丸山正樹のレビュー一覧
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なんでも、そうだと思うのですが、当事者にならないと、その人の本当の気持ちは、わからないんだろうな〜と、思います
知る努力や、歩みよりは、できるけど、本当のところは、どこまで寄り添えるのかなぁと、考えてしまいます
Uber Eatsさんで、聴覚障害の方がいらっしゃったことがありました
聞こえる方だと、思っていたので、配達物の番号を聞くのですが、2度ほど聞いても、何も、言わない
?と、反応してしまったところ、スマホの画面で、番号を見せてくれました
あ〜、そうなんやって、気づいて
申し訳ない気持ちになりました
申し訳ないと思うことも、よくないのかな?とか
とても、難しいです
私達も、どこま -
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ネタバレ「デフ・ヴォイス」シリーズ3作目。
1 慟哭は聴こえない
新開のことから手話通訳を休んでいた荒井だったが、徐々に復帰。みゆきとも籍を入れ、兄の悟志家族とも顔合わせをする。そんな中、ろうの夫婦の妊婦検診の通訳を頼まれる。妊娠という女性のほうがいいのでは?という通訳に困惑する荒井だったが、医療通訳をしてろうの人々の正確な情報取得の困難さを痛感する。そんな中、甥の司が万引きで補導され、何森のいる署に迎えに来るよう電話が入る…
非常に傷ましい話。ろう夫婦の困惑とぶつけようのない嘆きと哀しみ。慟哭は聴こえない、はここから来たのか。自分の慟哭すら聴こえなくとも、あげずにはいられない嘆きが辛い。それを知る -
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2作目です。
最近のイチオシです。
今回は、ろうだけでなく
自閉症、緘黙についても取り上げられていた。
緘黙については詳しく知らないので、
そうなんかなぁーって思うだけだったけれど
ろう学校での教育や、
ろう者への取り調べについての部分は
人権無視のあまりに酷い有様で、
本当にこんなんなのか知らないけれど、
きっとそうだと思えてしまう、
なんて理不尽で不当な扱いを受けてしまうのだという憤り、
そういう事態を知らないことへの罪悪感を抱いた。
といっても私ができることも何もないかもだけれど、
巻末にあったセリフ
「特性はあっても、社会を生きるのに困難な状況がなくなれば、障害は障害ではない」 -
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つい最近NHKでドラマ化された、丸山正樹さんの「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 」。手話を学ぶ者にとっては必読の一冊ですが、それ以外にも丸山正樹さんは刑事物だったり社会はミステリーだったりと幅広い内容の物語を書かれています。その中でも、衝撃的で心揺さぶられる一冊が文庫化されました。
この一冊は4つの物語から構成されてます。事故によって重度の障害を負った妻を献身的に介護する夫、編集者の妻と将来の家について相談し悩む設計士、ネットの世界で独自の世界観と的確なコメントを綴る車椅子の男性、そして福祉の世界に興味を持ち真摯に取り組む女子大生。それぞれの物語が「人としての尊厳」や「人生の哀しさ」、「生 -
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ネタバレこの作品を読むまで結局自分は偽善的な
考えで身体障がい者のことを見ていたと突きつけられた気がした。
脳性麻痺の娘、息子を殺す母親にどこか同調してしまっていたと思った。
でもそれって彼女や彼からしたら自分の命を勝手に奪われることで、幸せか幸せじゃないかは他人が決めることではないと本当だと素直にそう思う。
この作品は一見ミステリーだと思うけど
そうじゃない。自分が知らなかったことを知るきだかけでもあったし、私自身だって健常者ではなくなるきっかけはいつだってある。だから他人事じゃないし、健常者に勝手に彼ら彼女らはこうだからと決めつけられるのはおかしいこと。
この作品を1人でも多くの人に読んでもら -
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丸山正樹『ワンダフル・ライフ』光文社文庫。
変わった構成の連作小説の形式を取っている作品である。『無力の王』『真昼の月』『不肖の子』『仮面の恋』という4つのタイトルを付けられた4組の男女の物語が3回ずつ描かれ、一見関係の無いように思えた4つの物語は『エンドロール』を経て、最後に1つの物語に帰結するのだ。
まるで裏と表の世界のように『エンドロール』に描かれたもう1つの世界。
東日本大震災と福島第一原発事故、新型コロナウイルス、障害者の人権と現代の様々な災害や問題を散りばめながら、人生を生きる意味を教えてくれるような深く重たい小説だった。
『無力の王』。事故により頸髄損傷という重度の障害