
平等に生きやすくなるといいと思いつつ、
自分に余裕がない時に歩み寄ることがてきるのかと葛藤を抱いてしまった。
偽善っぽい自分の汚さを感じてしまった、、、
Posted by ブクログ
前に草彅君がやってたドラマの原作者でした。
最初はミステリーかと思って借りたのだけど、手話通訳として働く新井の手記というか「聞こえない」ことで日常生活に生じる聾唖者たちの苦労というか、不便さや健聴者との共存(大げさかな)の難しさなど書かれてました。
うーん。。。難しかった。ミステリーを読むつもりで借りたので、こういう社会問題提議的な話は予想外で少し読むのに時間がかかりました。
話は4話に分かれていて別の話だけど一貫性はありました。面白かったかというと。。。うーん。。難しかったとしか感想がでない。なんと言ってよいのか。。
3話のホームレスの話がよかったかな。
とある小さな島出身の聾唖のホームレスが、テレビ放送にわざと映り込み、田舎の母親へその土地でしか使われていない手話でメッセージを伝える。。しかし、母親の地域では放送していない番組で。。というなんともやりきれない話だったけど、最後には母親に希望を持たせて終わっててよかったです。
Posted by ブクログ
「デフヴォイス)シリーズ3弾。
みゆきと結婚し、娘が産まれた。だがその子は先天性の聴覚障害があった。
妊婦の手話通訳をした事を通して描かれる医療上の聴覚障害者への対応の問題。
モデルのHALとの仕事で感じた聴者が考える「手話通訳」の問題。
先天性聴覚障害者に対する治療の問題。
聴こえない事を「可哀想な事」と考える聴者の驕りのようなものが描かれていて胸が痛くなる。障害をもつという事について考えさせられる。